プロデュース・運営・制作進行 | 中途採用 SQUARE ENIX -RECRUITING-
スクウェア・エニックスのプロデュース・運営・制作進行の募集一覧
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スクレポ
こんにちは、スクウェア・エニックス 人事部 採用担当 平山です。
あっという間に2019年に入り、1月も後半となりました。
本年もスクウェア・エニックス人事部は、Wantedlyでの活動を通して、皆様に当社の魅力をお伝えしていきたいと考えております。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回は、弊社でローカライズ・プロジェクトマネージャーとして働く社員の声をお届けします。
ローカライズ・プロジェクトマネージャーの仕事の魅力から、業務を進行する上で学んだことまで、入社後7年間の経験を凝縮してお伝えします。この職種を初めて知った方も、ゲームローカライズに興味のある方も、ぜひお読みください。
ローカライズディビジョン 春口 友佑
前職では、アメリカに本社のあるFacebookやモバイル向けのゲームを制作する会社の日本スタジオで働き、そこで初めて「ゲームのローカライズ」という仕事に出会いました。本社にいる担当ゲームのプロデューサーから毎日ツール経由で英語のテキストが届き、それを日本語に翻訳して本社に返す、というのが日々の主な業務内容でした。翻訳自体は外注の翻訳ベンダーに委託するケースが多かったですが、納品された翻訳が実際のゲームに合った内容になっているか確認し、必要に応じてテキスト内容を調整して本社にテキストを送ると、次の日には実際のゲームに翻訳したテキストが反映されている、といった具合です。
自分が関わった翻訳テキストがゲーム上で表示され、それをユーザーの方々が読みながらプレイしていることに面白味を覚えて、「これからもっともっとゲームローカライズの知識を深めていきたい!」と意気込んでいた矢先に、残念ながら日本スタジオが閉鎖されることになってしまいました。「ゲーム業界の動きは激しいなぁ(汗)」と身を以て感じた出来事でしたが、引き続き同様の仕事を続けたい!と思い、「ゲーム」と「ローカライズ」のキーワードを軸に仕事を探す中、スクウェア・エニックスローカライズディビジョンの求人を見つけました。
前職のゲームはいわゆる運営系のゲームのみで、個人的に多少物足りなさを感じていたところだったので、「スクウェア・エニックスはタイトル数も多いから、モバイルからコンソール、オンラインまで幅広いジャンルのゲームに携われるかも!」と期待しつつ応募したのを今でも覚えています。その期待通り、入社から現在まで、様々なプラットフォームやジャンルのゲームに携わることができています。
国内だけでなく海外にも展開するプロジェクトにおいて、ローカライズのチームと開発チーム、そして海外支社のQA部隊やパブリッシャーの間に立ってローカライズ版制作の進行管理を行う。簡単に言えばそれがローカライズ・プロジェクトマネージャーの役割です。開発チームのプロジェクトマネージャーの業務に近いものだと思っていただくといいかもしれません。仕事の進め方も似ている部分は多く、海外版制作の企画が立案されると、まずは海外版制作スケジュールや予算を策定し、プロジェクト側と合意したうえで進めていきます。
ローカライズディビジョンのトランスレーターをはじめ、開発側のプロデューサー、ディレクター、各セクションのリーダーなどとは密接に関わります。大きなプロジェクトになればスタッフは開発集中時期であれば100名以上。ローカライズ側でも対応する言語が増えれば、数十名のトランスレーターが動くこともあります。開発チームのプロジェクトマネージャーとの大きな違いの一つは、コミュニケーションに英語を多用することや、常に海外のユーザーや市場を意識した目線でゲームを見る必要がある部分ですね。海外版を出す場合、国内版をそのまま翻訳するだけでは様々な問題が出てきます。ローカライズ・プロジェクトマネージャーは、トランスレーターと共に問題となりえる部分を拾い上げ、修正内容を開発チームと調整しながら、海外版プロジェクト全体を管理しています。
例えばキャラクターのセリフ一つとっても、英語や欧州言語では日本語よりも文字数が多くなります。そのまま翻訳するとテキストが表示枠からはみ出してしまうんですね。なので、海外版ではこういった言い回しにする、というトランスレーターが考えた案を開発側と調整します。レーティングも北米は日本よりもかなり厳しい基準を適用していますから、そこに引っかかってくる表現やビジュアルはすべて洗い出します。テキストもそうですし、例えばギャンブルを行うカジノや、アルコールが飲める酒場のような場所があるとすれば、未成年を対象にしたゲームには相応しくないわけです。そういった場合はビジュアルそのものの変更を依頼することもあります。
プロジェクトに特化した課題は毎日のように発生しますが、入社して間もない頃に、とある失敗から私は「コミュニケーション」の重要性を強く実感しました。
担当していたプロジェクトの業務において別の部署の方とメールでやり取りをしていたときに、ささいなことから誤解が生じ、少々ギクシャクしたメールのやり取りが続いてしまったことがありました。見るに見かねた上司に「メールじゃ埒が明かないから、直接会って伝えたいことを説明してきなさい。」と言われ、正直あまり気乗りしない中、気負って会いに向かったところ、相手の方は穏やかに話をきいてくださり、結果的にその後のやり取りがとてもスムーズになりました。
ローカライズ・プロジェクトマネージャーは仕事柄、社内外を問わず日々様々な立場の人々とのコミュニケーションが発生します。コミュニケーションの重要性は頭では理解しているつもりでも、日々継続して意識するというのは意外と難しいものです。業務上で活用するコミュニケーションツールにはメールやチャット機能、電話など色々ありますが、それぞれに利点や落とし穴があります。忙しくて時間がないときほど、ついついメールやチャット機能に頼りがちになっていた私にとって、一つのツールに依存して意思疎通を図るのではなく、ツールはあくまでツールであって、最終的には「人と人のやりとり」で仕事というものは成り立っていて、それを円滑に行うために「人間力」が活かされるのだな、と痛感した瞬間でした。
昨日聞いていたゲームの仕様が今日には変わっている、なんてこともザラにあります。そんな状況で我々は常に最新の情報を把握して、関係するスタッフに共有し、課題を克服する方法を共に導き出す必要があります。一見当たり前のようですが、当社が制作するゲームも日々のコミュニケーションをベースに最終的に製品として形になり、世に出ているのです。この教訓を活かして、今では忙しいときほど人とのやり取りを丁寧にするよう日々意識して仕事をしています。
当社で働く大きな魅力の一つは国際色の豊かさです。中でもローカライズディビジョンには欧米を始め多様な国のスタッフが同じオフィスで共に働いており日々さまざまな言語が飛び交う環境です。今でこそ慣れましたが、入社当時は「ここは本当に日本かな?」と思うこともありました(笑)。日本にいながらにしてグローバルな環境で語学力を活かしつつ働くことができます。
またローカライズディビジョンのミッションの一つに、海外のユーザーに日本のゲームだと気づかれないクオリティの作品に仕上げる、というものがあります。単純に翻訳や音声を吹き替えにするだけではなく、海外の文化やトレンドを意識してディテールにまで細かくこだわり、場合によっては開発チームと相談しつつキャラクターのビジュアルやゲームの内容まで変更することもあります。部内にいるトランスレーターたちと相談しつつ、開発チームが0から作り上げるゲームを、海外のユーザーにとって100点にも120点にもなるよう努めることも我々の仕事の魅力だと思います。
ローカライズという仕事の特性上、翻訳元になる言語のテキストが整わない限り、翻訳を始めることは当然できません。昨今では自社他社含め当たり前のトレンドにもなってきている同時開発タイトルにおいて、開発スケジュールが後ろ倒しになり、後方部隊であるローカライズへの負荷が高まる、なんてことが発生する場合もあります。そんな状況で、いかに開発チームやトランスレーターと密接に関わりつつ、いかに効率的に作業をこなしていくかは、どんなプロジェクトを担当する上でも毎回直面する課題です。
また、数多くの人々と関わる業務ですので、状況や立場によって異なる意見があがる場合もあります。橋渡し役として個々の意見に耳を傾けつつも、俯瞰で物事を見定めて意見をまとめあげることに難しさを感じることもあります。
ただ、苦労した分だけ、実際にゲームが発売を迎えた際に感じる感動や達成感は格別です!
ローカライズ・プロジェクトマネージャーが行う業務は予算や翻訳進捗管理以外にも多岐にわたり、一言で述べるのは難しいですが、私は「問題解決能力」、「柔軟性」、「コミュニケーション能力」を兼ね備えた人が向いていると思います。
プロジェクトによってそれぞれに違うやり方があり、毎回のように聞いたこともない問題が起きるのがこの仕事でもあります。そのため、自分なりに勉強して問題を解決していく柔軟性、英語と日本語で双方に適したコミュニケーションを行う能力が大切になってきます。ただ、問題が多様化していく中で、どのプロジェクトでも共通する問題というものは確かに存在していて、例えば日本語版レイアウトの表示枠制限による、テキストのはみ出しなどは代表的なものです。ローカライズディビジョンではそういった共通する問題点をまとめた資料を作成していて、今後は社内での認知を高めていくことで、国内版の開発段階からグローバルを意識した仕様で進めていけるようにしていければと考えています。そうやって共に問題を解決していくことによって新しいスタンダードを作るような働き方こそが、これから求められることだと思います。
海外のユーザーに面白いゲームを届けることが私たちの仕事ですから、そういう意味では必ずしもローカライズ・プロジェクトマネージャーが日本人である必要もありません。多様性が高まればそれだけローカライズビジョンへのインプットも増えていきます。ローカライズ・プロジェクトマネージャー、トランスレーター、ローカライズ・プログラマーが一丸となって、海外のゲームや市場の理解を深め、社内にアウトプットすることで、ローカライズをもっといいものにしていければと思います。
スクウェア・エニックスに入社して今年で7年目に突入し、後輩たちの数も増えてきました。開発されるタイトルの数も年々増え続けているので、今後は部内の主力として複数の大型プロジェクトを同時にこなせるよう更にスキルアップしていきたいと思っています。
また機会があれば、日本語から海外言語へのローカライズだけではなく、例えば英語で作成されたシナリオを日本語やその他言語へローカライズするなど、個人的にまだ経験したことがないタイプのローカライズにも挑戦してみたいと思っています。
ゲームを実際に制作している開発チームや、テキストを翻訳するトランスレーターと違い、ローカライズ・プロジェクトマネージャーの仕事は必ずしもユーザーの目に見える形でゲームに反映されるわけではありません。しかし、担当する人が異なれば、できあがるゲームの内容も絶対に違ったものになっていきます。黒子的な立場ですが、日本で制作された当社のゲームが世界中のユーザーに届いているのは自分たちの努力があってこそ!と胸を張って日々頑張っています。「最高の物語を提供することで、『世界中』の人々の幸福に貢献する」という当社ローカライズディビジョンのミッションに参加したい方の応募をお待ちしています!