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【リーンスタートアップ】Votizenのピボット事例&新規サービスの成長に必要な3要素

こんにちは、次世代事業準備室の安元一耀です。

かれこれブログを書き始めて2ヶ月が経ちました。早いもんです。なんとか週1本を継続できております。

今回も前回に引き続き、リーンスタートアップに関することを書きます。

※前回のブログはこちら↓↓↓

【リーンスタートアップ】IMVUの初期仮説と戦略&仮説検証から得た学びのまとめ | 新卒だけど新規事業責任者!?
こんにちは、次世代事業準備室の安元一耀です。 アイキャッチ画像にJKが並んでいますが、その理由は後にわかります。 今、スタートアップ系で有名な本の1つであるエリック・リースの「リーンスタートアップ」を読んでおります。リーンスタートアップの哲学書とか言われてるやつです。 ...
https://www.wantedly.com/companies/dip/post_articles/122089

今回は、以下の著書でも登場してくる「Votizen」というサービスのピボットの歴史(?)をまとめて、最近考えていた自分の頭の中のことなどを書いておきます。

リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす
Amazonでエリック リース, 井口 耕二, 伊藤 穣一(MITメディアラボ所長) (解説)の{ProductTitle}。アマゾンならポイント還元本が多数。一度購入いただいた電子書籍は、KindleおよびFire端末、スマートフォンやタブレットなど、様々な端末でもお楽しみいただけます。
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※Votizen=市民の政治参加を推進するためにアメリカで開発されたサービス。有権者が集まり、市民運動などのアイデアを語り合って仲間を募るSNS

※今回はビジネスモデルの図解は登場しません

■初期のVotizen

Votizenは3ヶ月、120万円をかけてMVPを制作して公開。公開してからのユーザーの行動と割合は以下の感じでした。

※本書での「アクティベーション」がどれくらいの日数を指すのかは不明です。

MVPを見た人のうち5%が登録。そのうちアクティブなユーザーとなったのが17%ということです。

これはプロダクトとしてはあまり良くない状態です。そこで、Votizenの開発者であるデビットはプロダクトの改良を続けます。

※ココで言うところの「改良」とは、プロダクトのピボットではありません。ひたすらにABテストやUI/UXの変更などを行い、数値改善を測ることを指しています。

その結果、ユーザーの行動と割合は以下のようになります。

まぁ、数値は確かに改善されたのですが、重要な「定着(リテンション)」は8%、「紹介(口コミなど)」は6%程度にとどまりました。。。

つまり、「価値仮説」は成立したけど「成長仮説」が成立していないパターンです。

※スタートアップの「価値仮説」と「成長解説」については以下のスライドに載っています。

デビットは、ここまでで8ヶ月という時間と約200万円を使っています。

■ピボット1回目(ズームイン型ピボット)

ここで、1回目のピボットを決意します。

顧客に対して色々ヒアリングをすると、「SNSという部分には価値を見出していない。自分(ユーザー)が有権者であると認識されていることが嬉しい」ということが仮説として浮かびました。

そこでデビットは、SNS的な機能を削除して「ユーザーがオンラインで国会議員に意見や提案を言い、それを紙形式に変換して国会議員に届けてくれる」というサービスにピボットしました。

それまでは機能の1つであると考えられていた「点」に集中するタイプのピボットです(本書では「ズームイン型ピボット」と呼んでいました)

そして、このMVPを4ヶ月・300万円で開発します。

デビットは、「市民活動を熱心に行う人なら、自分の問題に関心を持つ議員に対して請願などをやり易くしてくれるこのプロダクトにお金を払う」という仮説を持っていたので、その仮説も検証すべく、売上も指標として見始めました。その結果は以下となります。

「価値仮説」と「成長仮説」は成立しているけど、ビジネスとしてはサステイナブルでなさそうな数値です・・・。

そこでもう1回ピボットします。

■ピボット2回目(顧客セグメント型ピボット)

今度は、ターゲットとなる顧客を変えてのピボットです。MVP制作に3ヶ月を要します。

国会議員とのコンタクト推進にユーザーからお金をもらうのではなく、企業からお金をもらおうと考えました。to Cサービスからto Bサービスへのピボットです。

サービス内容はほぼ同じで、顧客を変えることから本書では「顧客セグメント型ピボット」と呼んでいました。

しかし、どれだけ営業してもお金を払ってくれる企業は見つからず・・・。またまたピボットをします。

ピボット3回目(プラットフォーム型ピボット)

今度は、今までのようにサービスを1人1人に販売するのではなく、「ユーザーが実現したい政治運動などがあれば、それに協力してくれる仲間集めをVotizenというプラットフォームで行い、ユーザー同士や国会議員とのメッセージ料金でマネタイズをする」というプラットフォームビジネスにピボットします。

ちなみに、「1メッセージ=20セント」という料金らしいです。

MVP制作に1ヶ月を要しました。

※本書では「プラットフォーム型ピボット」と書いていました。そのままやん(笑

これのピボットは成功し、以下のような結果を出せました。

これでおそらくVotizenがビジネスとして成立すると判断したのでしょう。

その後、Votizenはあの有名なピーター・ティール(Paypal創業者)から150万ドルの資金調達を行ったそうです。

■最近 思考したこと(新規サービスの成長に必要な3つの要素

最後に、以上のVotizenの事例も含めて、最近思ったことを書いて終わりとします。

これは最近思い始めたことなのですが、新規サービスの場合、以下の3つの要素が揃っていればビジネスとしてサステイナブルになり得るのかな?と考え始めました。

※サービスがどのくらいスケールするのか?はまた別の話です。

①:価値仮説の成立(must)

②:成長仮説の成立(better)

③:顧客がお金を支払う(must)

1番理想の状態は、①〜③が全て揃っている状態です。

顧客がサービスに価値を感じ、口コミや紹介で他の顧客を連れてくる。それに加えて顧客はサービスに対してお金をちゃんと支払うという状態です。まさにウハウハ状態です。

しかし、最悪(?)①と③だけでもビジネスは成立する場合があると考えています。新規顧客を獲得するのは既存顧客の口コミや紹介だけではなく、広告などでも可能だからです。

③で得た資金を広告宣伝費として②に投下すれば、新たな顧客を獲得できる可能性はあるので、②は最悪、広告宣伝費で代替可能かも?と最近思いました。

※CPA(CPI)とARPU・LTV辺りの指標を当然比較する必要はあります。

最近上場した「ラクスル」なんかはまさにこのサイクルが出来上がっている事例です。

ラクスルでも赤字上場は理解されないのか|ヤマオカタスク|note
1.前置き:ラクスルの赤字が理解されていないという話 ...
https://note.mu/tasuku_yamaoka/n/ndb06b616a58a

逆に、②が成立していない&広告宣伝費も金額が見合わないとなると、サービスの成長は割と初期で頭打ちになりそうです。

■おまけ

③の「顧客がお金を払う」に関してですが、これは正直プロダクトをリリースしないと分からないかもな?とも思います。。。しかし、「顧客の現在のお金の出処」はリリース前から意識すべきだと感じます。

つまり、「自分たちが今やろうとしているプロダクトは、顧客が今何に使っているお金をリプレイスしようとしているのか?」を意識するということです。

そこのお金のありかがない(リプレイス対象がまだ存在していない)とプロダクトとしてはかなり厳しい戦いになるのかなぁ?と思います。(今のこの時代は特に、ゼロから消費を生み出すのは相当難しいと思います・・・)


以上のようなことを最近思いました!

※ご指摘あれば何でも私(安元)のFacebookメッセンジャーまでご連絡ください!


というわけで今回はこれで終了です。ありがとうございました!

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