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ディップの創業を調べるお(※1)、ということで採用説明会などでよく聞かれる創業の物語について答えするコーナーを始めますm9( ゚Д゚)ドーン!
冨田という創業者が始めたこの会社にも、創業のドラマがありました。こちらを徐々にお伝えしていきます。冨田のひとりがたりスタイルです。第十四弾は上場中止から一転再上場。
船上での決起大会
株式公開直前に、ヤフーからの突然の提携解消の発表。
「どういうことですか!」 主幹事証券会社の担当者が血相を変えてやってきました。
「ヤフーとの提携解消のリスクは、目論見書には書いてある。このまま上場できないことはないが、ヤフーとの提携があることを 前提で買った人から信用を失った状態で市場に出ることになる」というのです。私は、「それでは辞退します」と答えるのが精一 杯でした。
株式公開の日には東京湾で上場を祝ったクルーズパーティーを予定していました。本来であれば当然、中止でしょう。しかし それまで止めてしまったら、ヤフーとの提携解消ショックと重なり、社員の士気は大いに下がるはず。私はあえてパーティーをや り、「ヤフーがなくなっても大丈夫なこと、そのための準備はしてあることを皆にきちんと説明しよう」と思いました。いわば、ヤ フーからの卒業パーティーです。
きちんと説明すると、私の予想を裏切るほど皆の士気は上がりました。
「ヤフーがなくなった今こそ、自分たちの実力の見せどころだ!」と、パーティーは大いに盛り上がったのです。そのとき、全員でベ イブリッジに向かって再チャレンジを誓いました。
投資家保護のためにマザーズへの株式公開を延期したことは、逆に投資家から信頼を得ることにつながりました。社内も船 上パーティーの勢いのまま一致団結し、攻めの営業を続け、業績も落ちることはありませんでした。
株式公開を辞退してから最短の5カ月後、2004年5月、ディップは東証マザーズへの上場を果たしました。
ヤフーとの提携、そして解消。上場辞退、そして念願の上場へ。「ピンチはチャンス」これは私の体験的持論ですが、しかし逆に チャンスのときにも、ピンチを想定し備えておかねばならない。このときの経験で私はまた1つ、大きな教訓を得ることができま した。
第十五弾もお楽しみに。
転載:ダイヤモンド社制作「ファンダーズスピリット」