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地球環境近未来に必要な糠漬け的考え

この時代こそ、糠漬けを始めませんか?

 神楽坂にある当社の小売店では、糠漬けの道具、糠自体のニーズがコロナ禍から高まり、その人気が続いています。ウイルスという目に見えない存在に社会全体がパニックに陥った反面、私たちは同じ小さな存在、微生物でも人間と共生し続けきた腸内細菌や、発酵食品の共同調理者の菌の存在への注目や感謝や慈しみの気持ちも芽生えたのでは無いでしょうか。

日々の忙しさの中で、私たちの選択はしばしば速さや便利さに偏りがちです。しかし、今こそ立ち止まって、持続可能な生活を考えてみませんか?実は、この糠漬けという日本の伝統的な食文化が、いかに現代の持続可能なライフスタイルにフィットするか、そして必要な考え方を体現しているかをお話ししたいと思います。

食品廃棄の削減:家庭の小さな一歩から

糠漬けは、食べ残しや野菜の端っこなど、普段なら捨ててしまうような食材を活用して美味しい漬物を作るものです。もちろん、捨てない野菜を活用しても問題はありません。この小さな一歩が、食品廃棄の問題に対する大きな対策となります。自宅で簡単に始められるこの活動は、塵も積もれば、地球の資源に何らかの影響につながり、何より大切にする心を育てる素敵な第一歩だと考えます。なお、弊社の店舗では、生ごみになったものを入れて堆肥を育てるコンポストバッグも販売しています。(SDG 7:エネルギーをみんなに、そしてクリーンに)

地球を守るために:エネルギーの節約に

糠漬けは加熱調理を必要としないため、火などエネルギーの消費を抑えることができます。地球温暖化への対策として、私たちのキッチンからCO2排出量を減らすことができるのです。それであれほどまでに美味しいものが出来るという不思議、恵を感じます。調理とは言えないほどの、簡単な作業、小さな選択、小さな一歩が、大きな変化を生む第一歩となるのでは無いかと思います。


健康への配慮:腸から始める健康生活

糠漬けに含まれるプロバイオティクスは、腸内フローラを整え、私たちの健康を支えます。乳酸菌属ラクトバチルスだけでなく、酪酸菌も含まれており、これらは腸内で短鎖脂肪酸を生成し、健康に良い影響をもたらします。研究によると、酪酸菌は免疫機能の向上にも寄与する可能性があります。弊社のKOJI SPECIALITY事業として揃えているKOJI DRINK 麹甘酒や調味料もこの腸への好影響を大切にして、力を入れています。(SDG 3:健康と福祉のために)


伝統を学び、伝えることと、実は科学に繋がること:文化の継承と科学の繋がり

糠漬けを学ぶことは、単に食文化を学ぶだけでなく、先人の知恵と技を学ぶことです。この知識を家族や友人と共有することは、世代を超えたつながりを育み、共有する喜びを生み出します。子供たちにも伝統を教え、健康的な食生活の大切さを伝える機会としても最適です。糠漬けのような発酵食は、人類が火を使うようになる前からあったと言われている調理法です。文化の前に育まれ備わった、生きていく上での智恵としてあったのでは無いかと考えます。人類の必要の母として、これまでも受け継がれてきたことは、今後の大きな気候変動や天変地異への備えとして残していくべき、技術であり営みの知識であると考えます。(SDG 4:質の高い教育をみんなに)

生態系を学ぶ:糠床の不思議

糠床自体が一つの小さな生態系であることを知ると、さらに興味深く感じるかもしれません。ここでは多種多様な微生物が共生し、互いに影響を与えあっています。そこに入る、野菜やキノコ類、足し糠で加える穀物など、これからが加わることでどのような世界、生態系になっていくのかを想像すること。この自然の仕組みを理解することは、生物多様性への理解を深め、自然とのつながりを感じる素晴らしい機会です。(SDG 4:質の高い教育をみんなに)

アップサイクルの実践:資源を大切に

当社では、えごま油の搾油後に残る糠を有効活用しています。これにより、食材の余すところなく使うというアップサイクルを実践しており、資源の有効利用を促進しています。えごまの油粕にはまだ多くの良い油分が残っており、またその粕も微生物にとっては良質な栄養源です。えごま油のみならず、当社では別のアップサイクルに繋がる材料を複数研究開発中です。そんな新商品をご期待下さい。家庭でもこの精神を生かし、食材を無駄なく使う工夫をしていきませんか?

保存が効く:被災時の強い味方

糠漬けは長期保存が可能で、特に災害時など非常食としても非常に有効です。火や電気が使えない状況でも、栄養価の高い食品として活躍します。筆者は昔からバックパッカーで数ヶ月旅をしたり、1週間山に入ったりして、様々な現地のものや非常食を備えて栄養を得てきました。非常食はどうしても保存の為に必要な化学的な食材を必要とするものが多く、また、重量や形状を軽微にする為に、水分を含まない乾燥がちなものに偏りがちです。そんな生活をしているときに、糠漬けのような、豊かな食材を口にしたときに充足感はとても大きなものになります。これから起きうる様々な有事に備え、普段から糠漬けを作る習慣を持つことは、家庭の備えを一層強化します。

こちらの杉材の糠漬けの箱は私達の商品です。酒蔵、味噌蔵、醤油蔵、お酢蔵など伝統的な醸造の蔵元様が皆使っていた製造の桶は杉材でした。乳酸菌など微生物が生息しやすい、私達人間の営みを支えてくれた木材です。沢山の箱や甕、鉢などを利用してきていますが、調湿という意味でも大変使いやすいものです。


糠漬け生活から持続可能な未来へ繋がること

これまで、少し大袈裟になりましたが、糠漬けの側面を記してみました。ただ美味しい食べ物を楽しむだけでなく、健康、教育、環境保護への配慮を実践するものでは無いかと思っています。不健康な状態から、糠漬けを少量毎日食べ続けることで、体調が良化した、お腹の調子が良化したなどのお話を沢山耳にします。私たちの祖先の伝統や、自然の営みを知り今後の生活に活かす事ができたらと自らの、そしてそれは周囲の持続可能な生活を送るための大切な一歩に繋がるのでは無いかと思います。

こんな活動を少しでも多くの機会に利用いただいたり、私たちと共に、どんな科学的な背景で体や地球に良いのかを研究したり、製品開発に活かしたり、周りに伝えることで、広げていただければ幸いです。

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