高倉 大希(Takakura Taiki)
四万十team / KeyMan
1995年生まれ。兵庫県出身。大阪教育大学 国語教育専攻に入学し、小中高の教員免許を取得。卒業後は「どうせやるのならおもしろく」をモットーに、地元の神戸市で小学校の学級担任を3年間務める。その後、2021年4月からFoundingBaseにジョイン。四万十町営塾「じゆうく。」のスタッフとして活動している。「人生のハンドルを自分で握るために踏み出す一歩に寄り添いたい」という想いのもと奮闘中。
「はやく終わらないかな」と思いつづけた高校時代
マンガやドラマに登場する爽やかな高校生活とは、真逆で「はやく終わらないかな」と思いつづけた3年間でした。
はじめは何とか人に合わせようとがんばっていたのですが「おもしろいと思っていないのに笑う」ということに、ものすごくストレスを感じるようになり、自然と心を閉ざしていきました。
そんな中、高校生活新しいことをはじめようと決めていたので、未経験だった陸上部に入部し長距離をやり始め、この部活が高校生活唯一の救いとなりました。
練習はとても厳しかったのですし、「しんどいのになんで走るの?」とよく聞かれますが、ひとりで黙々と走るという形が、当時の自分にはとても合っていて、改めて⻑距離走の魅力を実感しました。
競技として走るとなればまた別なのでしょうが、完走を目指して走るマラソンでは、敵がひとりもいません。
まわりの人たち全員が味方なのです。
となりで走っている見ず知らずのおじさんに、ものすごく親近感を覚えます。会ったこともない人たちが、沿道から全力で応援してくれます。
なので、たしかにしんどいですし、 足は棒になりますが、ゴールした直後には「また走りたい」と思えるのです。
そんな陸上のおかげで、なんとか3年間を乗り越えました。
いま振り返ってみれば、「当時の自分はよく耐え切ったな」と思うのと同時に、「自分が楽しもうとしていなかっただけなのではないか」とも思います。人生のハンドルを自分で握るためにはどうすればよいのか。そんなことを考えはじめたのは、この頃だったかもしれません。
「何を考えているのかわからない人」からの脱却
このような子ども時代を経て、できあがったのは「何を考えているのかがよくわからない人」でした。
もちろん距離の近い人たちは、自分のことをよく知ってくれていたと思います。しかし、一定以上の距離が離れると、ただの「とっつきづらい人」になりました。
しかも、タチの悪いことに「自分はそういう性格なんだ」「わかる人がわかってくれればそれでいいや」と思い込んでいたのです。
いま思えば、関係性の構築をまるまる相手に委ねていて、なんてめんどくさいヤツだろうと思います。
だから、教員になって1年目のときに苦労したのは、同僚とのコミュニケーションでした。社会人1年目、右も左もわかりません。
そのくせして、自己開示をしようともしません。そりゃあ、うまくいかなくて当然です。自分で撒いた種ですが、職員室にいることが苦痛で仕方が ありませんでした。
改善しようと2年目に行ったことは「思ったことを口にする」でした。
「なんだそれ」と思われるかもしれませんが、心を隠しながら生きてきた自分にとっては、とても大きな変化でした。
「自分の都合で隠していては、相手に迷惑をかけてしまう」という、いたって簡単なことに、このタイミングでようやく気づくことができたのです。
同じくらいの時期に、もうひとつ大きな変化がありました。
それは、ブログを書きはじめたことです。 毎朝6時に投稿するということだけを決めて、その時々に思ったことを、ひたすらに書きました。いまはストップしているのですが、かれこれ450日近く、毎日2000字程度の記事を書きつづけました。
すると、おもしろいことに、ちゃんと読者が増えていきました。書いていなければ絶対に出会うことがなかったであろう人たちと出会うことができました。これまた先ほどと同様です。ここでようやく「自己開示の大切さ」を実感することができたのです。
「自由をUpdateする」との出会い
社会人として仕事をする中で、小学校の学級担任として子どもたちと過ごす中で、文章を書いて自己開示をする中で、さまざまな変化がありました。
なんてことのない変化なのかもしれませんが、心を閉ざして生きてきた自分にとっては、とても大きな変化でした。
昔からの親しい友人からは「最近よく笑うようになったね」と言われました。3年目に大変お世話になった先輩の先生からは「人当たりがいいよね」と言われました。
「それがなんだ」と思われるかもしれませんが、何度も言うように、これまでの自分ではありえなかったことなのです。「よく笑う」や「人当たりがいい」の対局にいるような人間だったのです。
もしかすると、実際に会ってみたら「その程度で?」と思われるかもしれません。今でも決して「オープンで明るい人間」だとは言えません。しかし、変化していることは事実です。そして、その変化を心から楽しめていることも事実です。
そんな変化の中で出会ったのが「自由」をUpdateするを掲げるFoundingBase でした。はじめは何だかよくわかりませんでした。
教科指導もしている。興味開発もしている。地方に拠点がたくさんある。拠点を横断したプロジェクトも行なっている。観光にも力を入れている。
たくさんの「?」が浮かびました。
しかし、何度も話を聞く中で「このチャンスを逃すわけにはいかない」と、強く思うようになりました。
自分の人生のハンドルを自分で握る。そして、そのための一歩を踏み出そうとしている子どもたちに寄り添う。これらに全力でチャレンジすることができる場所。それが、この FoundingBaseだと思ったのです。
「おもしろい」は意外とすぐ近くにある
服なんて着れればなんでもいい。興味がない。かつてはそう思っていました。しかし、いざファッションの世界に足を踏み入れてみると、とんでもなく広い世界が広がっているということを知りました。
映画なんて長くてつまらない。興味がない。かつてはそう思っていました。しかし、いざ映画の世界に足を踏み入れてみると、とんでもなく広い世界が広がっているということを知りました。
興味がない。わからない。つまらない。自分にはできない。そう思うことは簡単です。しかし逆に考えると、たったそれだけのことで、新たな世界との出会いを、自ら閉ざしてしまっているということにもなります。
マラソンでは、敵がひとりもいません。 まわりの人たち全員が味方なのです。となりで走っている見ず知らずのおじさんに、ものすごく親近感を覚えます。会ったこともない人たちが、沿道から全力で応援してくれます。たしかにしんどいですし、 足は棒になりますが、ゴールした直後には「また走りたい」と思っているのです。
「おもしろい」は意外とすぐ近くにある。しかし、そこへ向かって踏み出す1歩は、簡単なようで難しい。だからこそ、生徒たちのすぐ横で、ともに踏み出し、走りたいと思います。