こんにちは!広報の村上です🐶🐱
採用における新たな試みとして、TYLでは今年度より「新卒総合職」の募集に力を入れることとしました!そこで「新卒総合職とは?」「TYLでどんな仕事をするか?」ということをより分かりやすくするため、「TYLの26新卒総合職採用」と題して、数回にわたり「新卒総合職」についての連続記事をお届けしています。
今回は「TYLの26新卒総合職採用」連続記事の最終回です。TYLで初の「新卒で総合職」に採用された24新卒の山田さんが、社会人として感じた「弱さ」「不安」に対する考え方を熱く語ってくれました。ご期待ください。
こんにちは!私は株式会社TYLに「総合職」として入社した24新卒の山田純平です。
もう4月は後半となり、就活も佳境を迎えている頃でしょう。思った通りの就活ができた方はおめでとうございます!ぜひ、残りの学生生活を楽しんでください!
そんなご友人を横目に、第一志望ではなかった企業への内定を不本意ながら承諾して複雑な心境の方や、あるいは、何社もの「お祈りメール」に社会の厳しさを痛感している方もいらっしゃると思います。
そう、ご経験されたとおり、あなたが向かっていく社会人生活は生ぬるいものではありません。
すでにご覧いただいたかもしれませんが、代表の金児さんと私も、これまでの記事で「このような方にご入社いただきたい」とたくさんの素養、言い換えれば社会人としての「強さ」を一方的に要求してきました。もしかするとそこにあるメッセージは、あなたにとって「社会人たるもの、こうあるべきだ!」というプレッシャーに感じられたかもしれません。
▼「総合職とは?」
▼「総合職とは?by金児さん」
▼「論理的思考力とは?(前編)」
▼「論理的思考力とは?(後編)」
▼「裁量権を与えてもらうには?」
確かに、誰かが求める形に合わせて自分をコントロールできる「しなやかで強い人」は、一緒に働いていてとても心強いでしょう。一度仕事モードのスイッチをオンにしたら、鋭い課題発見力を発揮したり、プロジェクトを完遂に導いたり、改善を怠らず常に右肩上がりに受注額を伸ばし続けたりと、いかなる状況でもキレキレのアウトプットを出す人材は多くの企業に求められるに違いありません。
しかし、TYLは完璧な人間を求めているわけではないのです。上記の理想的な人材からほど遠く、むしろ弱さを山ほど抱えた私が働いている、この事実がそれを証明しています。
今回の記事は、過去の記事と打って変わって、TYLが定める「求める人物像」と対極にある、「弱さ」や「不安」について書いてみようと思います。
「知らない」という状況がまず不安
「社会人って、なんだか怖い」
就活を始めたときに私がそう思っていたのは、社会人について分からないことが多すぎたからでした。
まるで1メートル先も見えない暗闇に囲まれたように、「何が分からないか」すらも分からない。唯一明らかなこととしては、「働いたら、その対価としてお金がもらえる」ということ。称賛されるでも貶されるでもなく、心に能面を被せてタスクを捌いた結果、口座にお金が振り込まれる。なんともドライな世界観です。
そのような知識しかなかった私は、働くことに対して「楽しい」や「好き」のような感情を持っていることも、必然的に嘘くさいと考えざるを得ませんでした。無理やりテンションを上げ、ありもしない意味や価値を目の前の仕事に見出し、自分を仕事に駆り立てる。しかしあるとき、過酷で冷徹な現実を知った瞬間にそれは崩れて消滅し、その後は失った自尊心を取り戻すためにツケを払う日々が待っている。「アットホームな職場」というのはきっと、大きなダメージを負って去って行った仲間を記憶の闇に葬りながら、まだ “前借り” の状態にあるハイな人々を切り取って表に出しているんだ、と。(※社会経験のない頃の山田の偏見です)
そんな社会を想像していたので、そこに生きる社会人という存在がどう生き延びているのか、本当に不思議で仕方ありませんでした。
ここで幸運だったのは、上記のような世界観はあくまで幻想に過ぎないと自覚していたことです。情報がなく不安な気持ちになると、ありもしない物語で自分を納得させようとする癖がある、そんな無意識が勝手に作動してしまうことを私はときどき思い出すことができます。
そういうわけで、不安と幻想を取り払うために現場を知ろうと、私は就活中、夏ごろから実際に働く方と話せる機会を設けていただいたり、春にTYLから内定をもらったあと早めにインターンとして働き始めたりしました。
私たちは不完全
実際に働いてみると、思いの外、「嘘くさくない活力」をもって仕事をしている人がたくさんいると知ることができました。無理のない範囲で前向きに仕事に取り組んでいる人と直接会えたことは、上記のような偏見を持っていた私にとって大きなインパクトがありました。
さらに衝撃的だったのは、彼ら自身に活力がみなぎっているにもかかわらず、彼らの周りには完璧を求めない温和な空気感が漂っていたことです。たとえば、プロジェクトの進捗が遅れたら、すかさず納期の延期を提案し、関係者との交渉を買って出ていました。完璧を求めるのであれば、納期の延期は許されず、何日徹夜しようとも納期内に成果物を捻じ込むはずです。他には、一定水準に達しなかったチャレンジからスパッと撤退したり、初心者の私が提出した出来損ないのアウトプットも「ここは及第点に遠いけど、この部分は面白い!」とフラットに見たりしていました。どういうわけか、エネルギーを感じるのに近寄りがたくなく、そのうえ、一緒にいると仕事が着実に前に進むのです。
さすがに何かコツがあるだろうと気になって、当時の上司に聞いてみると、「人間、うまくいくことばかりじゃないから、失敗も『うまくいかないパターンの一つを知れた』くらいに思って良いじゃないですか!」という心持ちを教えてくれました。
そう、大前提として、私たちは不完全なのです。それを前提にしないと、一気に窮屈になるのです。
私はいつからか、他責にせず自責で考えるべきで、環境や心情も制御すべきで、状況に関わらずクオリティを保てる高度な再現性を持つべき、と自分に言い聞かせるようになっていました。この考えは、自己規律を高めてくれる一方で、完璧主義を加速させ、遠い理想の100点満点を「本当に叶えるべきこと」と錯覚させてしまいます。
ワンちゃんやネコちゃんといると、私たちが望まない場所でうんちをしますし、部屋を散らかすことも、家具に傷をつけてしまうこともあります。どんなに躾が行き届いても、100%私たちの思い通りに生きてもらうことはできません。
人間関係においても私たちは関わったすべての人に好きになってもらうことはできないし、台風や地震といった天災を止めることももちろんできません。もっと身近なところで言えば、自分の空腹や汗すらもコントロールすることは不可能です。
私たちは全知全能ではないのだから、あらゆる要素が複雑に絡み合うこの世界で、100%の完璧を約束するのはあまりにも傲慢。自分にも周りにも完璧を求めず、できる範囲の中で良いモノ・コトを創っていこうという姿勢で仕事に向き合うほうが良いと私は考えるようになりました。
成長していくために、目に見える成長にこだわらない
ここで、TYLが募集している総合職の「求める人物像」から一部を抜粋してみます。
・将来、経営や事業責任者を目指している人
・スピード感ある環境で成果を出したい人
・成長意欲が高く、挑戦を楽しめる人
これだけを見ると、「将来経営層になるのだから、当然スピード感をもって成果を出すべきで、成果を出すために一刻も早く成長するべき」というプレッシャーを感じます。会社の目線から言えば、その期待以上に成長し、成果を出してくれればくれるほど良いということは否定のしようがありません。
しかしその要求は、前述したような完璧をあなたに求め、あなたを「会社の目的達成のための手段」と捉えることに他ならないでしょう。それと同時に、あなた自身の「いま」も、あなたの将来像を実現するための手段になってしまいます。「いま」を「いま」として味わうのではなく、「未来のための投資」として消費し続けていては、どこかで我慢の限界が来るのは明白だと思います。
だからと言って、成長や挑戦と縁を切り、新しく何かできるようになることを諦めるのは少し極端な気もしますね。
では、あなたの「いま」という時間が「将来の奴隷」にも「会社の奴隷」にもならず、それでも成長するにはどうすれば良いでしょうか?
私は、この問いに対する自分なりの答えを2つ持っています。
1つは「成長は案外気づくことができないもの」と理解しておくことと、もう1つは、ついやってしまうことを見つけることです。
前者は、あなたの経験を思い出せばご理解いただけると思います。
小中学生のころ、背が伸びたり、絵を描けるようになったり、以前よりも速く走れるようになったりしたとき、あなた自身よりも周りの誰かが先に気づくことはありませんでしたか?そのように、あなたは自分が知らないうちに成長していることが意外とあるのです。
逆に、「これは成長のチャンスだ!」と思えることはあなたに向いていないことが多いと思います。なぜなら、あなたが「チャンスだ!」と感じることは、あなたがいま持っていない能力を必要とすることであり、つまりは成功のために高いハードルを超えなくてはならないと言えるからです。そのハードルを超えるのに苦労、挫折し、成果も成長も得られないでフィニッシュ、というケースはよくあると思います。
そういうわけで、成長するためには、逆説的に成長にこだわらないことが効果的なのかもしれないと私は考えています。あなたのできる範囲からほんの少しだけはみ出るサイズの課題をこなし続け、長距離走のようにじわじわ進んでいくことで、気付いた頃には意外と遠くにたどり着く。そんな成長観を持ってみてはいかがでしょうか。
「べき」から降りるススメ。いまはいまとして。
次に後者、ついやってしまうあなたの習性に気づくことについてです。やっているうちに勝手に熱中してしまうことを発見すれば、おのずからできることが増えていき、目的の奴隷になることもないという考え方です。
そもそも、成長の前に、私は自己肯定が重要だと考えています。ここで言う自己肯定とは、自分のいま置かれている立場や求められる成果と自分自身が釣り合っているという感覚です。
成長の文脈では、新しい知識を蓄えて技術を磨くために、比較的高い目標を掲げるアプローチもあると思います。「いまの自分のままではいけない」というある種の自己否定状態では、「○○を達成すべきだ」と目標達成に固執することになり、実は思い切ったチャレンジの機会が奪われることがあるのではないでしょうか。むしろ私は、安全な場所や逃げ道があってはじめて、うまくいくかも分からない挑戦の一歩を踏み出すことができる場合もあると思うのです。
TYLが主に取り組んでいる領域の多いペット業界もその好例ではないでしょうか。ペット業界は飲食業や農林水産業のように、すべての人が生きるために必要なビジネスではありません。多幸感に包まれながら、心豊かに生きることを叶える産業です。成長を目的に自分自身を極限まで追い込み、不要なものを排除した結果、ミニマルな要素に全神経を注ぐ。そのような思想は、ペット業界を成り立たせないはずです。
現在対処可能な問題に取り組み、少しだけ未来に対して「いまの余剰をお裾分け」する。失敗が許容される環境で、自分の能力が発揮される状況を見つけていく。その中で、やっているだけで脳内で報酬が湧き出るかのごとく、作業興奮に至れる何かを見つけることができれば、それを生かして仕事をすれば良い。つい熱中してしまうのだから、できることだってどんどん広がっていく。
将来の目的をもとにした逆算思考と、最短ルートを割り出す引き算思考が是とされるかもしれませんが、ここで私が提案したような、いまできることをベースに、情動のセンサーと向き合いながら積み上げ式に能力を開発する、「順算思考」や「足し算思考」とも言える成長の捉え方があっても良いのではないかと考えています。
おわりに
私は育ち盛りの10歳前後の頃に、人前で褒めてもらう経験をたくさんしてきたと思います。
小学生のときには、一学年がぴったり20人という小さな学校だったこともありますが、「学年代表作文と言えば山田!」と言われるくらい、ことあるごとに壇上に上がっていました。中学校のときにも、定期試験の点数で1位を取ったり、野球部でもエース番号をもらって大会に出たり、生徒会長を務めたりと、先生方や友達の保護者の方からは本当にたくさん褒めていただきました。それに対して当然嬉しい気持ちもありましたが、同時に、「結果」や「肩書き」の持つ力の大きさに驚いたのを覚えています。
もし私が児童数の多い小学校に通い、代表の機会がそれほど多く回ってこなかったら。もし打者のスイング軌道が数ミリメートルずれて、私がホームランを打たれていたら。そう考えると、まったく褒められずに育つ人生だって、大いにあり得たことではないでしょうか。
それに気付いてからは、「結果はどうあれ、結果に至るまでの過程を、少なくとも自分だけは肯定していたい」と考えてきました。
そんな私が、ビジネスで求められる逆算思考や自己統制力に欠けながらも、なんとか成長し成果を残すために、世間で推奨される「強いビジネスマン像」とは違った角度で頑張る方法を共有させていただきました。
冒頭の繰り返しになりますが、社会はそう甘くなく、あなたに変化を求め、プレッシャーをかけてきます。
もしあなたが、脳を理屈でハックして真っ向から打ち克つことができる、まさに「強いビジネスマン像」に近ければ、そのやり方でガンガン突き進んでください!応援しています!
そうではなく「理屈では可能だけど、気持ちがついてこない」とか、「頭では『やるべき』と分かるけど、心が『Yes』と言わない」といった心理状況を自覚したことがある方は、きっとそのことで悩むことになると思います。もしかしたら就活中に経験したり、いまもそのような悩みを抱えていたりするかもしれませんね。
そういった心の苦しみは、誰かが察知してくれることもそう多くはないですし、むしろビジネス上では表に出さず、隠し通すことが是とされている気がします。
そのように悩むことがあれば是非、「強くなりきれないままでも、細々と抜け道を探していた人がいたなぁ」と、この記事のことを思い出していただければ幸いです。
また、このような仕事に対するスタンスに共感していただいた方のうち、現在就活中、あるいは内定はもらったけどまだ他の会社を見てみたいとお考えでしたら、TYLの総合職にもご興味いただけると嬉しいです!
気になった方は募集の詳細を下記リンクからご確認いただき、カジュアル面談で会社のことを知って「良いかも!」と思っていただけたら、是非エントリーしてみてください!
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。
それでは、カジュアル面談でお待ちしております!