「応募が来ない」が本当の課題とは限らない
採用に関するご相談をいただく際、最も多い悩みのひとつが、
「応募が来ません…」というものです。
しかし実際に数字を確認すると、少し違う原因が見えてくることがあります。
・月10応募。
・月20応募。
・時には30応募。
それでも採用数は0名。
住宅・不動産業界の採用支援を行う中で、こうしたケースは決して珍しくありません。
企業側は、「もっと応募が欲しい」と考えています。
しかし本当に足りないのは応募なのでしょうか。
実際には、
・求人応募は来ている。
・エージェントからも紹介がある。
・面接も実施している。
しかし、採用できない。
そんな会社は少なくありません。
問題は応募数ではなく、その後の採用プロセスにあるケースが多いのです。
今回は、応募は来ているのに採用できない会社の共通点を分解してみたいと思います。
採用できない会社ほど「応募数」を見ている
少し極端な例ですが、こんな2社があったとします。
<A社>
・応募数:5件
・採用数:1名
・採用率:20%
<B社>
・応募数:20件
・採用数:0名
・採用率:0%
どちらの採用活動が上手くいっているでしょうか。
多くの方は応募数の多いB社に目がいくかもしれません。
しかし実際に採用できているのはA社です。
採用活動では応募数も重要です。
ただ、本当に見るべきなのはその先です。
応募
↓
面接設定
↓
面接実施
↓
選考通過
↓
内定
↓
承諾
↓
入社
この流れのどこかで候補者が離脱しています。
採用できる会社は、この流れ全体を見ています。
一方で採用に苦戦している会社ほど、
「もっと応募が欲しい」
という発想になりがちです。
もちろん応募数は重要です。
しかし、バケツに穴が空いた状態で水を増やしても成果には繋がりません。
まず見るべきは、
どこで候補者が離脱しているのか。
ここなのです。
まず確認したい4つの数字
もし現在採用に苦戦しているのであれば、まず以下の数字を確認してみてください。
・応募数(有効応募数)
・面接設定率
・面接実施率
・内定率
・内定承諾率
意外なことに、応募数は把握していても、
面接設定率や内定承諾率は把握していない会社も少なくありません。
例えば…
応募:20件
↓
面接設定:10件
↓
面接実施:6件
↓
内定:1件
↓
内定承諾:0件
というケース。
この場合、課題は応募数ではありません。
面接設定なのか。
面接実施なのか。
内定承諾なのか。
改善ポイントは全く変わってきます。
採用が上手くいく会社ほど、感覚ではなく数字で採用を見ています。
面接前に候補者を失っている会社
住宅・不動産業界で意外と多いのが応募後の対応スピードです。
応募が入る。
↓
担当者が確認する。
↓
社内調整する。
↓
面接候補日を出す。
↓
面接実施。
気づけば応募から1週間以上経過している。
こうしたケースは珍しくありません。
企業側からすると、「応募者が辞退した」という認識になります。
しかし候補者側からすると、「優先順位が低い会社なのかな」と感じているだけかもしれません。
今の転職市場では、多くの候補者が複数社を同時に受けています。
優秀な人材ほど意思決定も早い傾向があります。
採用活動において、スピードは競争力です。
面接で会社説明ばかりしていませんか?
面接同席を多数させていただく中で、
実際に現場でよく見かけるのが、このケースです。
面接開始。
↓
会社説明40分。
↓
経歴確認20分。
↓
終了。
もちろん会社説明は候補者の動機付けには必要です。
しかし候補者が本当に知りたいのは会社概要だけではありません。
知りたいのは、
・誰と働くのか。
・どんな人が活躍しているのか。
・どんな苦労があるのか。
・なぜその会社で働き続けているのか。
といった現場のリアルです。
面接官が会社説明に終始してしまうと、
候補者は判断材料を得られないまま面接を終えることになります。
そして、
「良い会社なのかもしれないけど、自分が働くイメージが湧かなかった」
という状態になります。
面接は企業が候補者を見極める場です。
しかし同時に、候補者が企業を見極める場でもあります。
採用市場が変化した今、企業も選ばれる側であることを忘れてはいけません。
面接では候補者の動機付けのための現場のリアル等、
単なる会社説明で終わらない場とすることが必要です。
内定辞退は「内定後」に始まっている
企業側からすると、
内定を出した時点でひと安心。
そんな感覚になることがあります。
しかし候補者にとっては、そこからが本当の意思決定です。
・他社との比較。
・家族への相談。
・年収や条件の確認。
・将来への不安。
様々な感情が生まれます。
実際、
「第一志望だったのに辞退された」
というケースもあります。
その背景には、
・入社後の働き方がイメージできなかった。
・現場社員と接点がなかった。
・質問を聞ける機会がなかった。
そんな理由が隠れていることも少なくありません。
内定はゴールではなく通過点です。
内定承諾獲得まで含めて採用活動と考える必要があります。
本当の課題は応募不足ではなく採用プロセスかもしれない
もちろん応募数は重要です。
しかし、
・月20応募で採用0名。
・月5応募で採用1名。
であれば、改善すべきポイントは異なります。
採用活動で重要なのは、
応募数だけを見ることではありません。
・どこで離脱しているのか。
・なぜ辞退されているのか。
・なぜ魅力が伝わっていないのか。等
そこを見なければ、本当の課題は見えてきません。
採用できる会社は「応募数」ではなく「採用ファネル」を見ている
採用がうまくいっている会社ほど、応募数だけを追いかけていません。
応募から入社までの流れを数字で把握し、
・どこで離脱が起きているのか。
・どこを改善すれば成果が上がるのか。
を見ています。
もし今、
「応募が来ない」
と思っているのであれば、
一度数字を分解してみてください。
・本当に足りないのは応募でしょうか。
・面接設定率でしょうか。
・面接実施率でしょうか。
・内定承諾率でしょうか。
採用は集客競争ではありません。
改善競争です。
実際、採用相談をいただく企業様でも、
「応募が少ないことが課題だと思っていた」ものの、
数字を分解してみると、
面接設定率や内定承諾率に課題が見つかるケースは少なくありません。
応募数を増やす前に、一度採用プロセスを見直してみる。
採用できない理由は、
意外と求人媒体でも、応募数でもなく、
その先の採用プロセスにあるのかもしれません。
本当の課題は、
思っている場所とは違うところにあるかもしれません。