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BaaSプラットフォーム事業プロダクト開発部インテグレーションチーム
プロジェクトマネジャー
赤松浩司
2006年、新卒で大手総合商社グループのSIerに入社。商社向けのインフラ構築、メガバンク向けのアプリケーション開発・保守などを経て、2016年に大手金融グループのSIerへ。株式・債券決済システム構築などに携わった後、2019年12月にインフキュリオンに入社。
SIerで実績を上げてきた熟練PMがスタートアップを新天地に選んだワケ
―インフキュリオンに入社する前の経歴を教えてください。
大学卒業後は、大手総合商社グループのSIerに入社しました。そこではまず系列の商社や不動産会社向けのインフラ構築を担当しました。その後、今度は外部ベンダーの立場で、メガバンク向けの債券決済システムのアプリケーション開発・保守に従事し、PMも経験しました。この時に金融系のシステムに強く興味を持つようになりました。その後、さらにユーザに近い立場で金融システムの開発に携わりたいと考え、金融グループのSIerへ転職しました。以降PMとして、グループ内メガバンク向けの株式・債券管理システム構築などに携わっていました。
―金融システムに強く興味を持つようになった理由はなんだったんですか?
例えば商社向けのシステムは、物の売り買いや貿易などを情報面でサポートすることが主な役割でした。一方、金融系のシステムは、金額の計算や口座間の残高移動などロジックを組み、システムを稼働させることがすなわち金融機関により提供されるサービスそのものになり得ると考えました。ビジネスにダイレクトに繋がる金融システムの開発に面白さを感じたのです。そこから金融システムを扱う金融系SIerを経て、Fintech スタートアップのインフキュリオンで仕事をするようになりました。
―大手SIerを経てスタートアップを選んだのはどうしてですか?
前職では、日本銀行や外部金融機関と取引するための巨大なシステム、それこそ一日に何百億、何千億円も動かすようなシステムを開発していました。サーバを入れ替えるだけでも、検討を重ねて丸2年かかるような規模です。システム開発は徹底的に慎重に行われ、セキュリティ面も含め安定稼働に重きを置いていました。これらは本当に貴重な経験だったのですが、一方で、システムが巨大過ぎて自分はこのなかのどこに貢献できているのか実感が湧きにくい部分がありました。
また、Fintech界隈は今も新しいサービス、テクノロジーがどんどん生まれています。稼働実績が豊富な巨大システムを守り続けることも大切ですが、自分自身がどういう業務に携わりたいかを考えた時に、新しいテクノロジーを取り入れたサービスを一から作ってみたいと思うようになりました。大きな組織で限定的な役割を果たすよりは、自分が携わるサービス、プロダクトの全体像を把握できる立場で、全面的にコミットするような仕事をしたいと思ったんです。それで、スタートアップでかつ自分が能力を発揮しやすい環境がある会社を探しました。
―インフキュリオンには赤松さんが求める環境があったんですね。
そうです。最初は、自分の経験が活かせる金融領域で独自の強みを持つ会社という視点で探しました。そのなかでもインフキュリオンは、大企業出身の自分の経歴が活かしやすい環境だと思いました。
スタートアップでありながらメガバンクなどとも多数の取引があり、大企業で経験を積んだメンバーが多いことから社内の雰囲気も落ち着いていると感じます。政府と連携した取り組みも行っていますし、システム開発においても信頼性、安全性において堅実な会社です。信頼できる金融サービスを提供しているスタートアップという意味で、スタートアップならではのスピード感と大企業並みの信頼性を併せ持つ会社だと思いました。
“前例踏襲”が重要な前職とは180度違う仕事で感じた難しさと達成感
―インフキュリオンに入社後は、どんな業務を担当しているのでしょうか?
当社に入って2年弱ですが、3つのプロジェクトに関わってきました。主なものの一つが、金融グループが運営する送金アプリ(契約している金融機関から無料で送金が行えるスマホアプリ)に当社のWallet Station(※)を使ってQRコード決済機能を追加するプロジェクトです。PMとしてプロジェクト開始から参加しました。機能をリリースした後は保守運用も行っています。PMは自分一人で、最大10名ほどの開発チームを組み、プロジェクトを推進しました。
(※)さまざまな金融・決済機能をもつインフキュリオンが提供するBaaS(Banking as a Service)プラットフォーム
もう一つが、大手流通企業様のQRコード決済アプリに関するプロジェクトで、2021年の6月からPMとして参加しています。大型ショッピングモールのお客様(買い物客)が、テナント店舗でQRコード決済を行えるようにするプロジェクトです。今年中に本番稼働を予定しており、今後、数万店舗が導入する大規模サービスとなる見込みです。このプロジェクトはPMが自分、PMサポ―トの方や開発チームで約10名といった体制で行っています。
実はこのプロジェクトは、当社が現在開発を進めているマルチテナント方式のWallet Stationを活用した初の大規模事例なんです。それまでは、ユーザ企業の要望や都合に合わせて専用のWallet Stationを都度カスタマイズして提供してきました。これはユーザの思い通りの機能や使い勝手を実現するためだったのですが、その分、開発費用や期間の面でベストとは言えない部分もありました。
マルチテナント方式のWallet Stationを導入することで、細かい機能のカスタマイズは難しくなりますが、その分低コストで迅速なサービスの立ち上げを実現することができます。会社として重要なチャレンジでやりがいは大きいです。
―仕事の内容や進め方について、前職と違いを感じますか?
全然違いますね。前職の頃は、社員数名に加えて協力会社の方も数十名ほどが関わり2~3年かけてプロジェクトを進めるのが普通でした。とにかく不具合や事故を発生させないことが全てにおいて優先されていました。システムを開発する際は「前例」を徹底的に重視して、なるべく過去の実績から外れない開発や運用を行うことが求められました。今は自分たちで“サービスを作っている実感”を持ちながら働くことができています。
先ほどお話ししたQRコード決済アプリにしても、今後の実稼働に向けて今まさに機能や画面の操作性、安全性など様々なことを検討しながらサービスを作っています。言われたことをするのではなく、サービスとして理想的な状態を追求できる点については本当に面白さを感じます。
また、マルチテナント方式のWallet Station自体もまだまだ開発途上です。今回のプロジェクトでお客様から得た要望や今後想定される運用方法の提案などを開発チームにフィードバックすることで、自社サービスの成長にも貢献できます。
さらに、インフキュリオン の場合、自ら新規サービス立ち上げ、社会貢献性の高いサービスを生み出すことも可能なのです。これは、前職の自分の立場では不可能なことでした。インフキュリオンに転職したからには、今後完全にゼロからのサービス、プロダクトの立ち上げにも携わりたいと思っています。
初めてぶつかる課題にもこれまでPMとして培ってきた豊富な経験で対応
―逆にインフキュリオンでの仕事で難しさを感じるのはどんな所ですか?
インフキュリオンのPMの仕事は、ほぼ一人で多数のステークホルダーをまとめてプロジェクトを牽引する必要があり、やることの幅も広いです。責任者として日々判断、決断する必要があります。その意味で前職とは違う難しさがあります。
ただそういう時こそ、私はプロジェクトマネジメントの基本に立ち返るようにしています。システムの特性やプロジェクトの進め方など前職と違う部分が多くても、PMとしての仕事の基本は同じだからです。初めて経験する困難が起きた時や発展的な手法が求められるような時でも、ステークホルダーとの関係の築き方、セキュリティや機能面の品質の担保の仕方など、基本的なアプローチは変わりません。悩んだときは、プロジェクトマネジメントとはどうあるべきかという基本に立ち返って考えるようにしています。
今は、たくさんの方にサポートしていただきながら、自分自身がひっぱっていくという当事者意識を持って日々仕事に取り組んでいます。
―仕事の環境面についても教えてください。
会社の制度としてハイブリットリモートワークを採用しており、必要な出社などはチームごとに判断しています。自分の場合、今は基本的にテレワークで仕事をしており、出社するのは2、3か月に1回程度ですね。新型コロナウイルスの影響にかかわらず、今後もテレワークで仕事をする予定です。PMという仕事柄、対面で話せないなどリモートワークの難しさもありますが、逆にテキストコミュニケーションになったことで情報伝達がスムーズになったり、ログを残しやすくなったりと良い面もあると思います。特にエンジニアの方はいかに一人で集中しやすい環境を作れるかが重要だったりするので、リモートワークが馴染みやすい部分もある気がしています。
変化を楽しんで、チャンスに変えられる人には絶好の環境
―ありがとうございます。最後に、赤松さんのように大手SIerなどからインフキュリオンの仕事にチャレンジしたいと思っている求職者の方にメッセージをお願いします。
前職の私のように、もっとシステム全体に対して当事者意識を持って仕事をしたいと思っている方や自社サービスの創出に関わりたいと考えている方などにインフキュリオンをお勧めしたいと思っています。スタートアップでありながら大企業の経験も活かせるカルチャーがあり、ストレスなく新しいチャレンジができると思います。
スタートアップであるインフキュリオンはまだまだ組織づくりの最中であり、定まった体制や仕事というのはありません。実際、仕事の役割やポジションもどんどん変わっていきます。自分の部署や仕事の範囲がはっきり決まっている環境を望む方には向かないかもしれません。逆に、変化を楽しんで、チャレンジのためのチャンスと捉えられる方にはとても良い環境だと思います。手を挙げることで本当にさまざまな機会を得ることができます。変化を味方につけ、自分の成長につなげていきたいと考える方とぜひ一緒に働きたいと思っています。