こんにちは!ジョイゾーHR担当 内川です。
本日は、ジョイゾー代表四宮が語るシリーズ第三弾、【ジョイゾー式人事制度】です。
ジョイゾーでは、評価と給与を切り離した人事制度を導入しています。
従来のような、評価が直接給与額に反映される仕組みを見直し、評価と給与を連動させない制度です。
「評価が給与に直結するシステム」を見直すことで、社員一人ひとりの自律性を高め、成長を支援する環境を整えます。
この仕組みは、モチベーションの向上やスキルアップにつながり、最終的には会社全体にとっても大きなメリットをもたらしています。
今回は、ジョイゾーがこのような人事制度を採用した理由や背景について解説します。
目次
なぜ人事制度と給与形態を見直すことにしたのか
ビジョンの共感がなければ、この制度は成り立たない
自己申告で未来を切り開く!新しい給与決定システム
ジョイゾー式人事制度が目指すもの〜自律と成長〜
なぜ人事制度と給与形態を見直すことにしたのか
評価と給与を切り離した人事制度を導入することになったきっかけは、経営会議にて人事評価に関する議論の中、社外取締役の深井さん(https://coten.co.jp/ceo-interview/)から木村石鹸の評価制度について教えていただいたことでした。
木村石鹸の人事制度は、生きがいラボ株式会社(https://ikigai-lab.jp/)の福留幸輔氏が著した『人事制度の未来~「給与」と「評価」を分離せよ!』を参考にしており、私自身もその書籍を読み進む中で、「まさにジョイゾーが目指すべき評価と給与の考え方」として、共感・納得したことを覚えています。
そのため、これから紹介する人事制度には、『人事制度の未来~「給与」と「評価」を分離せよ!』の内容を参考にした部分が多く含まれています。その点についてご容赦いただければ幸いです(笑)。
もともと私は、給与を会社が一方的に決定する制度に対して疑問を抱いていました。プロ野球の年俸交渉のように、成果や将来への期待を踏まえた対話を通じて、双方の合意に基づいて給与額を決めるプロセスを導入したいと考えていました。しかし、具体的な施策を制度に落とし込む方法が見えず、実施には至りませんでした。
人事制度の基本的な目的は、従業員に「安心」や「安定」を保証することです。たとえば、ブラック企業の規制を目的とし、残業時間の上限を厳しく設定したり、有給休暇の取得義務を定めることなどが挙げられます。これらは従業員に適切な労働環境を保障するために必要な施策です。
ただし、「安心」や「安定」ばかりを重視した人事制度では、従業員がその状況に依存し、会社への帰属意識が強くなりすぎることがあります。その結果、「現状維持」というマインドが生まれ、特に進化が早いIT業界においては、それが「後退」となりかねません。
したがって、必要な「安心」「安全」「安定」を保障しつつ、「自律性」と「成長の機会」を重視する人事制度が今後ますます重要になると考えています。
ビジョンの共感がなければ、この制度は成り立たない
ビジョンに共感し挑戦し続ける仲間たち
『人事制度の未来~「給与」と「評価」を分離せよ!』を参考に進めた、ジョイゾー式人事・評価制度は、これまでの常識を覆す非常に挑戦的な試みです。本書にも記載されている通り、この制度を成功させるためには、会社と従業員が共創関係を築くことが不可欠です。
共創関係を築くための前提として、会社のビジョンを理解し、共感することが重要です。ジョイゾーにとって、ビジョンを大切にするこの考え方は非常に納得できるものでした。
さらに重要なのは、ビジョンに対する共感は強制されるものではないという点です。もし、会社のビジョンに共感できない場合、お互いに離れることが最善の選択となるかもしれません。それは決してどちらかが悪いわけではなく、単に価値観の違いに過ぎません。お互いの価値観を尊重しながら進むことが大切だと考えています。
「ジョイゾーのため」ではなく、自分自身の自律と成長のために、社員には自分の成長を大切にしてほしいと考えています。自律的に成長することで、ジョイゾーだけでなく、他の場面でも活躍できる人材になってほしいと願っています。
自己申告で未来を切り開く!新しい給与決定システム
社会人歴3年目までは一定の給与アップは保証
「給与を会社側が一方的に決める制度に違和感を持っていた」と前述しましたが、これは私が以前所属していた会社で管理職をしていたときに強く感じたことです。
その会社では、期初に目標管理シートを使って自分の目標を設定し、期末に自己評価をABCで行い、上司の評価が加わる仕組みでした。
その結果を元に、給与額は部や課の全体バランスを見て決められました。たとえば、「Aさんは頑張っているけど、Bさんと比較して1万円アップくらい」「Cさんは全体的にA評価だけど、部全体でA評価が多いためA-評価で5000円アップ」などの基準でした。
給与額を決める根拠がまったく理論的ではありませんでした。
実際、給与を決める際に理論的な根拠を説明するのは難しいのではないかとも思っています。
そのため、ジョイゾーでは以下のように新しい給与決定方法を導入しました。
- 従業員からの自己申告
- 経営者・マネージャーによる給与額決定会議にて提示額の検討
- 従業員へ給与額を提示し、納得できるまでお互いに話し合う
- 最終的な給与額の決定
従業員に提示する給与額を決定する際に重要視しているのは、「自己申告から見える実績と将来の成長に対する期待を考慮した提示額を決める」です。
また、自己申告制を導入するにあたり、明確な基準が必要です。
そのため、「マネージャー」「リーダー」「プレイヤー」といった職位ごとに必要なスキルやアビリティを定義し、それに基づく参考給与の範囲を設定しています。
従業員には、給与レンジを参考にして自分が受け取るべき給与を申告してもらいます。レンジを超えた申告も可能で、シートはあくまで参考のためです。
自己申告を受けて評価を決定する際、マネージャーの責任は非常に重要です。提示された給与額に対して、上がることもあれば下がることもありますが、マネージャーはその根拠を従業員に納得してもらえるように示す必要があります。このプロセスでは、これまで以上に一人ひとりが真剣に考え、議論を重ねなければなりません。
ちなみに、社会人歴3年目までの従業員に関しては、経験が浅いため自己申告制を導入せず、一定の給与アップを保証したうえで、3年間の経験を積んでもらいます。
ただ3年以内に自己申告できるだけの実績や自律が身に付いていれば、必要に応じて自己申告制を導入することも可能だと考えています。
ジョイゾー式人事制度が目指すもの〜自律と成長〜
私がこの制度に期待しているのは、社員一人ひとりが自律することです。
各自が自律し、成長を続けることで個々のパフォーマンスが向上し、それが結果的に会社全体の売上アップへと繋がります。そして、向上した売上を原資に、従業員へのさらなる投資や、全員が楽しく働ける環境づくりに取り組むという好循環を生み出したいと考えています。
もちろん、この制度が完全に定着するまでにはあと数年かかるかもしれません。それでも、時間をかけて制度を継続することで、メンバーの意識は少しずつでも確実に変化していくと信じています。
実際に導入時に新しい人事制度を説明した際、最初は「驚いた」という声もありました。しかし、制度の真の狙いを丁寧に伝え続ける中で、「自分で自律的に決定する感覚が湧いてきた」とポジティブに感じてくれたメンバーもいます。
自己申告という形で自分をプレゼンする機会は、日常ではあまりないものです。そのプロセスについて、「大変そう」と感じながらも、「半分怖くて半分ワクワクしている」と前向きに捉えてくれている姿勢がとても嬉しいです。
ジョイゾーが目指しているのは、一つのチームとしてそれぞれが役割を果たし、全体として高いパフォーマンスを発揮することです。そのために、この制度は「手段」であり、制度自体が目的ではありません。
今後も「手段としての制度」を改善し続け、より良い形に進化させていきたいと考えています。