40,000社以上の登録企業の中から、共感を軸にした採用やチームづくりの観点で優れた取り組みを行った企業100社に贈られる「Wantedly Awards」。株式会社Wewillは、2025年・2026年の2年連続で本賞を受賞しました。
受賞に沸く一方で、Wewillの採用現場では大きなアプローチの転換が行われていました。大規模な組織拡大期を経て、私たちがたどり着いたのは「ありのままを伝える採用」です。
採用人数という数字だけにとらわれるのではなく、実態をオープンに伝えて納得感のある出会いを目指す。その実現に向けて何に向き合い、改善を重ねてきたのか——。今回は人事部の浅井・坂倉・山本の3名が、これまでの取り組みを振り返ります。
「背伸びの採用」から「等身大の採用」へ
――Wantedly Awards 2年連続受賞、おめでとうございます!まずは率直なお気持ちをお聞かせください。
浅井: 素直にとても嬉しいですね!ただ、これは人事部だけの力ではなくて、Wewillの社員はもちろん、支えてくださる協力会社のみなさん、そしてWewillに興味を持ってWantedlyを見てくださったり、選考に参加してくださった求職者のみなさん全員のおかげだと思っています。関わってくださったすべての方々に、心から感謝したいです。
――急速な組織拡大に挑んだ当時のインタビューでは、全国フルリモートでの「圧倒的な規模拡大への挑戦」について伺いました。
あの拡大期を経て、組織や採用方針にはどのような変化がありましたか?
【人事部インタビュー】35名→71名、急成長の舞台裏。Wewillが本当に求める人材とは? | 株式会社Wewill
山本: 拡大期はとにかく「組織の規模を大きくする」というフェーズで、全員で全速力で走り切り、実際に多くの方をお迎えすることができた時期でした。
組織が大きく前進したからこそ、同時に、次のフェーズでさらに組織を強固にするための課題が見えてきたんです。拡大という成果をしっかり残せた一方で、「ここをブラッシュアップすれば、もっと強い組織になれる」という伸びしろや改善点が明確になりました。
そこから取り組んできたのは、その課題に向き合い、1つずつ解きほぐしてアップデートしていく作業でした。
浅井: 一言で言うと、当時はかなり「背伸び」をして採用を行っていた部分があったんです。それに対して、現在のテーマは完全に「等身大」です。
世の中的にはオフィスへの出社回帰という大きな流れもありますが、私たちが全国フルリモート・約70名規模という体制で組織を拡大していく中で、「本当にこのリモート環境下で成果を出し続けられるのか」「組織としてのコミュニケーションはどうあるべきか」という葛藤が、常に裏側にありました。
実際、拡大期に採用したメンバーの中には、オフィスと違って周囲に誰もいないリモート環境特有の孤独感や、対面のように「雰囲気を察してもらう」ことができないもどかしさに直面した人もいました。さらに「こんなことを聞いてもいいのだろうか」「誰に相談すればいいのだろう」と一人で悩みを抱え込んでしまい、残念ながら早期退職につながってしまったケースもあったんです。
――そうした痛みを伴う現実に直面したことが、採用のあり方を見直す大きなきっかけになったのですね。
山本: まさにその通りです。退職の背景を分析すると、一番大きかったのは「働き方のイメージや期待値のミスマッチ」でした。
「フルリモートだから働きやすそう」というイメージだけで入社してしまうと、現実はギャップが生じてしまうことがあります。テキスト特有のコミュニケーションに慣れる必要もありますし、非対面だからこそ高い自律性や自己管理能力が求められるため、決して“楽な働き方”というわけではないからです。 仕事とプライベートの境界線が曖昧になり、業務負担を感じてしまうケースもありました。
だからこそ、魅力的な面だけでなくリアルな部分も入社前にしっかりとお伝えし、応募者の方に納得感を持って選考に進んでいただくことが何より大切だと痛感したんです。
書類通過率は22%から4%へ。求人で伝えたい「Wewillのリアル」
――ミスマッチを防ぎ、「等身大の採用」を行うために、具体的にどのような改善を行ってきたのでしょうか?
浅井: 一番数字として分かりやすい変化で言えば、書類選考の通過率ですね。以前の通過率は約22%だったのですが、現在は4%程度まで変化しました。これは求人の打ち出し方から選考フロー、見極めるポイントに至るまで、すべての設計を見直した結果です。
――通過率がそれほど変わったのは驚きです。求人の打ち出し方はどう変えたのですか?
浅井: 以前は「フルリモート」や「フルフレックス」といったキャッチーな条件のみを全面に出すことが多かったのですが、そうした条件の良さだけを打ち出すのをやめました。条件を目的に入社すると、実際の仕事とのギャップで本人が苦しくなってしまうからです。
もちろん魅力的な環境ですが、「自分から発信しないと放置されていると感じる」「自由だからこそ、自分で仕事をコントロールする必要がある」といった責任もセットで伝えるようにしました。さまざまな側面を包み隠さず発信することで、求職者の方が「本当に自分に合っている環境か」を納得して見極められる状態を目指しています。
――良い面だけでなく、つまづきやすいポイントまで誠実に伝えることを徹底したわけですね。
浅井: 僕らが大切にしている考え方の1つに「シンプル・オープン・フラット・シェア」という言葉があります。採用においても、表面的な魅力だけで飾るのではなく、求められる役割や実際の働き方のリアルも含めて、事実をそのままオープンにする姿勢が不可欠だと考えています。求人広告や面接の場においても、その一貫した姿勢を徹底してきました。
採用して終わりではない。入社後も「等身大」に適応してもらう仕組み
――採用の入り口を整えるだけでなく、入社後のオンボーディングや受け入れの仕組みについてもアップデートしたそうですね。
坂倉: はい。入社初日に行う「働き方研修」というコンテンツをブラッシュアップしました。ここでは、期待される貢献や目標数値への向き合い方はもちろんですが、それ以上にWewillで働くうえでのルールをかなり具体的に伝えています。
ルールと言っても、会社が社員を管理・監視するためのものではありません。自分がチームへの責務をしっかり果たせているかを客観的に確認し、過度な管理を受けずに自信を持って自律的に働くための「ガイドライン」なんです。働き方の基準を最初に共有しておくことで、迷いなくスタートを切り、自分の仕事に自信を持って進んでもらえるよう工夫しています。
山本: カルチャーを大切にする思想そのものは変わりませんが、その伝え方や定着へのアプローチをアップデートしました。以前は「Wewillのカルチャーを研修や座学を通じて理解してもらう」というインプット中心の方法を取っていたのですが、言葉で理解するだけではなかなか身に染み込まないんですよね。
そこで現在は、入社2日目といった早い段階から実際の業務に入ってもらう実践スタイルにシフトしました。壁にぶつかったタイミングで「Wewillに適応するにはどうすればいいか」を上長や同僚、メンターなどと深く会話する。現場の実践を通して体感しながらカルチャーを体得していくプロセスへ変更したんです。
坂倉: 私はまさにそのメンターの役割として現場をサポートしています。Wewillにおいて自律して働くということは、決して「一人で何でも抱え込む」ことではありません。むしろ適切なタイミングで周囲に助けを求めること自体が、責任を持って仕事をやり切るための大切なスキルなんです。
新しいメンバーが躊躇なくヘルプを出せるよう、直属の上司とはまた違う“少し先に入社した先輩”という距離感で気持ちや状況を拾い上げ、一緒に整理しながら適応を伴走する体制を整えています。
――華やかな受賞の裏には、地道な改善を重ねてきた物語があったのですね。
浅井: 本当に試行錯誤の毎日です。でも、そうやって真実を隠さずに受け止め、実態に合わせて少しずつ改善を積み重ねてきた姿勢も、今回の受賞につながっていたら嬉しいですね。
通過率4%=エリート集団? 誰でもフラットに挑戦できる環境
――書類通過率4%と聞くと、「公認会計士など難関資格の保持者や、一部のエリートしか受からないのでは?」とハードルを感じてしまいますが、実際はいかがですか?
浅井:あ、そこは本当に誤解しないでいただきたいポイントです!もちろん業務の性質上、一定以上の会計、あるいは労務の基礎知識は前提として求めていますし、高い専門性を持つ有資格者も多く在籍しています。ただ、「バックオフィス一筋のエリートしか入社できない」というわけではないんです。
当社の社員の経歴は驚くほど多種多様で、元・歌のお兄さん、元・芸能マネージャー、元・ディズニーキャストや元・DJなど、まったく異なる世界から飛び込んできた人もたくさん活躍しています。
坂倉:そうですね。必要な知識を身につけたうえで挑戦していただけるのであれば、過去の肩書や出身業界だけで判断することはありません。未経験の領域であっても自ら学び、前職で培った強みを活かして伸び伸びと活躍しているメンバーが多数います。
浅井: 土台となる知識や思考力を持ち、Wewillの価値観に共感して自律的に動ける方であれば、どんなバックグラウンドであってもフラットに挑戦し、成長していける環境ですね。
――求められる前提知識や土台がありつつも、過去の経歴にとらわれず挑戦できる場があるのですね。では、そうして集まったメンバーがWewillで力を発揮するために必要な本質的な要素とは一体何なのでしょうか?
後編では、多様なバックグラウンドを持つWewill社員に共通する「3つのスタンス」と、「対話型選考」の裏側に迫ります!