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こんにちは!人事のTsuguminです。
ミドルマネジメント人材の育成──。これは、どんな企業にとっても避けて通れない、難易度の高い課題ではないでしょうか。
コントレアではこの課題に真正面から向き合い、2024年10月、自社独自のマネジメント育成研修「CLP(Contrea Leader’s Program)」をスタートさせました。
今回は、CLP第1期生の3名による鼎談を通して、研修のリアルをお届けします。
スタートアップに入ったときにどのように学べる環境があるのか気になっている皆さん、スタートアップでの研修設計や導入に悩む皆さんにはきっとお役に立つ内容となっています!
ぜひご一読ください!
ーCLP(Contrea Leader’s Program)とは
VPoHRのNishioが立ち上げた完全内製化された研修プログラム。コントレアのカルチャーや事業構造から必要な知見だと思われる書籍を15冊ほど選書しそれらを2週間に1度のペース(1回に数冊の場合もあり)で読書による学びとそこから実践業務で得た学びや解釈をディスカッションするもの。
目次
自分の課題に向き合い、CLPを“自分ごと”にした瞬間
作られた研修ではなく、「自分たちで作っていく研修」
自分が当事者として会社を作る、という感覚
“組織全体の推進”へ、変化した意識
「コントレアではどうか」に向き合い続けた7カ月
自分の課題に向き合い、CLPを“自分ごと”にした瞬間
Tsugumin:
Nishioさんからの呼びかけで始まったコントレア初の研修「CLP」。実際に手を挙げた3人には、どんな思いや課題意識があったのでしょうか。まずはそのあたりから聞かせてください。
Kamitaku:
僕は、自分の中にあった“違和感”を解消したくて参加しました。
前職は大企業だったので、チームや部署が明確に分かれていて、他部署とはあまり関わらず、担当領域だけに集中することが自分の中の当たり前でした。
スタートアップの経験がなかったこともあり、コントレアに入社してから個人の動き方やチーム間の関係性に、違和感を覚えることが多かったです。
スタートアップはそうだと思いますが、コントレアではチームの垣根が曖昧で、その中で自分は「これを決めるのはこのチームでしょ」「自分たちのチーム目標とは違うから自分の業務外だ」という感覚がありました。他チームの業務は頭の片隅に置いている程度で、自分から入っていこうという意識がなかったんです。
僕はメンターでもあるNishioさんにたびたび「スタートアップの“ゲームルール”がまだ理解できていない」と言われていて、その指摘が腑に落ちつつも、具体的に何が理解できていないのかまでは掴めていなかったんですよね。そんな時にCLPの募集があり、「この違和感の正体が分かるかもしれない」と思い、参加を決めました。
Ichimu:
僕は正直、応募するかかなり迷っていました。「自分が参加しても良いのか」という気持ちが強くて。当時、入社4ヶ月ほどで、現場理解もまだ足りていない中で、リーダーとして推進していく動きができるのか、という葛藤がありました。
一方で、年齢的にもポジション的にも、リーダーを目指さないなら「何の意味があってコントレアに来たのか」「自分はなぜここにいるのか」という気持ちもあり、悶々と悩みました。
最終的には「ここで思い切って踏み出せない人間はコントレアにはいらない」と応募しました。
Aiko・Kamitaku:
え、そうだったんだ...知らなかった。聞いてないよ!
Ichimu:
終わって学びを得て、改めて当時を思い返すと、そういうことがあったなと今思い出しました。
Aiko:
私は逆に軸がなくて。これまでの看護師経験から、“リーダー”や“マネージャー”という言葉は、医療現場でいう師長さんや主任(副看護師長)さんのような役割に置き換えて考えていました。自分がマネジメントされる、あるいは自分がする側になるという感覚が全くなく、そもそもマネジメントとは何か、イメージできなかったんです。その中でチームを任せていただいたものの、正解の形を言葉にすることが難しくて。
本を勧められても上手く咀嚼出来る自信もなく、自分の中で軸ができるといいなと思い、参加を決めました。
作られた研修ではなく、「自分たちで作っていく研修」
Tsugumin:
CLPは2週間に1冊の課題本を読み、感想を共有してディスカッションを行う形式からスタートしましたよね。どんどん進化していった印象がありますが、実際に研修の中で、進め方は変わりましたか?
Kamitaku:
間違いなく、変化しましたね。
そもそも最初に、Aikoさんがディスカッションしやすいようにもっと変えてみないかと提案してくれたんですよね。
Aiko:
そうですね。実は研修設計の段階で、Nishioさんが講義型とディスカッション型どちらがいいか悩んでいて、私は迷わずディスカッションを推しました。
というのも、どんなに良い内容でも、“自分が困っていて、学びたい”という感覚がないと、学びは身につかないと思っていて。だったら、議論を通じて“自分事化”していけるような仕組みにした方が、絶対に自分たちのためになると思いました。
...まさか、あんなに本を読むことになるなんて思っていませんでしたが。
Ichimu・Kamitaku:
(笑)
Kamitaku:
Aikoさんはその後も、第2期以降に残せるように記録を残そうとか、いろんな提案をしてくれて。そこから、CLPは自分たちで変えてもいいんだという認識が、自然と広がっていったと思います。
最初は、本を読んで感想を書いて、ディスカッションするというシンプルな形でした。でもそこから、よりインプットしてアウトプットした上で話し合った方がいいのではないかという話になり、「読んだ上でのアウトプット」をベースにしたディスカッションに進化しました。それが地獄でしたね。
Ichimu:
本当に大変でしたね。
Kamitaku:
それまで2週間で読んでいた本を、土日で読み切り、それを2週間でアウトプットした結果どうだったのかという話をしないといけなくなったわけですから。
過酷ではありましたが、その分、ディスカッションが表面的な感想ではなく、実際の行動とそこから得た結果にフォーカスしたものへと変化しましたね。
Aiko:
自分の想像にはなかった取り組み方というか、いい意味で予想外の方向に変化していって、3人でCLPを作り上げている感覚が強くありました。
Kamitaku:
本当にそうですよね。今回、僕が一番感じたのは、CLPは“用意されているもの”ではないということ。Nishioさんも含めて、「どうしたらもっと吸収できるか」「どうしたらより良い学びになるか」を考えて作り上げてきたものだと思っています。
2回目くらいのタイミングで、Nishioさんが言ってくれたんです。
「この内容は、僕が考えた“たたき台”にすぎない。どんどんカスタマイズして変えていっていいし、例えばこの3人で毎朝なにか始めてみるのもいい」と。もっと自分事化して、自分たちでやっていきなさいというメッセージをきっかけに、実際に朝から共通課題であった言語化のトレーニングを始めました。
意識せずに進めていたら、恐らくただ本を読んでおしまいになっていたと思います。でも、「自分たちで変えていい」「自分たちでより良くできる」と思えたことで、意味のある研修に育っていったと思います。
自分が当事者として会社を作る、という感覚
Tsugumin:
CLPを通じて、考え方や価値観が変わった瞬間はありましたか?
Kamitaku:
ありますね。僕は前職でチームリーダーで、自分のチームがあって、そこで学んだことが“正解”だと思っていました。だから、正直マネジメントすることにおいては結構自信があったんです。
でも実際コントレアでやってみると全然違ったんですよね。コントレアでは、求められることやマネジメントのスタイルがまるで違っていて。それに気づくのに時間がかかったし、体力も使ったと思いますね。
Aiko:
どうしても自分が育ってきたところを1番信じたくなるのかもしれないし、信じていてもいいのかなとも思うんです。私もこれまで看護師として働いてきて、1つの病院や医療機関での組織が私の中の正解で、それを自分の中で否定する気持ちにはなれなかったし、それよりも優れているものはこの世にはない、くらいには感覚的に信じていた部分があったと思います。
CLPを通じて、正解はいくつもあるんだなと思うようになりましたよね。前職でのやり方もきっと正解だし、どちらが優れてるという話ではないんですよね。
Kamitaku:
引き出しが増えた感覚ですよね。いい意味でひっくり返されました(笑)
Aiko:
そうそう。ゲームルールという表現は確かにちょうどいい表現だなと思います。
Ichimu:
僕もまさにそう感じましたね。
前職では「まず自分が成果を出すこと」が第一でしたが、CLPを経て、自分が当事者として会社をつくっていく責任を実感しました。
スタートアップでは、行動のスピードも量も求められる。だからこそ、「今自分がどう動くか」を考えて、自分で判断して動くことの重要性に気づかされました。
Kamitaku:
僕ら3人共通の変化って、まさにそこだと思うんです。
「これで合っていますか」「これやっても大丈夫ですか」と誰かに確認するのではなく、自分で判断し、実行する力。それがCLPで身につきました。
失敗を恐れずに自分で判断して行動し、その先で無理だったらどうするのかというところまで自分で引き受けて進む覚悟が持てるようになったのは、すごく大きな変化だと思っています。
Aiko:
あとは、本当にリーダーやマネージャーという肩書は大事ではないんだなと思いました。
研修を通じて、本当に1人1人がきちんとスタートアップのゲームルールを理解した上で動くことが出来たら、全員の相互理解や共通認識の土台が出来て、本当の意味で役職という名前に意味はなく役割であるというのが体現できるのではないかなと。
その時々のベストな布陣、人員配置でそれぞれがバリューを発揮することで組織が一番良くなる、ということを信じられるようになったことはとてもポジティブだと思っています。
“組織全体の推進”へ、変化した意識
Aiko:
研修初期に、「マネージャーとは何か」という話をしたこと、覚えてますか?そこから何か変わりましたか?
Kamitaku:
マネージャー像はかなり変わりました。
最初は「その人の長所を伸ばす」とか「個人に向き合う」っていう、対メンバー視点が強かったんです。
でも今は、チームや組織全体をどう動かすかにシフトしていますね。誰か一人を育てるだけでなく、複数のメンバーや他チームとの連携も見据えながら、「どうすればチームが前に進むか?」を考えるようになりました。
Ichimu:
まさにその話、共感します。
マネージャーって「自チームをどう動かすか」が役割だと思っていましたが、他チームとの連携や、経営層の意図を現場に翻訳するという、“組織のハブ”のような動きが求められてるんだと感じました。
上下左右、全方向とつながって動かす力が必要だということを、CLPを通して体感しましたね。
Kamitaku:
そういう意味では、「決める」ということの重みも変わってきたと思うんです。
前は「確認してから動く」が基本だったけれど、今はまず判断して、やってみて、そこから修正する。そういう動き方ができるようになってきました。
もちろんそれは、自分だけではなく、チームをどう巻き込むかにも関わってくる。
Ichimu:
たしかに、そこは難しさもあるし、面白さもありますよね。
例えば、チーム内だけで完結する動きなら簡単だけど、他チームを巻き込むときって、伝え方ひとつで協力を得られるかが決まるじゃないですか。ただ決めるだけでなく、みんなが気持ちよく動けるように決めるって、マネジメントとしてすごく大事だと気づきました。
そういう視点も、CLPのおかげで得られたものかなと思います。
Aiko:
あの時私たちが出したものって、割とどうマネジメントされたいかに寄っていたと思うんですよね。どうマネジメントされたいかも大事ですが、今は会社としては何が必要なのかという視点も持てていると感じていて、そこも変化の1つかなと思っています。
「コントレアではどうか」に向き合い続けた7カ月
Tsugumin:
実際に手探りでの研修だったと思いますが、一般的な社内研修や外部研修、集合研修と比較して良かったことや感じていたことはありますか?
Ichimu:
CLPは、「コントレアではどうか」という問いにずっと向き合い続けた7ヶ月でした。だからこそ、自分の行動に自然とつながっていく感覚があって。コントレアで実践と学びを反復したこの経験は、結果的に汎用的な知見にもなると思っています。
Kamitaku:
外部の講師が一方的に話す講義型とは違って、自分たちで議論を重ねながら形にしていったプロセス自体が、とても印象に残っています。
CLPは、他の会社では成り立たないかもしれないくらい、うちのカルチャーに最適化されていたと思うんです。
だからこそ、「ただ教わる」のではなく、「自分で考え、自分で動く」研修になったんだと感じています。
Aiko:
何と言っても、期間の長さが特徴的だったなと思っています。半年以上かけて同じメンバーで継続的にディスカッションを重ねる中で、表面的な付き合いを超えて、本音で話せる仲間になれた感覚があります。
私自身、それまで「誰とも同じ目線で話せていない」と感じていたんです。でもCLPを通して、抽象度を上げて話すと似たようなことで悩んでいたり考えていることに気付けました。何より、「この人たちも悩んでる」「意見は違っても同じ方向を見ている」と実感できたことが、何よりの収穫でした。
Kamitaku:
このメンバーで研修出来て本当に良かったと思っています。これからも定期的に集まって悩みや学びをシェアしていきましょう!
研修で得た学びは、まだまだ実践中なので、大事なのはここから先ですよね!
Ichimu:
第1期生として、僕たちがその背中を見せていかないといけないですね。
Tsugumin:
さっそく研修で学んだ「自分事化」の発揮ですね!
ではまた半年後くらいに、どんな変化があったか聞かせてもらいますので、心の準備をしておいてください!
【編集後記】
CLPは、“与えられる研修”ではなく、“自分たちで育てていく研修”。
決まった正解を学ぶのではなく、自分自身の課題を見つめ直し、仲間と対話し、実践を通してさらに問いを深めていく——そんな7ヶ月間のプロセスは、まさにスタートアップならではの挑戦だったのではないでしょうか。
「コントレアという会社にとって、いま必要なことは何か」「その中での自分の課題は何か」。それぞれがこの問いに真正面から向き合い、模索し、実践しながらCLPをかたちづくっていく。その姿勢こそが、この研修の本質だったように思います。
マネジメントやリーダーシップに普遍的な正解はありません。
それは会社のフェーズや状況によって変化するからこそ、「いま、ここで、何が求められているのか」を自ら考え続ける力が、組織を支える土台になっていくのだと感じました。
そしてもう一つ印象的だったのは、3人の間に育まれていた信頼と、チームとしてのつながりです。
議論を重ねる中で、お互いを尊重し、高め合える関係が自然と築かれていたことが、この研修の価値をさらに大きくしていたように思います。
CLP第2期もすでにスタートしています。
コントレアらしい“学びの形”が、これからどのように進化し、広がっていくのか、私たち自身もとても楽しみにしています。
この鼎談が、今まさに悩んでいる誰かにとって、小さな学びや気づきのきっかけになれば嬉しいです。
Nishioより
まず、このメンバーが1期生で本当に良かったです。研修を創り上げながら実施するという、ある意味外部研修ではあり得ないスキーム、生っぽさでやったものになりましたが、3人のとりあえずの枠組みの中でも良い場にしていこう、学ぼうという意欲で乗り切ることが出来ました。
3人が素晴らしかったのは、本当に早い段階でお互いの信頼関係を構築し、相互に深くまで質問し合えるチームとなったことです。これによって、どんな本、場面でも深いディスカッションが出来る関係となり、常に現場になると質の高い会話が出来ていました。そういう意味で研修の質を作るのもまた、参加者同士の関係性なのだと思ったし、研修とは何かというのをすごく考えさせられました。
即効性のあるテーマは少なく、遅効性のある、テクニック論よりも思考の醸成のようなものばかりを取り扱ってきたため、もしかしたら一般的なマネジメント研修とはまた別の、ともすれば何の時間なのかもわからないような体感もあったかもしれません。ただ、仕事ですぐに成果が出るような(そういわれている魔法みたいなテクニック)よりも、困ったときに、立ち止まったときに、傷ついたときにこの半年間で交換してきた言葉の何かが救ってくれたり、前を向かせてくれたり、手を差し伸べてくれるような、そんな時間になればと思っていました。回を進めるごとに3人が会社の出来事を自分ごととしてとらえ、悩み、言葉を交わしていることがとても嬉しかったです。個人的には会社の課題や出来事、未来を自分の問題として向き合える3人のリーダーが生まれたことだけでもものすごく大きな成果だと思います。
これからの皆さんの背中はきっと「見られる」ものになるでしょう。
プレッシャーもあるかもしれませんが、向き合い続ける力を得た皆さんならきっと大丈夫です。