「動く前に、考えすぎて止まっていないか?」——僕は頻繁に、自分に問いかけます。台本を読み込むだけでは映画は始まりません。カメラが回って、はじめて物語が立ち上がる。仕事も同じです。
現場の小話をひとつ。中途で来たSさん、理屈は強いのに手が出ないタイプでした。壁の内部を想像しながら、室内機の位置決めで悩む、悩む……。そこで僕は「まず養生、次に下地チェック、最後に微調整」と段取りを区切り、最初の一手だけ一緒に踏み出しました。結果、仕上げの細部まで自分の手でやり切れて、所要時間が30分短縮。正直、悩んでいた時間の半分は“最初の一手が怖いだけ”なんだよなぁ。
このとき確信しました。悩むことは悪くない、でも悩み続けるだけでは景色は変わらない。うまくいけば自信に、つまずいて初めて足元を見るようになる。どちらに転んでも前進です。僕らが大切にしている価値観はシンプル——「悩むだけ」では人生は変わらない、だからまずはやってみる。
では、どう現場で生かすか。朝は道具と心を整え、現場に入ったら「小さく区切る」を合言葉に動きます。養生→位置決め→組み立て→取り付け、と部活のメニューみたいに刻んで、ワイワイと声をかけ合う。作業後は写真やチェックリストで振り返り、良かった点と次に試す工夫を短くメモ。頭の中のモヤモヤを、手と声でほどいていくやり方です。結果よりプロセスを整える。すると結果も、あとからちゃんとついてきます。
僕らが会いたいのは、十八歳から三十四歳くらいの、まっすぐで朗らかな人。考えることは好き、でも手を動かすことはもっと好き。仲間の成功に拍手ができて、失敗は次の成功の種にできる。そんな人と働きたい。本音を言えば、現場は気の利いた「どんまい」のひと言で、ぐっと軽くなることがあるんです。
悩みは、心がある証拠です。だけど未来は、行動の先にしか生まれません。まずは小さく動いてみませんか。見学、雑談からでもいいです。まずは行動してみませんか?
※noteでも紹介しています。