【プロフィール】
髙橋 完太(Kanta Takahashi)
大学院で法律を学んだのち、システム開発会社へ入社。法人営業を担当し、顧客の新規開拓~受注後の管理まで営業プロセスを経験。
2021年に株式会社マツリカにジョインし、CX(カスタマーエクスペリエンス)としてチャットサポートを担当したのち、現在はCSM(カスタマーサクセスマネージャー)として活動。
SFA/CRM、BI、MAなど複数のプロダクトを横断し、データを起点としたお客様の成果の創出を支援。
こんにちは!株式会社マツリカでCSMをしている髙橋です!
この記事では、私がCSMとして「データを起点にお客様と向き合う」中で学んできたことと、個社対応で終わらせず、チーム全体で再現できる仕組みに変えていった挑戦についてお話しします。
また、記事の最後では、11/21(金)開催のキャリアイベントについてもご案内しています。営業やCSに興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
私が複数のプロダクトを支援する中で、特に深く関わってきたのが「Mazrica BI」です。BI支援を続ける中で、ひとつの気づきがありました。「データを見ること」と「データを活かすこと」は、まったく違うということです。
数値を見える化するだけでは成果にはつながりません。データをどう使えば成果に繋がるのか。その問いに向き合い続けてきました。
このストーリーでは、行動変容に繋げるデータ活用と、お客様と伴走するCSMのリアルをお届けします。データ活用やCSMに興味がある方に、少しでもヒントになれば嬉しいです。
数字の先にあるお客様との向き合い方
日々の業務の中で、お客様とどんな対話をし、どう支援しているのか。そしてそれを個社対応で終わらせず、チーム全体で再現できる仕組みにしていく取り組みを、私の1日の流れを通してお伝えします。
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データチェックから定例MTG、BI構築まで ― CSMの1日の流れ
朝のデータチェック:お客様の「今」を把握する
私の1日は、データチェックから始まります。
Mazrica Salesのトップ画面には、担当する約40社の利用状況を一覧で確認できるBIを自分で組み込んでいます。各社のログイン率、データ登録数の推移を見ながら、「この変化の背景には何があるのか」を考えるのが私の朝の始まりです。
この時間は単なるルーティンではありません。お客様の「今」を早めに捉えるための、最も大切な時間です。
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担当企業40社の利用状況を一覧で確認できる、MazricaのTOP画面
以前、ある1社のログイン率の動きに違和感を覚えました。毎月月末だけ、急にログイン率が跳ね上がっていることに気づいたんです。
詳しくデータを見ると、月末のレポート提出時だけMazricaを開いていることが判明しました。つまり、「定期的に活用している」のではなく、「締め処理の時だけ使っている」状態だったんです。
これでは、ツールが営業活動を支える存在になっていない。
そこで定例MTGで、週次で活動データを確認する運用を提案しました。BIを営業会議の中で使う習慣づくりを、お客様と一緒に始めたんです。
すると、月初から中旬にもデータが更新されるようになり、営業会議の内容も「結果の報告」から「今どう動くかの議論」に変わっていきました。
数値の裏側にあるストーリーを読み取ること。
これが、BIを通じて私が最初に学んだ「お客様の今を捉える」という視点でした。
こうして日々のデータを見ていると、「この変化をどう行動につなげるか」を考えるようになります。
その答えをお客様と一緒に探していくのが、定例MTGの時間になります。
「データで動く」支援が、お客様との関係を変えた
月に1回、お客様と定例MTGを行っています。ログイン率や登録件数などのデータを見ながら状況を共有しますが、目的は「数値の報告」ではありません。
私たちが目指しているのは、ツールを使いこなすことではなく、お客様が成果を出せる状態をつくることです。
とある企業では、案件の登録数は安定しているのに、受注率が伸び悩んでいました。
MTGでBIを一緒に見ながら「どのステージで案件が止まっているのか」を確認すると、提案段階で長く滞留している案件が多いことが分かりました。
そこで、営業会議の中に「滞留案件レビュー」の時間を設けることを提案。BIで進捗を可視化しながら確認する運用を始めました。
結果として、商談の進行スピードが上がり、翌月には受注率が5ポイント改善。
この取り組みを通じて、お客様との会話が変わっていったんです。
それまでは「ツールの使い方を教えてほしい」と言われることが多かったのが、「営業成果をどう上げるか」を一緒に考える関係に変わりました。
数字を共有するだけでは、行動は変わりません。データを使って動く支援こそが、CSMの本質だと実感した瞬間でした。
定例MTG後は、決まった内容を資料にまとめ、次のアクションを共有。DSRでタスク管理することで認識のズレなく進められる体制をつくっています。
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Mazrica DSR(デジタルセールスルーム)のタスク管理画面
こうした定例MTGを意味あるものにするために、事前準備は欠かせません。直近の活用状況を確認するのはもちろん、同業他社の成功事例をストックしたり、リリース予定や要望対応の進捗も整理して臨みます。
利用データから仮説を立て、次の提案を用意しておく。こうした準備があるからこそ、お客様との対話が"報告の場"ではなく"作戦会議"になります。
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定例MTGで実際に使用している資料例(活動データと改善提案を可視化)
定例MTGを重ねる中で、次第に感じるようになったことがありました。
個社ごとの支援で成果は出せるようになった。
でも、それは「私がその企業を担当しているから」できていること。
この支援を、チーム全体で再現できる仕組みにできないか。
お客様の成果をもっと確実に、もっと広く届けたい。そう考えるようになった頃、あるお客様との定例MTGでの一言が、次の挑戦のきっかけになりました。
BI構築:個社対応から“仕組み”へ
転機は、ある定例MTGでのお客様の一言でした。
「ログイン率が下がっているのは分かるけど、それが売上にどう関係するの?」
この問いが、私の次の挑戦を決定づけました。個社ごとの支援で成果は出せても、データと営業成果の関係性を誰もが理解できる形にしなければ、本当の意味での支援にはならない。
そこから始まったのが、BI構築プロジェクトでした。定例で見ていたデータを再構成し、営業活動と成果の相関を見える化する取り組みを実施。
最初はうまくいきませんでした。お客様の業務背景を理解しきれず、作ったBIが使われないことも。でも対話を重ねるうちに、「BIはデータを飾るものではなく、お客様の意思決定を支える設計図」だと気づきました。
BI構築の具体的なプロセス
BI構築では、お客様がどう営業会議を運営し、どんな数字で意思決定しているのかを丁寧に理解することから始めます。ここで重要なのは、「何が見たいのか」だけでなく、「なぜ見たいのか」を掘り下げること。
例えば、「活動量と成果の相関を見たい」という要望があった時、背景は「営業会議でアクションプランを作成したいから」かもしれません。その背景を理解することで、初めて正しい設計ができると考えています。
そして、個社で成果が出たBIモデルは、業界別・企業規模別のベストプラクティスとして抽出し、テンプレート化していきます。
これにより、新規お客様対応の効率化に繋がり、チーム全体で同じレベルのBI支援ができる環境が整っていきます。
こうした取り組みを通じて私自身の視点も大きく変わり、お客様から「ログイン率が低い」と相談されたとき、その背景にある「営業会議で使えるデータがない」「入力の意味を感じにくい」といった本質的な課題を見抜き、データを使って動ける支援ができるようになりました。
この経験が、今の自分を育ててくれたと思っています。
そんな挑戦を支えてくれたのは、マツリカという環境でした。その背景には、日々の行動を支える「Value」の存在があります。
マツリカのValueが、CSMの成長とお客様支援を支えている
マツリカには、日々の業務の指針となる7つのValueがあります。
その中でも、CSMとして日々大事だと実感しているのが「枠に囚われるな」と「コミュニケーションを諦めない」という2つのバリューです。
これらがどう私の成長と顧客支援を支えているのか、具体的にお伝えします。
枠に囚われるな
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マツリカのValue「枠に囚われるな」の定義
マツリカには、PdM・開発・CX・CSMが週次で集まり、お客様の課題をフラットに議論する文化があります。私たちCSMは、単に顧客の声を届けるのではなく、「お客様が今どう困っていて、どんな状態を目指しているのか」を意図まで含めて伝えることを意識しています。
例えば、他製品との連携機能で「クリック数が多くて運用が定着しにくい」という声をいただいたことがあります。これを単なるUIの問題ではなく、「日々の入力負担がツール利用率を下げている」という構造的な課題として捉え、PdMと一緒に改善案を検討。
結果、クリック数を大幅に減らす改修が実装され、「これならストレスなく使える」という声をいただきました。
現場の課題をプロダクトの進化につなげていく。その瞬間に立ち会えるのが、CSMの面白さだと感じています。
コミュニケーションを諦めない
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マツリカのValue「コミュニケーションを諦めない」の定義
もうひとつ、CSMの支援を支えているのが「コミュニケーションを諦めない」というバリューです。マツリカでは、「疑問や質問は財産だ」という考え方が浸透しています。
Slack上では、契約状況やお客様の要望、成功事例などがリアルタイムで共有されています。「〇〇社でこの運用方法が役に立ちました。同業種を担当しているなら参考になるかもしれません」といったメッセージが流れてきて、すぐに自分の支援に活かせます。
一方で、自分の考えを深めたいときや他メンバーの視点を取り入れたいときは、すぐにSlackで質問を投げます。開発やPdMには「〇〇とMazricaの連携開発の予定はありますか?」、チームメンバーには「代理店の営業進捗管理、AパターンとBパターンどちらが多いですか?」といった質問も。数分以内に誰かが返信をくれて、そのまま議論が始まることも珍しくありません。
こうしたオープンでスピーディーなやり取りが、顧客支援のスピードを支えています。
単なる情報交換ではなく、質問と共有の循環を通じてチーム全体の知見が広がっていく。この環境があるからこそ、CSMとして成長し続けられるのだと感じています。
共に“お客様の成功”をつくる仲間を募集しています
この仕事の面白さは、「正解がない」ことだと感じています。
お客様ごとに課題は違うし、同じデータを見ても解釈は人それぞれ。だからこそ、自分で仮説を立てて、試して、失敗して、また考える。その繰り返しが成長に繋がっていきます。
マツリカには、そうした試行錯誤を歓迎する文化があります。「CSMだから技術のことは分からない」じゃなくて、「分からないから聞いてみよう」と言える環境です。
データから仮説を立てて、検証するのが好きな人、お客様の課題を自分ごととして考えられる人、職種の枠を気にせず動ける人。そんな方と一緒に働けたら嬉しいです。
少しでも興味を持っていただけたら、まずはカジュアルにお話ししましょう!
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【11/21(金)開催】若手営業向けキャリアイベント