スタメンでは、2025年12月1日〜25日まで note relay 2025 を実施していました🎄
今回はその企画の中で投稿されている記事を転載します。
スタメンの人や組織、事業など、リアルが詰まっている内容になりますので、ぜひ御覧くださいませ。
▍はじめに
こんにちは。スタメンでCAOを務めている中谷です。
CAOとはChief Administrative Officer。管理部門の責任者であり、経理や労務、総務、法務といったコーポレート領域を主に管掌しています。
ところで皆さん、ここ最近こんな言葉を目にすることが増えていませんか?
『経理や労務の仕事は、いずれAIに奪われる・・』
定型業務が多く、ルールに基づいて処理する仕事だからこそ、AIや自動化と相性がいい——そう言われれば、たしかにその通りかもしれません。
でも、AIが普及することは決してコーポレートの「価値がなくなる」ということではなく、「価値を発揮する場所が移動している」、そんな感覚だと私は思っています。
この記事では、成長企業の少数精鋭コーポレートチームが、AIとどう向き合い、そして自分たちの価値をどこに見出していくのかについて、この一年を振り返りながら書いてみたいと思います。
▍少数精鋭で回してきたこれまで
まずはじめに、2025年12月現在のコーポレート部門の体制をご紹介します。
- 経理 / 財務領域:社員3名、業務委託2名
- 人事労務 / 総務 / 法務領域:社員3名、アルバイト2名
現在のスタメングループは、株式会社スタメンと、子会社である株式会社スタジアム、株式会社STAGEをあわせると正社員が約200名、アルバイトが約40名といった規模感です。
一般的に管理部門の人員数は組織規模に対して10%程度が目安と言われる中、私たちは正社員6名で、グループ会社も含む3社のコーポレート機能をセントラルで担い、少数精鋭で運営してきました。
人数が限られているからこそ、これまでも業務設計には徹底的にこだわってきました。
「コア業務」と「ノンコア業務」を徹底して切り分け、後者のような単純作業のものは全てマニュアルに落とし込み、業務委託やアルバイトさんのリソースを最大限活用することで、単純に社員を増やすことなく、メンバー個々人のスキルレベルを高めながら業務を回せる体制をつくってきました。
「人を増やさず、コストを抑えながらどう運営するか」は、これまでも常に向き合ってきたテーマです。仕組み化や分業を推し進めながら、滞りなく業務を遂行することに注力してきました。
▍事業と組織の急成長が突きつけた限界
一方で、有難いことに事業と組織はもの凄いスピードで成長を続けています。これに伴って、現体制での業務の限界を感じる場面もこの一年で増えました。
特に、月次と四半期の締めが重なるタイミングや、月末月初に申請が一気に集中する時期は、リソースのバッファが無く、ギリギリの状態で作業に追われるようになってきました。
短期間に大量の稟議や支払申請が上がってくると、処理そのものだけでなく、確認や差し戻しのコミュニケーションも含めて負荷が跳ね上がります。
業務委託を活用していても、委託先の稼働にブレがあるときや、体調不良等で社員の予期せぬ欠勤が生じたときには、当然ながら誰かがカバーに回る必要があります。
加えて、上場企業として会計処理や労務対応における漏れやミス、不整合は絶対にあってはならないことです。
そのため、最終的なチェックや責任は社員に集中し、どうしても「人に依存した構造」になっていました。
月末や四半期をメンバーが乗り切ってくれるたびに、「このやり方のままで今後も本当に耐えられるのか」と改めて向き合うようになりました。
▍AI活用は「選択」ではなく「前提」
そんな中、今期は会社としてもAI活用に注力していく方針となったこともあり、社内では様々な部署で自発的にAIを使ってみるといった動きが活発になりました。
業務外の時間にAIに詳しいメンバーに相談するといったシーンも昨年と比べると増えたように思います。
実際、コーポレートの中にも、もともとAI活用に意欲的でいくつかのツールを自ら試したり、小さな自動化に挑戦したりと、自己研鑽に取り組むメンバーがいました。
日々の業務に追われるなかでも、このように新たなことに挑戦する姿勢はとても頼もしいですし、"スタメンらしさ"を体現してくれていることを誇りに感じる一方で、その過程でいくつかの壁にもぶつかりました。
「そもそもどのツールを選ぶべきか分からない」「とりあえずやってみたこの設計が本当にベストなのか不安」など、自分で集めた情報だけでは確信が持てない場面が多々発生。また、
途中でエラーが起きたときに「何が原因なのか分からない」「どう修正していいか分からない」と、お手上げ状態になることもありました。
個人の頑張りや学習意欲はとても大切です。一方で、専門外の領域をそれぞれが手探りで進めることが、会社全体で見たときに果たして最適かというと、必ずしもそうではないと感じるようになりました。
そこで、AI活用に意欲的なエンジニアメンバーとコーポレートメンバーとでタッグを組み、「AI推進プロジェクト」を正式に立ち上げることにしました。
事前に経営陣とも合意し、エンジニア側の目標設定にも「コーポレートのAI推進」の項目を組み込んだことで、決して「片手間」ではない推進体制をつくり、メンバーに対しても「業務として」向き合う目線合わせが出来たのは大きなポイントでした。
プロジェクトの最初にやったのは、日々の業務の中で「自動化できたらいいな」と思うものを一旦すべて書き出すことです。この段階ではやり方のイメージがなくても大丈夫で、とにかく理想ベースで書き出すようにしました。
こうして業務を棚卸しすることで、日々当たり前に行っている業務を一つずつ分解し「なぜそれを人がやっているのか」を各自が問い直すことができました。具体的には、以下のような成果が生まれています。
▼実際にAI活用に移行できた作業の例
本格的なAI活用に取り組み始めたこの一年ですが、今時点で既に成果も数多くあります。
たとえば経理では・・・
従業員から提出された証憑(請求書や領収書)に対して、PDFを任意のGoogleフォルダに規則に沿って自動格納&タイトルを命名、そこから稟議番号をトリガーにして、稟議データベースのスプレッドシートへその情報を自動で返すことで証憑提出漏れのチェックを自動化。格納されたPDFからは内容を自動で読み取ることで、振込データや仕訳データの作成を自動化。
さらに会計帳簿データとも照合させることで、会計処理の漏れチェックの自動化も実現、といった一連の仕組みを整えました。※詳細は図をご参照ください。
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これによって、業務委託の方の手作業や、最終的に社員の目視チェックが残っていた部分のほとんどを、AIで自動化することができるようになりました。
(会社によって業務フローや既存ツールなどの前提条件が違うので、一概に参考には出来ないと思いますが、こういった具体の取り組みにニーズがあれば、また別の機会に詳しくご紹介できたらと思います。)
▍成長と隣り合わせで増えていく「人の仕事」
このようにAI活用や自動化を導入できたことによって、これまでの定型的な処理や転記、データ連携といった作業は大きく効率化でき、着実に前進できている実感があります。
また、このプロジェクトを最前線で進めてくれたメンバーにとっても、設計から実装までの経験を通して大きな成長を得られた良い機会になったと思います。
しかし、ここでひとつ思うことがあります。それは、
「AIで業務を効率化できた」とか、
「AIを活用できる側の人間になれた」という、
ただこれだけが、本当にコーポレートの価値なのか、という問いです。
我々スタメングループでは、YoYで40%近い売上高成長率を維持し、今後も非連続な成長を目指し続けています。もっと多くのお客様に私たちの事業の価値を届けるべく、事業サイドは日々様々なチャンスを模索しながら営業活動をしています。
この一年に関して言うと、いわゆる「事業開発部門」が立ち上がり、これまでのプラットフォームだけではない周辺売上が本格的に生まれたり、「アライアンス部門」が飛躍的に成長し、直販以外の新たな販売チャネルの開拓やOEM提携が進むなど、大きな変化が生じています。
そのスピード感ゆえに、SFAでの管理が十分に整う前から、情報がまずチャットでライトに共有される状況が生まれています。
事業部ごとに「とりあえず作った」スプレッドシートやドキュメントが複数存在し、受注後の処理は一旦後回しになることも少なくありません。
この状況が悪いわけではなく、むしろ成長フェーズでは自然なことだと思っています。
ただ、そのままにしておくと、情報の連携漏れや認識のズレが起きやすくなり、会計や管理の観点ではリスクが高まります。
どの情報を、どのタイミングで、どの粒度で誰が拾うのが現実的か。こうした判断は、事業部の動きを理解したうえで慎重に考える必要がありますし、AIに任せることはできません。
事業が成長すればするほど、「人が考え、部署を横断して設計する仕事の重要性」が増していくことを日々実感しています。
▍変わらず守りぬきたいスタンス
成長企業のコーポレート部門に身を置くものとして、私が特に意識しているのは「攻めと守りのバランス」です。
立場上、どうしても「現場を管理すること」が仕事になりがちです。「ルールを決め、守らせ、統制する。」気がつくと、それ自体が目的になってしまっていることに自分でもハッとする瞬間があります。
スタメングループにおいて、上場企業としてのガバナンスを守ることが私のCAOとしての最重要使命ですが、それによって事業のスピードを落としてしまうことは決してあってはなりません。
ガバナンスをしっかりと担保しながら、同時に事業成長を後押しする。それが私に求められている役目であり、コーポレート部門のメンバーにも大事にしてほしい視点です。
だからこそ、事業のスピードやフェーズに合わせて、「やりながら柔軟に変えていく」ことも日ごろから意識しています。
事業部に寄り添いながらその時点での最適解を探し続ける「攻め」と、最終的に上場企業としてのガバナンスをきちんと担保する「守り」、その両立こそがコーポレートに求められている真の価値だと信じています。
▼例えば以前、こんなことがありました。
アライアンス事業部において、既存のパートナー契約とは別で、期間限定のキャンペーン施策を新たに複数パターン実施したい、しかも今すぐにやりたい、というニーズが生まれました。
キャンペーンの適用条件を明確にするため、本来であれば覚書を作成し、双方で捺印するスキームを取るのが理想です。
ただ、そのまま適用すると、現場のスピード感が落ち、事業部にもパートナーにも大きな負荷がかかってしまうことが想像できました。
今回のキャンペーンはスピード感が何よりも重要で「可能な限り手間なく早く始められるかどうか」が成果に直結する状況でした。
そこで今回は、覚書の締結という形式にはこだわらず、覚書と同等の効力を持たせる形でGoogleフォーム上で条件の提示と同意をセットで行うことを選択。
エビデンスを押さえることと、必要な情報を効率よく回収するフローを同時に設計しました。形式は簡略化しつつも、「誰が・いつ・どの条件に同意したか」が後から確認できる状態は担保しています。
さらに、顧客紹介報酬が通常のパートナー契約に基づくものなのか、キャンペーン条件が適用されるものなのかを、経理側がスムーズに把握できるよう、スプレッドシートで一覧管理する仕組みも同時に整えました。
この設計段階で最低限のポイントだけしっかり押さえておけば、後工程の作業(この例で言うと、管理するスプレッドシートへの情報収集を効率化したり、事業側が記載したキャンペーンに対して本当に適用条件を満たしているかをチェックする、など)は人の手を介さずAIに任せる、といったように上手く分業することも可能です。
上記はあくまで一例ですが、現場のスピードを止めず、後工程でも混乱が起きないように調整していく。そして作業に忙殺されず、円滑にその仕組みが機能するよう、AIというパートナーを最大限に駆使する。
このサイクルを最速で回し続けることこそが、コーポレートの本質であり求められる実務だと考えています。
▼責任者として肝に銘じていること
ただし、ビジネスサイドへの寄り添いだけが正義とは限らないということは補足しておきます。
事業部に寄り添い過ぎるあまり「なんでも良いよ良いよ」と受け入れたり、例外や新ルールを作りすぎるのはもちろん良いことではありません。
どこまで柔軟に受け入れ、どこから線を引くのかや、どこで人が絡んで、どこをAIに任せるのか。そのバランスを見極め、判断し、責任を持つことは、コーポレート責任者として特に大切にしている点です。
他部門と自部門(コーポレート)の双方の視点を理解したうえで橋渡しをしながら、全体で見たときの最適解を見出すこと。そして「今はこれでいく」と判断し、責任を持つこともコーポレート責任者の重要な役割だと考えています。
▍まとめ
このnoteを書きながら大事にしている考えや在りたい姿をあらためて言語化できた気がします。
- AIによって、できることは「徹底的に型化」していく。
- そのうえで、「人にしかできない判断や設計」にきちんと価値を置く。
- そして、「事業がどう成長していくか」という視点で捉えアップデートし続ける。
AIが進化するほど、経理や労務の仕事は減るのではなく、より本質的なものに近づいていくのだと、この一年を振り返りながら強く感じたとともに、来年もこの変化を楽しみながら、チーム一丸となって会社の成長を支えていきます。同じような挑戦をされている方々と、ぜひ知見を共有できたら幸いです。
▍最後に…
ここまでご覧いただきありがとうございました。
常に挑戦し続けるスタメンのコーポレートの姿が少しでも伝わったら嬉しく思います。
さらなる自己成長を求める方や、私たちと同じ方向を向いて働ける方は気軽にご連絡をいただけると嬉しいです。
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