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【インタビュー#5】"宇宙を身近に"を実現するCGクリエイターのスペシャリスト | 石川元太さん

みなさん、こんにちは。スペースデータ採用担当です。

スペースデータで活躍するメンバーがどんな経験を持ち、日々どのような仕事に取り組んでいるのか、その一端をお伝えするために、社員インタビューや対談インタビューをお届けしています。

本日は、スペースデータでCGクリエイターのスペシャリストとして活躍している石川元太さんへのインタビューです。

動画制作やプログラミングをなんと独学で学び、さまざまな経験や知識をすべて今に繋げている石川さん。「常に自分を超越する」という信念を持ち、スペースデータでさらなる挑戦を続ける石川さんをクローズアップします。


【プロフィール】
CGクリエイター
石川 元太(いしかわ げんた)さん 
独学でITスキルを学び、2019年に株式会社ゲンズを設立(現:CG制作会社)。
趣味の動画制作を進めていく中でBlenderに出会い、CG制作スキルを習得。2022年に自社内でCG事業部を立ち上げる。自身はCGアーティストとして地元群馬県を拠点に活動中。県内各所を3D制作し、メタバースやゲーム、映像で地域活性化を進めている。
伊香保温泉や尾瀬高原のメタバース化、高崎駅のフォートナイトマップなどを公開。
長年構想してきた小説をもとにしたCG長編映像作品「DAWN STORY 仮想グンマ編」も現在制作中。
2024年にスペースデータの宇宙デジタルツイン技術チームとして3DCG周りをメインに参画。


── 本日はよろしくお願いいたします。石川さんのことは、みなさんが”ゲンさん”と呼んでいるのが印象的なのですが。

よろしくお願いいたします。はい、そうなんです。もしかしたら”石川さん”と言ってもピンとこない人がいるくらい、”ゲンさん”、”ゲンちゃん”と呼ばれています。

2019年に、オカン世代にももっとわかりやすくITを伝えていきたい、という思いから自身でも起業をしたのですが、その会社名もその名のとおり”株式会社ゲンズ”です。

初めてのMyパソコンは小学5年生。
Wifiのない環境で知識を身につける

── 幼いころからパソコンが身近にあったと伺いましたが、背景を教えていただけますか。

僕は長野で生まれ、5歳から群馬に住んでいるのですが、父親がゲーマーだったこともあって、まだ今のようにパソコンやゲーム機が家庭に浸透していないときから、身近にあったんです。最新のゲーム機はだいたい家に揃ってる、みたいな(笑)。

小学校5年生のときに、初めて自分のパソコン(当時はWindows Me)を買ってもらったんです。一人っ子で一人遊びの時間が多かったこともあって、その頃からとにかくパソコンやゲームに没頭していました。

そのときのパソコンで、レゴブロックを使って映像を作れるソフトを買ってもらって、自分で世界を作ったり、友達とコマ撮りなんかをしてショートムービーを作ったりしていました。
それが僕の映像制作の原点ですね。

中学のときにノートパソコンを買ってもらったのですが、そこでオンラインゲームにハマっちゃって。ただその当時はまだ誰もまわりでパソコンを持っていなかったので、エラーとかトラブルが起きても、自分で解決するしかなかったんですよね。
当時”ググる”なんて言葉もまだなかったですし、Wifiもなく、無線LANを使ってインターネットを駆使していた時代だったので。
とにかく自分で調べまくっていたことで、パソコンのスキルはそこでほぼ習得しちゃいました。中学生でオンラインゲーム仲間と東京でオフ会を開催してしまうくらい(笑)。

そんな生活だったので、中学時代は勉強とか全然しなかったんですよね。
高校受験にもまったく興味がなかったんですけど、親に一応受けたら?と言われて。
僕はゲームをしていたこともあって、元々脚本とか小説を書くのが好きで、受けた高校に作文試験があったのですが、そこに受かっちゃったんですよ(笑)。
で、仕方なく進学したのですが、相変わらず勉強には興味がなかったので、高校生活はうまく続かず。

その後、工場に務めることになったのですが、その工場がたまたま電子回路などを専門としていたんです。ロボットとかも作れたので、それはそれで面白くてハマっていったら、知識もどんどん増えて会社で責任のある立場になっちゃって。でも、自分のやりたいことは、ここではないと思って辞めてしまったんです。

映画「アイアンマン」を観て
新たなスキルに目覚める

── そこからどうして今に繋がっているのですか。

僕は映画が大好きでよく観るのですが、ちょうどその頃「アイアンマン」を観たんです。
そしたらガツンと頭を叩かれるような衝撃を受けて。
サポート人工知能を持ったあの主人公になりたい!って本気で思い、どうしたらなれるんだろうと真剣に考えるようになりました。

その頃の僕はパソコンのスキルはあったんですけど、プログラミングのスキルはまったくなくて。とりあえず頭のいい友達に連絡して、あのプログラマーになるにはどうしたらいいのかと(笑)。

友達からのヒントでC言語を学ぶことを知り、すぐ本屋にダッシュして分厚い本を買い、2週間くらい引きこもって勉強しました。
結果的にテトリスみたいなゲームは作れたんですけど、自分が作りたいのはこれじゃないなと。

でもそこでしっかりプログラミングの基礎を勉強したことが吉となり、応用がきくことがわかったので、他の言語を使ってWindowsのソフトウェアを作ってみたんです。
それが、当時まだWindowsにはなかった音声認識機能を使ったもの
聞き取り具合は今に比べてまったく良くなかったんですけど、自分で改造してパソコンと会話ができるようにして。
できたものを電子回路と繋げて「扇風機つけて」と言ったら、なんと動いた。
そう、今でいうアレクサの仕組みですね。もうかれこれ11年前の話ですけど(笑)。

↓当時のYouTube:「WindowsのSpeech APIでSiriみたいなプログラムを作ってみた」

学歴を超えて
自らの経験だけで就職成功

── ここにアレクサを10年以上前に作ってる人がいたのですね(!)

あはは、当時もっと精力的に動いて、お金を持っている人に出会っていればよかったですかね(笑)。
でもそのソフトが出来上がったことで、今までの自分の経験が点と点で繋がって。
これは他にもイケるなと思い、実家の和室を「電気つけて」と言ったらつくようにしたりとか。色々実家で試しまくっていたので、当時実家がかなりスマート化されました(笑)。

そのあと就職を考え、群馬でITを扱う派遣会社を見つけたんですけど、大卒しかダメって書いてあって。
でも僕が作ったソフトを見せたら中卒の僕でも入社オッケーになったんです。

そこで5年ほど働いたのですが、やっぱり相変わらずアイアンマンになることを夢見ていて。

アイアンマンはヒーローだし、かっこいいから、僕も社長になろう!って(笑)。
で、会社を起業するから辞めますと伝え、勢いで起業しました。

勢いで起業したもののITでは苦戦。
リフォーム業から道を切り開く

── アイアンマンを追いかけ、ついに社長になられたんですね。

当時は個人事業主だったんですけど、群馬という土地で、IT業種で個人事業主でやっていくのはなかなか難しくて。実は全然仕事がなかったんですよね。
仕方がないので、若いころ現場職をしていた経験を活かして「リフォームをします」というチラシを自分で作って、その隅っこに「ホームページも作れます」と宣伝。
そのチラシを自分でバラ撒きまくったところ、会社のリフォームの仕事が何件か取れたんです。
そこで内装工事をしながら、そこの会社の方に、ホームページとか作ってますか?と自ら営業して。そうしながら実績を増やしていったんです。

その傍ら、趣味で動画制作のスキルは上げていたので、会社の営業資料にはリフォームやホームページ製作、こんなアニメーションも作れます、と載せていて。
友達には「おまえ何屋なんだよ」と言われましたけど(笑)。

そのあと知り合いのIT会社の外部役員になり、その会社で電話の自動応答対応機能も自分で作ったりとかしていたんです。
そうして個人事業と会社の売上を伸ばしていくなかで、5年前に会社を法人化。

今は6期目なんですけど、実はずっとホームページ製作がほとんどで、動画製作は1割くらいだったんです。当時から僕はもっと動画をやりたいという気持ちが強くて。

自分が書いた小説をVR化。
そこから仮想世界に目覚める

── 趣味で続けていた動画製作がやはりお好きだったんですね。

そのころ、色々疲れてちょっと気持ち的にも落ちていたんですけど、そのときに癒やしを求めて思いついたのが、自分が書いた小説を映像化すること。

実は僕、高1の頃からずっとSFファンタジーの小説を書いていて、アマゾンで本も出版しているんです。

↓小説「夜明け前の世界」(Kindleのほうがリメイク作)

夜明け前の世界
読め! そして命の限り闘え! ! ――光の力の均衡が崩れ、地球の平和が脅かされている近未来。高校生のゲンは突然授かった不思議な力で、世界を滅亡へと導こうとするハンター達と対峙することになる。しかし女友達のチナが世界を救う「鍵」であると知り、彼女を守ろうと仲間達と共に死力を尽くすが、ゲンの身にも異変が起こり――! ? エキサイティング・SFアクション。
https://amzn.asia/d/3FMogX1
Amazon.co.jp: 夜明け前の世界: 第1部 上 ヨアケマエノセカイ 電子書籍: ゲン: Kindleストア
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https://amzn.asia/d/7EaNdwo


この小説、実は超大作で、本の内容は一作目なんですけど、本当は七作まであって。
当時無料のホームページに掲載していたのですが、それがいきなり全データが消えるというトラブルにあっちゃって。
残っていたデータをなんとか修復して出版したのがこの本なんです。

この小説のなかに、自分の好きな風景が出てくるんですけど、ちょうどこの頃VRが流行ってきたころだったので、もしかしたらVRでその風景を作れないかなと思い。
そこでCGをやってみるかという気持ちになり、自分でその風景を作ってVRかけたら世界が作れてしまった。
これが仮想世界か、すげー!となり、病んでいた気持ちも吹き飛びました(笑)。

そこから趣味が講じて、CGがんばってみようと意気込み、一度仕事を全部キャンセルして3ヶ月くらいこもって、CGでモデリングしたり、アニメーションを作ったりしていたんです。
そこでできたのは、群馬にUFOが攻めてくるという、3分くらいの映像です。(現・メタグンマ帝国)

↓メタグンマ帝国 襲来編[群馬 ver2.0]

この映像をたまたま群馬県知事が見てくれたみたいで、お会いした時に褒められたんです。

この頃ちょうどメタバースが流行ってきたので、だったら流行りを取り入れたアニメーションを作ろうと思い、ちゃんと会社で事業にしようと、社内にCGチームを作りました。
CG業界は奥が深く、ゲーム、アニメーション、メタバースとさまざまなことに挑戦しています。

↓自主制作中のアニメーション作品[DAWN STORY 仮想グンマ編]

実はこの作品はブレンダーというCGソフトを使っているのですが、これが無料のソフトなんです。
クリエイティブに興味がある人が、がんばれば誰でもこういう映像を作れるというお手本にもなれればいいなと思っています。

その後、群馬の伊香保温泉を盛り上げるために、メタバース化したいというプロモーションをお手伝いすることになり、伊香保温泉を3Dで再現したり、もともとCGで作っていたオリジナルの高崎の街をフォートナイトに落とし込んだりしていきました。

ちょうどそのフォートナイトが開放されたときに、スペースデータの佐藤さんからDMで連絡をいただいたんです。

スペースデータ・佐藤さんからの依頼は
なんとあのモデリング!

── さまざまな経験を経て、ここでやっと佐藤さんに繋がるんですね。

佐藤さんのことは元々知っていたのですが、突然DMをいただいたときはびっくりしました(笑)。

スペースデータさんが公開していた新宿のデータでフォートナイトを作ってほしいと依頼をいただいたんですけど、チームの皆で盛り上がりましたね。

おそらく佐藤さんは他の方にも依頼されていたと思うんですけど、うちはかなりストーリーを持たせたものを製作したのでびっくりされたんじゃないかと。
(だいぶうちのチームだけ異色なマップでしたし…)

↓フォートナイト映像

その後、今年の3月にまた佐藤さんから連絡をいただいたんです。
あまり資料がないけど、映画で使えるようなレベルのモデリングをお願いしたいと。
僕のチームはリアルテイストの映像が得意だったので、この依頼を喜んでいたのですが、なんとその依頼は、ISS(国際宇宙ステーション)のモデリングだったんです。

地上を想定していたので、これにはびっくりして。
実際ISSを見たことないし、想定もできないし、もちろん宇宙なんて行けないし・・・。

2ヶ月でISSの船内を、映画で使えるレベルの高解像度でモデリングしてほしいという依頼。
やらせてください、と返事をしたものの、ここからISSに関してはものすごく勉強しましたね。

そもそも今まで宇宙ステーションがあるというのは知っていましたが、ISSという名前すらよくわかっていなかった状態。
そんななかでのモデリングたっだので、まずISSの船内マップなど手に入る資料を全部集めて、船内のパネルごとに分解して、チームで各担当を決めて。
JAXAから全体のモデルデータは入手できたので、それと照らし合わせながら設計していきました。

佐藤さんにはポリゴン数(3Dモデルを構成する単位のことで、その数値によってパフォーマンスが異なる)を気にしないでくださいと言われたので、最高級にリアルを作ろうと意気込んで作りました。(のちに修正を加える)

メンバーがそれぞれパーツ毎に作り上げたので、完成映像ができあがったときには、本当にこれが自分たちで作った映像なのかと、チーム内でも感動しました。

こんな新しい分野にチャレンジをする機会をくれた佐藤さんにはとても感謝していますね。

スペースデータの一員となり
未知だった宇宙に愛着が湧いてきた

── スペースデータでは優秀な技術チームの一員の石川さんですが、この会社で感じていることを教えてください

とにかく畑違いの優秀な人たちが集まっていることですね。
やや変わった人も多いですが、”変人=天才”だと僕は思っているので(笑)。

僕みたいに宇宙とはまったく関係のなかった人もいるのに、それぞれのスキルが合わさるとすごいものができるということを実感しています。

そして、宇宙にまったく興味がなかったのに、今ではとてつもない愛着がわいている。
あのISSができたことで、まだ行ったこともない宇宙で、色々やってみたいという思いが日々増えています。
僕はゲーマー出身だからこそ、仮想世界のなかで、どんどんエンタメ的な遊びも取り入れていきたいと思っているんですよね。デジタルだからこそ、実際にはできない体験もできると思っていて。
スペースデータではちゃんと宇宙の専門家もいて、なんでこうしたらこうなるかという物理的な見方で裏付けすることができる。

「宇宙」というカテゴリーは学校の授業にはないですが、スペースデータでは視覚的な表現ができるので、次世代の教育コンテンツを作ったり、子供たちに宇宙の知識が広げるきっかけやメッセージを発信していきたいなと思っています。

── まさに代表の佐藤さんが掲げている「宇宙を身近に!」ですね。

そうですね。スペースデータでは「宇宙の民主化」も掲げていると思うんですけど、本当に宇宙という憧れの世界がリアルになる日は近いと思うんです。

一つの組織として目指したら偏ってしまうかと思うんですけど、スペースデータのこれだけいろんなメンバーが揃っているからこそ実現できると思います。
僕はエンタメに強いですし、さらには宇宙チームも地上チームも両方ありますし、全員が集まれば全方向にいけます。

世界、そして宇宙をデジタル化するー
そんな新未来がスペースデータにはある

── 最後に、スペースデータに興味を持ってくださっている方にメッセージをお願いできますか。

自分の経験から振り返ると、やっぱり好きなことはどんどん追求していくと、良い仲間と繋がっていけると思いますね。
なので、今興味があることはとにかくやってみると良い、と世界中の人に言いたいです(笑)。

僕の場合、キャリアでいうとすべて独学なので、型というものはないのですが、しっかり学んできた方より、近道をしている場合もあれば、遠回りをしていることもあるので、色々な技術者と会って話をすることを大事にしています。
社内ではさまざまな知識を持っている方が多いので、本当に学びが多いですね。

そしてスペースデータという会社は、ひとつのインフラになり得るような素晴らしいコンテンツ力を持った会社なので、ぜひ会社にも、事業にも注目してほしいです。
この世界をデジタル化するということは、今後必要なことだと思いますし、人類の技術がそれを可能にするレベルまで到達したと思っています。

宇宙で手軽に遊べる日がくると思うので、ぜひ楽しみにしていてください!




最後までお読みいただきありがとうございました!次回のインタビューもぜひ楽しみにお待ちください。

スペースデータでは、様々なポジションで募集を行っております。詳細は求人票にてご確認ください。皆様からのご応募を心よりお待ちしております。


地球デジタルツインクリエイター
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「宇宙をインターネットのように身近に。」 スペースデータは、衛星データとAIを使って地球や宇宙の環境をデジタルで再現する「デジタルツイン」と、宇宙ロボットや宇宙ステーション用のOS(オペレーティングシステム)の開発に取り組んでおります。具体的には、衛星データとAIを使って地球をデジタルで再現する技術、月面や国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙環境をデジタルで再現する技術、汎用的な宇宙ロボットのソフトウェア、次世代の宇宙ステーションのソフトウェアなどの開発に取り組んでいます。 宇宙と地球をつなぐ「スペース・トランスフォーメーション」を推進することで、誰もが宇宙開発に参入でき、宇宙を活用できる世界を目指しています。また、JAXA・政府・国際機関等と連携し、宇宙技術を通じて持続可能な社会をつくる活動にも積極的に取り組んでいます。
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