スパイスファクトリーは2025年5月に埼玉県さいたま市荒川沿いにある塚本郷の田んぼオーナーとなりました。ITスタートアップが田んぼ?と驚かれる方も多くいました。今年の6月に選抜メンバーで里山水田で田植えを行ったので、その様子を写真と共に振り返ります。
~プレスリリースはこちら~
目次
さいたま市の塚本郷ってどんなところ?
さて、いざ田んぼへ!
~アンケートから抜粋した参加者の声~
最後に
さいたま市の塚本郷ってどんなところ?
さいたま市の西の端、荒川堤外地(堤防の河川側)に広がる、塚本地区。都心から、わずか22kmの位置にあるこの地域は、荒川中流域の原風景が広がる、さいたま市内最後の里山の一つです。
この地域には条理遺構が確認されており、古く奈良時代(1200年以上前)から水田での稲作が営まれてきました。荒川や入間川の氾濫原では、川が運んだ土が積もった微地形をうまく活かして田んぼが配置され、水路から田んぼ、田んぼから田んぼへと水が流れていきます。
地区内には、古い河川跡や、雑木林などもあります。また、かつて人が住んでいた頃に土を盛って家を建て屋敷林がそれを囲んでいた「水塚(みづか)」の跡などもあります。市の指定文化財に登録されている薬師堂や、小さな神社なども残り、かつての集落としての面影を残しています。
そんな環境のなかでは、今もたくさんの生きものたちが息づいています。田んぼと雑木林などが連続してつづく場所にしか生息しないニホンアカガエルや、春に地面を埋め尽くす絶滅危惧種のノウルシ、メダカやドジョウといった、かつては当たり前のようにいた生きものたちが、今も生息しています。
引用:塚本郷Re農vationプロジェクトWebサイトより
この土地を残そう、活用しようと取り組まれているのが「塚本郷Re農vation」であり、スパイスファクトリーはご縁があって、2025年5月に里山の田んぼオーナーになりました。里山水田は、地域固有の生態系を維持しながら、生物多様性を重視した管理が行われるため、私たちはこの取り組みに共感しました。
※国立環境研究所のWebサイト参照
この取り組みはただの福利厚生でも、SDGsだけでもない取り組みです。特にチームアップに役立つのではないか、ということを参加メンバーがそれぞれ考えるというのが今回の田植えの主題でした。
荒川土手から見た塚本郷の全景(6月時点)
塚本郷Re農vationを推進している安部さんから塚本郷の説明も聞きました
田んぼまでの道のりも、立ち退いた家屋があった場所が竹藪になっていたり、歴史のある薬師堂があったりと、とても都内近郊の場所とは思えず、非日常の体験でした。トンボやタニシの卵などの生物もたくさんいたのが印象的でした。
あぜ道をいくと竹のトンネルなどもあり童心に返ったような感じがしました
薬師堂で塚本地域の歴史を聞く様子
さて、いざ田んぼへ!
その後、田んぼへ案内いただき、植える苗を見せていただきました。
今回の苗は「にじのきらめき」※という品種で、高温に強く、収穫量も安定している品種です。
※にじのきらめきについての詳しい説明はこちら
思いのほか、1.5反は広かったです…!
こちらが「にじのきらめき」の苗
そして、苗をもってそれぞれ田んぼの中へ!泥に足をとられそうになりながら、1列に並びます。均等に苗を植えるための目安にするロープを張ってその赤い印を目印に、30センチ間隔で植えていきます。30センチ開けないと除草の機械が入れないそうです。
ロープを引っ張りながら反対まで歩いていきます
田んぼに入っていく様子。かなり泥が細かく不思議な感覚でした。
そして声をみんなでかけ合いながら、順番に植えていきました。自然と大きな声で「次、行きまーす!」とかけ声がでたり、「そこ、届かないので植えてほしいです」とメンバー同士のコミュニケーションが生まれていました。役割も、ロープを引っ張るだけでなく、苗を配る人も自然と自発的に決まり、順調に植えていくことができました。
実際に植えている様子はこちらの全景が見えるドローン撮影動画もご覧ください。
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最初はどう植えていいのかなど戸惑っていましたが、午後からは慣れたことと、声かけなどもみんなで積極的に行ったことにより、スピードアップしました。
午後の田植えの様子(写真提供:塚本郷Re農vacation 安部様)
ただ残念なことに雨足が強くなってしまい、風も吹いてきたため、午後の途中で田植えするのは断念し、予定より早めに切り上げました。
ただ田植え体験は参加したメンバーの満足度は高く、今回企画してやってみて良かったと感じる内容でした!
メンバーの声も入っている田植えに関しての振り返りラジオもぜひお聴きください。
~アンケートから抜粋した参加者の声~
- チームビルディングに役に立つのかな?と最初は思っていたけど、列を乱さずに植えるというミッションに対して、声を掛け合いながらひとつひとつ改善して進めていくのは、チームビルディングに効果ありそうだなと思った。あと、普通に楽しかった。
- 普段業務でしか関わらない人柄とは違う一面を知ることができて興味深かった。
- 全員が同じ作業に取り組む中で、自然と周囲の動きを見て自分の役割を選ぶという流れが生まれていたのが印象的。
- 業務を離れたコミュニケーションの場としては、非常によい機会だったと感じました。全社員で参加したら、本当によいコミュニケーションの場になりそう。
- 入社直後の人たちには参加してもらうのが良いと思います。 キャリアが長い方は自身のやり方や考え方がしっかりしているので、その個性を活かして会社にフィットしてもらうのに、このアクティビティは有効なのではと思いました。
最後に
今回実際に塚本郷へ行き、田植えをしたことで、やってみないと分からないという感情が強く沸き上がり、今後、秋ごろに発生するイベント「稲刈り」に向けても何かしらできるのではと実際に行ってみて感じた部分もありました。アンケートでも声が上がりましたが、いつかはクライアントの皆さまや社内メンバーのご家族なども呼んで、みんなで田んぼと関わっていくのも楽しそうです。ただお米が配られるのではなく、継続的に里山の地域に関わり、活動することで意味がある活動にしていけるのではないかと感じました。
今回は初めての田植えのレポートでしたが、今後のアクティビティについても随時、noteやSNSでアップしていきたいと思います。
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田植えが終わった時点の田んぼの様子(6月時点)収穫が楽しみです!(写真提供:塚本郷Re農vacation 安部様)