今回はカソク株式会社のインタビュー第二弾として、イタリア・ボローニャの山奥から、民泊運営のカスタマーサポートを担っている奥田雄士さんにお話を伺いました。イギリス、アイルランドを経て現在はイタリアに在住。ニワトリや野菜に囲まれた大自然の中で、人工衛星のインターネットを活用しながら日々の業務を行う奥田さんの働き方は、まさに「新しい働き方」の象徴です。
そんな彼が、どのようにしてカソクに出会い、どんな価値観で仕事に向き合っているのかその魅力に迫ります。
1. まずは自己紹介をお願いします。
奥田雄士と申します。石川県出身で、現在はイタリア・ボローニャ近郊の田舎町に暮らしています。ヨーロッパでの生活は今年で9年目となり、これまでにイギリスやアイルランドに滞在したのち、現在のイタリアへ移住しました。カソクには2020年、コロナ禍直前に入社し、現在はCX(カスタマーエクスペリエンス)チームで、ゲストオペレーションや対応スタッフの管理を担当しています。趣味はガーデニングや家庭菜園、ニワトリの世話などで、特に夏は庭で過ごす時間が多いですね。そのほか、近くでセリエAの試合が観られることからサッカー観戦も楽しんでいます。また、イタリア国内やヨーロッパ各地への旅行、帰省時の日本国内旅行なども趣味のひとつです。一言で自分を表すなら、「真面目な人間」ですね。仕事においては、良い意味でこだわりが強いタイプだと思います。
2.カソクに入社を決めた理由は?
実は、一度社会人を経験した後、改めて語学を学ぶためにイギリスやアイルランドへ渡りました。英語力のブラッシュアップを目的に学生として生活していたのですが、生活費を賄うためにリモートでできる仕事を探していました。その中で、民泊関連のカスタマーサポート業務を行う同業他社に勤務することになりましたが、1年ほどで事業縮小に伴い退職することに。そんな時、偶然見つけたのがカソクの求人でした。これまでのリモートオペレーターとしての経験を活かせることに加え、柔軟な働き方が可能でありながら責任ある業務も任せてもらえる環境だと感じたことが、応募の決め手となりました。
3.リモートワークの環境
本当に田舎の徒歩で20分歩かないと隣の家が見えないような場所に住んでいます。「なぜこんなところに日本人が…?」とよく驚かれますね。ただ、通信環境は非常に優れていて、人工衛星からインターネットを引いているため、イタリアにいても業務に支障はありません。作業環境はシンプルで、机とノートパソコン、モニターが1つあるだけです。特別なスペックの機材を使っているわけではなく、必要最小限のもので十分に仕事ができています。
― 1日のスケジュールを教えてください。
時差やサマータイムの関係もありますが、イタリア時間の朝7時〜7時半頃から業務を開始しています。日本時間では午後2時前後ですね。日によって異なりますが、基本的には夕方5時〜5時半くらいまでを勤務時間としています。朝は6時前には起きていて、仕事が終わった後は季節によって過ごし方が変わります。夏は外が長く明るいので、すぐに庭へ出てガーデニングをしたり、動物の世話をしたり。冬は室内でイタリア語の勉強や、英会話学習などをしています。イタリア語は生活上必須というほどではないですが、住んでいる以上、ある程度わからないと困る場面もあるので、趣味半分・実用半分といった感じで続けています。家では英語をメインに使っていますが、イタリア語も少しずつ勉強しています。
― リモートワークで感じる難しさはありますか?
ありますね。特に、オフィスにいないからこそ見えづらいことがあるんです。リアルタイムで現場の動きを把握しにくいので、「もう終わっているタスクに対して後追いしてしまう」とか、「何が起きているのか全体像がつかめない」みたいなことが起こりがちです。だからこそ、こちらからの発信も大事ですし、周囲からの情報共有もすごく重要です。ちょっとした会話の中から得られる「空気感」みたいなものが、リモートだと拾いづらいというのは課題ですね。
(↓自宅と飼い猫)
4.カスタマーサポートの業務について
やっぱり、「ありがとう」と言ってもらえる瞬間は特別ですね。クライアントやゲストから直接感謝の言葉をもらえると、自分の対応がちゃんと誰かの役に立てたんだって実感できます。今は最前線でゲストとやり取りする立場ではないですが、保険が絡むような難しい案件で認定まで持っていけたときなんかは、「やり切ったな」と達成感があります。自分の担当領域の中でも、難しい問題を解決できたときは、何度経験しても嬉しいですね。
― 難しいお問い合わせやクレーム対応で心がけていることは?
私が最も大切だと考えているのは、「なぜそれが起きてしまったのか」という背景をきちんと理解することです。まず状況や相手の立場を正確に把握することが重要だと思っています。クライアントごとに求めていることや価値観は大きく異なるため、マニュアル通りでは対応しきれない場面も少なくありません。だからこそ、臨機応変に、ゲストやその時々の状況に合わせた対応を心がけています。
― 仕事をするうえで、大切にしているポリシーがあれば教えてください。
「できる限り丁寧に」というのが一番ですね。民泊対応はつい話し言葉のようなカジュアルなやりとりになりがちなんですが、最近はお客様の層も変わってきて、対応のクオリティも求められるようになっています。だからこそ「Thank you.」の一言だけで終わらせないようにしています。そのあとにちょっとした気遣いや、相手が安心できるようなメッセージを添える。そういった小さな一工夫を意識しています。社内のやりとりでも同じで、オペレーターさんからの問い合わせには、できるだけ早く、かつ丁寧に返すようにしています。自分もサポートされる立場だからこそ、どう返してもらえると嬉しいか、常に意識することはとても大切なことです。
― カスタマーサポートに必要なスキルとは、どんなものでしょうか?
まず大前提として、「言葉遣いや文章力」は欠かせません。特に学生のうちからこの仕事を始めると、普段使わないような敬語や表現が出てくることも多くて、最初は戸惑うかもしれませんが、そこを乗り越えることが最初のステップだと思います。あとは「判断力」ですね。良くも悪くも、思い切りの良さがないと、物事を進めていくのは難しいです。「失敗してもいいや」くらいの気持ちで、まずは自信を持って動いてみる。失敗から学ぶ姿勢を持っていれば、次に生かせますし、リーダーとしてもすごく大事な視点だと感じています。
― 実際にこの仕事を通じて、どんな力が身についたと感じますか?
一番は「状況を俯瞰して見る力」ですね。ただ一件一件を処理するだけじゃなくて、全体の流れを見ながら「次に何が起こるか」を予測したり、チームの中での自分の役割を意識したりできるようになりました。また、お客さまへの対応だけじゃなく、社内メンバーとのやり取りでも「相手に伝わる言葉を選ぶ力」が鍛えられました。相手の背景や理解度を考えてコミュニケーションを取る、というのは日々の中で自然と身についてきたスキルです。
― チーム内での知識共有など、工夫していることはありますか?
Slackなどのツールを活用して、ナレッジ共有はできる限りこまめに行うようにしています。例えば、対応が難しかったケースや、新しいルールが出たときには、みんなにとっての「次のヒント」になるように、自分の経験も積極的にシェアするよう心がけています。チーム内では「わからないことは聞ける」「シェアするのが当たり前」という文化があるので、情報の偏りが起きにくいですし、結果としてお互いにレベルアップできる環境だなと感じます。
5. カソクの魅力とは?
カソクには、学生、外国籍の方、海外在住者など、多種多様なバックグラウンドを持つスタッフが在籍しています。私自身は今年で36歳になりますが、それでもチームの中ではほぼ「最年長」。非常に若いスタッフが多く働いている環境です。ただ、そういった環境でも、年齢や経験に関係なく「やりたい」と手を挙げれば、きちんとチャンスを与えてもらえる会社です。たとえば、一般的な企業では、入社から1〜2年は責任ある仕事を任せてもらえる機会は少ないかもしれません。しかしカソクでは、アルバイトであっても「それ、やってみたいです」と手を挙げれば、「じゃあ、やってみよう!」と本当に任せてもらえます。もちろん、責任は伴いますが、任されたことに本気で取り組めば、それがそのまま自分の成長につながっていきます。挑戦できる自由があり、やる気があればどんどん前に進める。そうした「風通しの良い環境」を、私はとても気に入っています。
6.最後に
奥田さんのインタビューから、リモートワークという働き方の可能性と、その中で求められる柔軟性や責任感の重要さが伝わってきました。地理的な制約を超えて、自分の価値観に合った生活を大切にしながら、プロとして誠実に業務に向き合う姿勢は、多くの人にとって働き方の新しいロールモデルになるはずです。
カソクでは、年齢や経歴にとらわれることなく、「挑戦したい」という意志を尊重し、個々の成長をしっかりと後押しする文化があります。リモート環境であっても、チーム内の連携や情報共有が活発で、一人ひとりの声が届く風通しの良さが魅力です。「自分のライフスタイルに合った働き方を実現したい」「責任ある仕事を任されながら、自由度の高い働き方をしたい」そんな想いをお持ちの方は、ぜひ一度カソクの門を叩いてみてください。あなたの可能性が広がる場所が、ここにはきっとあります。
(↓自宅と裏庭)