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新宿デイサービスで月に一度行われているだれでも参加できる勉強会「新宿ケアフロンティア」
第14回目のテーマは「死ぬ時くらい好きにさせてよ」
講師に公益財団法人日本尊厳死協会常任理事の、常藤弘子さんと、ボランティアの高橋杏奈さん(新宿デイで言語聴覚士をしてくれてます!)のお二人に「リビング・ウィル」(人生の最終段階における事前指示書)の提示についてカードゲームを行いながらお話をお伺いしました!
・日本尊厳死協会とは?
延命を望まない方がその意思を書面で表すリビング・ウィル(人生の最終段階における事前指示書)を発行・普及啓発し、患者本人の希望が尊重される人権活動を1976年の創立以来、45年以上にわたって行っています。
・リビング・ウィルとは
リビング・ウィルとは「人生の最終段階における事前の意思表明書」です。病状が進行して死期が近づいたり、突然の事故に遭うなどして意思決定あるいは自己表明ができなくなった場合に備える書面です。
これがあることによって自分の希望を家族や医療者に伝えることができます。
現代の医療では、人工呼吸器をつけて酸素を体内に取り込み、胃に穴をあける胃ろうを装着して栄養を摂取させることが可能です。
これらの延命措置を始めたら中止することは容易ではありません。
「あらゆる手段を使って生きたい」と思う意思が尊重されるべきである一方で「回復の見込みがないのなら、安らかに最後を迎えたい」と思う人たちもいます。
チューブや機械に繋がれた闘病生活を送るのではなく「尊厳死」「平穏死」「自然死」を望む場合に自分の意思を元気なうちに記しておくのが「リビング・ウィル」です。
・尊厳死と安楽死の違い
尊厳死とは健やかに自分らしく生き、尊厳を保って安らかな最期を迎えることです。
傷病により死期が迫っている場合や、意識のない状態が長く続いた際に本人の意思に基づいて自然経過のまま受け入れる死のことです。
一方、安楽死は耐え難い苦痛を持つ人の要請により、医者が直接薬物を投与、あるいは医者が処方した致死薬を患者自身が体内に入れることによる死のことです。
欧米などでは安楽死を認めている国や州がありますが、日本では認められていません。
また、日本尊厳死協会も安楽死を支持していません。
・もしバナゲーム
リビング・ウィルを残しておく、とは言っても「どのような内容を残したらいいかわからない」「自分がどうしたか分からない」という方もいるのではないでしょうか?
今回は「もしバナゲーム」という米国で生まれたカードゲームを使って「もし自分の余命があと半年~1年だとしたら…?」という想定でレクリエーションを行いました。
全部で36枚のカードがあり、35枚には重病の時や死の間際に大事にしたいことが書いてあります。
例えば「家族と一緒に過ごす」「不安がない」「呼吸が苦しくない」など、どのようにケアしてほしいか、誰がそばにいてほしいか、自分にとって大切なことは何か、といった内容が記載されています。
・もしバナゲームのやりかた
今回はケアフロンティア参加者を4人、4人、3人のグループに分けてゲームを行いました。
(今回は複数人でゲームを行いましたが、1人や2人でゲームをするやり方もあるようです)
家族や友人と共有することが大事ということで、新宿デイサービスを夫婦で利用されているご利用者さんが今回の勉強会に参加していたので、ご夫婦+従業員2名でグループになりご夫婦それぞれが大事にしたいことを共有してもらいながら進めていきました。
~ルール~
① 複数人のグループになってそれぞれに手札を五枚ずつ配り、場にもカードを5枚置きます。
1巡目は、手持ちのカードと場のカードを見比べて手持ちのカードより場のカードに書いてあるほうが大事だなと思う言葉と必ず交換します。
② 2巡目以降、交換したいカードがない場合はパスしてもオッケー◎
全員がパスしたら場にあるカードをすべてどけて、新しく5枚カードを並べて①の必要なら交換、不要ならパスの手順を繰り返していき、場のカードがなくなるまで行います。
③ 手元に残った5枚のカードの中で特に大切にしたい事柄上位3つを決めます。
選んだ3枚のカードについてなぜこの3枚にしたのか、選んだ理由をグループ内で発表します。
④ 選んだ上位3つの中から最も大事なカードを1つだけ選んでみんなに発表します。
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アメリカ発のゲームなので「チャップレンて何?」となったり、「ユーモアってカードあるよ!」「苦しいのは嫌だよねー」など各々のテーブルでわいわいしながら、何が自分にとって大事なことかを真剣に考えながらゲームを各々のテーブルで進めました。
*チャップレンとは:教会以外の施設や組織で活動する聖職者のこと
https://kotobank.jp/word/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%B3-96811
私は、すべて選択し終わった後に「大切な人とお別れする」「親友が近くにいる」と似ているカードを選んでいて、どちらも大事だけれど似ているのを二つとるより、ほかの選べばよかった…!となり、その場での取捨選択が難しかったです。
お二人とも真剣に悩まれてました…!
一緒のテーブルだった従業員は「ユーモアを持ち続ける」「家族と一緒にいる」といったカードを、ご夫婦の旦那さんは「宗教家やチャプレンと会って話せる」「神が共にいて平安である」など宗教関係のカードを多く選んでいました。
年齢や立場によって優先する価値観が異なっていて、「この人はこの価値観を重要視してるんだな」と考えの違いが分かり、それぞれが自分自身を見つめなおせたのではないでしょうか?
常藤さん、高橋さん、講演をしていただきありがとうございました!そして講演にご参加いただいた皆様もありがとうございます!😊✨
ぜひ次回のケアフロンティアにもご参加ください!どなたでも大歓迎です!
次回の新宿ケアフロンティア
【 第15回新宿ケアフロンティア 】
日時 : 10月28日(月)18時~
内容:「運動だけでフレイルは防げない?!~若々しさのカギは社会参加!~」
講師:新宿社会福祉協議会
場所 : 新宿デイサービス