── 前編では幼少期からパティシエから医療・介護業界、そしてメドエックス参画までの道のりをお聞きしました。ここからは、代表・右高さんへの共感や、日々の仕事について伺っていきます。 まず、代表・右高さんのビジョンに共感した理由から教えていただけますか?
右高さんは、「医療業界の変革」に対して一貫した姿勢を持っていて、そこに強く共感しています。現場の医療従事者が安心して働ける仕組みをつくるという目的に、軸がぶれずに向き合い続けている姿勢に、私自身も多くの刺激を受けています。
── 印象的だったエピソードはありますか?
はい、良い意味でたくさんあります(笑) 特に印象的だったのは、プロダクト開発の長期戦略検討過程で、SNSを活用した採用戦略を他業界に展開する案が出た時です。採用について、医療業界と似たような問題を抱えた業界への参入は、メドエックスの成長という観点で検討の余地があると、他メンバーやメンターは前向きに捉えていたんです。
そのとき右高さんは「それでも医療業界にこだわる」と明言したんです。その姿勢の背景には、右高さん自身のMR時代の経験があり、目の前で苦しむ医療従事者を見てきた実感と、「医療業界でなければならない」という強い信念があることが伝わってきました。その瞬間、ビジネスの拡大や収益性よりも、“なぜこの会社が存在するのか”という原点に立ち返って意思決定をしているのだと気づきました。
── 五嶋さんご自身はその時、どんなことを感じたのでしょうか?
私自身も、医療や介護の現場で働く人々を支えるという軸は、これまでも、これからも大切にしたいテーマです。だからこそ、この会社でなら、想いと実務の両方から、少しでも医療業界を良くすることに関われるのではないかと感じました。
「医療従事者が笑顔で働ける未来を築く」というビジョンや、「自分に最適な職場を主体的に選べる仕組みをつくる」というミッションは、どちらも現場の声に真摯に向き合った先にあるものだと思います。実際、日々の業務でも“現場の違和感”や“働く人の目線”を重視しており、そこに立脚している点に企業としての誠実さを感じ、共鳴した瞬間でした。
写真右端から 代表の右高さん、右から三番目が五嶋さん
── 普段の仕事の中で「幸せ」を感じる場面について教えてください。
私の仕事における志は、「人と組織がよりよく働ける仕組みをつくり、一人一人の挑戦や成長を後押しすること」です。個人の力が最大限に発揮され、組織全体が前進できるような環境や仕組みを整えることに、大きなやりがいを感じています。
特に幸せを感じるのは、「この人がここにいてよかった」と思える瞬間です。業務や制度の見直しを通じて誰かの強みが自然に発揮され、それが組織全体に良い循環を生み出すと、「適材適所が実現できたかもしれない」と静かに嬉しくなります。
人と仕事のマッチングは複雑で難しいですが、互いに影響を与え合い、変化していく過程に立ち会えることに、この仕事の意味を感じます。
メドエックスのように、変化と挑戦の多いフェーズにある組織においては、常に問い直しながら仕組みを進化させていく必要があります。その中で、「人と組織がともに前に進める状態をつくること」が、自分にとっての志の実現であり、日々の仕事の中でのささやかな幸せです。
── ご自身が最も「自分らしさ」を発揮できるのは、どのような時ですか?
「まだ正解が定まっていない状況で、仕組みや方向性を模索しているフェーズ」に立ち会うときです。現場で課題やモヤモヤが生じているときに、その根本要因を整理し、構造やプロセスを見直しながら最適な形を模索していく——そういったゼロイチや再設計の過程に自然と没頭できるのは、自分の強みでもあると感じています。
── やりがいを感じるのは、どんな瞬間ですか?
「これは仕組みで解決できるかもしれない」と思ったときですね。その場しのぎではなく、中長期的に機能する設計を目指して調整し続けることにやりがいを感じています。現場と対話を重ねながら、少しずつ仕組みが噛み合っていく過程に立ち会えるのは、自分にとって最も“自分らしく働けている”と感じる瞬間です。
一方で、今後は仕組みを「つくる」だけでなく、「育てていく」視点——つまり、運用フェーズにもより深く関わっていきたいと考えています。制度やルールは設計して終わりではなく、現場でどう運用され、どう浸透して活かされるかが何より重要だと思っています。そのプロセスに継続的に向き合い、より実効性のある仕組みづくりを実現していきたいです。
── 職場の仲間からは、どんなキャラクターだと思われていると思いますか?
おそらくですが、「しっかり者」「責任感のかたまり」だと思われている気がします(笑)。会議でも比較的発言するほうですし、任されたことはきっちりやりきりたい性分なので、そういった印象を持たれていることが多いかもしれません。
── なるほど、その一方で意外な一面もあったりしますか?
あります。ふとしたタイミングで急に空気が抜けるというか、「まあ、なんとかなるでしょ」と気楽なモードに切り替わる瞬間もあります。仕事に手を抜くという意味ではなく、考えすぎない、詰めすぎないバランスを取ることを大事にしていて。良く言えばオンオフの切り替えができる、悪く言えばちょっと読めないタイプなのかもしれません(笑)。20代の頃は、自分の中の“責任感の基準”を他人にも無意識に求めてしまい、苦しくなることもありました。でも今は、「他人には風通しよく、自分には一本筋を通す」くらいの感覚で向き合うようにしています。
── メドエックスでの働き方にも、そのスタンスは影響していますか?
そうですね、成果を重視する社風な一方で、無理に肩肘張らず、相手のペースや状況も尊重しながら、チームとしての心地よさをつくっていけたらいいなと思っています。右高さんとは、真面目なディスカッションが2時間続いたかと思えば、そのまま雑談に突入して「お悩み相談室」が開かれる、というような不思議なリズムでやりとりしています(笑)。お互いに熱を持って議論できるのに、最後は力の抜けた笑いで締まる——そんな距離感だからこそ、真剣なテーマにも遠慮なく向き合えるのだと思います。しっかり者なようで空気が抜ける私と、豪速球と脱線を自在に繰り出す右高さんとの組み合わせも、きっと悪くないんじゃないかなと思っています。
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代表・右高さんへの強い共感から始まり、「現場を支える人を支える」という軸をブレずに持ち続けてきた五嶋さん。
正解のない状況で仕組みをつくる力、そしてオンオフを上手に切り替えながらチームに心地よさをもたらす存在感は、メドエックスに欠かせないものになっています。真剣な議論と笑いが同居する職場で、日々挑戦を続けるその姿からは、仕事への情熱と人への温かさが感じられました。
後編では、そんな五嶋さんのもう一つの顔、家庭人としての姿に迫ります。
子育てと仕事をどのように両立しているのか、夫とのパートナーシップはどんな形なのか——。「戦友」のように支え合う夫婦の関係や、家族との時間を大切にする日常から、仕事にも通じる五嶋さんの価値観をお伝えします。