平岡美紗希(ひらおか・みさき)
東京家政大学短期大学部卒。在学中に保育士と幼稚園教諭二種の免許を取得。幼少期担任の先生が大好きだったことから幼稚園教諭になることに憧れ、2015年4月 私立幼稚園に新卒入社。「一人ひとりのお子さまを支援できるようになりたい」という思いから、2018年4月 LITALICOジュニアへジョイン。現在はLITALICOジュニア駒沢教室にて支援員として従事。
一人ひとりのお子さまとじっくり関わる支援者になりたくて
幼稚園からLITALICOジュニアへ転職した経緯を教えてください。
平岡:幼稚園で勤務していた頃、担任していたクラスの中にグレーゾーンのお子さまが何人かいらっしゃいました。
そのお子さまたちの療育先の先生方が担任の自分よりもそのお子さまのことを詳しく知っていたり、正しく行動を分析されているのを見て、悔しく思ったんですよね。
一人ひとりのお子さまをもっとじっくり見れるようになりたいと考えて、転職を決意しました。
転職する時、周囲の反応はどのようなものだったのでしょうか。
平岡:当時務めていた園の副園長先生から「私は障害について詳しく学んできたわけではないから、LITALICOジュニアで得た知識をぜひシェアしてほしい」と背中を押すような言葉をいただくことができました。
今でもたまに園にお伺いするくらい良くしてもらえていて。
将来的にはもう一度保育の現場に戻って、LITALICOジュニアで学んだ知識やスキルを活かしたいな、と考えています。
その子に合った環境を整えることで、できなかったことができるようになる。
LITALICOジュニアのコンセプト(支援理念)はどのようなものでしょうか。
平岡:「自分らしく生きる力を育み 家族とともに 子どもの今と未来の幸せに貢献する」これがLITALICOジュニアのコンセプトです。
(1)ソーシャルスキルトレーニング(SST)※や学習支援を通じて「自分らしく生きる力を育む」こと
(2)支援員だけでなく、「家族とともに」歩んでいくこと
(3)「今」と「未来」双方の幸せを考え、貢献すること
これらを大切にして、日々の支援を担当させていただいています。
※ソーシャルスキルトレーニング(SST)とは、人が社会でほかの人と関わりながら生きていくために欠かせないスキルを身につける訓練のことを指します。
詳細:LITALICO発達ナビ https://h-navi.jp/column/article/35025905
コンセプトを体現するために、普段から大事にしている考えはどのようなものでしょうか?
平岡:LITALICOジュニアでは、お子さまと環境との相互作用によって困りが生まれると考えています。
そのため、お子さまへの支援だけでなく保護者さまや園・学校との連携にも注力しているんですね。
私は毎回の支援ごとに、家庭や園でも取り入れられそうなアイディアをなるべく大人側(保護者さまや園の先生方)にシェアするようにしています。
具体的には、どのようなエピソードがありますか?
平岡:活動への取り組みや切り替えが難しく、自身のやりたい活動を自身のタイミングで行う年長のお子さまがいらっしゃいました。
LITALICOジュニアでは2つの支援を実施したんです。
(1)ボードに見通しを書いて提示する
(2)時計の針に終了時間の印をつける
「こうさくが終わったから、次はえんぴつしよう」とか、時計の針を指差しながら「ここまで一緒にがんばろうね」と声かけすることで、活動の切り替えがうまくできるようになりました。
そこで、保護者さまや園の先生にも同様の支援ができないか?とお話しして、導入していただいたんですね。
ご家庭や園でも同様の支援を取り入れていただいたことで、最近はうまく切り替えられることが増えました。
「褒められることが増え、自信がついたようです」と先日保護者さまが嬉しそうに話してくださった時は、やりがいを感じられましたね。
オーダーメイドだからこそ提供できる支援を。
支援をするなかで、平岡さんが最も大切にしていることは何ですか?
平岡:LITALICOジュニアには、全支援員の共通する支援スタンスとして LITALICOスタイルというものがあります。
①信頼関係をつくる、②最適なプランニング、③心に火をつける、④自信につなげる、⑤安心できるコミュニティ、⑥環境へのアプローチといった 6つの項目です。
今回は②最適なプランニングについてお話しさせてください。
支援は通常、下記(1)~(4)の流れで行います。
(1)個別支援計画の作成
(2)支援の実施
(3)評価・振り返り
(4)改善
なかでも(1)個別支援計画の作成は、最適なプランニングに関わる重要な項目です。
LITALICOジュニアではお子さま一人ひとりに対して6か月ごとの支援計画を作成するんですね。
支援計画を作成する際、大切なのはアセスメントです。
お子さまの得意なことや苦手なこと、発達段階、生育歴など、様々な要素をアセスメントしていきます。
アセスメントを終えたら個別支援計画を作成するのですが、どの支援員が見ても共通の考えで支援があたれるようにする必要があると考えています。
例えば「~を楽しめるようになる」とか「~を感じられるようになる」だと、できたかどうかを測るのって難しいですよね。
そのため、個別支援計画には行動をベースにした目標を定めています。
例えば「貸してと言う」「相手に向かってボールを転がす」「3つ以上のパーツを使って●●を組み立てる」といった内容ですね。
他にも、立てた支援計画の進捗を確認できるよう、支援員がつけたスキルスコアや親評定によって目標の達成度がグラフ化され、目に見えて分かるようなシステムも導入しています。
支援を見える化することで、お子さまに関わる大人たちが共通言語で支援について話すことができるんですね。
プランニングによって、保護者さまの満足度やお子さまの成長実感は変わってくると考えているので、LITALICOスタイルの「最適なプランニング」をとても大切にしています。
LITALICOジュニアの支援方法に関心を持ってくださった方は、説明会に参加いただき、ぜひ詳しくお話を聞いていただけると幸いです。
▼説明会のエントリーはこちら