こんにちは!プレステージ・インターナショナル 海外ミドルオフィスの広瀬です。今回は、PIインド現地法人で働かれている、インド人従業員のパラスさんへのインタビューをお届けします。(写真左、山形BPOパーク社内で撮影)
2024年11月、海外拠点の従業員のための日本研修(2泊3日)でご一緒してから、何かと頻繁に日常業務でやり取りをしている外国籍従業員のお一人です。正直彼とお仕事をしていると、日本語だけで会話が完結してしまうため、彼がインドの方というのをすっかり忘れてしまいます。勝手な思い込みですが、私の息子よりも共通言語で会話ができ、心が通じ合っているとさえ感じています(笑)
インドには13か所の拠点があり、50人以上の従業員が働いています。インドの国土面積は日本の約8.7倍もあり、世界で7番目に広い国です。その大きな国の中でも特にサイバー都市として開発が進んでいる「グルガオン」が彼の職場となります。首都デリーから車で30分程度の場所に位置し、日系企業やGoogle、Microsoft、Amazonなどの外資系IT企業が拠点を構えます。また高級住宅地や大型ショッピングモールが数多くあり、日本食飲食店など生活環境も整っていることから、日本人在住者は6000名以上の規模と推定されています。第四次産業革命といわれる社会変化のもと、業務拡大が続く環境でHRとして忙しい日々を送られているパラスさん。当社で働く外国人従業員の働く様子を少しでもイメージいただけると嬉しいです。
当社は、世界18ヵ国29拠点でサービスを提供しています。
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話を聞いた人:Paras Vats(パラス ヴァツ)
中途入社:2023年04月17日 経歴:P.I.PRESTIGE INTERNATIONAL INDIA PRIVATE LIMITED インド現地法人は私にとって初めての職場です。2023年4月にグルガオンの拠点で日本語通訳として入社し、1年間通訳業務を担当しました。その後、グルガオンにある本社に異動となり、現在人事およびマーケティング業務に従事しています。 趣味:山へ旅行すること、ハイキング、クリケットをすること、そしてバイクを運転することが好きです。
モットー:思いやりと明確なコミュニケーションで人と人をつなぐ 好きなこと:日本人の方々とコミュニケーションを取ることが好きです。日本の文化や考え方から学ぶことが多く、会話を通じて自分のスピーキング力も向上できると感じています。 好きな日本語:やばい (カジュアルに話すときは、この言葉をほとんどどんな場面でも使って、自分の気持ちを伝えることができます)
※インタビュー中、当社社名プレステージ・インターナショナルは「PI」と略称にて記載いたします。
PIグループで働くことについて
ーー入社のきっかけは何でしたか?
もともと人の役に立つことにやりがいを感じており、常に誰かの助けになれる仕事がしたいと考えてきました。また、日本の文化や日本語に対しても強い関心があり、学びを深めることに喜びを感じていました。大学卒業後2年半日本語を学んでいた中、PIインド現地法人が日本人の患者様に対して医療サービスを提供している会社であると知り大変魅力を感じました。日本語や日本文化に日常的に触れながら、困っている方々をサポートすることができ、自分の興味や価値観とも非常にマッチしていると感じ、入社に至りました。この仕事が私にとって初めての仕事となります。
ーーPIグループを知らない人に一言で説明するとしたら、どんな会社だと説明しますか?
当社のモットーは、AIなどが対応できない「人間しかできないことをすること」です。そこが大きな魅力の一つだと日々実感しています。この環境で働けることは、自分自身の成長にもつながると確信しており、持っているスキルや経験を活かしながら、少しでも貢献していきたいと考えております。将来をしっかりと築きたい方や、さまざまなチャンスを求めている方にとって、最適な会社だと思います。
ーー日本語に興味を持ったきっかけは?
子供の頃からアニメを見たり、マンガを読んだりしていたので、日本の文化に強い興味を持っていました。2008~2014年頃、インドでは毎日午後5時に「ドラゴンボールZ」がカートゥーンネットワークで放送されていて、毎回欠かさず見ていました。毎日5時になるのをいつも楽しみに待っていて、そのアニメをきっかけにアニメにとても興味を持つようになりました。現在はテレビでアニメがあまり放送されていませんが、オンラインでよく見ています。昔はヒンディー語に翻訳された海賊版のマンガを売っているお店があって(笑)、そこで「ナルト」のマンガを買って読んでいました。でも、値段がすごく高かったので、しばらくして買うのをやめてしまい、いつか字幕なしで日本のアニメを見ることができるようになりたいという夢を持っていました。
大学時代には、日本の企業について多く調べ、日本の自動車産業が世界を席巻していることや、世界各国に工場やビジネスを展開していることを知りました。それに伴い、日本語を話せる人材が必要だと感じ、この分野で仕事を得るための良いチャンスだと思いました。また、松原みきさんのファンであり、歌を毎日のように繰り返し聴いていました(特に「真夜中のドア」)。こうした経験がきっかけとなり、日本語を学ぶべきだと感じました。私が乗っている自慢のスポーツバイクは、ヤマハです(笑)
業務について
ーー現在の担当業務について教えてください
人事およびマーケティングの業務を担当しています。主な業務内容としては、まずインド国内で日本語通訳者として働く候補者や、日本人マネージャーの面接スケジュールの調整および実施を行っております。面接の際には、業務内容や求められる役割・責任について詳しく説明し、その方がポジションに適しているかどうかを総合的に判断しています。
採用が決まった方に対しては、初期研修として会社の方針、業務の流れ、日常的な対応方法などを指導し、スムーズに業務を開始できるようサポートしています。
また、マーケティングの業務としては、さまざまな医療機関との提携業務も行っており、提携先とのミーティングを通じて、弊社のサービス内容や契約条件について説明・交渉を行っています。新規契約の締結だけでなく、既存の提携先との関係構築や改善提案や契約更新などにも関わっています。
さらに、従業員からの相談や業務上の問題点に対しても対応し、各拠点の業務がスムーズに進行するよう全体の調整とサポートも担当しています。人と関わることが多い職種であり、信頼関係の構築やスムーズなコミュニケーションを常に心がけながら業務に取り組んでいます。
ーー インド拠点でのミッションは?こなすためにどんなことを実践していますか?
日本人患者様に安心して医療サービスをご利用いただける環境を整えること、そして現地スタッフと日本側とのスムーズなコミュニケーションを支えることです。
PIグループの理念である「エンドユーザーの問題を解決する」という考えに基づき、PIインド現地法人のミッションも同様に、問題解決をメインにしています。現地で働く従業員にとっては、「患者様の問題を解決すること」がミッションであり、「その従業員たちの問題や困りごとを解決すること」が私自身のミッションであると考えています。
このミッションをこなすために、入社後のオンボーディングでは、業務内容や対応方法について丁寧に研修を行い、不安なく業務に入ってもらえるよう従業員をサポートしています。また医療機関との契約や連携を通じて、より良いサービス提供のための環境づくりにも努めています。
日々、従業員からの相談や課題に耳を傾け、丁寧に対応することで、より安心して働ける職場作りを目指していきたいと考えています。
ーー実は大変だった!というエピソードありますか?
ある時、急な欠員が出たため、短期間で複数名の通訳者を採用しなければならなくなりました。しかし、求められる日本語レベルや医療知識の条件を満たす候補者がなかなか見つからず、面接のスケジュール調整や、マネージャーとのやり取りも非常にタイトな状況でした。
さらに、採用後すぐに業務に入ってもらう必要があり、通常より短い期間で研修を実施する必要もありました。その際は、私自身が一人ひとりの状況を把握し、個別にフォローを行うことで、なんとかスムーズに立ち上げることができました。とてもプレッシャーのある状況でしたが、社内外との連携を密にし、優先順位をつけて対応することで、無事に業務を継続することができました。
ーーどんなところにやりがいを感じますか?
人の役に立てたと感じたときにやりがいを感じます。特に、従業員の問題を解決できて「助かりました」と言ってもらえたときは、本当にうれしく思います。
ーー苦労がある中でも、当社でしか実現できなかったことはありますか?
日本語を使って実際に日本人の患者様やマネージャーとやり取りをすることは、学校では学べない貴重な経験でした。また、入社1年目から大きな責任ある仕事を任せていただけたことも、自分にとって大きな成長につながったと思います。
日本研修時に感動したコンビニスイーツ
日本研修について
ーー日本研修はいかがでしたか?
本当に印象的でした。日本の本社でトップの方々から多くのことを学び、社長からの指導は非常に貴重でした。今までインドで何をしているかは理解していましたが、日本での研修を通じて、日本国内で行っている業務についても学び、それがインドでの業務運営にとても役立ちました。いつか日本で働くことができたら、とても嬉しいです。
ーー一番印象に残っていることは?
仕事が非常に効率的だと感動しました。常に作業に適切な時間を割り当て、その時間内に確実に完了させます。その姿勢から多くを学び、私も日々の業務において同じように効率的に時間を管理し、成果を出すよう心がけています。
ーー実際に来日して、改めての気づきはありましたか?
皆さんがとても礼儀正しいということです。
また食べ物はどれも美味しく、空気がとても清潔で、ビールの種類が豊富だったことにも驚きました(笑)。コンビニで毎晩色んなアルコール飲料を試し、ジンジャーハイボールの美味しさにも感動しました。日本酒にビールにサワー、日本は最高です!
米どころ、山形県酒田の焼き鳥屋で
働く環境:Working Environment
ーー 働く環境はどうですか?
研修で実際に日本の働く環境を視察させていいただきましたが、インドの働く環境も、日本と同じように素晴らしいと感じています。
日本の職場は規律があり効率的です。一方インドでは活気があり、コミュニケーションがとてもオープンで、柔軟な環境が魅力です。全く違う特徴があり、どちらも良い点があるので、人事としては双方から学び、今後それぞれの文化や環境にあった、より良い働き方を目指していきたいと考えています。
グルガオンオフィスの様子
ーー 働く仲間はどうですか?
皆さんとても協力的で、助け合いの精神が強いです。お互いにサポートし合いながら、仕事を進めることができる環境が整っています。
ーー HRとして求める人材は?
求める人材は、コミュニケーション能力が高く、チームワークを大切にできる方です。また、変化に柔軟に対応できる適応力のある方や、おもてなしの心を持ち、他の人を助ける意欲がある方も重要です。従業員一人ひとりをサポートし、会社全体がより良く成長できるように貢献できる方を求めています。
ーー 今後の目標は?
日本語のスキルをさらに向上させることです。また、日本語が使われる仕事にもっと関わり、実践的な経験を積んでいきたいと考えています。
ーー最後に、転職を考えている方へ一言!
自分の経験やスキルを活かし、次のステップに進む絶好のチャンスだと思います。新しい環境で成長し、チャレンジできることはとても刺激的で、やりがいのあることです。どんな道を選ぶにしても、前向きな気持ちを持ち続け、チャレンジを楽しんでください。
外国籍従業員と接していると、まわりまわってそこが日本への興味の原動力だったの!と驚くことがよくあります。1979年にリリースされた松原みきさんの「真夜中のドア~stay with me」は、2020年にTikTokやYouTubeなどの動画投稿サービスでバズり、世界的にヒットしています。パラスさんの日本語は、話すだけではなく、書くことも完璧です。この記事は彼が執筆したものに少し校正を加えただけのものです。何がきっかけで、何に心を揺さぶられ、その方の大切にしたい価値観を形成し、人生を変えているのかと、とても興味深いです。まだまだ日本語スキルを向上したいというパラスさん。彼の日本語能力が凌駕していく日本ビジネスの今後がとても楽しみです。
出典:日経ビジネス /日経トレンディ発 なぜ流行る? エンタメブーム大研究なぜ今、松原みき? 昭和の「シティポップ」が世界でヒット/日経トレンディ 2021年 6 月号 /2025年4月16日閲覧
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