「あ、それ初めて知りました」
ある日の1on1の中で、こんな一言をもらう機会がありました。
「その背景、初めて知りました。」
「今まで正直納得できてないまま制度についていってました。」
いやいや、何度か話してるはずだよな…説明資料も出したし、全体共有もしてる…。
ですけども、目を逸らしてはいけないことは ”実際には伝わっていない事実” だと、気を取り直しました。
“伝えたつもり”で満足してたのは、自分のほうでした。
1on1を、ただの“伝達の場”にしてしまっていた
私は今、シスナビでプレイングマネージャとして、組織の制度設計やMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の再構築、評価の仕組みなどにも関わっています。
ありがたいことに、会社が成長する中で、自分も含めたキャプテンや部長の立場の人間が、全体を巻き込む動きをつくる必要性がどんどん増してきています。
だから、社員との1on1を始めたときも、
「これはちゃんと伝えなきゃ」と、思いの丈をぶつけるような時間になっていたと、今振り返って思います。
施策の意図、評価のポイント、MVVの意味──。
頭の中にある全てを、熱量を込めて語っていました。
熱量を込めなければ伝わらないと思っていました。
しかし今思えば、それって「対話」ではなく「説明」だったと気づきました。
「どう思う?」と聞いたら少し、空気が変わった
ちょっと1on1の進め方というかそもそもメンバーとの関わり方、自分の在り方を変えなきゃと想っていた中、あるメンバーとの1on1をきっかけに、思い切って質問を変えてみました。
「この施策、正直どう思う?」
「んーーーー」と、数秒の間が空いて、返ってきた言葉に気づきをもらいました。
「正直、腹落ちできないまま、会社の方針がそうだからと進めてました」
正味刺さりました。グサッときました。でも、すごく嬉しかったです。
今までこういうことを顔を見て話せる機会があまりに少なかったなと痛感しました。
幹部らが語った制度やMVVが、どう受け取られているかなんて、想像するだけで実はちゃんと聞いてなかったんだなと。言われてみれば、気になる反応を、聞いたふりをしてスルーしてたこともあったかもしれないです。
この一言をもらえてから、1on1に取り組む自分の姿勢が変わった気がしました。
聞くことで、仲間意識が生まれた
それ以降、1on1では少しずつ「どう思う?」「現場視点ではそうじゃないんだけどなって感じる部分ない?」と聞くように変えてきました。
全員がすぐに本音を出してくれるわけじゃないですが、
少しずつ「ちょっと考えてみたんですけど…」と、意見をもらえるようになってきました。
「伝えること」より「聞くこと」で信頼が積み上がっていくんだろうな。
それを、まさに今、実感しています。
だから、これからも続けていく
今のシスナビにはこれからの未来を共につくっていくコアメンバーが少しずつ育ってきています。
このメンバーと本気で一体感を持ってやっていくには、
指示や制度を“上から降らせる”だけでは絶対にうまくいかないと確信しています。
幹部がしっかりとした指針を示すことはもちろん大事なことなんですが、
それを聞いた相手の温度感に触れること。
伝えたあとの理解のされ方を確かめること。
違和感に対して、なぜそう感じたのかを深掘ること。
そういう時間を丁寧に、共に過ごすことこそが、実は一番の“組織づくり”なんだと思っています。
だからこそ、幹部こそ、対話をやめてはいかんなと。
組織の未来を背負う立場であればあるほど、“聞くこと”の重みを忘れてはいかんと想っています。
最後に
「伝えたつもり」がすれ違いを生む。
「傾聴する姿勢」が信頼を育てる。
この感覚を、シスナビのカルチャーとして根付かせていきます。
これからも1on1という“対話の場”を大事にしていきます。