入社したきっかけ
小学生から高校生までの児童が通う放課後等デイサービス所属の海宝さんはご家族に小学生と中学生のお子さんがいる二児のパパ。
前職の飲食業とはまったく分野は違うものの、本部の仕事を経験し新人研修を行うなど、その頃から人に教えることに興味があったという。
転職を考えた当初、彼は人に教えることが向いていると感じ教員資格を持っていた為、塾講師を考えた。
しかし就職活動の中で放課後等デイサービスの記事を見かけ、この事業を知ったという。
また、入社のきっかけになった理由として彼自身のお子さんの言葉が遅いことで悩んだ時期もあり、実際に福祉事業を何社か見学し、このような事業は社会的にきっと必要な仕事だと思ったからだと話す。
さらに、代表との面接での雰囲気や通いやすさもクラップに就職の決め手になったとか。
クラップでの仕事内容
クラップで子どもたちとふれあい4年目になる海宝さんの仕事は、支援員として主に児童に対して一対一で関わる個別の支援と、主にボードゲーム等使ったグループワークの補助がある。
メインの個別の支援については児童に対して一対一で向き合い、基本は学習を進めていく。しかし内容はそれぞれ違うと話す。中にはいわゆる学習ではないことを行う子もいるが、それに関わらず一人一人しっかり必要なことを考えていく。
その後のグループワークは児童数名で行い、子どもたちは同じゲームを通じてルールやソーシャル面等様々なことをその場で学んでいく。
海宝さんは、そこに何か課題があったら、指導員はそれをきちんと子供たちに伝え、よくできたことはきちんとほめていかなければいけないと話す。
実際に支援を行う前に、支援準備が必要である。
それはとても大切な業務だが、海宝さんはあくまでもその前段階の方が大切だという。
前段階とは「課題への話し合い」のことをいう。
課題には児童、支援員が抱えるもの等さまざまであり、その課題に対してどうするか、話し合ったりディスカッションしたりする時間が重要であると語った。
その課題に対する共有会や反省会のことを「実際の支援とは別のもう一つの大切な仕事」だという。
「この件はどうする、この子に関してはこうしよう」という話し合いは大切で、時間をかけなければいけないもの。だからこそ、いろいろなケースを検討し、職員がひたすら話していくという。
「一人ひとりに対してどうするかについてみんなの意見を聞きながら、次の支援に結びつけていく、この部分の時間がすごく長くなるし、大切かなと思っている。」と語る。
海宝さんは話し合いやディスカッションの時間を大切にして個別支援をしている。
支援について考えていく
支援が必要な児童はそれぞれの課題があったり、時には問題を抱えていたり様々な子がいる。
海宝さんは
「クラップに通う児童がここで過ごす時間は支援員が深刻になるよりむしろ緩いぐらいがちょうどいいと思う」
と話し、彼自身の子ども時代を振り返った。
「今思えば、私が多分、子どものころはめちゃくちゃ発達障害だったなと自分自身で思う。当時はそういう認識が全然なかった。
小学校一年生の頃に、みんながちゃんと勉強している中で、教室の後ろにいてゴロゴロ転がり回って、担任の先生にいい加減にしろと胸ぐらをつかまれたのは今では笑い話」
「今の時代は、課題のある児童に対し、やさしいと感じる。時には、まぁ今日はいいよねという緩やかな対応で児童を見守ることができ、また個々を伸ばしていける。極端にいえば、その児童の様子次第で、今日は学習をやらずにゲームをするだけという日やおしゃべりをするだけの日があっても構わないと思う」
彼はそれぞれ抱える個々の問題や課題はあるが、そこで最低限、何かする、させるというのではなく、あくまでも見守りながら少しでも本人の成長の手助けになればとの思いで児童と関わっている。
この仕事に向いてる人
この仕事にどんな人が向いているか。
海宝さんは『不平不満を言うのではなく、きちんと話し合いができる人』と答えた。
この仕事は全て決められている仕事ではない。
だから単に言われた通りやったのになんでうまくいかないんだと文句を言っている人は不向きだという。
子ども相手なのでうまくいかないのが当たり前、失敗するのが当たり前という前提でそれに対してどうするかと考えられる人。
さらに一人で抱え込んでも仕方がないのできちんと話し合いができる人、上手くいかない時に、そこから先に進める人が向いているという。
話し合いができる人というのはどんな人か。
それはきちんと相手の意見を受け入れて、自分の意見も言える人だという。
その理由は、話し合ってみんなで考えてみんなで実行する事が大切と考えているからだ。
毎回、児童を担当する人やその児童自身の状態も日によって違い、その中で、うまくいかないのが当たり前な部分がある。
そこで担当者自身が頑張ってなんとかしようというのではなく、逆にどうしたらいいのかと考えてきちんと話し合える人だと話す。
支援の前後の部分できちんと意思疎通ができる人ということだろう。
この仕事を辞めていく人の中には「私は子どもたちに教えるのがムリです。」と言う人がいる。
海宝さんは「できない事があるならできる仕事だけやればいいのでは」と思っている。
その意味とは「できなくて当たり前ぐらいの感覚を持つこと、そこからみんなできちんと話し合ってみんなで一緒に問題にあたっていこう」という思いがある。
そこにはクラップの子どもたちやスタッフの全てを受け入れる彼の姿勢が見える。
この仕事のやりがい
海宝さんにとって発達支援の仕事への達成感や充実感はどんなところがあるのだろう。
彼の話では、例えば前職の飲食業では単純に売上と人件費と何%の原価率のように数値が出るから達成度はわかりやすい。
しかし、逆に今の仕事はそのような数値が多くはなく達成度が見えにくい。
だからこそゴールがあるわけではなく、常に次はどうすればいいかと課題が絶え間なくやって来るという。
その課題をみんなで考えて少しクリアし、そしてまた課題ができ考えていくという見えない部分の繰り返しにやりがいを感じているそうだ。
さらに働く環境にもメリットを感じている。上司から「どうなってんだ、もっと反省して対策だよ」というオイ、コラという事がないので仕事がしやすいと話す。
海宝さん自身も同じようにパートやアルバイトと分け隔てなくお互いに尊重した態度でいることが児童に影響を与えると考えている。
クラップの好きなところ
職場の好きなところはについても伺った。
「環境」と答えた海寶さんは、上司から厳しく仕事や売り上げ優先だと言われたことがないと話す。
100%自分が休みたいときに休めるわけではないが、少なくともそういう方向を目指している会社で、労働時間がしっかり守られてるところはいい。
会社のアピールポイントだと話した。