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「社長業よりブランドを生み出すことが得意な人に、M&Aは有効な選択肢」ROSY LILY創業者が語るM&Aを決めた理由、M&A後の展望とは【対談 前編】
こんにちは、forest採用広報です!今回のストーリーは、昨年の夏にグループインしたシューケアブランドROSY LILYにフォーカス。事業譲渡の裏には、どのようなやり取りや決断、経営者の想いがあるのでしょうか。今回は、forestにM&AをしたROSY LILY株式会社の代表 加島氏と、forestの代表 湯原伸悟の対談を前後編に渡ってお届けします。
事業を伸ばしてくれる先とM&Aをしたかった
湯原:あらためて、まずはROSY LILYについてご紹介ください。
加島:ROSY LILYはシューケア用品ブランドです。もともと靴を洗うタイプではあったのですが、簡単ではないため、「簡単になったらどうなるのかな」という発想から生まれました。洗うイメージのあるスニーカーはもちろん、合成皮革や革靴、エナメルなど、さまざまな材質の靴に対応しています。洗っている時間は退屈ですから、その時間も楽しくできるようにしようということで、香りを複数用意して選べるようにしました。
湯原:ありがとうございます。今回のM&Aのきっかけは、forest側からのアポでした。アポ以前より、M&Aをするつもりはおありだったのでしょうか。
加島:そうですね、ちょうど今年(2024年)になって準備を始めたところでした。ちょうど考慮し始めたタイミングでforestさんからお手紙がきまして。ふだんは捨ててしまうのですが、その手紙が手書きだったこと、知人がforestさんとM&Aをしたところだったことから、一度話してみようかなと思ったのがきっかけでしたね。
湯原:オンラインでお話する機会をいただき、「ぜひ一緒に仕事をすべき人だ」と思ったため、すぐに加島さんのいらっしゃる福岡に飛びました。近くのカフェで会いましたね。
加島:湯原さんが「一緒に仕事をすべき」だと思ってくださった理由は何だったのでしょうか。
湯原:まずは商品やブランドですよね。潜在的な可能性含めて魅力を感じました。あとは何といっても加島さんご自身のキャリアです。EC物販界隈の人が教えを請いにいくような、この界隈でも特にキャリアの長い方ですから、ぜひ一度お目にかかりたいと思っていました。
お話したときの印象は、「いろいろな意味で慎重な方」でした。開示する内容やビジネスの進め方もそうですし、商品も積み上げ系でいらっしゃる。地道なタイプの信頼できる方だなと。しゃべりすぎてしまう方もいらっしゃいますからね。
加島:元はしゃべりすぎてしまうタイプなんですよ。大人になって変わってきたのかなと思います。
湯原:加島さんは、以前にもM&Aをされたご経験をお持ちです。いろいろな会社もご覧になられてきたかと思いますが、forestについてどのような印象を持たれましたか。
加島:先にM&Aをした知人も言っていたのですが、事業に真面目に取り組んでいる会社だなと感じました。M&A先の事業のことを、転売するための商品だと捉えている会社が多いんですよね。M&A後にその事業がどうなるのか気にしていないような会社とは仕事をしたくないなと。
湯原:以前の相手も事業会社でいらっしゃる。
加島:ええ。投資会社ではなく事業会社を選びました。その後の引継ぎも含めて、事業を伸ばしてくれるところにお願いすることが大切だと思っています。
湯原:forest以外の会社と比較検討はされたのでしょうか。
加島:いえ、していないですね。
湯原:forestと一緒にやっていきたいと思っていただけた理由は何だったのでしょうか。
加島:大きかったのは、上場を目指されている会社だということですね。M&Aの準備を始めようとしていた段階で、上場は条件に入れてはいなかったんです。そこまで考えているほうが珍しいですしね。M&A後に事業を続けていく気があるのかどうかを判断したいと思ったとき、「上場」というステップがあると「続けていく」の決定事項になるといいますか、わかりやすい要素だなと。
能力を発揮できる場を得るためのM&Aも1つの選択肢
湯原:M&A後も残っていただいて一緒に事業を成長させていきたいという方とご一緒したいというのがforestの考え方ではあります。加島さんには引き続き社長としてやっていただきつつ、営業、特に法人営業にはうちのメンバーも入り、販路を広げていこうと取り組み始めました。
さらに、加島さんにはforestのEC事業者としての足腰を鍛える部分に入っていただくという側面でもお力を借りています。前の会社でも中を整えられたご経験がおありなので、加島さんの知見を活かすことでみんなの仕事の成果がより上がるようになるのではと期待しているんです。
加島:ありがとうございます。forestの基盤を使って新しいことに挑戦できることが楽しいですね。今回は社長を続ける形になりましたが、私は自分が社長であり続けるかどうかにはこだわりがないんです。考えているのは、生み出した事業を伸ばすこと。伸ばすために自分が社長でいたほうがいいのであれば社長を続けますし、他の人に社長についてもらったほうがいいと思えるなら、社長の座を明け渡します。
自分が社長であることにこだわりすぎてしまう人もいるんですよね。M&A後にすべてバトンタッチして、違うことをやりたいと考える人たちの共通項がこれで、自分が社長として面倒を見続けることを重視していて、新しい社長を常に雇っていく考え方をあまりしない。オーナーみたいな考え方をせず、0か100、社長として続けるか売却して手放すかの2択にしがちだなと思います。M&Aをする理由も「長く続ける理由がない」「さっと売って今の事業をやめたい」など、ネガティブなものになりがちなところがある。あるあるなのが、「年を取ったから後継者探しをしなければ」。これもまさにネガティブな理由からのM&Aですよね。
湯原:「そろそろ自分では限界かな」というタイミングでのM&Aもありますね。個人で会社を立ち上げて1人社長の規模で続けていると、だんだんとしんどくなってくるので。売上が出ていても、1億円ぐらいだと在庫を強気で発注するのは怖い。でも、在庫を増やさないと規模を拡大できない。ここで会社経営をしっかりやれたらいいのでしょうが、やることが多くて、てんてこまいになってしまう。そもそも、事業を作ることと会社経営とは別の能力ですから。
加島:そうなんですよね。オーナーと社長は別の役割なんです。株式会社では株主がオーナーとなり、社長を決めます。マクドナルドのように、大きな企業は社長がたびたび変わるものです。ただ、個人で立ち上げた会社は、オーナーも社長も1人の人間になり立場が癒着しているんですよね。その考え方から抜け出せないと、M&Aという判断には至らないでしょう。要は、主人公が社長・会社・自分なんです。私の場合、主人公はブランドなんですよね。
▶︎後編に続く
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