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こんにちは、mui Lab採用チームです。mui Labでは現在、IPOに向けて各事業部での採用を強化しています。
今回は、代表取締役CEOを務める大木 和典さんにインタビュー。
mui Labが目指す未来について聞きました。
代表取締役CEO 大木 和典(Kazunori Oki)
上智⼤学法学部卒、 NISSHA USAでの新規事業開発を経て、mui Labを社内ベンチャーとして創業。NISSHAからMBO、その後VCからの資⾦調達を経てスタートアップ起業家へ転身。
グローバルのビジネスデベロップメントにおいては、未来志向の新たなビジネスモデル構築と、Tesla Model3、J&J向けサステイナブルパッケージなどダイレクトアカウント構築に基づく顧客付加価値創出を推進。
グローバルで愛されるブランドを創るmui Labの原点
── はじめに、大木さんのこれまでの経歴を教えてください。
大学卒業後、NISSHA株式会社(以下、NISSHA)に入社し、NISSHAでは、営業を経て、NISSHA USAで新規事業開発に携わりました。ボストンに駐在し、市場拡大のための事業開発や、現地でのサプライチェーン構築、さらにはM&Aのプロジェクトにも関与し、グローバルな視点で事業をつくる経験を積むことができました。
その後2017年に、社内ベンチャーとしてmui Lab株式会社を創業。2019年4月にMBOを行って独立を果たしました。
── mui Labが誕生した背景を教えてください。
最初は、NISSHAの新規事業のひとつとしてスタートした小さなプロジェクトでした。任されたミッションは、「自社の技術を活かして、まったく新しい価値を持つプロダクトを生み出すこと」。
既存の事業領域を使わず、スタートアップのようにゼロからチームを組成し、構想を練る日々。その中で、NISSHAが持つタッチパネル技術と、私たちのデザイン思想を掛け合わせて開発したのが、muiボードの原型です。
ニューヨークで開催される家具ショーに「石」をモチーフにした木製のUIパネルを出展したことが、muiというブランドの“はじまりの一歩”でした。
── 当時、大木さんはどのような思いで事業に取り組んでいましたか?
「グローバルで愛されるブランドを創りたい」「誰もがワクワクする未来をつくりたい」—— これが私の原動力でした。
新卒時代、担当していたのがSONY。その後もWhirlpool、Tesla、J&Jなど、世界を代表する企業と仕事をする機会がありました。
世界水準のモノづくりに触れ、自らが関わったプロジェクトが、北米、南米まで広がったり、ボストンでの日々では、AppleやTeslaのように「未来そのものをデザインする企業」を目の当たりにしました。
たとえば、Appleが初代iPhoneを発表した2007年。当時のiPhoneに搭載されていた機能は、Safari、iTunes、電話──必要最低限でした。
でも、スティーブ・ジョブズが語ったのは機能ではなく「未来」でした。
当時のユーザーにとっては、抽象的な未来に感じられたかもしれません。しかし、今目に見えているものだけではなく、「こんな未来が来る」「これが未来のあたりまえになる」と信じて、人々にワクワクを届けた。
Teslaも同様です。2016年頃のTeslaはカードキーを作っていて、知名度も今ほど高くありませんでした。しかし創業時から“テクノロジー企業としての自動車メーカー”というコンセプトを掲げ、最新の技術とテクノロジーを基盤にプロダクトを作り上げてきました。まだEVが市民権を得ていない時代から、未来を見据えて走り続けました。
結果的にTeslaは、自動車メーカーの中で時価総額1位となり、全世界の企業全体で見ても時価総額は上位の企業となりました。
「誰もがまだ信じていない未来を信じ、投資し、形にしていく」
その姿勢に強く惹かれましたし、「日本発でも、そんなブランドを自分たちの手で生み出せるはずだ」
そう信じて、mui Labの挑戦を始めました。
── なぜ、「暮らし」だったんでしょうか?
ちょうどその頃、私は結婚し、Co-founderでありCreative Directorの廣部には三男が誕生しました。
私たちのライフステージが変わり、「人の暮らし」そのものに目が向き始めたんです。
建築や家具、空間への関心はもともと強くありましたが、次第に「テクノロジーが暮らしとどう調和できるか?」という問いが自分たちの中心テーマになっていきました。
日々の何気ない時間、家族との関係、心を落ち着かせる空間。
そこにこそ、本当に価値あるテクノロジーの入り方があるのではないか。
そしてそれを、独自のデザインとテクノロジーで形にする。muiの原点は、まさにそこにあります。
カームテクノロジーで「ウェルビーイングな家時間」を実現する「暮らしOS」
── mui Labの立ち上げから数年。現在のmui Labを一言で表現すると、どのような事業になるでしょうか?
今のmui Labを表すなら、それは「暮らしOS」をつくっている会社、という表現がしっくりきます。
私たちが言う「暮らしOS」とは、人のライフスタイルや価値観の変化を感知し、それに静かに寄り添いながら最適な体験を提供する空間のOSです。
日々変わり続ける“暮らし”という営みに、テクノロジーが自然に溶け込み、違和感なく共存していく。
それを実現するために、mui Labはハードウェアだけでなく、ソフトウェア、インターフェース、サービスの層まで一貫して設計・開発しています。
※事業者軸の価値提供の参照:https://www.wantedly.com/companies/company_588904/post_articles/899942
※生活者軸の価値提供の参照:https://www.wantedly.com/companies/company_588904/post_articles/926427
── iPhoneが世界を変えたように、mui Labが暮らしを変えていく
先ほどiPhoneの話をしましたが、iPhoneはアメリカで発売された当初から、大きく形が変わったわけではありません。ではどうしてここまで大きなPlatformになったかと考えると、唯一無二のデザイン・思想を保ちながら、サービス側がどんどん進化してきたから。ユーザーの生活の変化に合わせて、誰も想像していなかったサービスが続々とPlatform上で誕生し、人々の生活が便利になったり、新たな価値が生まれてきたように感じます。同じような変化を、mui Labの登場によって起こしていきたいと思っています。
現段階では、未来の暮らしを解像度高くイメージしている人はそこまで多くないと思います。しかし、AppleやTeslaが未来を予測し、必要なものを足元から構築していったように、私はそういった未来はきっと来ると信じて、現在の事業開発にあたっています。
——「暮らしOS」の実現に必要な要素はなんでしょうか?また、具体的にはどのようなイメージでしょうか?
「暮らしOS」の実現には、大きく3つの要素が必要だと考えています。それが、「インターフェース」「アプリケーション」「AI化」です。
1. インターフェース ー 静けさと調和のデザイン
まず、「インターフェース」とは、テクノロジーと人との接点とそのあり方を指します。私たちが目指すのは、カームテクノロジー(Calm Technology)に基づいた、空間に自然と溶け込むデザイン。たとえば、ガラケーの物理ボタンから、Appleが直感的なタッチUIへと進化させたように──私たちは、使う人が意識せずとも心地よく使える、"家具のような"、"道具のような"インターフェースを目指しています。
それは単なる美しさではなく、思想に裏打ちされたデザイン。心に余白を残しながら、暮らしにそっと寄り添う佇まい。独自の美意識と思想こそが、こうしたインターフェースを生み出す源泉だと信じています。
2. アプリケーション ー 暮らしを支える機能のレイヤー
次に、「アプリケーション」。これは、インターフェースの上にどのような機能を重ねていくかという話です。現在私たちは、Matter対応のHome IoT、エネルギーマネジメント、デマンドレスポンス、世帯管理なども展開しています。
今後は、需要が見込まれるヘルスケアやセキュリティ、見守りサービスといった新たな領域へも拡張していく予定です。これらはすべて、暮らしの質を高めるための「機能群」であり、生活のOSにおけるアプリのような役割を担います。
3. AI化 ー 暮らしの文脈を理解する存在へ
そして最後が、「AI化」です。
インターフェースとアプリケーションを通じて蓄積されていく家庭内のデータ。それらをAIが学習し、家族ごと・個人ごとにパーソナライズされた体験へと昇華させていく。ユーザーの振る舞いを理解し、言葉すら必要とせず、先回りして最適な環境を整えてくれる。そんな未来を思い描いています。
ただ便利になるだけではありません。今までにないUI/UXを通じて、人の所作と空間がより深く響き合うようになる。そこに私たちが目指す本質があります。
この3つの要素が有機的に結びついたとき、「家そのものがデバイス」になる世界が見えてきます。人が動けば、インターフェースがその所作を読み取り、自然と空間が応答する。画面もボタンも要らない。テクノロジーの存在を感じさせないほど、暮らしに溶け込んだ未来です。
この構想を形にした一例が、ミラノ・サローネで発表したインスタレーションです。
Beautiful blending of IoT into Life with Calm Technology at Milan Design Week
カーテンを開けるとmuiボードが静かに起動し、テーブルを拭くと灯りがともる。いまは「アレクサ」や「Hey, Siri」と声をかけて操作する必要がありますが、未来は、そうした"呼びかけ"すら不要になる。所作がそのままUIになる世界。──それが「暮らしOS」のイメージです。
── なるほど。muiボードという唯一無二のデザイン思想によるプロダクトを持ちながら、大手企業との共同開発でソフト領域まで手がけている。それ自体が、未来への“投資”のように感じられました。その先には、まだ見ぬ多様な未来が広がっているのですね。
そうですね。今はまさに、「スマートホーム市場の基盤づくり」のフェーズにいます。けれど、私たちが目指しているのは、その先。
最終的には、空間そのものがテクノロジーと調和し、人の心身の健やかさ──ホームウェルネス・ウェルビーイングを高める「暮らしOS」をつくること。
空間を丸ごと設計する。そんな未来を構想しています。空間の体験を豊かにするには、まずその空間に自然と馴染むデザインが必要です。
これがいわば、“表側”の話。
“表側”…?
はい。優れたデザインだけでは十分ではないと考えています。
見た目がどれだけ美しく設計されていても、その裏側にしっかりとしたテクノロジーがなければ、人の生活に本当の意味で馴染むことはできません。
デザインとテクノロジーは、どちらか一方では成立しない。両輪で走る必要がある。
これはmui Labの大切にしている考え方です。
たとえばTesla。既存の車よりも遥かに少ない部品数で構成されていますが、それは「技術力が高いからこそ実現できる設計」。無駄を削ぎ、使いやすさを突き詰めた結果です。
「見えない技術」と「感じるデザイン」が、溶け合って初めて成立するプロダクト。
その境界を曖昧にしていくことが、私たちのこだわりであり、信念でもあります。
── 大木さんの思い描く「デジタルとの接点の変化」とは?
人の望むライフスタイルは一つひとつ違っていて、一軒一軒の家に多種多様な体験や思い出が詰まっています。大切なのは、技術がそこに寄り添うこと。
現在は人が技術に合わせて生活していて、「新しいこの機械はこう使うものです」「スマートスピーカーへの呼びかけ方はこうです」という風に、ルールに順応することでテクノロジーを“使いこなしている”状態。
でも、技術が高まり、よりAI化が進んで、インターフェイスも暮らしに溶け込んでいくと、技術の側が人に寄り添える。優秀なエンジニアが在籍し、高い技術力を持つmui Labであれば、そういう変化に関わっていける、むしろ変化を作り出す立場になれると思っています。思い出、他愛のない何か、他人から見たらどうでもいいけれど、家族にとってはものすごく大切なもの。そういう一つひとつ、一瞬一瞬が残るものを作っていきたい。
インターネットやデジタルが、体験の質を高める。それらがあると、暮らしの質が上がり、よりよいテクスチャーになる。mui Labは、そういうものをクリエイティブに生み出していきたいですし、私たちなら、暮らしの側から未来を設計できる、そう信じています。
※mui Labの社名の由来※
muiという名前の由来は老子の『無為自然』で、テクノロジーと人間の関わり方が作為的ではなく、自然であること、調和を大事にしながら、必要なときだけ身の回りの素材が情報に変化するようなモノをつくることを目指しています。
そこには、人がなにか「こうしよう」と思って決めてやることもいいけれど、自然の流れに任せて進んでいくのもよいという言葉が繰り返し出てきます。
そんなふうに、「テクノロジーがあって何かする」というよりは、「テクノロジーの存在を忘れて、何かしたいと思った時に支えてくれる」ということが理想なのではないかと考えました。
「mui Lab」という社名は、そんな「無為」という考え方を、デジタルテクノロジーにおいて考えたり、研究したり、ディスカッションする場所であるという意味が込められています。
機能だけでは語れない世界観を、京都から世界へ
——最後に、今後の展望を教えてください。
私は、Appleやスノーピーク、NIKEのような企業が好きなんです。
共通しているのは、美意識の高さと、「ライフスタイルそのものをプロダクトへと昇華している」こと。
たとえば、子どもの頃にお年玉を貯めて買った初めてのiPod。キャンプで初めて使ったスノーピークのテント。あの時の高揚感、手ざわり、音、景色──。プロダクトが「機能以上の意味」を持ち、自分の暮らしと深く結びつき、「記憶」になると思いますし、「人生に刻まれる存在」になると思っています。
SaaSは効率、muiは記憶だと思っていて。もちろん、SaaSのような業務支援のシステムも、現代のビジネスには不可欠です。私自身、1日8時間以上働く中で、業務効率の大切さは身にしみて感じています。
でも、人生を振り返るとき、「あのSaaS、よかったな」と思い出す人は、そう多くはない気がしています。
一方で、「はじめてiPodを手にした瞬間」「夜のキャンプファイヤーで見上げた星空」──そういった体験は、年を重ねても、ふと心に浮かんでくるような気がします。
私たちがつくりたいのは、そういう「人生に残るプロダクト」なんです。
だからmui Labは、機能だけでは語れない“世界観”や“空気感”を何よりも大切にしている。
テクノロジーであっても、人の感情に触れる存在でありたいですし、そんな世界観やコンセプトを大切にしながらやっていきたいと思っています。
mui Labは、スマートホーム業界では唯一、世界に認知されている日本のプロダクトだと自負しています。AppleのWWDCでmuiのロゴが紹介され、Calm Technologyの代表的プロダクトとしても注目を集めるようになりました。
グローバルでのさらなる展開を見据えながら、サスティナブルに続くプロダクトとサービスに、そして、会社にしていきたいと思っています。