山田 和也のプロフィール - Wantedly
株式会社DTSインサイト, モビリティソリューション事業部 昇降機の制御ソフトウェアからキャリアをスタートし、数年前にDTSインサイトに転職しました。 DTSインサイトでは、車載開発、特にコックピットドメインにおける開発を担当することが多いです。 生涯現役を目標に、プレイングマネージャーとして、エンジニアリングとマネジメント、それぞれの向上に努めています。
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はじめまして!株式会社DTSインサイトの広報担当です。
自社製品開発とソリューション開発を行う“組込みの専門家集団”である当社で、システム事業部 開発4部 プロジェクトリーダーを務める 山田さんにインタビューを実施しました。
35歳で未経験からエンジニアに転身し、思わぬ形で始まったリーダー経験...。その中で山田さんが掴んだ「個人の成長」を「チームの勝利」に変える仕事術とは。これまでのキャリアと共にお伺いしました!
航空機の生産管理という異業種から、35歳でソフトウェアエンジニアにキャリアチェンジ。組み込みエンジニアとして、5年間、昇降機制御ソフトウェア開発に従事。技術的な成長を求め、DTSインサイトへ転職。現在はプレイングマネージャーとして、最先端の車載ソフトウェア開発プロジェクトを牽引する。プライベートでは麻雀を嗜む。
はい。実はエンジニアになる前は、飛行機の生産管理の仕事をしていました。35歳の時に、本格的にソフトウェア開発者に転職しました。もともと自作PCを組んだり、独学でプログラミングをしたりと、コンピューターの仕組みそのものに強い興味がありました。「OSの下、ハードウェアに近い部分はどうなっているんだろう?」という探求心から、より深く技術に触れられる「組み込み」の世界を選びました。
エンジニアになってからは、昇降機の制御ソフトウェア開発を行っていました。5年間、エンジニアとしての基礎を学びましたが、次第にある種の物足りなさを感じるようになったんです。
昇降機の世界って、製品寿命が非常に長いので、「枯れた技術」が使われ続けていることが多いんです。一度書いたコードが何十年も使われ続ける。それは安定しているとも言えますが、裏を返せば技術革新が起きにくい環境だということでもあります。
「このままでは10年後、自分の技術は陳腐化してしまうんじゃないか」。そんな危機感が、転職を考える大きなきっかけになりました。もっと新しい技術に触れて、エンジニアとして成長し続けたい。その想いで出会ったのが、DTSインサイトだったんです。
その通りです。会社説明で「最先端の車載開発を手掛けている」と聞き、心が躍りました。車載分野は、組み込みの中でも特に技術の進化が速い業界です。ここなら、自分が求めている成長環境があるはずだと思いました。
実際に入社してみて、その期待は裏切られませんでした。ソフトウェアの規模も、扱う技術の先進性も、前職とは全くの別世界。作るモノだけでなく、開発プロセス自体もモダンで、日々新しい知識やスキルに触れられる環境は、本当に刺激的ですね。
いえ、正直に言うと、全く希望していませんでした(笑)。入社後、経験を買われてサブリーダーとしてプロジェクトに配属されたのですが、訳あって入社3ヶ月で僕がリーダーをやらざるを得ない状況になっていたんです。
さらに、お客様先から「人手が足りないから、出向してリーダーをやってくれないか」と声がかかり、まさに必要に迫られてマネジメントキャリアがスタートした、という感じです。
最大の転機は、お客様先への出向でした。そこで僕は、これまでと全く逆の立場を経験することになります。つまり、「これを作ってください」と依頼を受ける側から、「これを作ってください」と依頼する側になったんです。
この視点の転換は、本当に大きな経験でした。単に要件を伝えるだけではありません。依頼先のチームのマネジメントや、プロジェクト全体の進捗管理、関係各所との調整まで、すべてに責任を持たなければならない。それまでは「作る」ことに集中していましたが、そこではプロジェクト全体を「創る」視点が求められました。
この経験を通じて、自分の仕事が、より大きな価値創造のどの部分を担っているのかを俯瞰的に理解できるようになった。これが、今のプレイングマネージャーとしての働き方の礎になっていると思います。
僕も最初はそう思っていました。でも、DTSインサイト、特に僕らが手がける組み込み開発の現場では、少し違います。1日の業務を無理やり分けるなら、「開発が2割、マネジメントが2割、残りの6割はその両方が融合した業務」といった感じでしょうか。
例えば、お客様との打ち合わせ。これはマネジメント業務に見えますが、そこで交わされるのは「こういうものを作りたい」という、まだ輪郭のぼんやりした想いです。その想いを実現するために、僕たちは技術的な知見を基に「それなら、こういうアーキテクチャで実現できますよ」「こちらの技術を使えば、コストを抑えつつ性能を担保できます」といった提案をします。
これは、マネジメントであり、同時に高度な技術開発でもある。お客様のビジネスの成功に直接貢献できる仕事です。
まさに、そこがこの仕事の醍醐味であり、難しさでもあります。明確な仕様書があって、その通りに作る仕事ではありません。だからこそ、技術を深く理解していることが、お客様との対等なパートナーシップを築く上で不可欠なんです。
「マネジメントをやると、技術から離れてしまう」というのは、少なくとも僕たちの現場には当てはまりません。むしろ、これまで培ってきた技術力という土台があるからこそ、より上流でお客様の課題解決に貢献できる。言われたものを作るのではなく、作るべきものを一緒に創り上げていく。エンジニアとして、これほど面白いフェーズはないと思っています。
あります(笑)。リーダーになりたての頃は、「メンバーに任せるより、自分でやった方が早いし確実だ」という思考に陥りがちでした。元々エンジニアですから、自分で手を動かしてアウトプットを出したい欲求も強い。結果、仕事を抱え込んでしまい、「なんだか妙に忙しいな…」と感じることが度々ありました。
きっかけは、単純に「自分一人では回らなくなった」ことでした。チームの規模が大きくなるにつれて、自分で全てのアウトプットの面倒を見ることは不可能になります。その時、「メンバーに成長してもらわないと、チームとして困るんだ」とハッとしたんです。
そこから意識が大きく変わりました。「タスクをメンバーに割り振ること」も、それを「メンバーが遂行できるようにサポートすること」も、全て含めて自分の仕事なんだ、と。メンバーの手が空いているのに、リーダーである自分が忙しくしているのは、チームとしては機能不全。リーダー失格だ、と考えるようになりました。
はい。それからは、メンバー一人ひとりの「何が分からないのか」を丁寧に確認し、相手に合わせて指導することを心がけています。最初は時間がかかっても、彼らが成長して自律的に動けるようになれば、結果的にチーム全体のアウトプットは最大化される。最近では、メンバーが自発的に他のメンバーをフォローしたり、積極的に次の仕事を取りにいったりする姿を見るのが、何よりの喜びですね。
DTSインサイトには、週に一度、全プロジェクトリーダーが集まって課題を共有する場があります。初めてリーダーに挑戦する人でも、孤立することはありません。そこで悩みを相談したり、他のリーダーの経験から学んだりできる。会社として「チームで成長する」文化が根付いていることも、大きな支えになっています。
個人としては、技術とマネジメント、両方のスキルをさらに磨き続けたいです。幸いなことに、僕は技術系の資格もマネジメント系の資格も両方取得していて、社内では少し珍しい存在かもしれません。この“両利き”であることが、プレイングマネージャーとしての自分の強みだと思っています。
そしてチームとしては、僕のようなプレイングマネージャーをもっと増やしていきたい。一人ひとりが技術力を持ちながら、お客様の課題解決やチームの成長にコミットできる。そんなプロフェッショナル集団を創り上げることが目標です。
車載業界の進化は、止まることを知りません。ソフトウェアが車の価値を定義する時代だからこそ、私たちのような上流から開発に携わり、お客様と共に価値を創造できるパートナーの重要性は、ますます高まっていくはずです。その変化の最前線で、チーム一丸となって挑戦し続けていきたいですね。
キャリアの岐路に立ち、「このままでいいのか」と悩んでいる方も多いかもしれません。僕自身、35歳を過ぎてからこの世界に飛び込んだ、いわば遅咲きのエンジニアです。だからこそ、成長したいという気持ちや、キャリアへの不安はよく分かります。
DTSインサイトのプレイングマネージャーという役割は、決して「技術を捨てる」ことではありません。むしろ、これまで磨いてきた技術という武器を、より大きなステージで活かすための「キャリアのアップデート」だと、僕は考えています。
もちろん、責任も仕事量も増えます。しかし、それ以上に大きな裁量と、お客様やチームの成長に貢献できるやりがい、そしてそれに伴う評価や待遇が、ここにはあります。
「マネジメント」という言葉の響きだけで可能性を閉ざしてしまうのは、あまりにもったいないです!
少しでも「面白そうだな」と感じてくれたなら、ぜひ一度、カジュアルにお話ししてみませんか。