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「平均残業時間20時間、年間休日数120日の働きやすい会社へ。」業界No.1と労働環境の両立を果たしたオンテックスの働き方改革の真実に迫る。

建設業界における当たり前と言えば、圧倒的な長時間労働。業界No.1の実績を誇るオンテックスも、かつては他社と同様の労働環境の中でしのぎを削ってきました。しかし、それらは全て過去の話。現在のオンテックスは長時間労働からも脱却し、各種制度の拡充に動くなど、全社的な働き方改革に成功しています。

「そうは言うものの、見えない部分もあるんじゃないの?」

きっとそのように思われる方もいることでしょう。現在も採用活動を進めるオンテックスですが、面接の中で必ずといってよいほど聞かれる質問ですので、なかなか伝わりきっていない側面もあるのだと思います。

そこで今回は、オンテックスの働き方改革を0から推し進めてきた人事部門の山本さんをお招きし、働き方改革以前のオンテックスと現在のオンテックス、そして働き方改革の今後について赤裸々に語っていただきました。言葉だけだと綺麗に聞こえる働き方改革、そこで生み出した成果の裏には、山本さんなりの葛藤や全社での働きかけがありました。

実力主義だけの世界に疲弊し、新しい職場を求めている方々にとって何か気づきの得られる記事となれば幸いです。ぜひ最後までご覧ください。

山本 陽介 / 人事部長

2003年オンテックスに新卒入社。東海支社として新卒1期生:工事企画部(現営業部門)のメンバーとして参画。工事企画部の主任に昇格後、3年目で東海支社の人事部門に異動。入社12年目に執行役員人事部長に推薦され、全社的な働き方改革を推進。離職率を半分に抑えるなど、業界屈指の定着率の実現に貢献する。

業界特有の労働環境からの脱却。オンテックスが掲げる人事制度。

ーーオンテックスでは、人事部門を筆頭に全社的な働き方改革に取り組まれていますよね。まずは人事部門のミッションについてお伺いしてもよろしいでしょうか。

オンテックスの人事部門は「+1000(プラセン)計画」というミッションを背負っています。これは「年間の稼働人数を毎年+1,000人にしていく」という意味合いであり、例えば1月のオンテックスの在籍メンバー数が600人だとしたら、月間の稼働数は600人。この600人が増減なく1年間稼働したら、年間の稼働人数が7,200人(600人×12ヶ月)となり、翌年はここから+1,000人なので8,200人を目指す、という計算です。年間の稼働人数を増やすためには「採用数の増加」もしくは「定着率の増加」の2つが鍵となり、これら2つの数値を向上させるためにさまざまな角度から施策を策定し、運用していくのがオンテックスの人事部門の仕事です。

ーー業界の特性上、やはり定着率の向上の難易度が高そうに思われるのですが、これまでに実施してきた施策についてお伺いしたいです。

おっしゃられるように、オンテックスとしても定着率に大きな課題がありました。

これまでに実施してきた施策で言えば、

  • 年間休日数の増加(94日→120日)
  • 残業時間の削減(退社が22~23時ごろ→10時出社なら20時に退社)
  • 労働時間の管理(全国67支店全てに人感センサーを設置)
  • スペシャルホリデー制度の導入(2契約/月なら休日数+1)

といったものが挙げられます。

スペシャルホリデー制度は営業部署から上がってきた意見を取り入れたもので、業界の特性上、土日祝に商談が入ることが多く、家族や恋人との時間が取れないという課題を解消するための制度です。働き方改革に人事部門だけで取り組むのではなく、全社で取り組んでいく姿勢を示す良い事例だなと思っています。

また、採用プロセスの中でも定着率を向上できると考えて取り入れているのが「体験入社型の選考」です。元々は新卒採用の中に組み込まれていたものだったのですが、中途採用の中に組み込むことによってさらに大きなインパクトを発揮しています。これは選考中の候補者さんに営業の現場に同行してもらい、実際にどんな仕事をしているのかを見てもらう仕組みになっており、双方の入社後ミスマッチを避けることを目的に設定しました。

ーー現場からの声をしっかりと制度に取り入れるのは簡単なことではないですよね。反対に、採用数増加のために実施した施策にはどのようなものがありますか。

わかりやすいもので言えば

  • 入社祝い金制度
  • ウーマン休暇(女性の生理休暇)
  • ロング子育て支援制度(3歳未満の子供の育児をしている場合に時短勤務が出来る制度。オンテックスでは6歳まで時短勤務可能としている)

が該当します。

やはり建設業界は男性を中心に構成されている場合が多いです。しかし、昨今の採用マーケットの状況を見ていると、どうしてもこれまでと同じような採用ターゲットだと、+1000計画に限界を迎えてしまうことは明白でした。だからこそ、オンテックスも会社として女性を迎え入れられるように、これまでの建設業界のイメージを覆すような制度を策定し、女性がもっと建設業界の中でも輝けるような働き方ができる会社を目指しています。

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さらなる業績UPの一手こそ定着率の向上。全社戦略に組み込まれるまでの地道な道のり。

ーー多方面に、そして全社的に働き方改革を進めているオンテックスですが、かつての労働環境についてお伺いしてもよろしいでしょうか。

とてもおおっぴろげに話せる内容ではありませんが、定時で帰ることはほぼありませんでしたし、売上が上がっていない場合に暗黙の了解として休日に仕事をするなんてこともありました。もちろん、労働環境だけが原因ではありませんでしたが、会社を辞めていく人は一定数存在しました。その厳しい労働環境の中で、会社としても「できる人のみが称賛され次のステージにステップアップ出来る制度しかなく、おおげさに言えばできない人は自分で努力をして向上しなさい」というスタンスでした。

ーーそんな労働環境の中から、現在のような働き方改革に乗り出していったのは、どういった背景があったのでしょうか。

わかりやすく、このままだと会社としての成長スピードが上がっていかないことに気がついたからだと思います。採用は続けているのに、どうも思ったように規模の拡大ができていない。その蓋を開けてみたときに、会社全体での人数が増えていないことに気がついたんです。期初めは500名でスタートし、通年で採用を推し進めているのにも関わらず、また次の期初めは500名から微増程度でスタートしている。その現状では大きな成長・拡大は見込めないと気づき、抜本的に人材の定着率をあげなければ、会社としての成長はないと経営判断が下りて、本格的な働き方改革に乗り出していきました。根底にある思いとして、自分が採用した人たちが採用時のギャップで辞めてしまうことに心の底から悲しさや悔しさを感じていて、なんとかならないかと常に考えていました。実はこのような動きをする数年前から、私を先頭に人事部で経営陣に常に声を上げ続けていました。その努力が実った瞬間が"今"ということになります。

ーー会社全体での成長を紐解いた中で、そのボトルネックが定着率にあったのですね。

まさにおっしゃる通りです。とは言うものの、やはり働き方改革を推し進めようとした当初は、本当に大変でした。当時の営業役員が私を人事部長に推薦してくださり、役員会議でさまざまなアイデアを出していったのですが、なかなかそれらが通ることもなく。ただ、人事部長になった特権だからと思い込み、とにかく提案をし続け、それが徐々に実を結んでいったイメージです。

そして、働き方改革を推し進め始めた初年度から700名での期初スタートを達成することができたんです。月次500名だったところから200名もプラスでスタートすることができていたため、営業部門の戦略設計にも大きなインパクトがあり、取締役が毎年全社に向けて発表する成長戦略の中に初めて「人事戦略」が組み込まれました。これを見た瞬間に、オンテックスの中における人事部門の重要性が浸透し始めたと感じましたし、一気に諸制度の策定が進んでいきました。

離職率は半減。それに甘んじず、全社で進めるさらなる働き方改革。

ーー直近4年ほどで働き方改革が大きく進んできたかと思いますが、目に見える変化にはどういったものがありましたか。

わかりやすい数字だと「離職率」と「モチベーションスコア」の2つが挙げられます。建設業界の離職率は1年で4割と言われるほど高い水準であり、かつてのオンテックスも業界水準と同じ離職率でした。しかし、ここ1年間の離職率はその半分の2割。おそらく業界の中でも最低水準クラスだと思いますが、さらにブラッシュアップしていける部分があると痛感していますので、ここからさらに従業員にとって働きやすい仕組みを整えていけたらと考えています。

モチベーションスコアに関しては、リンクアンドモチベーション社が提供している「モチベーションクラウド」を導入しており、全社で62、営業部門では65というスコアを記録しています。モチベーションクラウドを導入している企業の平均スコアが50であることと、建設業界にある会社だという2点を加味すると、かなり大きな成果が出ているのではないかと感じます。また、建設業界においてモチベーションクラウドを導入している企業はかなり少数だと思いますし、どこまで言っても入社してからしか会社の内側のことを候補者の方に理解してもらうのは難しいかもしれませんが、それくらい本気で働き方改革に取り組んでいるということと、しっかりと成果に繋がっているということを今回の記事で感じ取っていただけると嬉しいなと思います。

ーー働かれている社員さんからはどういった声が上がっていますか。

昔から在籍している営業部門の社員はびっくりしています。「昔はこんな会社じゃなかった」という声をほぼ全ての社員から聞いたんじゃないかというくらいです(笑)。他にも「家族との時間が増えた」「プライベートの時間が多く取れるのは嬉しい」といった声を多く聞くようになりました。一方で、若手でバリバリ働きたいと思っている社員からは「もっと働かせてくれ」という嬉しいクレームももらっています。ただ、働く時間を無尽蔵に与えるのではなく、しっかりと決められた時間の中で成果を出すことが重要だと思っていますし、実際に労働時間に制約を与えた中でも売上が増加していることを考えると、やはりこの働き方改革には大きな意味があったなと感じます。

ーー今後もさらに進められていくオンテックスの働き方改革ですが、何か展望がありましたら最後にお伺いしたいです。

前提として、社内働き方改革は会社に一定のインパクトをもたらせてくれたと感じていますが、それは「過去と比較して改善されているだけだ」ということを忘れてはいけないなと考えています。定着率はさらに下げられると感じますし、会社全体のITツール周りの導入もさらに加速させていきたい。代表が常に唱えている言葉の1つに「三方よし」があり、全てのステークホルダーに利益を還元するためにも、まずは自分たち自身が働くことに楽しさややりがいを感じる必要があると考えています。社是にある「日本一誰かのために頑張れる会社」を達成するためにも、きっと同じことが言えるはずです。

人事部門は営業部門のように華やかな売上を作り出すことはできませんが、常に社員とコミュニケーションをとり、意見を吸い上げた上で、みんなが楽しくやりがいを持って働ける環境を作ることはできます。オンテックスで働いている全員が「オンテックスをより良い環境にする」という意識を持ち、人事部門がその先頭に立って働き方改革を推し進めていくことができれば、今よりもオンテックスは良い会社になれるんだろうなと思いますし、業界における働き方のロールモデルになれたら幸いです。

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