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「課題があるなら、新領域でも事業を作る」デバイスレンタルサービス誕生秘話

スタディストには、社員の誰でも挑戦できる「GENSEKI」という新規事業創出プログラムが用意されています。今回このプログラムを通じて事業化を実現したデバイスレンタルサービス。起案者であるマーケティング本部の坂野さん、Teachme Biz事業本部の吉丸さんに、プログラム応募のきっかけや事業化にあたり苦労したこと、今後の展望等を聞きました。

ーーーーまずは、サービスの具体的な内容を教えてください。

坂野:マニュアル作成・共有システム「Teachme Biz」をはじめとしたスタディストのサービスを導入していただくお客様向けに、モバイル端末やネットワーク、周辺機器(スタンド、イヤホンなど)、管理ソフトウェア(MDM)、補償等をセットで提供します。最短1ヶ月から、1台単位でレンタル可能な点が特徴です。

ーーーー事業アイディアを思い付いたきっかけはありましたか?

坂野:顧客訪問時に、マニュアルの閲覧環境に関する課題を発見したんです。バックヤードのPCでしか閲覧できない環境では教育が行き届かないという問題意識から、モバイル端末の導入を提案しました。しかし、大量購入は難しいという声を受け、少ない台数から気軽にお試しではじめられる「レンタル」という選択肢を見出しました。

吉丸:私は長らくカスタマーサクセスの役割を担い、800社ほどのお客様と関わってきたなかで現状の支援に限界を感じていて、新たな切り口を探っていました。坂野さんのアイデアを聞いて、これは良さそうだと思いましたね。

ーーーー事業化の過程で苦労したことは何ですか?

吉丸:社内調整の部分で思ったより苦労がありました。たしかに、これまでSaaSを主力事業としてきた会社が、突然在庫も持つビジネスをやるとなると、新しく決めなければならないことや調整ごとが沢山あります。管理部門の皆さんにも相当なご苦労をおかけしたと思いますが、とても助けていただきました。

坂野:私は通常業務との両立に苦労しました。少しでも両立しやすいようにおこなった工夫としては、新規事業の活動を既存の業務目標に絡めることです。例えば、「新規事業を通じてより多くの見込顧客へリーチする」とか。

ーーーーGENSEKIプログラムの存在は、今回の事業において役に立ったでしょうか?

坂野:一番は、社内で圧倒的に新規事業にチャレンジしやすくなったことですね。これまでは何かやってみたいことがあっても、起案のハードルが高かったように思いますが、定期的にGENSEKIへの応募タイミングがあることでやりやすさを感じます。

吉丸:定期的にベンチャーボード(役員へのプレゼンテーションの場)があることも、期間を区切って進められるので良いですね。

ーーーーお二人の役割分担はどのようになっていましたか?

坂野:基本的に、企画は二人で行っています。お互いが思いついたアイデアを共有し、「これどう?」とSlackなどでやり取りしながら考えを深めていきます。

吉丸:アイデアが固まってきたら、私が参考資料を作成したり、イメージを可視化して伝わりやすい状態にします。坂野さんは規約のドラフトを作ったり、オペレーションの基盤を作ったりしてくれて、そこに私がフィードバックをしています。一方で、私が作成した資料をチェックしてくれたりして。お互いの得意分野を活かしつつ、相互補完的な関係になっていると思います。

ーーーー素晴らしい連携ですね。意見の食い違いなどはないのですか?

坂野:考え方が違うことはありますが、お互いのスタンスを理解しているので、大きな問題にはなりません。「それぞれの考えがありつつ、今回はこうだよね」といった調整をしながら進めています。

吉丸:そうですね。私たちは共通して「お客様のためになること」を目指しているので、そこを軸に話し合えば、最終的には良い方向に進むと感じています。

ーーーー今回事業化までたどり着いたのは、どこが良かったのだと思いますか?

坂野:お客様視点の徹底ですね。「お客様がどう楽になれるか」を常に考え、サービスを設計しました。また、過去の類似サービスの失敗を分析し、改善点を洗い出したことも大きかったです。

吉丸:スピード感のある行動も重要でした。先行利用企業様で大規模な導入のご相談をいただいたのですが、その時は、1週間という限られた期間で提案から契約までこぎつけました。また、ある種の遊び心や自分たちも楽しむ姿勢を持ち、既存の枠組みにとらわれない発想を心がけました。

ーーーー新規事業に挑戦する人へのアドバイスをお願いします。

坂野:顧客と本気で向き合うことが重要です。本当に解決したいと思える課題を見つけることが、事業立案の鍵だと思います。

吉丸:日常的に顧客接点のない職種の人は、自分の業務や体験から着想を得ても良いかと。また、いきなり綺麗に整った事業を作ろうとせず、まずは手を動かしてみることが重要です。また、周囲の協力を得ることも忘れずに。熱意は人を動かします。必ず助けてくれる人が現れるはずです。

ーーーー最後に、今後の展望を教えてください。

坂野:デバイスレンタルは、通過点であり、手段のひとつに過ぎません。最終的には「お客様のビジネスの成功」を目指しています。そのために、SaaSを利用する上での環境の改善やより良い運用に必要なサービスなど、様々な課題に一つずつ取り組んでいく考えです。

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