2026年、トリノ・ガーデンの取締役に須藤清範が就任しました。
2016年の参画から10年、分析担当として現場を数え続け、分析チームを育ててきた人間が、いま何を担おうとしているのか。聞きました。
■ 役員就任で、何が変わりましたか。
これまではプレイヤーとして、オペレーション分析のサービス提供、主に分析ですね。それと、分析を担うスタッフの教育を主にやってきました。役員就任によって、担う業務の幅は広がりました。
具体的には、採用・教育・評価制度の設計や配置といった人事領域から、サービスの再現性を高めるための提供プロセスの見直しまで。これまでの分析領域にプラスして、より多岐にわたるようになりました。
■ 今後はご自身がクライアントの前に立つ場面が増えると。
中谷さんへの依存度を下げるための仕組みづくりをしていくうえで、自分もそうですが、中谷さん以外の人がどんどんクライアントの前に立っていく場面は増やしていく必要があると感じています。
■ 分析をやってきた人間が営業の場に出ることに、どんな意味がありますか。
オペレーション分析という事業は、現状プレイヤーが1社しかありません。だから経験者採用ができない。そもそもトリノ・ガーデンで分析をやってきた人間でないと、お客様に深い部分までサービスの説明ができないと思っています。
■ 逆に、分析者だからこそ困ることは。
言えないことは特にないですが、事例をたくさん知っているがゆえに、話が長くなりすぎないようにしたい。言うことをコンパクトにしたいとは思います。
■ 業界が広がって、業種が違っても共通して起きている問題はありましたか。
どの業種も、人が関与しているということは共通しています。人が関与することによって無限の変数が存在する。それが課題の本質を見えにくくさせていることは、共通しているのではと考えます。
今はAIやビッグデータの活用が進んでいて、それらしい回答や統計的な傾向、課題の仮説はすぐに取得できるようになりました。一方でそういった情報は、あくまで一般論や仮説です。実際に現場で起きている実態を可視化して仮説を検証することが必要なアプローチなのですが、そこまでできている企業は少ないと感じます。
例えば、施策を打ってもそれが正しいアプローチだったのか分からないまま、いずれ形骸化してやらなくなる。あるいは、効果があるのか現場もよく分からない施策を、本部の指示だからといってずっとやり続けている。そういったことは、よく耳にします。
■ 「うちの業界は特殊だから」と言われたとき、どう返しますか。
どの業界も特殊です。もっと言えば、同じラーメン業態だとしてもまったく異なるルールで運営しているので、同じ現場は2つとないということを前提で考えています。
一方で、人の深層心理はある程度共通している部分でもある。そういった異なる部分と共通する部分を、うまく組み合わせながらアプローチしています。
■ 「分かるまで分析する」とは、どういう状態ですか。
どこが課題なのか、どうしたら改善できるのかが、現場で再現できるレベルまで言語化されている状態です。
■ どこまで数えれば「分かった」と言えるのでしょう。
「どこまで数える」というとN数が必要だと誤解されてしまいそうですが、実際は何を数えるかのほうが大事です。因果関係を明らかにするために必要な項目が漏れなく数えられていて、全員が納得いく解釈ができている状態。それが「わかった」と言える状態だと定義しています。
■ 報告書を出す前に、必ず確認することは。
計測データが間違っていないか、単位は正しいかなどは当然です。それに加えて、これまでの経験上この数字はこのぐらいになるのではという感覚と、実際の数値が異なるもの。そういうものについては特に注意して動画を見直し、現場で何が起きているのかを確認しています。
■ 第3章で、何を達成したいですか。
オペレーション分析によって助けられる人を増やすこと。そのために、多くの人を助けられる組織にすること。この2つを目指していきたいと思います。
■ 「広げる」とは、クライアントを増やすことですか。
本当の意味で広がっている状態というのは、弊社が関与せずとも、オペレーション分析を自社内で取り入れて現場を改善し続けている会社が増えることだと思っています。
■ オペレーション分析を知らない経営者に、一言で説明するとしたら。
皆様の代わりに弊社が目や耳となって現場の状況を可視化し、人の動き、暗黙知化されたカンやコツ、感覚的に捉えている事象などをつまびらかにする。それによって、正しい情報をもとに経営判断いただくための材料をご提供しています。
■ どんな人と働きたいですか。
弊社がそうであるように、オペレーションを好きな方、オペレーションに興味がある方と仕事をしていきたいですね。
経験者採用ができない事業である以上、入ってから覚えてもらうことが前提です。入社後は、延べ150時間の教育カリキュラムがあります。「データ分析の考え方」「ロジカルシンキング」。ゼロから専門知識を積み上げられるよう設計したものです。メンター制度と定期カウンセリングもあります。
私たちのフィロソフィーは「Make It Fun」。
誰も見向きもしなかった地味な場所を掘り下げた先にこそ、本当の面白さがある、という信念です。