Engineering
マネージャーとテックリードどっちを選ぶ?
ENECHANGE株式会社
エンジニアが研鑽を積み重ねた先には、さまざまなキャリアの選択肢が考えられます。なかでも、多くのエンジニアがキャリアの有力な候補として挙げるのは、エンジニアリングマネージャーやテックリードなどの選択肢でしょう。いずれも開発組織において重要な役割を担う、専門性の高い職種といえます。
今回は、ENECHANGE(エネチェンジ)株式会社のエネルギークラウド事業部でエンジニアリングマネージャーを務める川野邉賢二と、EV充電サービス事業部でモバイルアプリ開発のテックリードを務める小林友樹にインタビュー。2人がどのような経緯で現在のキャリアを選んだのかを聞きました。
――まずは川野邉さんがENECHANGEに参画した経緯について聞いていきます。
川野邉:ENECHANGEに入社する前は、SIerに2年、受託開発の企業に3年勤めました。その後、自社で事業を運営している会社で働きたくて、転職活動をしました。
転職において大事にした軸はもうひとつあって、社会貢献性の高い企業であることです。いろいろな会社を調べるうちに、ENECHANGEを見つけました。エネルギー業界に特化した会社はそれほど多くないですし、ENECHANGEが成し遂げようとしていることは人類にとって意義があると感じました。
また、私は前職でフロントエンドエンジニアとして働いていて、自分の守備範囲を広げるためにバックエンドにも挑戦したいと思っていました。採用面接で話をするなかで、ENECHANGEではフルスタックエンジニアとしてのキャリアを歩めそうだとわかり、参画を決めたんです。
ENECHANGEに入ってから現在まで、エネルギークラウド事業部に所属しています。最初に参加したプロジェクトでは、得意な領域から担当することになり、1年ほど大きめの機能のフロントエンド開発をしました。そのプロジェクトでしっかりと自分の強みを活かせたので、その後は徐々にバックエンド開発も任せてもらえるようになりました。
▲川野邉賢二(エネルギークラウド事業部 )
――どのような経緯でエンジニアリングマネージャーになったのですか?
川野邉:フロントエンド側よりもバックエンド側のほうがタスクが多く、私一人では回しきれない状況でした。そこで、他の社員や業務委託の方々にも協力してもらいながら、開発を進めていくことが求められたんです。
他のメンバーと一緒にプロジェクトを進めるなかで、一人での開発で得られる楽しさとはまた違った、みんなで大きなことを成し遂げる達成感を覚えるようになりました。そんな折に、上司から「マネージャーをやってみないか?」と声をかけられて、「ぜひやらせてください」ということでマネージャーになったのが経緯です。
――読者のなかには「エンジニアリングマネージャーになることで、最新技術に触れる機会が少なくなるのではないか」と考える方もいるかもしれません。川野邉さんの場合はそういったことはありましたか?
川野邉:むしろ、その逆でした。もともと私はフロントエンド専任でしたが、そこからバックエンドやマネジメントを担うようになったことで、自分の知らなかった技術領域のことにも責任を持つ必要が生じて、より幅広い知識をキャッチアップするようになりました。
自分で技術を理解したうえで仕事をメンバーに依頼して、他のメンバーにも説明できなければならないので、コードを書く時間は減りましたが、コードを読んだり技術について学んだりすることは以前よりも増えて鍛えられています。
――プレイヤー時代とは考え方が変わった点はあるでしょうか?
川野邉:一番変わったのは、メンバーへ仕事を依頼する方法です。エンジニアリングマネージャーになったばかりの頃は、システムの設計まではしっかりと自分がやって、そのうえで実装を他の人にお願いするという流れで仕事を進めていました。スムーズに開発してもらうためでしたが、メンバーが設計の意図について私に確認する頻度が高くなり、かえってうまく進まなかったんです。
そこで、自分がガチガチに設計を固めてからタスクを依頼するのではなく、「こういうことをやりたいんだよね」という方針を抽象的に決めて、その後の工程からメンバーに依頼した方が、メンバーの成長にもつながりますし、自分は他の採用・組織づくりに注力できるようになり、仕事が円滑に進むようになりました。
――他に、チームがうまく機能するように工夫していることはありますか?
川野邉:メンバーとの1on1で、興味のある領域や今後のキャリアの希望について確認するようにしています。それから、なんでもかんでも自分がミーティングで発言するのではなく他の人の発言を促すなど、あくまでメンバーが主体となるような動き方に徹することを意識しています。
――次に、小林さんがENECHANGEに参画した経緯を聞きたいです。
小林:一言で言えば「電気自動車に関することをやりたかった」でして、私はこれまでのキャリアで一貫して、ソフトウェアとハードウェアが融合して新しい価値を生み出すことに興味・関心が強かったです。過去の話をすると、iPhoneの登場に衝撃を受けたことが、モバイルアプリ開発に携わる転機になりました。それと同様に、電気自動車に大きな可能性を感じ、関連する事業の会社を探していたところ、ENECHANGEを見つけました。
――小林さんは過去の職場で、プロジェクトマネージャーやエンジニアリングマネージャーなどの役割を担われていたそうですね。それなのに、ENECHANGEでは開発に専念することを選ばれたのはなぜですか?
小林:私が本当の意味でモチベーション高く取り組めて、価値も発揮できると思っているのは「何かしらの課題と向き合って、創意工夫をしながらものづくりをして解決すること」なんですね。社会人になって最初の会社では受託開発を経験しましたが、「なぜそれを作るのか」が明確にならないとモヤモヤするタイプでした。それで、プロジェクトの方針策定にどんどん首を突っ込んでいたら、気が付けばプロジェクトマネージャーになっていました。
「なぜそれを作るのか」に携われる立場にはなったんですけれど、その分創意工夫してコードを書くことができなくなってしまったんですね。受託開発ということもあり、顧客との交渉や受発注がらみの仕事が増えていきました。顧客との交渉はあってもよいですが、せめて受発注の作業には関わらない環境に移りたいと思い、toBの事業会社に転職しました。
▲小林友樹(EV充電サービス事業部)
ただ、次の環境では確かに受発注からは解放されたものの、この会社では「エンジニアの組織の課題を解決すること」の重要度が高くて、だんだんとマネジメントの仕事が多くなっていったんですね。最終的には開発部長まで任せてもらい、自分なりにチャレンジはしてみたものの、私には向いていないと思いました。やはり、ものづくりをしたいという気持ちが強くなり、ENECHANGEへの転職後は開発に専念しています。
――テックリードやインディビジュアルコントリビューターのように、エンジニアリングに専念するキャリアの人が意識すべき点はあるでしょうか?
小林:私は今までマネジメントをしてきたことは一切後悔しておらず、プラスに働いていると思っています。事業や開発組織を良い方向性に向かわせるための立ち回り方やコミュニケーションなどを学べました。つまり、単純に「技術に向き合えればそれでいい」ということではなく、マネジメントの重要性を理解したうえでエンジニアリングと向き合うべきだと思います。
マネジメントという英単語は「管理」と翻訳されることがありますが、本来はそうではなく「なんとかして対処する」くらいの意味合いなんですよね。要は、いろいろな課題があるなかで、その状況を打破するためになんとかするという話だと思っています。開発組織においてなんとかすべき領域は、大きく分けると「技術」「プロダクト」「人やチーム」です。これらのすべてをエンジニアリングマネージャーだけがなんとかするのではなくて、技術やプロダクトについてはテックリードとエンジニアも責任を持って、良くしていける部分だと思うんです。
つまり、マネジメントするという行為そのものは、マネージャーだけではなく誰もがやるべきことなんですね。なので、「私はマネージャーではないからマネジメントはしません」ではなくて、「自分にできるマネジメントは何か」を一人ひとりが考えて、会社や組織に貢献することが大事だと思っています。
――小林さんがテックリードとして働くうえで意識していることはありますか?
小林:言われたものをきちんと作ることだけではなく、「小林だからこそできること」というプラスアルファの成果を出すことは大切にしています。たとえば、ENECHANGEは2022年にアユダンテ社が運営する充電スポット検索アプリ・EV情報メディアの「EVsmart」の事業を譲受し、このサービスと「EV充電エネチェンジ」のモバイルアプリを統合しました。このプロジェクトは技術的難易度が高かったので、やりきることで大きな事業価値につながりました。
それに、2023年には「EV充電エネチェンジ」で充電料金とガソリン代の比較表示を可能にしましたが、これもそもそも技術的にできるのかわからないところからスタートして、結果的には利便性の高い機能を実現し高評価をいただけました。こういったところは大事だと思っています。
――ENECHANGEの開発組織は、エンジニアが「マネージャーになりたい」とか「テックリードになりたい」といったキャリアビジョンを実現しやすい環境だと思いますか?
川野邉:「YES」だと思っています。私自身ももともとエンジニア志望からマネージャーになりましたし、かつて私の上司だったマネージャーが「マネージャーになったからといって、キャリアが固定されてしまうわけではない」と話していました。
プレイヤーからマネージャー、マネージャーからプレイヤーと振り子のようにキャリアを歩んでいくこともできます。自分がいま取り組んでいることを極めたい人はそのまま極められますし、違うことをやってみたい方は手を挙げれば挑戦できるので、どのようなキャリアも歩める会社だと思います。
▲川野邉賢二
小林:私も「YES」ですね。ENECHANGEでのキャリアは一方通行ではないというか、エンジニアの先は必ずしもマネージャーにならなければならないわけではありません。私はある程度の年齢なのですが、私くらいの歳になると転職活動時にマネージャーとして働くことを求められることも多いです。
でもENECHANGEでは社長である城口さんが「年齢は全く関係ない」と明言してくれています。つまり、年齢を条件にマネージャーとなるわけではないことは、かなりの安心材料ですね。それに加えて、直属のマネージャーやVPoEとのキャリア面談などを通じて、本人の意向をしっかり汲んでくれる仕組みになっています。
――最後に「ENECHANGEに転職してより良いキャリアを実現したい」と思われている読者の方々に向けて、お二人からメッセージをお願いします。
川野邉:世の中には、メガベンチャーのように「すでに大きくなっている会社」がいくつもあります。そういった会社で働くのも、もちろん豊かなキャリアにつながると思います。でもENECHANGEのように、「社会貢献性が高くて、これから大きくなっていく会社」でなければ、経験できないこともあります。今のフェーズで入社すると、これからみんなで力を合わせて会社を成長させていくキャリアを歩めるはずなので、そういった挑戦をしたい方にはぜひ応募してほしいです。
▲小林友樹
小林:お伝えしたいことは2点あります。1つは、誰しも「転職先で自分が活躍していけるかどうか」はすごく不安になるじゃないですか。でもENECHANGEでは、先ほども述べたように直属の上司やVPoEが1on1で「今後どんなキャリアを歩みたいのか」を聞いてくれて、それを実現できるように支援してくれます。また、社内で事業部間異動が積極的に行われるなど、社内にキャリアの選択肢がたくさんあります。
それから、ベンチャー企業だけれど国のインフラを支えるような規模の大きい事業を推進しています。私自身、ENECHANGEに入社したときには「これほど社会に影響を与えるような事業をしているのか」と驚いたんですね。社会貢献できるような仕事に興味のある方は、次のキャリアを過ごす場所としておすすめだと思います。
3月26日(火)19時〜にENECHANGE、カケハシ、Caddiの3社のエンジニアリングマネージャー、テックリードが登壇し、エンジニアのキャリア選択をテーマにしたオンラインのトークイベントを開催します。
イベント内では、このインタビュー記事で触れているキャリア選択について、各社、各人の様々なキャリア観を聞くことができます。
ぜひご参加ください!
お申し込みは以下です。