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はじめに
ご無沙汰しております、プロトソリューション・オフショア開発のMKです。
私がベトナムに渡航して早3年。
ベトナムの開発拠点も前任者の代から数えて7年が経ち、今年は第2草創期と位置付け、100名体制を目指して新たな気持で頑張ります。
この3年間・・・
色々ありましたが、最初はとにかくがむしゃらに組織拡大を進め、その結果44名までいきましたが、そこで品質問題が噴出してしまいました。
リーダー層が安定しないまま拡大を急いだため、いくつかのプロジェクトが炎上し、私自身もかなり疲弊しました。
それが1年半前の話です。
悩んだ挙げ句、管理が行き届くようにするため、一度プロジェクトとメンバーの数を削減。
その後、とにかく「品質重視」を言い続けた結果、今年度はベトナム拠点から一定レベル以上の大きな障害をゼロに抑えることができました。
また、障害対応が減った分、提案活動に時間を割くことができ、2千万円弱の追加開発も受注できました。
まさに「急がば回れ」です。
この経験から組織拡大と品質は必ずセットで考え、各サブチームには柱となる日本人ベテラン・エンジニアが不可欠だということを身にしみて感じました。
プロトソリューションが提供できる場
1.逆張りの海外拠点
ご存知の通り、ここ数年は円安が続いています。
円安とは円の価値が下がることなので、日本から見ると相対的に海外人材の人件費は上がりました。
ですので、我々のようなベトナム人中心のチームにとっては逆風です。
順当に考えれば開発拠点を国内へ戻すべきでしょうし、多くのIT企業がそうしていると聞きます。
しかし、弊社としては、円安は一時的なものと捉えており、長期的には国内のITエンジニア不足が続くことは分かっているため、敢えて海外拠点に投資し続けています。
オフショア事業は厳しい状況(正直赤です)にありますが、会社の心意気に感謝しつつ、この状況を少しでも軽減すべく私も試行錯誤しています。
2.多くの開発案件
プロトグループは国内最大級の中古車情報サイトを運営しています。
システム面では、大規模かつ長年にわたってツギハギで拡張してきたため、メンテナンスが大変難しい状態です。
裏を返せば、ベテラン・エンジニアにとっては、レガシーシステムの整理とモダナイズという、今までの開発経験を大いに活かせる場があります。
実際一歩ずつですが、パブリッククラウドへの移行と合わせて、システムの刷新を進めています。
仕事を通じて得られるもの
1.人材の希少価値
「技術」や「マネージメント」は一通り経験し、キャリアの三本目の柱として「海外経験」はいかがでしょうか?
ベトナムで働くことは、単に地理的な移動以上の意味を持ち、自己実現やキャリアの飛躍に繋がります。
なぜなら「文化的背景が異なる海外チームのマネジメント」ができる人材は今後必要とされるからです。
先日、ある人材紹介会社の担当者から聞いた話ですが、日本国内で海外人材のチームを作ったものの、彼らをまとめ、日本の商習慣へうまくアジャストできる人材がいなくて、いくつかのIT企業が悩んでいるそうです。
2.仕事上のタフネス
前述の「多くの開発案件」に関して、サービスが大きく影響範囲も広いため、現行機能の移行漏れが発生しないよう、厳しい品質基準が要求されます。
障害が起きた際などは、顧客からお叱りを受ける場面もあり、私自身、何度も心折れかけました。
ただ他方で、これを乗り越えれば、どこでも通用する人材になれる気がしています。
最近では品質も上がってきたので、以前ほど会議で詰められることもなくなりました。
正直、面倒で大変な調整も多いですが、皆がやりたがらない仕事にこそ価値があるのではないでしょうか。
3.生活面のタフネス
厳密に言うと仕事ではありませんが、海外生活は不便なことも多く、その分人間的にも逞しくなれます。
- 日本ほどインフラが強くないので、たまに停電、断水、冠水が発生する
- バイクなどによる道路の混雑がひどい
- 対人交渉では英語やベトナム語を駆使して切り抜けなくてはならない場面もある
- 医療費が高い
など挙げると切りがありませんが、当然良い面もあります。
通勤電車がないなど、時間を有効活用して仕事に集中できるため、僕自身50歳を目前にこういった環境に身を置けたのは良い決断でした。
また、個人的な話ですが、既に他界している祖父が戦時中、台湾銀行に勤めていたことがあり、墓石に「台湾へ雄飛」と彫られているのですが、人生の思い切った決断ですらこの一文か、と虚しさに駆られたことがあります。
長い人生のうち、数年海外にいたところで大したことはないはず。
実は弊社は商用ビザで拠点運営しており、3ヶ月に1度は日本に戻れるので悲壮感も少ないと思います。(日本滞在は1~2週間)
そしてもう一点、多くの日本企業では海外赴任手当があり、上記のリスクをとって働く人達に対しては、それなりの対価も支払われる、というのは意外と見落とされがちなことでしょう。
チームの雰囲気
一時期と比べ賑やかさは減りましたが、その分、仕事中の私語が減ってメリハリのついた雰囲気になってきたようにも感じます。
最後に
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
ベトナム国内では、日用品からバイク・車に至るまで、日本製品は高品質で知られており、我々はITの分野でも、その「Japan Quality」を実現したいと考えています。
自社の社員が私1人なので、「これから一緒に組織を作っていこう」と思って下さる方は歓迎致します。
いつもチーム運営をサポートして下さっているハイブリッドテクノロジーズ社にこの場を借りてお礼を申し上げます。