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経営理念が言語化されていなかった中小企業でビジョンマップ(MVV)を作った話

弊社がなぜビジョンマップを作るに至ったのか。そんな話を少しだけご紹介したいと思います。

まずビジョンマップとは何なのか。これは会社の経営方針や考え方というものを図解して表現したモノというイメージが近いと思います。

↓ 栄光化学のビジョンマップ ↓

弊社では結果的にMission Vision Value(以下「MVV」)を策定し、ビジョンマップとしてお披露目するまでに約1年という長い時間をかけることになりました。今回は栄光化学でもMVVをなぜ策定しようと思ったか、そしてその過程についてお話していきます。

まずなぜMVVを策定しようと思ったのか。一つのきっかけになったのは先代社長からの代表取締役交代のタイミングというのもあったと思います。私自身は栄光化学に勤めて15年以上が経っており、自社の事はよくわかってきたつもりです。事業のこと、技術面のこと、社内の人間関係のこと、お客さまのこと。ただ、今までは自分自身が「どんな会社にしたいのか」「何を大切にしていきたいのか」といった事をゆっくりと見つめ直す機会はありませんでした。また社内においても今まで経営方針がコレだという明確なものはなく、先代社長の言葉の一つ一つから自分たちなりにくみ取って仕事に取り組んでいる状態でした。


自分自身の心に問いかけながら、湧き上がってきたのは「今の会社の良い部分を残しつつ、もっとよくできる部分を強化していきたい」という想いでした。今の会社体制が60年以上操業が継続できているということは、そこの良い部分や強みというものはあるはずです。代替わりして新体制になった際に、新社長が「自分のカラーを出したい」という感情で自社の社員さんを迷走させてしまうケースも耳にしますが、危ない手法だと個人的には考えています。

そのため、MVV策定においては今の栄光化学の強みがどこにあるのか。その強みに至る歴史がどのように生まれたのか。なぜ自分たちがそれを大切にしているのか。しっかりと理解し、掘り返す必要がありました。しかし自分自身の頭の中で振り返っていても、意外と表面的な事しか出てこないものです。カッコつけた言葉を並べてしまったり、組織として大切にしているものよりも自分個人が重要視しているものにフォーカスされがちです。そんなこんなで、1人でのMVV策定は一旦頓挫してしまいました。


1人でのMVV策定に頓挫した頃に、ちょうどトゥモローゲートさんという会社をSNSでお見かけし、当社のMVV策定に向けてご助力いただくことにしました。その経緯についてはこの場では割愛しますが、初めてトゥモローゲートさんの担当者様とWebミーティングをしたのはビジョンマップ(MVV)完成日から逆算すると2年前くらいの出来事でした。それだけMVVへの活動を開始してから長い年月を要しています。

↓ トゥモローゲート様 ↓

トゥモローゲート株式会社
企業のブランディングを支援する会社です。経営理念設計、インナー/アウターブランディング、SNSブランディングなど、顧客のニーズに合わせたブランド戦略をご提案。熱狂的なファンづくりを提供します。
https://tomorrowgate.co.jp/


そしてトゥモローゲートさんと一緒にMVV策定に向けて再始動。自分たちがどのような価値観で仕事に向き合ってきたのかをインタビュー形式でヒアリングしていただきながら、話しているうちに自分たちが大切にしているものへの解像度がどんどん高まってきました。例えば、栄光化学のコーポレートカラーだったりコーポレートロゴへの理由だったりもそうですね。当時はあんまり深く考えてはいなかったのですが、言語化していないだけで何か「想い」みたいなのはあるはずなんです。

先代社長から受け継いだ文化

先代社長によって浸透している価値観

どんな風に社員さんが働いているのか

自分たちが更に強化していきたい未来は何か

そんなような事を表面的なカッコつけの言葉ではなく、本当に心の奥にある部分や、会社の歴史を振り返りながら数か月に及ぶ地道な工程でした。半年ほど経過してようやく骨子として下記のような形にまで起こすことができました。そこからトゥモローゲートさんにてデザイン化していただいた栄光化学のビジョンマップの完成に至りました。

↓ ビジョンマップ骨子 ↓


↓ デザイン後のビジョンマップ完成版 ↓


【MISSION】Non-stop 未来に繋がる安心を

自分たちの業界は1社完結で最終製品になるというものではなく、さまざまな企業を跨ぎながら部品がどんどんと組まれていき最終の完成品になっていく業界です。自動車なんかは想像しやすいかもしれませんね。そんな中で自分たちのMISSION(存在意義)を考えていく事となりました。

お客さまの生産ラインや開発スケジュールを止めてしまうような事がないように、トラブル発生時などは社員皆が必死で生産を繋いでくれる責任感や文化が当社には根付いていました。製造業にいると当たり前に根付いている価値観でもあるのですが、ココがやはり自分たちのルーツだなと。

当たり前のことを当たり前に実施していく。つまり私たちが世の中に提供している事は「お客さまに安心していただくこと」なんだということです。そのために「当たり前に生産ラインを繋げる」「開発スケジュールを止めない」という事に会社としてコミットしていくんだという意味で「Non-Stop」というワードを用いて今のMISSIONになりました。


【VISION】次世代に託せる会社

パッと読むと誤解をしてしまいそうなのですが、「次世代に託せる会社」といっても次世代社員にどんどん仕事を渡していこうという意味ではないんです。

取締役とも話をしていたのですが、「今の栄光化学という会社は、すごく働きやすくて素敵な会社だよね。だから将来にも次世代の人たちのためにも、この会社が残っていてほしいな。」という気持ちからきました。この会社を次世代にも託せられるような強い会社にしていこうという意味になります。

技術やノウハウが年数によってどんどん積み上がっていく中で、どんな職種であれ世代交代というのは大きな転換期になる事が多いです。上司や先輩が定年を迎えて会社を退職していく前にノウハウや知識を継承していく必要があります。そういった将来への不安も見据えて、会社をより強くしていくにはどういった教育が必要なのか。どんな組織体制が必要なのか。どういった採用活動が必要なのか。

そういった自分たちの将来への安心のために「次世代に託せる会社」に向けて活動していく事をVISIONとして掲げました。


【VALUE】ともに興すプロ技能

働く社員さんが、どのような価値観をもって活動していくかというのは、会社文化というか社風のようなものに近しいと思っています。例えばアスリートのように相互に競争しながら、自己研鑽を進める会社組織もあるでしょうしね。私たちの業界において、一般的には長く勤めていくほど経験を積んでいき、技能が高まっていく傾向にあります。そんな中でどのような社風で技能を高めていくかというのは、働きやすさだったり、会社の文化にも直結していく大切なテーマだと思います。

そんな中で我々が目指すのは「ともに興すプロ技能」という価値観です。部署の垣根を超えて意見を交わし、会社全体で一番よい方法が着地できるような組織。遠慮の中で妥協的に生まれるような意見など、何も建設的ではありません。色々な部署の意見を取り入れたり、先輩・後輩間で一緒になって何かに取り組んだり、積極的に教育推進したりと「ともに興す」という価値観でやっていこうと。皆で協調しあいながら、ともに興す事で皆でプロとしての技能を身につけていく。そんな価値観をこのVALUEに託しました。


↓ ビジョンマップお披露目会の様子 ↓

もちろんビジョンマップやMVVというのは、掲げて終わりというものではありません。それを掲げるだけではなく社員の皆さんを巻き込んで浸透させていくことが重要だと思っています。

まだまだ弊社は、2024年5月にビジョンマップのお披露目会を実施したばかりです。これから社内全体へのさらなる浸透や、これから入社する社員さんへの浸透も含め色々な課題はあると思いますが、やるべき事に向けて突き進んでいくのみです。

お客さまの安心や、社員の安心のために、全力でMISSIONにコミットして、「あの会社に仕事を任せたら安心だよね」「栄光化学で働いていたら安心だよね」とあらゆる人に思っていただける会社を目指していきたいと思います。そして、このストーリーが栄光化学の新たな進化の第一歩になることを願って、結びとさせていただきます。

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