初めまして、Smart相談室でビジネス統括責任者を担当している伊禮(いれい)です。
この記事を書いている2023年2月2日時点で弊社は2周年を迎え、正社員19名で事業を運営しています。組織が大きくなっているタイミングですので自身の振り返りの意味も込めて入社の経緯〜現在に至るまでをお話させてください。
― これまでのキャリア
製造メーカー 8年、ITベンチャー 2年、SaaSスタートアップ 2年とキャリアを積みSmart相談室が4社目となります。
製造メーカー時代は仕事に対して給与を得る事以外に意義を見出だせず惰性で働いていたと言う自覚がありました。今後の人生を考えた際にこのままではマズいと考え30歳を迎えたタイミングでITベンチャーへキャリアチェンジをしました。
ITベンチャーである程度のビジネススキルについて学ばせて頂き、その後ミッションに共感した事がきっかけでSaaSスタートアップへ転職しました。
― Smart相談室転職のきっかけ
当時在籍していたSaaSスタートアップは業績も良く、プロダクトの立ち上げ段階から在籍していた事もあり居心地も良かったのですが事業成長を加速させる為には常に変化が求められます。
とあるプロダクトアップデートが行われた際、私が達成したいミッションとのズレがあると感じ、そのタイミングから自身のプロダクトへの想いが弱くなっている事に気づきました。
そこからはあまり仕事にも身が入らず最終的に転職する決意をしました。
ここからは得た学びは2つです。
- 会社のミッションを深く理解すること。その道に自身のミッションが重なるかどうかが重要である事
- 経営層との対話を諦めてはいけない事
会社のミッションを深く理解すること。
その道に自身のミッションが重なるかどうかが重要であると考えています。
ミッション:〜企業・組織が果たすべき使命や存在意義〜
ミッション、ビジョン、と言うと話が大きいですが「結果的に誰を幸せにしたいか」までブレイクダウンし、その会社でなし得る事が出来るのかを考える事が重要だと当時の私は考えていました。自身の活動の延長線上に○○の幸せがある。と考えると辛い事も許容出来ますので。
逆に言うと会社のミッションと自身のミッションに「ズレ」が生じたときは辞めてもいいと考えています。
初期フェーズのスタートアップはミッション・ビジョンを軸に採用活動をする事が主ですから。
重要なのは本当に「ズレ」が生じていたのか?です。
経営層と対話を諦めてはいけない事
当時の私は「ズレ」を確かに感じていました。一方で、役職を頂き、メンバーのマネジメント業務を担当していた事もあった為「自身の想いは隅に置き、メンバーが達成する事を考える」事にしていました。
結果として違和感に耐えられず辞める事にした訳ですが、経営層にズレについての考えを伝えたのは退職する直前でした。
今振り返ると伝えるタイミングはいくらでもありましたし、伝える事で何かが変わっていたかもしれません。「ズレ」を修正する作業を諦めてしまったのは自分自身の力が足りていなかったからだと深く反省しています。
(数年経った今では素晴らしい会社であったなと思いますし、私自身が以前の経営層に近い活動をしている中で、様々な認識の「ズレ」を埋めながら事業運営をする難しさを実感すると同時にメンバーが当時の私と同じ様な感情にならないように心掛けるきっかけになりました。)
― Smart相談室に興味をもったきっかけ
転職活動では知人経由などで20社程お話させて頂く機会を頂きました。Smart相談室もその中の1社で、代表 藤田さんと私の共通の知人経由でお繋ぎ頂いた事が最初の接点でした。
当時のSmart相談室は代表の藤田さんとエンジニアの佐藤さんが入社したての2名体制+数名業務委託がいた時代かつSmart相談室自体も正式リリースを数ヶ月後に控えていたタイミングでの顔合わせでした。
当時 FUJI ROCK FESTIVAL '21が開催された直後であり、お互いにHIP HOPが好きと言う情報も交換していたのでTHA BLUE HERBの話で盛り上がった事を覚えています。
― Smart相談室を選んだ理由
最終的にSmart相談室に転職を決めた理由としては3つあります。
- プロダクトミッションへの共感と事業ドメインに可能性を感じた事
- 代表 藤田さんの人柄に惚れた事
- 自分であれば事業を伸ばす事が出来ると直感で感じられた事
1)プロダクトミッションへの共感と事業ドメインに可能性を感じた事
「Smart相談室は従業員がメンタル不調になる「前」に従業員をサポートするオンライン相談窓口です。」
このコアメッセージは私が藤田さんと初回面談をした際に事業説明を受けた2021年8月から2023年2月現在まで変わっていない内容です。
面談ではPESTやSWOT、3C分析など藤田さんの言葉で説明頂きましたが、その中でも原体験に基づく2枚のスライドが印象的でした。
私自身前職でモヤモヤが溜まっており、一方で誰に相談をする訳でも無く、限界が近づいたタイミングで退職すると言う経験を経ていたので「過去の自分が救われたかもしれないサービス」であり「自分の様な経験をしている人のサポートが出来るかもしれない」点に魅力を感じました。
実際に日本における精神疾患患者は、平成14年の258万人から、平成29年には400万人を超えるなど、中長期で増加傾向※1にありますし、 政府の活動として 職場における心の健康づくり施策※2の推進や労働安全衛生法の制定などメンタルヘルス対策に多く取り組んでいる事からも社会的な課題である事は明白です。
※1 出典 精神疾患を有する総患者数の推移 - 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000940708.pdf
※2 職場における心の健康づくり - 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/000560416.pdf?_fsi=cYexeMdX
メンタルヘルスドメインは競合他社も多いのですが、市場に課題は残っていることから参入価値がある事業ドメインである事、何より救いたい人の顔が明確に浮かぶ事から想いを乗せられる事業だと考えました。
2)代表 藤田さんの人柄に惚れた事
今でも彼は「信じて任せる」マネジメントを軸にしている経営者ですが、それは初対面の時から変わっていません。面談時から「やりたい様にやってほしい」と伝えてくれましたし今でもほとんどの事を任せて頂けます。
その後「信じて任せる」マネジメントに関しても論理的な考えに基づいている事を彼と働いていく中で理解しましたが、それでも初対面で「やりたい様にやってほしい」と言ってくれたのは相当な決断であった様に思います。その決断力に惚れました。
「決断こそ経営者の仕事である」と言う沼上幹先生の言葉を借りるなら、藤田さんは経営者として最も重要な要素を兼ね備えた尊敬出来る経営者だと思っています。
3)自分であれば事業を伸ばす事が出来ると直感で感じられた事
事業を伸ばすと言う表現をしていますがこの時の私は「自分で契約を取るイメージが出来るかどうか」を考えました。
現在も採用面接時に求職者のみなさんから「これは絶対に売れる」と、頼もしい言葉を頂きますが当時の私も同じ感情でした。
「絶対に売れる」の解像度を上げると下記3点があると思います。
- 開拓部門が明確である
- 商談時に出てくる担当者の課題(ニーズ)が想像出来る
- ニーズに対して「なぜ他社では不十分であり、なぜSmart相談室なら解決出来るのか」説明する事が出来る
藤田さんの事業説明の中で上記が明確にイメージ出来た為「これは絶対に売れる」と直感的に考える事が出来ました。市場が大きい事は前述の通りですのでこの時点でビジネスモデルとしての可能性も理解し、入社する事を決めました。
ー 入社から今までやってきたこと
- GTM戦略の立案、実行
- マーケティング〜CS部門の立ち上げ
- その他諸々
GTM戦略の立案と実行
ビジネスサイド一人目の人材として入社が決まりましたが、前職との引き継ぎ期間の関係で最初の1ヶ月は業務委託として仕事を始めました。
業務のキャッチアップをしている流れの中、単独で商談をする事になったのですが、その案件で早速受注する事が出来まして、「絶対売れる」と直感的に考えていた事が現実となりました。
そこからは拡販する為の手法を立案し実行を繰り返していく事になります。
※入社直後に藤田さんへ共有した資料を一部抜粋、提案後「任せる!」の一言でMTGが終わったのも良い思い出です。
マーケティング〜CS部門の立ち上げと実行
契約社数も順調に増え、私一人では事業計画の達成に耐えきれなくなったタイミングで採用活動を始めます。
Smart相談室はSaaSの特性をもつ月額サービスである事から組織モデルとしては THE MODELを採用し、各部門の人材を採用していきました。
一方で弊社はSmartHRグループとして事業運営をしている事からマーケティング部門に関して当初からSmartHR社の皆さんに協力頂けており、2023年2月現在でもマーケティング部門に専任はおらず、リード獲得に関して100%お任せさせて頂いております。
(SmartHRマーケティング部門の皆さん、この場を借り改めて御礼申し上げます!!!)
その他事業運営に必要な細かい事も多く行ってきたのですが話が長くなる為割愛します。興味がある方は是非カジュアル面談などでお話させてください。
ー 次の目標と課題
2023年2月時点でSmart相談室はT2D3と言うSaaS企業における理想的な成長モデルを踏襲した成長曲線に突入するフェーズになりました。
一方でT2D3を達成するには多くの課題があります。
・戦略の立案/戦術の実行 (T2D3の達成)
・組織デザイン (部門別/階層別組織の運営)
・人材マネジメントサイクル (採用/配置/育成/評価/報酬)
・業務のプロセス化 (オペレーション/イネーブルメント)
・プロダクトアップデート (新機能立案/既存機能の改修)
中でも現在は人材マネジメントと業務のプロセス化を重点的に進めています。
初期フェーズのスタートアップらしいと言えば格好をつけた言い方になってしまうのですが、短期の目標達成にリソースの全てを割いていた事から業務の体系化やノウハウの蓄積が進んでおらず、組織拡大に伴う課題として現在改善に努めている状況です。(本当に困っています!助けてください!)
ー Smart相談室にフィットする人材について
3つの要素があると考えています。
・問題が発生する構造を見抜き、解決策を作りだすこと
・特定領域に留まらず、新しい価値提供の可能性を模索すること
・短期的にも中長期的にも価値を発揮すること
問題が発生する構造を見抜き、解決策を作りだすこと
事業運営の際に「問題」が発生しない事はほぼありません。大手企業と呼ばれる企業でもなにかしら「問題」が発生していると思います。
一方でスタートアップ企業と大手企業の違いは解決策を「自身」で作りださなければならない事だと考えています。
人的リソースが不十分な初期スタートアップでは各人に割り振られるタスクはリソースの許容範囲ギリギリである事が多く、それは弊社でも同じ事が言えます。
その際に問題が発生する構造を論理的に捉え、自ら解決策を作り出す事が得意な人は弊社で活躍頂けると考えています。(問題は常に山積みですので.....)
特定領域に留まらず、新しい価値提供の可能性を模索すること
新しい価値提供の可能性と言うと事業開発の側面が強いと思われるかもしれませんがその限りではありません。
例えばインサイドセールスとしての活動の中でも、アポイント数などのKPIを達成する為だけに活動するだけではなく「受注を増やすには〇〇業界のアポイント取るのが良さそうだ」「〇〇の様な形で接点を取ればアポイント率が上がるのでマーケティング部門に情報共有しよう」と言った様に個人の活動範囲に留まらず事業目標の達成の為に柔軟な思考と責任感を持って業務を遂行出来る方は活躍しやすい傾向にあります。
短期的にも中長期的にも価値を発揮すること
価値提供の先に目標の達成があるとした場合、短期での目標達成に必要な要素を一つあげるとすれば「スピード」だと考えています。
実行のスピード、改善のスピード、その他全ての活動を各人の最速で実施する事が出来れば短期での目標は達成すると思いますし、達成が出来なかった場合は目標設計やビジネスモデル側に問題があると考えています。
中長期的に目標を達成することに必要な要素もまた、「スピード」だと考えています。日々の業務には重要度は高いが緊急度は低い、と判断出来る内容が多々あります。
その際に緊急度は低いからと先延ばしにせず、優先順位を決め最速でトライをしていく事が好きな方はフィットすると思います。
現在入社していただいた方はありがたい事に上記のいずれかに当てはまっていますし、この記事を見ている方の中でいずれかに自信を持たれている方は是非共に事業運営をして頂けるととてもありがたいです。
少し固い表現になってしまいましたがつまりは、
- 考えることが好きな人
- 常に新しい事をするのが好きな人
- 活動のスピードに自信がある人
- 上記を全てポジティブに捉え楽しみながら仕事出来る人
- サービスとしてのSmart相談室が好きな人
と是非ご一緒に働かせて頂けると嬉しいです!
ー 最後に
私たちの事業はSmartHR社、カウンセラーの皆さん、その他関係各所のお力を借りながらここまで事業を運営する事が出来ました。
サービス利用者様からの利用後アンケートも感謝の言葉を頂く事が多く、私達の活動が悩んでいる人等を救えているのだなと日々実感すると共にこのサービスを多くの人に届けなければいけないと言う使命感を抱いています。
みなさんがこの記事を読んでいるタイミングがいつなのかは分かりませんが、私たちはこの先もミッションからブレず困っている人のサポートをしたいと思っている事、事業運営においては常に問題があり皆さんの協力を求めている事、この2点は変わらないと思いまので是非私たちと共にSmart相談室をより多くの人に届けられる様サポート頂けますと幸いです!
最後に尊敬する クロネコヤマトの宅急便 の生みの親 である小倉昌男さんの言葉を引用させて頂きます。ご一読頂きありがとうございました。
経営学 / 小倉昌男 【著】
企業が永続するためには、人間に人格があるように、企業に優れた“〝社格“〟がなければならない。人格者に人徳があるように、会社にも“〝社徳“〟が必要なのである。企業の目的は営利であり、利益が出ている会社が良い会社であり、儲からない赤字の会社は、いくら良い商品を作り、優れたサービスを提供しても、良くない会社だ、という考え方の人もいると思う。要するに企業の存在価値は利潤を生み出すことにある、と割り切るわけだが、はたしてそれが正しい考えなのであろうか。私はそうは思わない。企業の目的は、永続することだと思うのである。永続するためには、利益が出ていなければならない。つまり利益は、手段であり、また企業活動の結果である。企業は社会的な存在である。土地や機械といった資本を有効に稼働させ、財やサービスを地域社会に提供して、国民の生活を保持する役目を担っている。さらに雇用の機会を地域に与えることによって、住民の生活を支えている。企業は永続的に活動を続けることが必要であり、そのために利益を必要としているのである。
一緒に働きませんか?
Smart相談室では、一緒に事業とプロダクトを作る仲間を募集しています。
もしご興味があれば、一度お話しましょう!