東京新拠点への挑戦!チームの垣根を超えるシステム開発〈前編〉| 運営本部 本部長 山田 旗彦
「“ALL for ONE SPOON” 食の可能性をデジタルで広げ、『一さじの喜び』を届け続ける」
食事を通して人々に生きる喜びを届けるべく、高齢者福祉施設や医療機関向けに食事サービスを提供する、株式会社ナリコマホールディングス(以下、ナリコマ)。大阪府大阪市に本社を構え、関西を中心に成長を続け、この春からは東京拠点にも力を入れ、全国にサービスを拡大してきました。
今回はナリコマ 運営本部 本部長 山田 旗彦にインタビュー。システムエンジニアがわずか3名しかいなかった2004年にナリコマに入社し、システムの改善や業務のDX化に尽力。そして今、ナリコマの関東本格展開に向け、新たにシステム開発チームの東京拠点立ち上げメンバー探しに力を入れています。
そんな山田に、これまでのシステム開発チームの歩み、ナリコマのエンジニアならではの魅力、東京新拠点の展望などについて、前後編にわたって詳しく語ってもらいました。
なお記事の執筆には、株式会社ストーリーテラーズさんにご協力いただきました。
自社のシステムをつくり、成長に貢献するため、ナリコマへ![]()
新卒では、中堅規模のSIer企業で働いていました。プライム案件が多く、システムの企画・設計から実装・運用まで幅広く携わることができる環境で、システム開発の一通りの工程を経験できました。
ただ、SIerの仕事はあくまで「他社のシステム」をつくること。どれだけ頑張って良いシステムをつくったとしても、他社の成長に寄与する仕事だったので、自社の成長に繋がっている実感が湧きづらかったんです。
「せっかくなら、これまでの経験を活かして、自社の成長のためにシステムをつくってみたい」
そう考え、転職先を探していた中で出会ったのがナリコマでした。
入社したのは2004年で、当時のシステム部門はわずか3人。当時行っていた事業は、現在のような食品販売事業とコンサルティング事業ではなく、社員が各施設の厨房に常駐して調理を行う受託事業がメインでした。この時、食事を提供していた施設は、すでに全国で300を超えていて、ピーク時には700施設ほどまで増えていました。
私の仕事といえば、日中は朝9時から夜18時まで、厨房で発生するトラブルや問い合わせへの対応をこなす日々。営業時間終了後は夜中0時頃まで、現場に出向いて復旧作業をしたり、設計や開発を行ったりしていました。さらに、報告や会議資料の準備など社内向けの業務は、まだ誰も出社していない早朝5時から取り掛かる。そんな生活が5年間続きました。今思うとかなり魔境でした。もちろん、今はそんなことは全くないので、ご安心くださいね(笑)。
社内にプログラムを組めるメンバーがいなかったので、外部ベンダーと連携しながら、パッケージソフトを自社開発に切り替えていく取り組みも、私が中心になって進めました。そのように少しずつシステム化を進め、次第に業務が効率化していきました。
当時は、全国の厨房のスタッフから「いつどの時間に電話しても、会社に山田さんがいる」と思われていましたね(笑)。厨房には実際に何度も訪れていたので、現場スタッフとも自然と信頼関係ができていました。
体力的には本当に厳しかったですが、自分が取り組んだことがそのまま現場のスタッフの役に立ち、感謝の声が返ってくる。それが嬉しくて、「頑張ってよかったな」とやりがいを感じていました。
「会社を潰してしまうかも…⁉」現場スタッフに救われた大トラブル![]()
ナリコマでの開発は、常に変化との戦い。中でも特に大変だったのが、「サーバーのキャパシティの設計を誤り、システムが正常に動かなくなってしまったこと」です。朝9時になり、アクセスが集中すると発注システムが止まってしまい、発注や献立の処理が一切できなくなってしまったんです。約1ヶ月間、まともにシステムが動かない状態が続きました。
現場は当然、大混乱。非難の声も多く上がりました。厨房では人力での対応を余儀なくされ、「夜中の2時なら、アクセスが分散してシステムが動く」ということで、深夜に起きて発注作業をしてくださった現場スタッフもいました。今でも本当に頭が上がらない思いです。
このトラブルを解決するために、サーバーの入れ替えやプログラム修正など、考えうる限りの対策を次々と講じていきました。結果として、最も効果があったのはサーバー容量の増強だったと思いますが、なにが決め手だったかは正直わかりません。トラブル発生から約1ヶ月後、ついにシステムが正常に稼働し始めたときは、心の底からホッとしました。
「会社を潰してしまうかもしれない…」とまで思ったのは、あのときが初めてでした。それでも踏ん張れたのは、現場のスタッフの支えがあったからこそです。その恩は、これからも返し続けていきたいですね。
※後編へ続く
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[執筆・校正・取材]株式会社ストーリーテラーズ 平澤 歩
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