【グループ会社代表インタビュー】歌舞伎町バイトから代表取締役に成り上がった革命児。唯一無二の価値観から生み出される義理と人情を大切にした生き様
株式会社CockPitのグループ会社として、不動産賃貸・売買仲介事業を展開するSteerShip株式会社。「価格ではなく、価値を売る」「商材ではなく、人間を売る」。独自の哲学を掲げ、リファラル(紹介)を中心に顧客との揺るぎない信頼関係を築き上げています。今回は、そのSteerShip株式会社を率いる代表取締役・伊里 にインタビューしました。
伊里 賢大/ SteerShip株式会社 代表取締役
愛知県出身。大学卒業後に上京し、歌舞伎町のクラブで人脈を築いた後、不動産賃貸の紹介業で頭角を現す。個人事業主としてSteerShip社の代理店トップの営業成績を叩き出し、同社の執行役員、取締役を経て代表取締役に就任。現在は、独自の経営哲学でメンバーが輝ける組織を追求しつつ、「歴史に名を刻む」という壮大な目標に向け、仲間と共に邁進中。CockPit社の組織開発部署にも所属し、貢献している。
「自分は物語の主人公」 常識破りの青春時代が育んだ、唯一無二の価値観
ーー まずは簡単に自己紹介をお願いします。また、そのユニークな経歴の原点についてもお聞かせください。
愛知県で育ち、大学を出て上京しました。最初は歌舞伎町のクラブで働き、その後、縁あって不動産業界へ。個人事業主として経験を積み、今はCockPitのグループ会社であるSteerShipの代表を務めています。
原点は、小学校の頃からの思い込みでしょうか。特別なきっかけがあったわけではないですが、真面目なサラリーマンの両親を見て、「自分はこういう生き方じゃないな」という感覚があった。それと同時に、なぜか「自分は特別だ」「物語の主人公なんだ」と思い込んでいたんです(笑)。だから東京へ行く、ビッグになる、と小学生の頃にはもう決めていました。
ーー その強い思いは、大学時代の行動にも繋がっているのでしょうか?
そうですね。大学時代は、その思いを行動に移した時期でした。とにかく座学よりもリアルな経験から学びたかった。世界を知りたかったし、自分の限界も試したかったんです。19歳でバイクで日本一周、20歳でヒッチハイクでアメリカ横断・縦断、21歳で自転車で台湾一周。どれも基本は野宿でした(笑)。
ーー それらの強烈な体験を経て得た気付きはありましたか?
色々とありますが、特にアメリカでの経験は、自分の価値観に大きな影響を与えましたね。行く前は周囲から「危ない」と言われていましたが、実際に飛び込んでみると、見ず知らずの自分に手を差し伸べてくれる人の温かさに何度も触れました。この経験から、物事を表面的な情報や先入観だけで判断してはいけない、と痛感しました。
こうした若いうちの強烈な実体験全てが、今の僕の「常識にとらわれず、まずやってみる」「経験こそが人を創る」という考え方の、揺るぎない基礎になっていると感じています。
人との繋がりを武器に、不動産業界という新たな舞台へ
ーー 上京して最初にクラブで働かれたのは、どのような理由からだったのでしょう?
上京したての頃は、東京に知り合いが1人もいなくて、まずは「人脈」を作ることが最優先だと考えたんです。そこから「一番人と出会える場所はどこか」と考え、当時一番大きかった歌舞伎町のクラブで働くことに決めました。
目的は、とにかく多くの人と出会い、関係性を築くこと。ただ数を増やすというよりは、本物の繋がりを求めていましたね。夜の世界には色々な人がいますが、中には筋を通して、義理堅く、格好良い生き方をしている人もいる。そういう人たちと、ちゃんと深く関わっていきたいと考えていました。
ーーその後、不動産業界でも活躍されていましたが、きっかけは何だったんでしょうか?
不動産の仕事は、まさにそのクラブでの出会いがきっかけでした。そこで仲良くなった友人が不動産の営業をやっていて、紹介を頼まれたのが始まりです。最初は軽い気持ちでしたが、クラブで築いた人脈のおかげで、意外と多くのお客さんを紹介できて。「これなら自分でやった方が面白いんじゃないか」と感じて、個人事業主として本格的に動き出すことにしました。
ーー 個人事業主としての成果やその要因についてもお聞きしたいです。
個人事業主になってからは、クラブを集客の場として最大限に活用しましたね。昼は不動産の仕事をして、夜はクラブで働く。完全歩合だったので必死でしたけど、その甲斐あって代理店の中でNo.1の成績を収めることができました。
成果を出せた要因は、「人」を大切にしてきたからだと思っています。紹介してくれた人に必ずしも金銭的な見返りを渡していたわけではありませんが、それでもみんな自分に紹介してくれた。それは、普段から相手のためにまず自分から動く「ギブの精神」を心がけていたからかもしれません。そして、どんな相手にも誠実に向き合うこと。「引っ越すなら、あいつに頼もう」と、いざという時に一番に思い出してもらえるような信頼関係、その地道な基盤作りこそが、最大の武器であり、当時から変わらず大切にしている信念ですね。
運命の出会いが価値観を変えた。「価格」ではなく「価値」を売る覚悟
ーー その後、SteerShipにジョインし、代表になられた経緯を教えてください。
個人事業主としてトップの成績を出していたことで声がかかり、執行役員という形で、より深く会社の内部に関わることになりました。その後は、取締役としてジョインし、最終的には「代表をやってくれないか」と。僕自身、常に新しい挑戦を求めていますし、より大きなフィールドで自分の力を試したいという思いもあったので進んで引き受けました。
ーー 個人でも十分に活躍されていた中で、なぜ会社組織に入る決断を?
一番は、やっぱり面白そうだったから。これに尽きますね。個人でやる自由さもいいけど、チームで何かを成し遂げることには、また違う熱狂がある。それに加えて、CockPit代表の鯰江の存在が決定打でした。彼は、僕の感覚で言う「とにかくイケてる人間」だったんです。表面的なものじゃなく、その在り方や考え方に強く惹かれた。この人と一緒に何かを仕掛けたら、絶対に面白いことになるだろうな、と。僕の意思決定って、いつもシンプルなんです。「面白いか」「好きか」「イケてるか」。自分の心が本気で動くかどうか、それが全てですね。
ーー 特に印象に残っている鯰江さんの考え方があれば教えてください。
「愛と優しさ」の捉え方は、僕にとって大きな発見でした。僕は後輩に対して、見栄もあって何でもやってあげちゃうタイプなんですけど、鯰江は「全部やってあげることだけが愛じゃない。相手の成長を願うなら、時には手を貸さない厳しさも必要だ」と教えてくれたんです。彼は、見せかけの格好良さや派手さには一切興味がない。でも、日々の行動や判断の一つひとつに、深い思考と哲学が貫かれている。そういう目に見えない部分の本質的な格好良さ、人間的な器の大きさに、僕は強く惹かれるんです。
ーー 鯰江さんとの出会いが、伊里さんの価値観に大きな影響を与えたのですね。
間違いなく、僕のターニングポイントです。特に「価格ではなく、価値を売る。商材ではなく、人間を売る」という今のSteerShipの核になる考え方は、彼との出会いと、この会社での経験を通じて確固たるものになりました。
個人事業主の頃は、正直、価格の安さで勝負していた部分もあったんです。でも、「それじゃ本質的じゃない」と気づかされて。信頼する仲間やお客様だからこそ、安売りするんじゃなく、正当な対価をいただき、その上で期待を超える仕事をする。それが本当の意味での誠意だろうと。僕という人間、僕らのチームが持つ「価値」そのもので選ばれたい。そう覚悟を決めてからは、不思議と売上も伸びましたし、何より、人との繋がりがより深く、本物になったと感じています。
仲間と共に、歴史に名を刻む未来へ
ーー SteerShipとして、事業を通じて届けたい価値は何でしょうか?
根底にあるのは、やはり「価格ではなく価値を売る」「本気の生き様で本物の信頼を」という想いです。僕らは、単なる物件仲介業者ではない。引っ越しという、人の人生にとって大きな節目に関わる仕事だからこそ、その人の人生そのものが少しでも豊かになるような、そんな関わり方をしたいんです。だから、物件の提案だけでなく、時にはお客さんのキャリアや人生の悩み相談に乗ったり、「もっとこうしたら良くなるんじゃない?」と本気で伝えたりもする。僕らと関わったことで、何か一つでもポジティブな変化が生まれる。そんな価値を提供できる存在でありたいと強く願っています。
ーー 今、会社として目指している組織像について教えてください。
究極の理想は、「僕がいなくても完全に会社が回る状態」です。これは、鯰江から教わった考え方でもあるんですが、「代表の売上がゼロの会社って、最高にイケてるよな」って。これは別に、代表がサボるという意味じゃありません。代表が目先の数字を追うのではなく、組織全体の文化を創り、未来への方向性を示し、メンバー一人ひとりが主役として自律的に輝ける環境を整える。そういう組織こそが、本質的に強く、持続可能だと信じているからです。
だからこそ、僕にはない強みを持つプロフェッショナル、例えばマーケティングや戦略に長けた人、そしてゼロからイチを生み出せる人を、もっと仲間に迎えたいと考えています。
ーー 親会社であるCockPit社との関係性はいかがですか?
グループ会社という関係ですが、経営は非常に独立性が高く、オーナーである鯰江からは、経営に関する的確なアドバイスをもらいますが、僕のやり方を尊重してもらっています。「失敗も成功も全て学び」というスタンスで、自由に挑戦させてもらっていて本当に感謝していますし、日々、経営者として多くのことを学ばせてもらっていますね。
事業面では、人材や不動産の案件を相互に紹介し合うシナジーもありますし。また、僕自身がCockPitの組織開発に関わることで、グループ全体の成長にも貢献できればと考えています。
ーー 経営者として、譲れない信念を教えてください。
「嘘をつかない」「ダサいことをしない」。この2つは絶対ですね。どんな状況であっても、自分の信念に反するようなダサいやり方で利益を得るくらいなら、会社なんてない方がマシだと本気で思っています。
そして、どんな相手に対しても「愛を持つ」こと。僕にとって、人生は与えられた時間をどう使うか、という壮大な「暇つぶし」のようなものだという感覚があるんです。だからこそ、「どう生きるか」「何を大切にするか」が、とてつもなく重要になる。嘘や裏切り、愛のない行動で満たされた時間なんてまっぴらごめんです。やるからには、自分たちが信じるやり方で、胸を張れる仕事を仲間と共に全力で楽しみたい。それが僕の偽らざる本音であり、経営の根幹にある揺るぎない信念です。
ーー 最後に、伊里さんが描く今後の展望をお聞かせください。
まずは、今の賃貸事業で年商1億円という壁を突破すること。そして、不動産という枠にとらわれず、僕が「面白い!」と心から思える新しいビジネスを、もう1つか2つ、億単位の規模で立ち上げたいです。会社としては、メンバー一人ひとりが画一的になるのではなく、自分の理想の働き方や生き方をデザインできる、そんな自由で多様性のあるプラットフォームのような場所にしていきたいと考えています。
個人的な野望もあって、「お金持ちになる」「社長になる」「有名になる」という3つを、子どもの頃から目標にしてきました。社長にはなれたので、次は圧倒的な経済力と、世の中にインパクトを与えられる知名度を手に入れたい。そして最終的には、「歴史に名を刻む」ような存在になりたいです。さらにその先には、僕を支えてくれる大切な仲間たち、そしてその家族や未来の世代まで含めて、全員をあらゆることから守り抜き、幸せにできるような、そんな本物の力が欲しい。そのために、僕はこれからも全力で走り続けます!