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みなさんこんにちは、久しぶりの投稿となります!
現在iTips訓練校では、
- インド建築現場で即戦力として活躍するべく「建築板金・安全基礎カリキュラム」の取得
- 特定技能の資格をもち日本で働くための日本語資格「JFT-basic A2」取得
上記を主軸として、訓練生は日々励んでいます。
訓練校事業をすすめるスタッフも、訓練生の士気をキープしつつ、いかに効率よく最短で上記スキルを取得させることができるか、日々奮闘しております。
さて、今回の記事では「JFT-basic A2」取得にむけ取り組む日本語教育チームインターンのお二人、竹下さん・阿部さんに、現在の取り組み・今後の計画についてお話していただきます。
今回のストーリーはちょっと長めです。
前編後編の二部構成でお届けします。
- 前編:新しい教育システムの確立
- 後編:JFT-basicA2試験 攻略法
後編には、iTipsの事業に関心をもつ方へ、竹下さん・阿部さんお二人からのメッセージもあります。最後まで読んでいただけたら嬉しいです!
それではインタビュースタートです!
小西:
4月からスタートした日本語教育事業ですが、下記のステージを経て、今はどのように日本語教育を進めていますか?
- 1st ステージ(4月~8月): 教材・指導方法調査+訓練校への関心のリサーチ
- 2nd ステージ(9月~10月): インド現地での対面授業+オンライン授業(ひらがなカタカナ)+小テスト実施
竹下:
3rdステージとして11月からは、基礎基本の徹底反復を目的として、自己学習+確認テストを行っています。
阿部:
日本の公文式をイメージしてもらえれば分かりやすいと思います。
「JFT-basic 試験」を実施している国際交流基金の「いろどりオンライン」というオンライン教材を用い、生徒は自己学習をすすめ、私たち日本人スタッフは、学習内容の調整や管理のみを行っています。
小西:
2nd ステージまでは、生徒個人のぺースに合わせ、フォローしながら授業を行っていましたね。
3rdステージは、自己学習がメインになったのですね。
さらにスタッフのリソースを「教えること」から「管理すること」にシフトしたのは、大きな方針転換だと思いますが、どのような理由と目的があったのでしょうか?
学習スタイル・チーム方針転換の目的とは?
阿部:
在印の日本人スタッフのティーチング能力に寄らない、ムラのない日本語能力定着を目指すことが理由の一つです。
竹下:
日本人以外がマネージャーでも、かつ遠隔でも簡単に再現できる「仕組み」の上で、再現性と拡張性を持たせた形で合格者を出すことに意義があると考えています。
そのスタイルを実現するには、生徒には自習してもらい、私たちは小テストの結果や理解の進度を可視化して管理することに徹底しました。
小西:
完全に個人が自習するとなると、指導に割いていたスタッフ側のリソースを、カリキュラムの策定や管理にシフトすることができますね。
さらに、生徒個人への指導にフォーカスしてしまうと、当然進度にもばらつきがあるので、クラスの足並みをそろえることに注力してしまい、「まずは最短で合格者を出す」というゴールから遠のいてしまう・・
少ないリソースで、かつ結果に最短で到達できること、
そして拡張性がポイントですね!
竹下:
さらに、訓練生にとって受動的な学習から、能動的な学習へシフトさせる狙いがあります。
(キャプション)自律・分散型授業への移行の狙い
学習管理・理解の進度の可視化とは?
小西:
つぎに、学習管理・可視化についてですが、具体的にはどのような取り組みでしょうか?
阿部:
課の学習が終わったら生徒は、Googleフォームで小テストを解きます。
その結果、我々は、苦手分野を分析し、再度セレクトした問題を再度生徒に解いてもらい、その復習サイクルを管理しています。
(キャプション)訓練生は毎回、Googleフォームで小テストを受けます。
小西:
試験の結果データが「理解の進度の可視化」につながるのですね。
竹下:
そうです!可視化するツールとしてGoogleフォームを用いました。
まず、小テストに関しては、JFTbasic合格を目指す上で解けなければいけない問題を1000問程度(漢字・文法・表現)、Googleシート上にデータ化しました。
加えて、訓練校で使用する教科書の問題部分をGoogleフォーム化し合格までに必要なすべての小テストをデータとして提供できる体制を整えました。
小西:
まずは学習コンテンツをデータ化したのですね。
すると、その次には、結果のデータ化ですね。
竹下:
はい、次に、社内のアプリ開発チームと連携をとり、
①生徒からのアウトプット結果の収集
②生徒個人個人の、苦手な漢字や文法、問題等を把握できるシート(4段階評価)上で随時反映させながら、数値として可視化させる流れを、自動で行うシステムを独自で開発しました。
(キャプション)各人の解答を可視化して分析
可視化システム導入後、見えてきた次の課題とは?
小西:
理解度を可視化することで、いままで「なんとなく・みんなが苦手であろう」と分析していた傾向が、「具体的に誰が・どこが苦手である」と明確になったのですね。
竹下:
「〇〇さんは書きが苦手、一方、単語の意味は理解している」といったように個人の得意不得意が可視化されたのであとは、それに基づき小テストを実施。
徹底的に反復を繰り返し、苦手を克服していきました。
(キャプション)可視化システム導入後、基礎力の飛躍的向上
小西:
生徒自身でも苦手がクリアになることで、自習がしやすくなりますね。
そして結果がついてきている!!
全体的なボトムアップにもつながりましたか?
竹下:
正直、全生徒のフォロー体制はあまり確立できておらず、現在のシステムの課題となっています。
「まずは最短で合格者を出す」を至上命題とし、厳しく、かつ有望な生徒に合わせたフォローを行なっていたため、ついて来れる生徒は限られていました。
そこで、4月クラスからは、現行システムで日本語教育を受けたインド人スタッフが授業運営やメンタル面のフォローを行うことにし、より生徒各人に寄り添ったフォローを行うことを目指しています。
小西:
管理プログラムを実装しつつ、ソフト面の工夫としては、先輩によるフォロー体制を検討されているのですね。フォローする側・される側、双方にとってモチベーションアップにもつながりそうです。
可視化システムにより、実現化に近づくビジネスモデル
小西:
生徒個人のフォローが今後の課題ということでしたが、独自システムを構築することで教える側の属人性の排除、進捗の可視化が実現できました。
竹下さんは、この先のiTipsの未来を据えて、この仕組みを立ち上げたように思えます。
いかがでしょうか?
竹下:
iTipsが取り組む日本の人材不足解決と、インドの失業問題解決には、技術と日本語を身に付けたインド人材がたくさん必要で、そのためには育成システムの大規模な横展開が必要となります
同時に、ラトネッシュさんの描く「日本を目指す訓練生の実質負担額をゼロに(※)」を達成する上で、
教える側の人間の採用・雇用コストを下げる必要があると考えます。
※詳しくは過去の記事を御覧ください。
この属人性を排除した管理システムがあれば、日本人以外でも、マネジメントに精通していない人でも簡単に大人数を教えることができると思います。
小西:
ラトネッシュさんの描くビジネスモデル実現への大きな一歩ですね。
次のステージとしては、このカリキュラムを定着させることですね。
前編の締め
前編では「日本語教育チームの、新しい教育システムの確立」を中心にお届けしました。
後編では、「JFT-basicA2試験 攻略法」を中心にお届けします。
iTips日本語教育チームでは、このように「JFT-basicA2取得」を至上命題に掲げ、
メンバー一人一人が主体性をもち、試行錯誤を繰り返しながら同じゴールに向かって任務を遂行しています。
後編では、iTips事業に少しでも関心をもっていただいた方へ向けて、今回インタビューに参加いただいたインターンの竹下さん・阿部さんからのメッセージもありますので
どうぞご期待ください。