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半期ごとの昇給額、自分で決める! ~「全員が納得することはありえない」それでも意見を出し合いアップデートし続ける、サグラダファミリア方式の給与体系づくり

社員が「変えていける」会社であるために

株式会社ゲットイットは多様な個性をもった人がその能力を発揮し、幸せを実感できる職場作りを目指しています。また、そうした職場を実現していくため、昇給制度をはじめ各種社内制度等について、社員が声を挙げることで「変えていける」ことを大切にしています。

この度、職務系列の区分や、職務系列の違いによる昇給額の差について、社員が声を挙げたことをきっかけに、人事処遇制度の見直しを行いました。

多様な社員が、自分のありたい姿に応じて、自分の望む働き方を選択できるよう、2020年4月より、総合職・専門職の区分を廃止するとともに、昇給額について各社員が金額を自己決定するシステムへと人事処遇制度を改定いたしました。


目的としては、以下の2点を主なゴールとしています。


①職務区分を廃することで、社員の自己を捉えるアイデンティティー/セルフイメージにポジティブな変容 が起こり、
②給与に関して当事者が自ら決める仕組みをつくることで、メンバーが自身の給与に納得し、最もモチベーションの上がった状態で働けるようになる

また、今回の改定を最終形態とはせず、昇給制度をはじめ各種社内制度については、今後もメンバーで意見を出し合いながら、完成することなく創り続ける「サグラダファミリア」方式の作業と位置づけ、アップデートを継続して参ります。



新昇給制度 概要(2020年4月施行)

従来、年1回、職務区分によって一律に決まっていた昇給(総合職:10,000円、専門職:6,000円)を、職務区分を廃して全社員共通とした上で、3月と9月の年2回、3つの選択肢(8,000円、5,000円、3,000円)の中から昇給額を自己決定する方式に変更いたしました。各社員が翌半期に向けて自身の「働き方」を検討して決定した昇給額は、「昇給額申告くん」(※昇給額を自己申告するための社内システム)により申請することで、以降の給与に反映されます。

社員を信頼する昇給制度:自己決定・自己評価を重視し、他者評価は行わない

自己申告された昇給額は人事担当者のみが扱い、各昇給額の選択者総数などの統計は示されるものの、社員個々の情報は非公開となります。

昇給額を自己決定するにあたっては、各社員は、定期的に行われる同僚とのミーティング(各四半期の振り返り、および翌四半期に向けた業務計画の検討)を判断材料の一つとして活用しますが、最終的な金額の決定は自らの裁量で行います。また、期間終了後のフィードバックにおいても、実績と比較した場合の昇給額の妥当性等については、あくまでも自己評価のみを行い、他者については業務に対するフィードバックに限定し、妥当性等についての他者評価は行いません。

導入の経緯 「だったら、より良い制度を考えよう・・・、一緒に!」

新たな昇給制度の仕組みづくりは、職務区分の違いによる昇給額の差への不満など、それぞれに思うところのあった社員2名が声を挙げたことがきっかけでスタートしました。代表取締役に相談したところ「だったら、より良い制度を考えよう・・・、一緒に!」と、昇給制度検討プロジェクトが発足。各部署より関心のあるメンバー6名に、代表取締役を加えた計7名のプロジェクトチームが、全社員へのヒアリングを行い、議論を重ねながら、新制度の策定を行いました。

ヒアリングの結果、昇給の金額については、増給を強く望む者から、業績次第では無しでもよいという者まで、多様な意見が見られました。一方、職務区分による昇給額の差については否定的な意見が多く、総合職/専門職を人事処遇面で区別して扱うことへの不満や疑問をもつ社員が一定数いることが分かりました。

こうした状況を踏まえ、プロジェクトチームでは、多様な人が、自らの希望に応じて働き方を調整しやすく、また、給与に不満をもって辞めてしまうことのないような、給与に関して当事者が自ら決める何かしらの仕組みを取り入れて、選択肢を設けることで、自分で納得して働けるような制度の策定を目指して活動を行いました。


プロジェクトチームよりコメント

「自由って大変」「全員が納得することはありえない」
それでも意見を出し合いアップデートし続ける、サグラダファミリア方式の給与体系づくり

本プロジェクトでは、他社事例を参考に「全社員の給与全公開」など様々な選択肢をベースに、全社員へのヒアリング等を行いながら議論を進めました。

「自由って大変」「全員が納得することはありえない」など難しさはあったものの、プロジェクトチームによる給与制度改定という試みは、結果的には社内でも概ね好意的に受け入れられ、「軟着陸」できたと感じています。

本プロジェクトを通じて以下の3点を達成することができました。

①あらゆる選択肢の上に社内コミュニケーションを重ねて当事者である社員が制度策定を行うことができた。

②職種の垣根を取り払いよりフラットな組織になることができた。社員の自己認識の変容をもたらし、①とともに「全員参加型経営」の企業文化を高めることができた。

③他者評価ではなく、自己評価を採用したことで、所属や職種に関わらず、各個人が自身を振り返り進化させるためのカルチャーづくりのベースができた。

年明け以降、コロナウイルス感染拡大の影響によりミーティングはオンラインへと移行しましたが、逆にそれが制度改定の加速材ともなりました。今後は、適宜メンバーを入れ替えて新たな風を吹き込むなど、運営方式も工夫しながら、完成の青写真はなくとも走りながら考える「サグラダファミリア」方式で、社内の様々な制度をアップデートしていきたいと考えています。


▲プロジェクトメンバー一同。右下は人事コンサルタントの亀井弘喜氏。

プロジェクト 図式化まとめ

▲昇給制度検討プロジェクト:ミーティング内容のグラフィックレコーディング(グラフィックレコーディング作成 ©️本園大介,2020)


ゲットイットでは、他にもこんな取り組みを行っています

満員電車“痛勤”禁止宣言(株式会社ゲットイット) ~コロナリスク低減、長期的には「働き方の多様性」を目指す~

https://www.wantedly.com/companies/get-it2/post_articles/245210

After/Withコロナの新しい働き方 ~ リモートワークと出社勤務を共存、「新しい働き方促進手当(50,000円)」等手当を拡充し、安心・安全な環境で、生産性豊かな働き方を実現します ~

https://www.wantedly.com/companies/get-it2/post_articles/244768

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