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マリオネットのいる暮らし

モノサスでは自分たちのWebサイトにスタッフが交代でコラムを書いています。
今回はその中から、コーダー馬場がマリオネットについて綴った記事をご紹介します。

こんにちは、馬場はるかです。
モノサスではコーダーとしてお仕事をしています
前回、「人形劇とわたし」という記事で、マリオネットとの出会いをお話ししました。
飯田橋のパペットハウスでOrangeparfait(オレンジパフェ)さんのマリオネットを購入してから、およそ3ヶ月。

今回は、マリオネットとどのような生活を過ごしているのか、ご紹介していきたいと思います。


マリオネットのいる暮らし

我が家にマリオネットがきてから、まずは名前を考えました。
顔をジーと眺めますが、なかなかしっくりくるものがなく、周りの人に相談して、やっと決まりました。

命名「ポルン」。



しかし、少し呼びにくいので、結局ポルタとかぽるちゃんとか呼んでいます。
ここではポルタと呼ぶことにします。

ポルタは、鉄芯マリオネットと呼ばれる人形で、頭のてっぺんから伸びる鉄芯で体を支えています。
鉄芯マリオネットは顔の向きを変えたい時、持ち手を蛇口のように捻るだけで横を向かせることができ、安定感もあるので比較的動かしやすいようです。

ただし、置いておく時は注意が必要です。
持ち手を床に置いてしまうと、鉄芯に引っ張られて首を痛めてしまうので、動かさない時は持ち手をどこかに引っ掛けておく必要があります。

初めはどこに掛けるか定まらず、机の角や、棚の出っ張り等、様々なところに掛けていました。
ある時、ワタワタしていて咄嗟にカーテンレールに掛けたこともあります。しかし、カーテンレールだと、窓の外に気配を感じ、ドキッとするのでいけません。
結局本棚に落ち着きました。



ポルタが来てから、しばらくは歩く練習をひたすらしたり、ダンスをさせたりしていました。しかし、他に何をしたら良いか分からず、途方に暮れていた時、祖父母の家からみかんが届きました。
みかんだみかんだと嬉しくなって、ポルタがみかん箱で喜んでいる様子を撮ってみたところ、なんだか可愛い。。。



なんだ、日常のことをさせるだけでも可愛いぞ。
そう思い、それからホームビデオ感のある動画や写真を集めることにしました。
更に自分を鼓舞するためにも、毎日更新することを目標にポルタの様子をインスタグラムで配信することに決めました。


Instagram:@portadayo


共存する難しさと楽しさ

日常の何気ないことを探して、ポルタを動かしてみる毎日。
今日は何をしよう、明日は何をしようと、暇さえあれば考えています。
しかし、することが決まっても、実際に撮影をすると、なかなかうまくいきません。



例えば、歯磨きの様子を撮影した時のことです。
手に歯ブラシを持たせ、シャカシャカ動かしてみます。動作は問題なくできそうです。
しかし、撮影をしてみると、正面を見たまま棒立ちで、力なく歯磨きをしている様子のポルタが映っていました。
あれ、こんなはずじゃなかったのに。
そう思い、動画をもう一度確認すると、歯磨きをしている手以外、動いていないことに違和感を抱きました。
そこで今度は、空いている手にコップを持たせ、奥歯もちゃんと磨けるように頭も動かしてみました。
すると、磨くのは下手ですが、ちゃんと意志を持って歯を磨いているように見えました。


実際の動画はこちら


このように、毎日失敗の繰り返しで、なかなか一筋縄ではいきませんが、納得のいく写真や動画が撮れた時は嬉しくなります。
また、撮影したものを見てみると、意図していない動きがとても活き活きしていることもあり、私の気づかない所ではこんな表情をしていたのか、ポルタはポルタとして動いているのだなと思わされます。
そんな姿を写真や動画を通して、誰かと共有できることがとても楽しいです。



憧れのあの人

私には、憧れの人形操演の方がいます。
その方はNHKの番組「ねほりんぱほりん」でカンペ出しをするカエルADなどを担当しているのですが、先日twitterでとある動画が流れてきました。


引用元:NHK ねほりんぱほりん@nhk_nehorin


(ブタさんが歌っている、、!)
常々ポルタに歌わせてみたいと思っていた私は、音楽番組を見ながらポルタと練習をしていたのですが、ブタさんの再現性の高さに、ここまでできるものなのか!と衝撃を受けました。
どうしてここまで似ているのか本家の動画と比べてみました。


引用元:DISH// (北村匠海) - 猫 / THE FIRST TAKE


そうすると、歌にあわせて鼻を動かすだけでなく、北村匠海さんが歌いながら微妙に動かす首の動きも忠実に再現していることがわかりました。 私がポルタを歌わせようとするとき、どんなに歌に合わせて、口を開け閉めしても、歌っているように見えないのです。
この、人が感情を込めて歌うときに出る、微妙な動きこそが真似るべき要素だったのだと気づかされました。
ブタさんのように上手く歌うのは、恐らくとても練習と研究が必要です。しかし、それを憧れのあの人がやっているんだと思ったら、少しでも近付きたくて、頑張れそうな気がします。


ポルタが気づかせてくれたこと

ポルタが来てから、周りの人が撮影のお手伝いをしてくれたり、服を作ってくれたりと何かしらの形で関わってくれるようになりました。
写真や動画の反応も良くて、きっとぬいぐるみだったらこうはなってなかっただろうなと思います。
マリオネットという普段あまり触れることのない人形だからこそ、色んな人に触ってもらえたり、魅力を知ってもらえたりする機会をこれからも作っていけたらいいなと思います。
最後にポルタの動画をショートムービーにしてみましたので、良かったら御覧ください。



(2021/3/5 ものさすサイトに掲載)

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