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プロダクト開発部 プロジェクトマネジャー 新地 菜穂美
2011年、新卒で大手金融グループのSIerに入社。複数プロジェクトを束ねるPMとして9年間活躍。2020年9月にインフキュリオンに入社し現職。一児の母として子育てと仕事の両立も上手く実現している。
顧客の要望を叶えるだけでなく、ゼロからサービスやユーザー体験を作りたい
ー これまでのご経歴とインフキュリオンに入社した理由を教えて下さい。
新卒で三菱UFJインフォメーションテクノロジーに入社し、デリバティブ取引や外国債権を扱う金融システムなどを担当していました。PMとしてチームをマネジメントしながら複数のプロジェクトを推進するなど、とても充実していました。
特に私が所属していたチームは、親会社である銀行をクライアントとしており、一つのプロジェクトでメンバーが数十人に及ぶ大規模案件も珍しくありませんでした。さまざまな重要案件を任せてもらっていたので、やりがいは大きかったです。
ただ、大規模な組織だからこそ、「もっとこうした方がいいのに」と思っても柔軟には対応できない部分がありました。また、仕事内容も基本的に既存業務を継続させるための制度対応や効率化するための自動化などで、クライアントの要望をどう実現するかを考えることが中心でした。そうしたなかで、もう少し「こういうのがあったらいいな」をゼロから考えて新しいサービスやユーザー体験を作り出す開発に携わりたいと思うようになり、インフキュリオンに入社しました。
ー 前向きなチャレンジだったんですね。入社後はどんな業務を担当していますか?
私は現在2つの部門に並行して所属しているのですが、メインはプロダクト開発部インテグレーションチームでの仕事です。ここでは新サービスの開発に携わっています。
私が担当しているのは、弊社の主力サービスであるWallet Stationのクライアント向け開発と導入です。サービスローンチ以来、金融や流通、サービス業界などの大手企業にご利用いただいていますが、私は某流通業界大手のお客様向けの導入を担当しています。PMとして複数名のチームを率いてプロジェクトを推進しています。
この導入と平行して、Wallet Stationを複数企業に同じ仕様で利用してもらえるようにする「マルチテナントサービス」の開発・導入にも携わっています。
これまでは、基本機能は共通としながらも、導入企業ごとに異なる事業形態や加盟店のあり方、個々の要望などに合わせて個別カスタマイズして導入してきました。このカスタマイズ範囲をできる限り減らし、どのクライアントにも同じ仕様で利用してもらえるようにするための開発です。
リソースも仕様も共通にすることで、導入コストと期間を短縮することができ、これまで以上にたくさんの企業に使ってもらえるようにすることが目的です。
Wallet Station として「どういう機能があればよいか」、「ここはこういう風に使えた方がいいんじゃないか」など活発に議論をしながら進めている所で、サービス開発に携わりたいという希望が叶ってとてもやりがいを感じています。入社して1年ですが、さまざまな意見を出しやすい雰囲気がある会社なので、自分の意見が反映できたり、他の人の意見をたくさん聞くことができる点もとても面白いと思っています。
ー すでに希望の業務にも就いているんですね。もう一つの仕事についても教えて下さい。
もう一つは、システム企画部での「プロセス改善、標準化」の仕事です。私の仕事全体の3, 4割を占めています。
当社では、ありがたいことに年々導入企業が増え、たくさんのプロジェクトが並行して走るようになってきました。そこで、関わる人やプロジェクトが増えても高い品質を保ち続け、短納期、低コストを実現できるように、開発プロセスや品質管理の標準化に取り組むことにしました。これを今、計3名のメンバーで担当しています。
単純に理想とするルールを決めても現場で実践されなければ意味がありません。現場にヒアリングをしながら、「どこまでならできそうか」「どういう部分から取り組む方が良さそうか」などの意見を踏まえた上で、当社の開発スタイルに合ったガイドラインの検討やフォーマットの提供など、プロジェクトの運営をしやすくするための施策を行っています。
ー なるほど、幅広い仕事に関わっているんですね。新地さんは5月からはじまったばかりのメンター制度にも手を挙げてくださっていますよね?
そうですね。私が入社した2020年9月はすでに新型コロナの影響が大きくなっていました。緊急事態宣言が頻繁に出ることもあって、入社当初からリモートワークでした。特別な事情なので仕方ない面もありますが、どうしてもコミュニケーションがチーム内にとどまりがちでもう少し他のメンバーとも関わってみたいと思っていました。この制度を使えば、その辺の課題解決をお手伝いできると思ったんです。
メンター制度は2021年の5月にできたばかりで、中途入社の方の配属先部署や隣の部署の人が、“斜め上の先輩”としてメンターになる仕組みです。業務に関係ないことも含めて相談相手になり、新しく入った人が社内のほかの人とスムーズに繋がれるようにします。
会社が成長期にあって組織も制度もどんどん変化していくので、そこに乗って自身の経験が広げられるのも良いなと思っています。
転職によって生まれた困難さえも利用して新たな成長を描く
ー 入社早々いろいろとチャレンジされているんですね! 次に仕事のやりがいについて教えて下さい。
プロジェクトメンバーとより良いサービスを作るために議論を重ね、実際に形にしていくこと自体がものすごく面白いし楽しいですね。ステークホルダーがとても多いので、それだけ調整事項や責任も重くなりますが、逆にそこにやりがいを感じています。私は多方面の方と信頼関係を築いたり、バランスをとりながら課題を乗り越えるのが好きなんです。
新しいサービスが世に出てくるまでには、多くの人の知識や発想や協力が必要です。PMは、過程をマネジメントしながらプロジェクトの方向性を決めていく重要な役割なので、難しい分達成感を感じます。
ー 逆に、転職後インフキュリオンの仕事で困難を感じる場面はありますか?
前職は2000名以上が在籍する大きな組織で、部署も細かく分かれていました。今回はじめて転職して外に出て分かったのが、自分がやっていた業務の範囲は意外と限定的だったということです。今までは、さまざまなことを各部署で分担してやっていました。その意味では、自分の知識に足りない部分があり、そこも含めてPMとしてマネジメントしないといけないので力不足を感じることもあります。
ただ、周りには自分にない知識や経験を持つ人がたくさんいるので、チームで助け合いながら対処できています。また、その意味では新たに学べることが多く、自身に任される範囲が広がった分、新たな知見を貯めたりスキルアップを目指せると感じています。
希望するキャリアの実現に向け、ロールモデルになると決意
ー ポジティブに捉えているんですね。新地さんは3歳半のお子さんのお母さんでもあります。子育てが仕事に影響する部分はありますか?
正直、特に何の問題も感じていません。実は、私が入社するまでPM職では子育て中の女性がおらず、前例がないなかでの入社に少し戸惑いがありました。私の前職は子育て中の女性がたくさんおり、皆さん調整しながら上手く仕事をしていました。同じようにできるのか不安があったのですが、会社から「ぜひロールモデルになって欲しい」と言われて、自分のやりやすいようにやってみようと思えました。
今は基本的に毎日リモートワークで仕事をしています。また、当社はコアタイム(出勤が必須の時間)のないフルフレックス勤務です。規定されている月間業務時間を満たしていれば、後は各々が調整して仕事ができるので、その点も本当に助かっています。今はだいたい毎日朝9時から18時ごろまで自宅で仕事をして、18時過ぎに保育園にお迎えに行っています。
インフキュリオンは元々フレックスということもあり、男女問わず子供の送り迎えや病院に行くために早く仕事を終えたりすることが一般的だったので、私の働き方も特に違和感なく受け入れられていると感じています。
ー 緊急事態が起こった際はどのように対応されているんですか?
たしかに、金融システムは24時間365日安定稼働させることが基本です。特にサービスの導入直後などはサービスが安定するまで、夜間を含む緊急対応が必要な場面もあります。だからこそ、そうした状況を前提としてチームでフォローし合える環境を作るようにしています。チームや家族の協力のもと、業務の優先順位を変えるなどしていつでも対応できるようにしています。
私は前職からずっと金融系システムに関わっていますが、トラブルがあっても「まあ、いつでもいいよね」となるようなシステムではなく、夜間でもすぐさま対応が必要となるくらい社会的に重要なシステムを扱っているという自負を持っています。夜間の対応も自分が社会に貢献していることの裏返しだと捉えているので、個人的にはあまり苦じゃないですね。
ー 最後に今後のご自身のキャリアの展望を教えて下さい。
今はまだ日々模索中といった感じですが、インフキュリオンに入社してみていろんなチャレンジパスがあると感じています。私は、チームで成果を出すのが好きなので、そこは今後も軸として大事にしていきたいと思っています。
私自身は、PMとしてガンガン周りを引っ張っていくというタイプではありません。さまざまな良さや強みを持つメンバーで協力しながら、それぞれの良い所を生かしてチームとして成果を出していきたいと思っています。そうしたやり方で、一緒にプロジェクトを進めるメンバーも楽しく仕事ができ、充実していると感じてもらえるようなチームにしたいですね。
今後は、自身のチームだけにとどまらず、会社全体の組織づくりにもチャレンジしたいと思っています。スタートアップでこれから組織が大きくなっていく段階ですが、なるべく組織の壁を低くして会社全体が一つのチームになることが必要だと思います。そうしたことにも関わりたいです。
また、元々の転職理由でもあった新サービスの開発にもどんどん携わっていきたいです。それができるように、今はビジネス面、技術面、プロセス面の知見を貯めているフェーズです。自分が作ったプロダクトを世に出すことは憧れであり、実現させたいと思っています。