ナレッジラボが語るM&Aを成功させる秘訣、そして今後の展望~ナレッジラボ×マネーフォワード対談 後編~ | MoneyForward's ROOM
前編に引き続き、18年7月にグループジョインしたナレッジラボのお二方とマネーフォワード大阪支社の藤田さんに、お話を聞いてきました!今回は、グループジョイン発表当日のお話からこれからの展望について...
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18年7月に当社にグループジョインした株式会社ナレッジラボ。
創業の経緯や、マネーフォワードとの出会い、グループジョインの経緯について、ナレッジラボのお二人と大阪拠点の藤田さんに聞いてきました!
■語り手
国見 英嗣
株式会社ナレッジラボ 代表取締役社長 CEO
山邊 泰匡
株式会社ナレッジラボ 取締役執行役員 COO兼CFO
藤田 綾香
マネーフォワード 事業推進本部 関西事業推進部 部長
インタビュアー
大崎淳(マネーフォワード採用PR)
カメラマン
柏木彩(マネーフォワード広報)
大崎:早速ですが、このナレッジラボの誕生経緯を教えてください。
国見:私の経歴も少し交えながらお話ししますね。前職でトーマツグループにいまして、そこではじめ監査業務をやっていました。その後、デロイトトーマツ ファイナンシャルアドバイザリーというM&Aを多く取り扱う会社に出向し、そこで山邊さんと会いました。
山邊:なつかしいですね。
国見:M&Aって職人仕事で、結構大変なんですよ。基本的には①情報を引き出してくる→②それをまとめる→①情報を引き出してくる…という繰り返しです。翌朝の会議に間に合わせるために、深夜まで資料を作る。そんな仕事をずっとやってました。
大崎:華々しいイメージがありましたが、思ったより泥臭いんですね。
国見:そんな日々の中で、会議室にこもって夜遅くまでメンバーと一緒に仕事していた時に「僕たちの経験やノウハウを使って、新しい企業に付加価値を提供できないかな」って考えるようになったんですね。
結果、自分たちで何ができるか分からないけど、まずは独立してやってみようと思いました。そこで山邊さん含む会計士や税理士たちで、ナレッジラボをつくったんですよね。
大崎:そうなんですね。
国見:ただ、独立した当初はクライアントが全然いなくて…
大崎:お客さんの引継ぎはしなかったんですか?
国見:心機一転、新しいことにチャレンジしようと想いから、クライアントの引継ぎを一切やらないって決めたんですよ。社名もそういう想いから考えました。
大崎:そうなんですね。もう少し詳しく教えてください。
国見:僕たちは、新しい形を模索していきたかったので、一見、会計事務所とはわからないような社名にしました。
それがナレッジラボです。名前の由来ですが、「ナレッジ(=情報)をいかに集めて蓄積して、付加価値を提供していくか」そこにこだわりたいっていうのがあって。ラボっていうのは実際にナレッジを集めてくる箱のイメージですね。
(ナレッジラボ 国見さん)
国見:独立直後、そもそもお客さんがいなかったので、まず「僕らは何ができるか」を整理しました。その中で、以下の理由から、中小企業の事業再生をやってみたいとなったんですね。
①前職時代、M&A案件に加えて事業再生案件もやっていたので、スキルが活かしやすかったこと。
②事業再生って面白そうだなというイメージをもっていたこと。
③前職の上司や先輩が、たまたま事業再生案件を取りまとめているような仕事をしていたこと。
国見:そんなこんなで、ナレッジラボとして始動してから2年位、ずっと事業再生の仕事ばかりをやっていました。
国見:事業再生の案件を多く担当するやってるうちに、経営がうまくいっていない会社の特徴がだんだんと見えてきたんです。大きな特徴のひとつが「データ活用が全然できていない」こと。中小企業に行くと、例えば売上データであれば、紙の請求書のファイルしかないんですよ。だから「事業再生のために売上データください」とお願いすると、請求書のファイルの一式をバサっと渡されて、「これを全部足して」って言われることなんてよくあるんですよ。
山邊:まずは紙の請求書を見ながらExcelに入力するいう作業から始まるんです…
大崎:事業再生の一歩目から一苦労ですね…
国見:結局、企業を再生させるには、小手先の計画を作るんじゃなくて、まず各企業の ITインフラを整えて、様々なデータをきっちり整理できるようにしないとダメなんじゃないかなと気付きました。それが起業して2年目ぐらいだったんですね。
(マネーフォワード 藤田さん)
国見:ちょうどそれが、2015年ぐらいですかね。当時マネーフォワード クラウドの営業をされていた柏木さんが事務所にいらして、会計ソフトを紹介してくれて、「これはすごいな」と思ったんですよ。
「もしかしたらこれで、企業内のデータを簡単に整えられるんじゃないか?」と。
だから僕らは会計事務所としてというよりも、事業再生の1つのツールとしてマネーフォワード クラウドを使い始めました。
大崎:その使い方って一般的じゃないですよね?
一同:一般的ではないです。
山邊:でも、これは本質的な使い方だと思うんですよ。会計のデータって、もともとは経営に活かすためにあるはずです。売上の伸びやキャッシュフローなどの分析、予実管理などは、会計データをもとに行いますよね。僕らは会計データを経営に活かすことをやりたくて、サービスを使い始めただけです。
国見:事業再生を進める上で、僕らがはじめに思っていた「中小企業のデータの活用」は、クラウド会計を、いろんなクラウドツールやサービスと連携させていくことで実現できることが分かってきました。
一方で、「会計データを活用する」というところは、結局Excelでデータを落としてきて、分析したり予実管理したりみたいなことをやっていたんですね。分析や予実管理の領域では、当時いいクラウドツールがなかったんです。僕らはExcelを駆使することでなんとか対応していましたが、「これをクラウド化することで、もしかしたら経営者が会計をより使いこなせるような世の中になるんじゃないか」と思い始めました。
そこから、Manageboardの開発が始まったんです。今から2年ぐらい前ですかね。
山邊:僕たちの役割は「中小企業を元気にする」だと思っています。
会計人として、「各企業に会計ソフトを使ってもらう」だけではなくて、中小企業の社長に、「データに向き合って経営してもらう」こと。これが僕たちの提供できる付加価値だとって考えたんですね。それを具現化する1つのツールがManageboardです。
国見:例えば、僕がコンサルタントだったら年間で10社ぐらい担当できるので、その10社には喜んでもらえます。でも結局たったの10社なんですよ。1年間で。10年やっても支援できるのって100社じゃないですか。日本の中小企業って300、400万あるじゃないですか? 多くの中小企業を元気にするにはいったい何百年生きたらええねんと。
大崎:体何個あっても足りないし、それでも何年かかるんだっていう。
国見:人力では限度があるんですよね。世の中をもっとよくしていくためには、テクノロジーを使って、SaaSモデルにしないとダメだなーと思って試行錯誤していました。なんとかManageboardがリリースできて、ようやく一歩目を踏み出したところです。
けれども、これはあくまで一歩目であって、そっから先が長いわけじゃないですか。
大崎:ようやくスタートラインに立った段階という感じでしょうか。
国見:はい。なので、「この先どうしようかな~」って思っていた時に、担当してくれていた藤田さんの紹介で、執行役員の山田さんと菅藤さんにオンラインでManageboardのデモをしました。その後、菅藤さんがわざわざ大阪まで来てくれたんです。
※山田さん:株式会社マネーフォワード執行役員としてマネーフォワード クラウドシリーズの事業戦略担当。
※菅藤さん:当社のグループ会社である株式会社クラビス代表。マネーフォワードでは執行役員として提携/M&A戦略担当。
大崎:じゃあ国見さんが開発を始めたときに、「実はこういうの作り始めたんです」って話を藤田さんにしていたんですか?
国見:それはずっとしていました。
藤田:そうですね、開発スタート時点からずっと見せてもらっていました。
山邊:藤田さんは、もはや開発を始める前の僕たちのことを知っているからこそ「こいつらやばいな、いったい何考えてるんや」って、当時思ってたんじゃないですか(笑)
藤田:そんなことはないですよ!マネーフォワード クラウド会計とは別で、ナレッジラボのみなさんのノウハウが詰まったものを作るっておっしゃってたいたので、「楽しみやな~」と思ってました。
国見:今の話に僕らと藤田さんの付き合いについて付け足しますね。
2016年のはじめに、「中小企業のITインフラを整えるために、まずは僕らがIT企業になる!」と覚悟を決めました。その後、マネーフォワードさんと大型の契約をしたんですね。
柏木:あー、それがあの伝説の大型契約ですね。
藤田:あの時は会社がざわついたのを覚えています。
国見:そこで一気に付き合いがぐっと深まったんです。
藤田:会社と会社でもっと付き合っていこうとなりましたね。でも当時は資本提携とかまったくそういう話もなく、Manageboardのこともデモを見たぐらいです。Manageboardの名前も最初はManageeでしたよね?
国見:そうです、そうです。
藤田:だって国見さんも開発し始めたぐらいの時、今ほどそんなに出てこられてなかったですよね?
国見:そうそう。僕もその頃は開発に没頭していました。
藤田:短パンでエンジニアされていたのが懐かしいです。
(ナレッジラボ 山邊さん)
国見:菅藤さんが来てくれた、18年の2月ぐらいに話を戻します。正直な話をすると、菅藤さんに来てもらったときは、自分たちでもまだやれることがあるんじゃないかな思っていました。そのため、当初はグループジョインすることにすごく悩んだんですよ。
その中で今でも鮮明に覚えてるんですけど、5月23日。Co-CFOの金坂さんと菅藤さんが来てくれたんですが、そのときに決まりました。
大崎:それだけすごく迷っていた中、その日に決まったのってどうしてですか?
国見:金坂さんがぼくらの想いをめっちゃ汲んでくれたんですね。
柏木・藤田・大崎:えええええええええええええ(驚愕)
柏木・藤田:信じられない!そういうキャラじゃないのに。
国見:僕らの想いを聞いた上で、金坂さんや菅藤さんから、もう一緒になるしかないやろ!みたいな熱気がありました。
山邊:この熱気の背景としては、僕らのバックグランド(M&Aをしていた)が金坂さんと似ていたので、共感していただいたということもすごくあると思います。
大崎:それは大きいですね。
国見:当たり前ですけど、金坂さんが経営における予実管理の大切さを、身をもって分かっていたのもあり、意気投合しました。
山邊:金坂さんも「中小企業向けのCFO事業をやりたいんだ!自分の肝いり案件だ!」ぐらいの雰囲気で言ってましたね。
国見:とにかく「俺がやりたい!!!」と言ってました。同席した菅藤さんは菅藤さんで、ド直球で、バンバンもうプロポーズしてくるんですよね。
藤田:ずるいですよね、グループジョインした当事者っていうポジションがずるい。
※:菅藤が代表を務める株式会社クラビスは17年11月にマネーフォワードグループにジョイン。
国見:そうなんですよ。グループジョインを当事者として経験しているだけに、説得力がありすぎました。
藤田:先にグループジョインした会社の代表が、次にグループジョインする会社を呼びこむって聞いたことないですよね。
大崎:聞いたことないですね。
国見:まとめると、金坂さん、菅藤さんに熱心に口説いていただいたことがジョインの大きな決め手です。
大崎:ジョインが決まってからの話、これからやっていきたいことを聞かせてください。
国見:多分今までと同じぐらいの分量で喋りますよ(笑)
大崎:では、ここで一旦一区切りして、続きは後編にしましょう!