こんにちは。ファンづくりカンパニー株式会社 代表の篠塚です。
私がこれまでのキャリアを通じて学び、今も強く意識しているのが「業務分解」と「チーム戦」の重要性です。
個人の力だけに頼らず、仕組みとして“全員で成果を出す”という考え方は、採用支援や障がい者支援の現場でも大きな武器となっています。
今回は、その原体験と、現場で磨いてきたノウハウについてお話しします。
「属人化」という壁と向き合ったBPO現場
私はかつて、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業の現場責任者として、多様なメンバーとともに、データエントリーや大規模な業務処理に携わってきました。
現場に入ってすぐに直面したのが、属人化の問題です。
ベテランスタッフの一人が、自分だけができる特殊な作業を抱え込み、そのやり方を他の誰にも教えようとしない。
一見、組織にとって不可欠な“キーマン”のように思えますが、裏を返せばその人がいなければ業務が止まってしまうという危うさもはらんでいました。
業務を分解し、“チーム戦”に転換する
そこで私が実践したのが、業務の分解と仕組み化です。
まずは、そのスタッフが担当していた業務の工程やノウハウを徹底的に棚卸し。本人の不安やこだわりにも向き合い、「万が一この仕事がなくなっても、次のキャリアがちゃんとある」という安心感をつくることに努めました。
工程ごとに「誰でもできる状態」にまで分解し、マニュアル化。
属人化していたタスクを複数人で分担できるようにし、“個人戦”から**“チーム戦”へと体制を切り替えた**のです。
巨大プロジェクトで学んだ“分解”の本質
この手法の威力を強く実感したのが、大手クレジットカード会社の140万件におよぶ書類確認業務のプロジェクトでした。
大量の作業を一度に処理するためには、
- 「分けられるものはすべて分ける」
- 「個人の負担にせず、仕組みに落とし込む」
- 「イレギュラーや例外処理こそ、リーダーや管理者が手厚くカバーする」
この徹底が必要不可欠でした。
現場には日々、数万通もの書類が届き、数十人規模のメンバーが次々入れ替わりながら対応する。
全てを“個人技”で片付けるのではなく、誰でも同じ水準で仕事ができるようにタスクを“分解”し続けることで、クオリティとスピードの両立が実現できました。
“分解”と“仕組み”の先にあるもの
この経験は、現在のファンづくりカンパニーやKEIPE ONE.の運営にも生きています。
たとえば障がい者就労支援の現場では、
- 「誰かだけができる」ではなく「みんなでできる」
- 得意不得意や特性に応じて仕事を細かく“分け”、役割やプロセスを明確にする
- 失敗やイレギュラーもチームでフォローし合う
こうした設計が、“誰もが活躍できる”仕組みを支えています。
「属人化」から「全員戦」へ
業務の“分解”と“仕組み化”は、単なる効率化の手法ではありません。
誰かの“安心”や“自信”、そして「自分もチームの一員だ」という実感を生むための基盤でもあるのです。
個人に頼らず、全員で成果を生み出す——
これからも私は、「業務分解×チーム戦」という視点で、組織や社会の“働く”をアップデートしていきます。