京都拠点を2019年2月に設立して、早くも8か月。最初は2名で立ち上げた組織が現在は11名に増えました。エンジニア採用担当の田鍋が、現地の様子をうかがいにいってきました。
■語り手:村上勝俊(京都開発拠点長)
■インタビュアー:田鍋麗(人事)
田鍋:拠点立ち上げ時に意識していたことって何ですか?
村上:採用面では、東京で上手くいっていた施策が、京都でも上手くいくとは思っていませんでした。だから、過去の成功事例にとらわれることなく、すべて白紙の状態から考え直しました。求人媒体やエージェント選定なども、一から選び直しました。月間のデータなどを取り、どういう採用手法が京都には合うのか、じっくり分析しながら採用活動をしていました。マネーフォワード の認知度も東京とは違いましたし、働き方に関しても優先順位が違うということが分かりました。
京都は東京よりも、通勤時間にこだわりを持つ方が多い印象です。「通勤時間をできるだけ短縮したいので、自宅と近いオフィスで働きたい」「リモートワーク可能か?」などの質問を多く受けましたね。
田鍋:確かにそうかもしれませんね。関西の採用は、一筋縄ではいかなかったですよね。
村上:普段の開発と採用活動の両立は思ったよりも大変でしたが、僕と谷口君は、どんなに忙しくても必ず候補者の方全員と会い、時間を十分にかけながら「京都拠点を一緒につくっていく仲間集め」を優先してきました。(※谷口はもう1人の京都拠点立ち上げメンバー)
マネーフォワードの認知度を上げるために、拠点設立間もない頃から、オフィスの貸出しも始めましたね。
これまでオフィスを貸し出して開催されたイベントは、8件
田鍋:最初は順調に1名採用できましたけど、その後はなかなかが進まなくて…。スカウトを根気よく続けながら、マネーフォワードの認知度を上げるためにも、イベントにもたくさん登壇しましたね。
【登壇したイベント】
・「京都の技術/暮らし/はたらく」について考えるEngineer Meetup
・Developers Boost KANSAI
・サーバーサイドエンジニアオールスターズ in 関西!
・Developer Summit 2019 KANSAI
Developer Summit 2019 KANSAIに登壇した谷口
田鍋:その結果、追加で3人の方にご入社いただけましたね!ここまで増えて嬉しいです!
今後の京都拠点はどうなる?マネーフォワードらしい開発とは?
「ユーザーフォーカス」を大切にしつつ、京都のカラーを出していきたい
田鍋:仲間が集まってきたところですが、京都はこれからどんなカルチャーにしていきたいですか?
村上:カルチャーね…難しい質問ですね。マネーフォワードに創業時からいる谷口君がいるので、「マネーフォワードらしさ」はぶれない気がしてます。マネーフォワード は福岡にも開発拠点がありますが、本社と離れていても各拠点がやっぱりマネーフォワードらしい開発をしてるんですよ。京都の開発拠点もそこは大事にしていきたいです。
田鍋:マネーフォワードらしい開発というと…
村上:ものづくり精神があふれる開発カルチャーです。マネーフォワードのバリューは、「User Focus」「Technology Driven」「Fairness」の3つです。中でも、開発面においては「User Focus」を大切にしています。常にユーザーを見つめ続け、本質的な課題を解決していくことはもちろん、新しい技術の価値も理解しつつ、「これは本当にユーザーのためになるのか?」を追求していく。
エンジニア目線で考えると技術も大事ですが、最終的なゴールはユーザーに価値を届けることです。
「サービスがたくさんの人に使われて世の中が良くなっていくのが嬉しい」
「人に喜んでもらえるサービスをつくるのが好き」、そんな風にサービス作りを楽しめる人がマネーフォワードには多いですよね。note: URL:https://note.mu/nabe_rey/n/ncf478f0470ee
「ユーザーに対して本当に良い案なのか」を職種や役職関係なく、フラットに話し合える文化があると思います。
「本当にこの機能は作る意味があるのか?」
「これは何のためにあるものなのか?」
「ユーザーのペインは何なのか?」
開発初期の段階から、想定ユーザーの顔が想像できるレベルになるまで、プロジェクトの関係者と話し合いながら開発を進めています。
また、ユーザーのフィードバックを積極的に聞くメンバーが多いですね。ユーザーとの窓口であるカスタマーサポート(CS)からユーザーの声を聞いたり、CSとエンジニアのチャットのやり取りを見る機会もあるので、それがさらにモチベーションにつながっている人もいると思います。
CS、セールス、開発、どの職種もお互いに距離が近くて、お互いが歩み寄っていく感じですね。
田鍋:確かにどの職種も、距離感が近いですね!特定職種の発言力が強いのではなく、フラットな関係で、みんなで協力して良いものをユーザーに届けていると思います。
村上:拠点を作る前は、「どんな拠点になるかな~」「もっとガツガツするようなチームになるかも?」と、不安に思った時もありました。僕と谷口君がお互いがよく話をするようになり、採用面でも開発面でもどちらも妥協せずにコミュニケーションを増やし、守るべきものは守り、新しい施策を行うなど変えるところは変えていきました。
あくまでもマネーフォワードの開発文化や雰囲気を大事にしていたので、これは崩れていないですね。もちろん、まだまだな部分はありますが、はじめて拠点を運営して行く上ではバランスよく運営ができたのかなと思います。
京都メンバーとのMTG風景
京都の拠点メンバーで鴨川でランチをしにいきました。
上手にやるぐらいなら、大胆に失敗したほうがいい
田鍋:1年後などにやりたいことや実現したいこと等もお伺いしたいです。
村上:半年以上経って京都にいるメリットが、すごくハッキリしてきているんですよね。任せていただいているので裁量の大きさもありますし、かつコミュニティが小さく、ステークホルダーが少ないので、意思決定をする時もスピード感が出せます。つまり大胆さが出せる。
正しいかはさておき、悩んだ上で「やるぞ」って言う時に、スピード感をもって行動できるし、楽しくできると思います。これは京都というより、小さいコミュニティの特権だと思うのですが、小さいうちにより大きな失敗やチャレンジ、仮説を検証することをもっとやっていきたいと思います。今まだ見ぬ世界に大当たりがあるわけで、もっと拠点独自の施策もやっていきたいですね。
例えば京都拠点だと拠点立ち上げ時に【公用語が英語のチームを作ること】を目標にしていたので、英語学習プログラムをどういう風に実施するのがいいのか検証しているところです。1年後の大当たりにむけて、どこの拠点もやっていないことを今はやりきりたいと思ってます。1年後はたぶんそこを模索しているんじゃないかな。
あとは具体的な話だと、学生(インターン生)をもうちょっと増やしていきたいですね。それこそ、学生50人/社会人15人とかも面白そうですよね。京都には学生の方が大多数の企業が何社かあります。
なんとなく僕の中では、「社会人と学生の割合が逆な組織でも、内容によってはちゃんとサービス作りできるのではないか?」という仮説があります。他の企業もインターン生は多いですし、実際に事業に関わって活躍されています。今後京都を盛り上げていくためにも、京都の企業の中では熱いトピックスかなと感じます。
田鍋:以前もおっしゃってましたね。
村上:「ありえないかな~?」と、思う日もあるのだけど、そこはいつか検証したいとも思います
あとは、京都のとりまく外部環境もあるので、京都の市場そのものがもっと大きくならないといけないですね。色んな企業が集まれる場所にしたいと思います。IT企業はもちろんですが、いろんな業種の企業が関西にきてほしい。特にIT企業が関西に来るためには、関西でも開発がうまくいっていることの発信や、関西の企業と地域のコミュニティーづくりも大事だと思ってます。
関西圏で大きなムーブメントをつくり、盛り上げて行くことが大事で、僕らはそこにもチカラを入れていっています。
Moneyforward Kyoto × Cybozu Osaka LT甘味会のプライベートMeetupの様子
村上:更に「もうちょっとダイナミックにやらないといけないな!」とも思いますね。
以前、監査役の上田さんに「もっと大胆にやっていきなさい」って背中を押してもらいました。
田鍋:もうちょっと大胆に?
村上:「上手にやるぐらいなら、大胆に失敗したほうがいい」っていう意訳ですけど。とにかくやったほうがいいことがいいことは、やってみる。チャレンジしてみる。
田鍋:まさに京都拠点の拠点コンセプトの「Give it a try!」(やってみよう!)じゃないですか…!
(実はレアなシールです。日本の開発拠点で、コンセプトがあるのは実は京都だけ…!)
田鍋:失敗してから学べることとかも多いし、マネーフォワードの関西開発拠点として、もっと大胆にアクションができるといいですね。
村上:あと僕は、失敗が上手な組織にさせたいんですよ。チャレンジもしつつ、やって終わりじゃない。
田鍋:失敗が上手?
村上:失敗がたくさんできることって、「失敗を恥じない」とか「馬鹿にしない文化」がすごい大事ですよね。けっこうテクニカルにいうと、【小さく失敗するスキル】とかも必要だと思います。取り返しがつかないほどの失敗をさせないっていうのは、マネージャーのスキルだったりもします。現場もそういう事に慣れていかないといけない。
それって実は、「沢山失敗する=コケるしかない」と思うけど、それは大胆さも必要だと思ってます。例えば、なんでも大きいことからはじめるのでなくて、小さくても「良いからやってみる」、やり続ける。
小さくトライして、失敗したとしてもいい。失敗を恐れないこと、制約なくお互い自由に発言して、話し合うことも大事かと思います。上手な失敗とは、そんなイメージですかね。
また、「やってみたい!」ということが出てきたらの後も、「よし、じゃあやってみよう!」と応援しやすくなると思います。たとえ失敗したとしても、そこから何か学んで、次に生かすという【タフネス】みたいなところが京都の企業文化の中で育つと、関西ぽっくていいなぁと思います。
田鍋:確かに村上さんと谷口さんは、タフさありますね!!
採用って即効性がないし、すぐにいい人が来てくれる訳でもないので、地道な努力が大事ですよね。開発が佳境を迎えつつも、どうしたらいい人が仲間になってくれるか、考えながら採用活動をやり続けていった、二人の持久力や継続力はタフさを感じます。
村上:少なくとも僕と谷口君のキャラクターはスマートというより、実はタフなんですよね。泥臭くて、タフなことをやり抜けるタイプなので、そういう文化の方が面白いかなと個人的には思っています。表現が難しいのですが‥。
小さいことを考えても、みんなが一緒に考えてやってくれるので、心強いです。小さいことなんて失敗しても取り返しつきますし。当たり前のことを当たり前にやり、気を締めるところを締めていけば、いいと思ってます。その中でチャレンジしていければといいと思います。
田鍋:なるほど…!今後の京都拠点の成長が、更に楽しみですね。
今回はこの辺で、ありがとうございました!
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