柔軟な発想とマインドで「ナリコマらしい」デジマに!〈前編〉|大阪デジタルマーケティングチーム座談会
「"ALL for ONE SPOON" 食の可能性をデジタルで広げ、『一さじの喜び』を届け続ける」
食事を通して人々に生きる喜びを届けるべく、高齢者福祉施設や医療機関向けに食事サービスを提供する、株式会社ナリコマホールディングス(以下、ナリコマ)。大阪府大阪市に本社を構え、関西を中心に成長を続け、この春からは東京拠点にも力を入れ、全国にサービスを拡大してきました。
今回はそんなナリコマで、2020年新たに立ち上がったデジタルマーケティング(デジマ)チームのメンバー4人の対談を前後編にわたってお届け。「ウェブ集客」という概念がなかったナリコマでデジマを根付かせた苦悩、当社ならではのデジマチームの強み、新設する東京デジマチームに参画して欲しい人物像などを語ってもらいました。
なお記事の執筆には、株式会社ストーリーテラーズさんにご協力いただきました。
参加者紹介
北窓さん(コーポレート本部 本部長・2020年入社)
マーケティング、広報、ダイバーシティ推進、採用・教育・人事制度を担当
浅野さん(デジタルマーケティング室長・2022年入社)
ウェブデザイナーとして入社後、マーケティングやウェブ広告も担当し、現在はデジマ室全体を統括
松村さん(ライター兼クリエイティブディレクター・2023年入社)
コンテンツライターとして入社後、コンテンツ企画・取材・制作まで一貫して担当
谷口さん(コンテンツクリエイター・2024年入社)
動画編集をメインに、SNS運用や採用広報向けコンテンツ制作も担当
ゼロから立ち上げたデジマチーム![]()
ーナリコマにデジマチームができたのは、約3年前とかなり最近のことです。どのような経緯でチームが作られたのでしょうか。
北窓さん: 実はもともと、私は教育研修の課長としてナリコマに入社し、人事領域と社内広報を担当していたんです。
その当時は、新型コロナの影響で営業活動が困難な時期。特に当社のお客様は高齢者施設や医療施設なので、全く訪問できる状況にありませんでした。そんな厳しい状況中でも数字を上げていくため、「ウェブマーケティングに挑戦しよう」という話になり、デジマチームが立ち上がりました。
浅野さん: 私はデジマチームの1人目のメンバーで、ウェブデザイナーとして入社しました。サイト改修を行う中で、「ウェブ集客をもっと強化しよう」となり、マーケティングやウェブ広告に取り組むなど、担当領域を広げていきました。
最初は社内から期待されていなかった![]()
ー介護食・病院食という、一見デジタルと遠い事業領域のように思えるナリコマ。デジマをスタートすることに社内からはどのような反響がありましたか。
北窓さん: レガシーな紹介営業の風土だったので、『デジマって何やるの?結果はちゃんと出るの?』『行う意味はあるの?』というような反応でした。ただ、新しいことには積極的に挑戦する社風なので、『よくわからないけど、やってみたら?』と逆に好きにやらせてもらえましたね。
浅野さん: 社内会議で『デジマではこんなことをやります』と言っても、最初は『シーン』とみんな黙ってしまう雰囲気でした。結構大変でしたね。
松村さん: 正直、期待されていませんでした。だからこそ、自由にやらせてもらえた感じはあります。
北窓さん: デジマが発足する前は、社外向けに何かPRするということをしたことがない会社でした。ご紹介していただく案件で自然に数字が伸びる業界なので、社外にPRせずとも売上を伸ばすことができていたんです。
でも、ウェブページを改修したら、ウェブからのお客様の流入がびっくりするほど増えた。新規のお客様からのお問い合わせが、以前は月1件あるかないかだったのが、月70件もいただくようになったんです!
浅野さん: しかも、ウェブページを改修して、わずか半年程度経った頃に、月10件、20件お問合せをいただけるようになりました。想定より早く効果が出ましたよね。
北窓さん: 時代とともに、お客様の購買行動がウェブを通したものへと変化していたにも関わらず、当社は取り組んでこなかったので、潜在層にアプローチすることができていなかったんですよね。
お問い合わせが急増したという結果を受けて、社内的にも「もっと本腰を入れてデジタルマーケティングに取り組んでいこう」となりました。営業メンバーも、デジマが実績を出しているのが見えると、『デジマすごいやん!』と思ってくれました。今はデジマと営業で連携して、様々な業務に取り組んでいこうという動きになっています。
まるで1つの広告代理店のようなデジマチーム![]()
ーナリコマのデジマチームは、ウェブマーケティングを行うだけでなく、記事や動画などのコンテンツ制作、ウェブサイト制作など全てを外部委託せず、チーム内で行っているのが特徴ですよね。
北窓さん: デジマチームを、社内に広告代理店があるような感じにしたいと思ったんです。コンテンツ制作を外部委託すると、コンセプトの理解やクリエイティブの納品にどうしても時間がかかってしまい、スピード感を持って進めることが難しくなってしまうからです。
当社のデジマチームはそれぞれ専門性があり、多種多様なメンバーで構成されています。作業しているうちに「デザインできる人が必要だね」となり、新たにデザイナーを採用する、という感じで、その都度必要なスキルを持ったメンバーにジョインしてもらってきました。
また、1つのコンテンツをいかに何回も有効活用するかも工夫しています。
専門分野外にも挑戦!自分の可能性が広がった![]()
ーデジマチームに必要な専門性の高いスキルを持って入社したメンバーの皆さん。ナリコマのデジマチームならではの苦労や成長を感じたエピソードを教えてください。
松村さん: 私が入社したとき、会社のサービス内容がまとまったページや資料がなかったんです。営業メンバーは各々違う資料を用いて、お客様にサービス内容を説明していました。さらに、それぞれの部署が部署オリジナルの資料を持っていて、説明する内容が全社で統一されていませんでした。
そこで『実際ナリコマのサービスはどんなものがあるのか』という全体像を、私がサイトにまとめることになりました。
でも、具体的な指示があったわけではなく、『じゃあ、よろしくね!』という感じで任されて。社内中から情報をかき集めてまとめていったのですが、どこまでまとめれば完成なのかがわからなかったんです。
結局、サービスを熟知している営業メンバーに確認してもらい、『この内容であればOK』とGOサインをもらい、完了しました。その時、私はまだ入社2ヶ月目で、サービスの理解が難しかったので、『やった、完了した!』という気持ちにはなれなくて。『本当にこの内容でいいのかな…』と不安でしたが、そのまとめたサービス内容は今も皆さんに使ってもらえています。
『今からこんな風に整えていこう』というゴールを自分で描き、それが会社としての正解になる。それがナリコマのスタイルだということがわかった出来事でした。
谷口さん: 当社は大阪万博に出展していて、万博の一つの出し物について、僕が企画から業者選定、実際の制作まで担当しました。その中で感じたのは、「何が良いのか・悪いのか」を最終的に判断するのは自分自身だということ。周りに聞いても、「いい感じなんじゃない?」といった反応で、誰もはっきりと決めてはくれません。だからこそ、自分が「これは良い」と思える状態に持っていくために、自分の頭でしっかりと考える必要がありました。
たとえば、「この出し物にはどんな目的があるのか」「その目的を実現するためには、どんなキャラクターを使用したらいいのか」「そのキャラクターの設定はどうするのか」といったことを、自分が納得できるまで深く考え抜く。この経験は、自分にとって初めてのことでした。
ナリコマで働く前は、ある程度正解が用意された中で仕事をすることが多かった。でも、クリエイティブの現場では、自分の言葉で「こうしたい」とはっきり言い切る力が求められます。そういった力は、これまでの経験ではあまり身についていなかったので、最初はとても不安でした。
浅野さん: 採用サイトやコーポレートサイトなどの制作を主担当として任せてもらい、ローンチまで一通り担当しました。社内のさまざまな部署の人たちと連携し、方向性のすり合わせをしたり、撮影の依頼をしたり、とにかく初めて行うことばかりでした。
それまで社内で他部署と連携する経験もなかったですし、サイト全体をディレクションするという仕事も初めてでした。最初の1年くらいは、何もない状態から「これをぜひやらせてください」と自分から手を挙げて、「しっかり成果が出ています」と自分でアピールしに行くような場面の連続でした。
もともと私はデザイナーなので、ウェブサイトについて専門的な知識があるわけではありません。松村さんと谷口さんの話にもありましたが、取り組んだことのない業務に対しても、自分で明確な方向性を決めて舵取りを行うのが、とても大変でした。
クリエーターどうしならではのチームワーク![]()
ー専門領域を超えた仕事にも果敢に挑戦しているデジマチームの皆さん。チームはどのような雰囲気なのでしょうか。
浅野さん: 当社のサービスは複雑なので、しっかり理解するまでかなり時間がかかりました。でも、私が質問したことに対して、皆さん優しく丁寧に教えてくれました。
松村さん: チームの雰囲気がとにかく良いです。特に万博は、チームメンバーに本当に助けられました。
疑問や悩みをすぐにチャットや口頭でシェアしていたのですが、その時に誰かしらが反応してくれ、そこから解決の糸口が見つかることが多かったです。
それぞれ異なる専門性のあるメンバーが集まっているので、視点が違う。たとえばライターである私の視点と、ウェブデザイナーの視点、動画クリエイターの視点は全く異なるので、多角的なアドバイスをもらえるんです。そのおかげで、お互いに不足している知識やスキルを補い合えています。
谷口さん:チームメンバーは皆何かしらの分野のクリエイター。 全員がコンテンツ制作の大変さを知ってるので、「行き詰っているなら、話を聞くよ?」と話を聞いてくれる。それが大変な時も諦めずにタスクを完了できる要因だと感じます。
マインドの優しいメンバーが多いのもありますが、根底は皆似たように苦労した経験があり、気持ちがわかるから。すごく話しやすいチームですね。
※後編に続く
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[執筆・校正・取材]株式会社ストーリーテラーズ 平澤 歩
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