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今回は立ち上げから1年弱が経過した給食・食育事業『はいチーズ!×ベジリンク』※社内では通称『ベジ事業部』の事業責任者である里見さんのインタビューをお届けします。
事業立ち上げの想いから、ベジ事業部の取り組み、今後の事業展望を語っていただきました!給食事業・食育事業という観点だけではなく、環境問題やSDGsへの取り組みまで見据えたアツい内容になっております。
里見祐介(さとみゆうすけ)
ベジ事業部 事業部長 / 経営管理部 部長 / 株式会社ベジリンク 取締役
スポーツビジネスにおける経営支援、事業構想立案などに従事する。その後、自身がパパになったことをきっかけに、22世紀へとバトンを繋ぐため、より良い世界を子どもたちと創ることを決意し、起業やサイバーエージェントでの業務を経て、千へジョイン。新規事業の立ち上げの攻めの動きと、経営管理部長としての守りの動きを両軸に、第二創業期を迎える千の成長に寄与している。プライベートでは0歳と5歳の子どもがいる2児のパパ。
ー事業内容を教えて下さい。
当社が培ってきたフォトサービス・ICTシステムでのノウハウや全国12,000団体以上の保育施設ネットワークと、ベジリンク社が持つ給食食材配達、食育ノウハウや農家ネットワークを融合し、食における新たなサービス開発を進めています。
食育基本法にも定められている通り、「子どもたちが豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を身に付けていくためには、何よりも『食』が重要」だと考えています。一生涯にわたって健やかに生きていくことができる身体の基礎づくりを目的に、契約農家さんの産地直送の野菜を保育施設の提供する食品流通事業と、子どもが五感を通じて食に興味や関心を持てるよう、様々なコンテンツを用意し、食を通じた地域性や農家さんのこと、自然の恵みの大切さなどを学べるような食育事業を一気通貫で行っています。
ー食育事業を始めたきっかけは?
更なる企業成長のため、100兆円を超えるマーケットへの参入
理由は大きく二つあります。一つ目は、当社が今後世界を動かすような規模で企業成長していくために、より大きなフィールドの中で事業を展開していきたいという狙いがありました。そこで、流通や外食などバリューチェーン全体を含めると100兆円規模となる『農業』のマーケットに着目しました。
二つ目は、事業のポートフォリオが理由です。私達のメイン事業である「はいチーズ!フォト」は、保育施設・教育機関の撮影事業のため、お子様の成長をより感じていただきやすい運動会や発表会などの非日常的な機会がメインとなります。一方、給『食』は日常生活に欠かすことのできないものなので、このマーケットに着目したこともきっかけになります。
ーそんな中で株式会社ベジリンクさんとの協業のきっかけは?
ミッションへの共鳴
はいチーズ!×ベジリンクは千株式会社と株式会社ベジリンクが2021年11月から協業を開始してスタートした事業です。
ベジリンクと組むことになったキッカケは、ベジリンクの創業メンバーをはじめとした『人』がとても魅力的だった点と、向かうベクトルが似ていたことが大きいです。ベジリンクの『都市と農村を食で繋ぎ、社会的価値を世に生み出していく』という想いと、千が掲げている『人のこころに火を付ける、世界を動かす会社を作る』というミッションには、共通して人々の原動力になるようなサービスを展開し、社会を動かしたいという軸があるんですよね。
また、同じぐらいのタイミングで、全社プロジェクトではいチーズのリブランディングを行なっており、「子どもの幸せを撮る」、から「子どもにピース(子どもの幸せを創る)」へとブランド価値を転換させていくにあたって、その一丁目一番地にベジリンクのサービスがなると感じたこともきっかけでした。
ー千が持つ独自のアセットはどのように活用されてますか?
12,000団体の保育施設とのコネクションと、ITの力で巨大なアナログマーケットに革命を起こす!
創業から18年、フォトサービスやICTサービスで培ってきた全国12,000団体を超える幼保施設とのネットワークが他にはない千の独自のアセットです。例えば『はいチーズ!フォト』や『はいチーズ!システム』の導入団体に対し、ベジ事業部のサービスを展開していくことが現在取り組んでいることです。
ネットワークを活かし、事業提携を開始してからこの1年弱で約2倍の導入数の拡大を実現しています。
また、IT企業としてのテクノロジーの力を活かしていきたいと考えています。幼保領域と同様に、食品流通の業界にはまだまだデジタル化が進んでいないという側面があります。巨大なアナログマーケットをテクノロジーの力を使って次の時代に即したあるべき姿に切り替えていける、これも千だからこそできることだと考えています。
ーIT力は実際にどのように活用されているのですか?
生鮮流通業界の『品質劣化はしょうがない』を覆す、テクノロジーを利用した品質改善
生鮮流通の業界では『野菜は生ものだから多少の品質劣化はしょうがない』とされる風潮があります。私達はデータを駆使することでしっかりと品質管理の仕組みと、品質に対する問題が起きた際の原因究明に向き合っています。
園に届いた野菜が実際に調理する時までに品質が劣化してしまっているケースなど、何かしらのご指摘をいただいたケースを『エラー』と呼んでいるのですが、そのエラーの発生率と原因をすべてデータ分析し数値化した上で、週次でピッキングセンターと運用改善をしています。このようにデータをもとにPDCAを回して品質管理をしていく取り組みは、当社の強みであると言えるでしょう。
例えば、エラー発生率を0.4%⇒0.2%に改善していくために、具体的にどのような対策を講じたか。その結果どのような変化が起こったか、という内容をお客様にフィードバックすることで、安心と満足度向上にも繋がっています。
また今後の話ですが、献立をつくるところから給食を子どもたちが食べるまでの間に、まだまだ手作業が多く介在している業界なので、業務効率化にもITの力を入れてシームレスにしていきたいと思い、開発チームとも試案中の段階です。
ー流通だけではなく食育事業もやっているかと思いますが、具体的な取り組みは?
子ども達の食に対する興味関心を育む食育サービスを展開。
▲講師を招いた食育授業
私たちは「食べること」とその野菜がつくられている場所や人と直接触れ、五感を使って「体験すること」を一連の流れで行うことで、子どもの「生きる力」を育むことを目的としています。そのため、保育園に給食の食材を届けるだけではなく、食育カリキュラムの一貫として、講師を派遣して開催する食育授業や栽培キットの配布、畑ツアーや給食野菜の委託栽培などを実施しております。
0~5歳の人生のファーストステップである子ども達に対して、食に少しでも興味関心をもってもらうための様々な環境を提供することで、自分たちではまだ選ぶことのできない子どもたちの食を育む環境づくりに寄与したいという熱い想いを持って取り組ませていただいています。
例えば、ただの「にんじん」と認識することが前提だと、固い、柔らかい、味によって好き嫌いが決まってしまいます。私達が取り組んでいるのは、ただの「にんじん」で終わらさず、この前遊びに行った畑の、一緒に遊んでくれて優しかった齋藤さんが育てた「にんじん」とか、自分で収穫した「にんじん」など、その野菜が特別なものだという認識を持ってもらうことで、今まで食べなかった野菜を食べてその本質的な美味しさを感じてもらう経験を何度もしています。こうした、食の周辺環境に直接触れることによって、感受性の豊かな子どもたちが食を楽しむきっかけを創出しております。
食べるという行為も、この食を育むサイクルの中の一部であって、分断されるのではなく繋がっているということを、日々の給食の野菜と食育を通して提供したいという想いが、この事業の本質的価値であり、理念になっています。
▲しいたけ、ホワイトアスパラなどの栽培キットを保育園に配布
実際に私も娘を連れて、先日、懇意にしている農家さんの畑に行き、泥にまみれたり、とうもろこしやピーマン、にんじんを収穫したその場で生でかじる体験をしてきました。野菜ができる環境(畑)に直接触れて、自然の豊かさを親子で体感したんですが、実はそのイベント参加をきっかけに娘がピーマンを食べるようになったのには本当に驚きました(笑)
▲里見さんと娘さんの様子💛
ーベジ事業部の今後の展望を教えてください。
持続可能な農業と食品流通の両面から、子どもの未来へとつないでいく。契約農家と、環境貢献活動に課題を抱えた企業をマッチングさせるSDGsへの取り組み。
持続可能な農と流通の両軸で、子どもの未来へとバトンを繋ぐ役割をベジ事業部として担っていくことが今後の展望です。
一般的に農業って自然の中で行われるものなので、環境にいいイメージがあると思います。しかし、実際は安定した食料を確保することが目的の今の農業の仕組み上、環境に負荷をかけているケースがあるというのが事実なんです。
一方、私達は子どもたちが食べることを目的に野菜をつくっている農家さんと関わらせていただく機会が多いので、結果として、農薬をなるべく使わない農法や土の中の微生物に野菜を育ててもらう、土づくりからこだわる農家さんなど、自然に負荷をかけない農法にこだわられているケースが多いんです。こうした土地で栽培された野菜をしっかりと子どもたちに届けることで、持続可能な農業と食品流通の両面から、子どもたちに豊かな自然と、より良い社会のバトンをつないでいきたいと思っています。
こうした活動を通して、環境課題に貢献したい企業とのタイアップが増えてきています。近年、SDGsへの取り組みやESG経営を考えた場合、環境に対する貢献というのは多くの企業にとって必要な取り組みとなっております。一方で、多くの企業は「具体的に何をしたらいいのか分からない!」という悩みを抱えていると伺っております。
そういった企業に対して、私達が日頃から関係を持たせていただいている農家の畑を活用し、そこで栽培された野菜を社員食堂や、サービスを通して提供することで、環境に対する具体的なアクションを起こしていただくような提案をさせていただいております。
▲地球にも人にもやさしいフードメニューやドリンクを提供するイベントにて、特別栽培の小松菜を使ったスムーズを提供 https://beeatyaesu.com/
ーベジ事業部にはどんな方にジョインして頂きたいですか?
事業立ち上げのカオスな環境を楽しみつつ、次世代の子どもたちの未来を創る事業
まだまだ事業立ち上げのフェーズなので、見方によっては変化が激しくカオスな環境です。目の前に荒野が広がっていて、その荒野の中で街を1からつくっていけるような環境を楽しめる方と一緒に仕事をしたいと思ってます。
また自分自身、子どもができたことをきっかけに人生が180度変わりました。自分の人生だけではなく、自分の子どもや孫の世代までの見た先の未来は確実に22世紀に繋がっています。次世代の子ども達にどんなバトンを渡せるのか?という観点でビジネスやライフプランを考えるようになりました。
カオスなフィールドを楽しみ、次なる世界を自分たちの手で創って行きたいという考えを持っている方に、是非ジョインして頂きたいと思ってます!
約20名のベジ事業部メンバー