求人サイトや求人検索エンジンを少し検索すれば、数え切れないほどの求人情報にたどり着ける時代──。にもかかわらず「本当に自分に合った仕事はどれか」と悩む声は後を絶ちません。情報過多になるほど、人は“信頼できる誰か”の存在を求める傾向にあると考えます。株式会社DRIX(以下、DRIX)が人材紹介事業で徹底的に「人」にこだわるのは、その必然を誰よりも強く感じています。
同社は2021年の創業以来、創業者がプログラミングスクール事業の事業売却を経験したことで得た“スケールの勘所”と、“一人ひとりの伸びしろに投資する”という信念がこの事業の根底にあります。 今回は取締役 兼 人材紹介事業責任者である長谷川陽一さんに、DRIXの人材紹介事業ならではの事業哲学、差別化の鍵、人が育ち輝く仕組み、そして未来のビジョンについて伺いました。
長谷川陽一 / 取締役 兼 HR事業責任者
大学在学中にベンチャー企業であるインフラトップ社の創業期に参画。セールス責任者やプログラミングスクール事業の要である人材エージェント機能の立ち上げを経て、その後のバイアウト時には大阪拠点の立ち上げも実施。DMM子会社の社長室として企業全体の課題を俯瞰するポジションも経験。現在は株式会社DRIXの取締役として、経営に携わる。
人で勝つ――DRIXのエージェント事業が重視する価値
ーーまず、DRIXが人材紹介事業を立ち上げた背景を教えてください。
私自身、社会人になったとき「仕事は楽しいもの」という価値観で育ちました。ところが現実には、月曜日が来るのが憂鬱で、金曜日だけを心待ちにしている人が大勢いる。そのギャップに強烈な違和感がありました。組織側を変える戦略人事やRPOサービスももちろん重要ですが、同時に“個人が仕事選びで後悔しない仕組み”が必要だと感じ、人材紹介事業を立ち上げました。法人と個人の両面からアプローチすることで、仕事が楽しいと胸を張れる人を増やしたいと考えます。
ーーDRIXの人材紹介事業を語るうえで、押さえておきたいキーワードは何でしょうか。
「人で勝つ」です。求人はもはやコモディティ化。circusAGENTなどの求人データベースサービスが普及し、“良い求人を持っている”だけでは差別化になりません。群雄割拠の人材紹介市場において、差別化を図ることは非常に難しいと考えていますが、やはり最後に大きな差を生むのはCA(キャリアアドバイザー)という“人”の力だと断言できます。私たちは、優秀なCAが思い切り能力を発揮し、求職者の人生を一緒にデザインできる環境を整えることに全リソースを注いでいます。
同時に、企業様と向き合うRAも「人で勝つ」ための重要な存在です。 我々はRPO(採用代行)事業で培った知見を活かし、単に求人票を受け取るのではなく、入社後の活躍まで見据えた本質的な採用支援を重視します。提示された要件だけでなく「なぜその人材が必要か」を問い、企業の事業フェーズや本質的な課題を深く理解した上で、最適な採用要件を企業様と「共に定義していく」スタンスです。企業の採用担当者様のパートナーとして、専門知識を提供し伴走することも我々の価値だと考えています。
優秀なCAが求職者様の想いを丁寧に汲み取り、そして企業の本質的な採用ニーズを理解したRAが最適な機会を定義する。このCAとRAが密に連携する両輪がしっかりと機能することで、ミスマッチのない、関わるすべての人にとって価値あるマッチングを実現できる。私たちは、この「人の力」で市場を勝ち抜くエージェントを目指しています。
ーー仕組み化などの前に、そもそも働くメンバーがDriverであることが何よりも大切だと伺いました。そのためにどのようなことを意識していますか?
私たちは、「Driver=自分の人生に本能的に、夢中である状態」と定義しているのですが、何よりも「Driver(夢中)に働く先輩の背中」を見せることを意識しています。役員陣が率先して成果を出し、良い報酬で良い体験を享受し、仕事そのものをポジティブに語る。羨望は強いモチベーション源になりますから。そのうえで、徹底したフィードバック文化を敷いています。「ありがとう」と言われることが嬉しいのか、数字を作ることが快感なのか──一人ひとりの価値観を細かく言語化し、最も響く言葉を日常的にかけ合う。喜怒哀楽を解像度高く共有することで、組織全体がDriver化しやすい土台を作っています。
再現性ある仕組みでラットレースを脱却する
ーー人材紹介会社が抱えがちな課題を、DRIXはどう解決しているのでしょう。
代表的なのは「集客依存によるラットレース」です。集客サービスに大金を投じるか、CAに高負荷のスカウトKPIを課して母集団を確保する──多くの人材紹介会社はそのサイクルから抜け出せません。DRIXは創業時から“仕組みで戦う”方針を掲げ、集客の内製化とレバレッジ設計に注力してきました。短期的に成果を見込める広告施策と、サービスブランディングやこのnote運用のようなオーガニック施策を同時に回す「二毛作モデル」で、中長期的に安定したリードを確保できる構造を構築しています。
ーー「壊れるとしたらどこから壊れるか」を常に考えていると伺いました。
はい。例えば、Indeed依存の集客モデルは、媒体側のアルゴリズム変更や規約変更ひとつで売上がゼロになるリスクがあります。前職時代のコロナ禍で“当たり前”が崩壊する怖さを経験しているからこそ、私たちは最悪のシナリオから逆算して施策を設計します。自社メディアやSNSを使った種まきを今やっておけば、2年後・5年後に雪が降っても凍死しない。ビジネスを農業に例えるなら、収穫期と種まき期を同時に実施しているイメージです。
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ーー仕組み化へのこだわりは、どのように事業数字に現れていますか。
今期11月末に設定していた売上目標を、今年3月時点で達成しました。組織規模はまだ20名ですが、ELTV(従業員生涯価値)を重視しているため、一人当たりの生産性が高いです。CAの中には、人材業界未経験出身でも月間750万円といった数字を計上するメンバーが複数名います。ラットレースを脱却し、再現性ある勝ちパターンを作れた証拠だと捉えていますね。
ーー事業を創る上でこのような考えに至った理由は何でしょうか。
代表の長谷川優含めた前職での経験が非常に大きいと感じます。代表の長谷川優は、DRIXを設立する前に1度起業をしていていわゆる成功を収めています。プログラミングスクール事業を運営していたのですが、DMM社から声がかかり売却。その後も売上、組織規模共に3-4倍にさせるまでを経験しています。もちろん、その道のりは簡単ではなくあらゆるハードシングスに打ち勝ってきた結晶そのものです。そして私も創業期から共に戦ってきた一員だったのでそこでの経験は一番の財産と言っても過言ではありません。
そんな経験をしてきたメンバーが経営陣に揃っているからこそ、事業戦略、組織戦略では他の人材紹介会社より一歩リードできているのだと思います。人材業界での経験だけではなく、経営経験も豊富な経営陣がDRIXに揃っていることが強みだと考えます。
▼DRIX代表の過去の経験が掲載されている記事はこちら!
CAが“人(求職者)”に向き合うための徹底サポート体制
ーーCA一人に必ずアシスタントが付くオペレーション体制は圧巻です。発想の背景を教えてください。
私たちは「CAの職責を“求職者と向き合うこと”」と決めています。求職者が本音を語り、人生の深い部分まで共有してもらうには、CA側に十分な時間と心の余白が必要です。そこで、日程調整やリマインド、求人票作成、CRM入力などを専門アシスタントが代行するモデルを組みました。
ーースカウト媒体を使わずにどうやって母集団を確保しているのでしょうか。
マーケティングチームがSEO・SNS・リファラル施策を組み合わせ、毎月数百件規模のリードを獲得しています。CAが全リソースを候補者に使いしっかりと向き合えるよう仕組み化、最適化を追求し、CAの面談設定工数はゼロ。
マーケターやアシスタントが温めた求職者を面談設定まで進め、CAが深いカウンセリングに集中する──この役割分担が高い決定率を生んでいます。
ーー育成面ではどのような仕掛けがありますか。
詳しくは別記事でお伝えできればと思いますが、未経験の方でもすぐに専門知識をキャッチアップできるような基礎研修、週に数回実施する壁打ちMT、1on1、外部アドバイザリーとの相談など様々な育成環境を整えています。この業界においては、相談ができる回数とスピードが重要だと考えていますが、このような施策を通して伸び悩む局面を最短で乗り越えられるのだと思います。
また、報酬面に関しても、基本給+で自身があげた成果に伴いインセンティブが付与される形を取っています。CAが作った数字は自身のがんばりそのものだと思いますので、成果をしっかりと評価する制度も整っています。
Driverな組織がつくるこれからの未来
ーー人材紹介事業として、これから目指していく状態についても伺いたいです。
ジュニア層向けエージェント、ミドル層向けエージェントの2つのブランドをしっかりと磨き込み、シェアを獲っていきたいと考えます。ジュニア層にはキャリア形成の第一歩を、ミドル層には伸び悩みから抜け出す転機を提供し、「Move Japan Forward」という弊社のビジョンを達成していきたいですね。いずれのサービスも、上述したように量で戦わざるをえないようなラットレースではなく、独自性を発揮し、指名されるようなブランド作りを目指していく所存です。
また、弊社のもう一つの事業であるRPO事業ともシナジーをうめると考えています。採用成功後も事業成長や組織開発の課題は継続しますから、私たちは“採用のその先”も支援できるという状態を作りたく、一貫してHRの課題を解決できる会社を目指しています。
ーー現状やこれから目指していく状態を踏まえ、DRIXに入社するメリットはなんだと思われますか。
ベンチャー企業でよくあるポジションの魅力はもちろんあります。これからも拡大をしていくため、今入社してもほとんどのポジションが空いているような状況です。ただ、弊社の考え方としてはベンチャーだったら全員が役職者を目指そうというものではなく、CAを極めたければCAを極める、そのような自分が理想とするキャリアを応援したいと考えております。
また、上述したように事業売却経験──経営を一周した経験をもつ経営陣のもとで事業の立ち上げを一緒にできることはメリットになるのではないでしょうか。なぜこのようなアクションを取り、なぜこのようなことはしなかったのか?といった、事業推進においての細かな分岐を直近で見ることで手触り感のある学びがあると思います。また、さまざまな意思決定の理由もしっかり共有していくので、経営陣の思考に触れることも大きな学びに繋がると感じています。
ーー最後に、DRIXが目指す人材紹介事業の理想の姿と求める人物像について教えてください。
やはり”人で選ばれるエージェント”が理想的です。サービスブランド自体を磨き込むことはもちろんですが、事業内容上、人が介在する時間が非常に長いため、この点で価値を発揮しなければいけないと強く感じます。もちろん、属人性が高いというデメリットも理解していますが、この点は仕組みとDRIXのカルチャーでカバーできると感じているので、なんとしても譲らない点として、経営陣がウォッチしていく所存です。
また、DRIXにマッチする人物像に関しては「夢中になれていなくてもやもやしている」「夢中になれる場所を探している」方がマッチすると感じています。結局CAとしてキャリアの相談に乗るのも、CA自身がDriverな状態でないとパフォーマンスを最大化できないですし、何よりDRIXが目指す”人で選ばれるエージェント”といったブランドを作るためにも必須だと考えています。
少しでも弊社の事業の在り方に共感いただけましたら、カジュアル面談に進んでいただけますと幸いです。
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