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こんにちは!スマートラウンドの土居です。
スマートラウンドでは、スタートアップと投資家のためのデータ作成・共有プラットフォーム「smartround」を提供しています。
今回は、経営企画兼事業開発として2022年1月に入社した佐藤涼介さん(Twitter @ry_sugar_310)へのインタビューです。これまでのキャリアやスマートラウンドに入社を決めたきっかけ、これから取り組みたいことについて聞きました!
目次
- メガバンクでの学びと転職のきっかけ
- スマートラウンドに感じた「潜在性」
- 経営企画・事業開発としての働き方
- 自由に飛び跳ねることのできる世界の実現に向けて
メガバンクでの学びと転職のきっかけ
ーーまずは、これまでのキャリアについて教えてください。
大学卒業後、新卒で三菱UFJ銀行に入行し、数ヶ月の研修のあとに営業店に配属されて法人営業や支社の計数管理を3年間やりました。営業や事務の現場に立つ中での学びはたくさんありましたが一つ挙げるとすれば、「マルチタスクへの適応」です。自分や上司の担当するお客さまに関わる日々の事務対応や能動的な提案活動、支社全体の経営状況の可視化や本部への報告の取りまとめ、支社運営の改善案の検討や実行など色々なことを任せてもらいました。その中で、もちろん失敗することもありましたが、やや俯瞰した見方をして抜け漏れをチェックしたり優先順位をつけて物事を処理したりといった、複数のタスクを同時並行的にこなすにあたっての基本動作を身につけることができました。
その後、経営企画部に異動になり、金融に関わる規制や関連当局、金融機関、FinTech企業の動向調査や業界活動、トップマネジメントの渉外活動サポート、新規事業開発に従事しました。支社時代同様マルチタスクでしたが、そこに「リサーチ」や「プランニング」といった要素が加わった時期でした。銀行員でありながらリサーチ一筋という異色のキャリアを持つ先輩や外資系コンサル出身でとても頭のきれる上司など、多様な方々からご指導いただきながら、組織や社会の構造や動き方といったものを腰を据えて観察して、分析して、仮説立てて、色んな人にぶつけるという経験をできたことはとても貴重でした。
ーー順調にキャリアを歩まれていたように思えるのですが、転職を考えたきっかけは何だったんでしょうか?
「変化」する方向に一旦振り切ろうと思ったんです。ビジネスでは変化を求められるタイミング(例えば「お客さまに新しい価値を提供したい」「既存事業をピボットしないといけない」等)が往々にしてあります。そういった際に「そもそも自分はどの程度の変化を経験したことがあるのか?変わるとはどういうことなのか?」などと自問することが増えてきて、これは今いる居心地の良い場所を振り切って「変化」の現場に飛び込んで他の在り方を実践として学ばないといずれ行き詰まるなと考えたのが出発点でした。そして、自分はどちらかというと慎重な方だという自覚もあるので、これはもう環境ごと変えないといけないかなと思い、転職を考えました。
スマートラウンドに感じた「潜在性」
ーースマートラウンドに出会ったきっかけや入社の決め手を教えてください!
きっかけは、「ビジネスモデル」への興味からでした。前職でのアサインもあって、スタートアップに限らず新しいサービスやビジネスモデルには常日頃から気を配るようにしていました。ケースを学ばなければ新しい発想も生まれてこないですし、リスクをとって何かをやっている方々の取り組みは拝見していて気持ちが良いものでした。その中でたまたま「キャップテーブルマネジメント(証券データ、具体的には株式や新株予約権の保有者や条件といった企業の所有権に関わるデータの整備・管理)」というサービスが海外では大きく成長していることを知り、何となく調べてみたら「え、日本でやっている人いるの?」と気づいて、話を聞いてみたいと思ったのがスマートラウンドとの出会いです。
決め手は、「Where」「How」「Who」の3つです。
まず「Where」は、ビジネスのドメインが魅力的だということです。スタートアップ、即ち挑戦している人、頑張っている人の抱える問題解決というのが何より素敵ですし、証券周りというのが自分の金融バックグラウンドと近接性があり、それをデジタルの力で解決するのも今っぽくていいじゃないですか(笑)。次に「How」は、SaaSでありながらスタートアップや投資家、アドバイザーという異なる立場のお客さまが利用するプラットフォームであって、利用する人が増えれば増えるほどみんなが便利になるというのは美しいなと思いました。最後に「Who」は、投資家と起業家の両方の立場の経験がある代表の砂川さんをはじめ、スタートアップを中心としたステークホルダーの問題解決を証明できるメンバーのキャリアに興味を惹かれました。
ーー事業ドメインの面白さについて、もう少し詳しく教えてください。
「潜在性」に惹かれました。
一つ目は、お客さまに「ポテンシャル」があるということ、スタートアップはどうなるかわからない、世の中にどういう変化を起こしてくれるかわからないところに面白みがあります。
二つ目は、解決している問題が「潜在的」であるということです。「株主総会運営や資本政策は後戻りできないので間違ってはいけない」とよく言われますが、起業家が走り始めた時/走っている時にはいまいち問題として認識することができません。これは問題が顕在化するタイミング(典型的には上場審査等)と対応する必要のある期間に大きなズレが存在するためで、それを最初から意識せずに間違えないようにするのはチャレンジングだなと思います。
三つ目は、私たちの整理するデータが「埋もれている」ということです。非公開企業の証券データは個々の契約書や対話の履歴の中に埋もれています。これらをきちんと整理して、お互いが得られるベネフィット、権利義務関係、法律的な要求に照らして適切な利害関係者間で共有できるようにすることに魅力を感じています。
経営企画・事業開発としての働き方
ーースマートラウンドでは具体的にどのようなことをされているんですか?
一言で言うと、CEO補佐かなと思います。営業やアライアンス、パブリックアフェアーズ※、資金調達、組織運営など多岐にわたっている砂川さんのアサインの戦略部分を担い、時には実行部分も肩代わりしながら既存事業の1→10、新規事業の0→1を両輪で回す役割を負っていると理解しています。
具体的なタスクに落とし込むと、営業で言えば、進行中商談の進捗管理や見込み顧客へのアプローチ提案、KPI管理、商談でキャッチしたニーズのプロダクトサイドへの連携、アライアンスやパブリックアフェアーズで言えば、想定される連携先のリストアップや対話方針策定といったところです。
日々の働き方としては、砂川さんの活動に伴走しながら、状況の変化を観察し、意思決定に必要な材料を集めて、それらを加工したものを提案するということを繰り返しています。
※パブリックアフェアーズ(PA):企業やNPO・NGOなどの民間団体が政府や世論に対して行う、社会の機運醸成やルール形成のための働きかけ活動
ーー大企業とスタートアップは一見縁遠いように思えるのですが、ギャップはありませんか?
私自身もかなり身構えていたところなのですが、想定していたほどはギャップを感じていないというのが正直な感想です。元々メガバンクでもかなり自由にやらせてもらっていたということなのかもしれませんが、「なんでだろう?」と改めて考えてみると、プロセスに分解して考えてみた時にあまり違いがないというのが答えかなと思います。結局、①観察や調査で情報を得る、②自分なりに咀嚼し要約する、③CEOなどの経営幹部に提案する、④議論を通して意思決定を促す、⑤実行してみて妥当性を検証するという一連のプロセスは変わりないということです。
マルチタスクを捌くスキルと共にこれらのプロセスに必要なスキルを比較的安定した環境で身につけることができたので、スマートラウンドで果たすことのできる役割があるんだろうなと思っています。大企業での経験やノウハウを再現性をもって活用できているというのは嬉しい発見です。ただ、ここらへんのタスクは特にスタートアップにおいてはCEOその他の経営幹部の方々が自身で行われることも多いと思うので、価値を提供し続けられるように日々努力しないといけないというプレッシャーはあります。
ーーなるほど、その上でスタートアップで働く上で気をつけていることは何かありますか?
「ハンドルを握ること」と「アクセルを踏むこと」ですかね。
「ハンドルを握ること」というのは、日頃から皆さんからの意見をよく聞いたり、先を見通したりして、何か組織に歪みがあったり、予見できる障害があったりするときに、軌道修正できるように身構えておくことです。大きい組織の場合はそこのコントロールを多少緩くしても慣性の法則が働くのでそこまで変化は起きないのですが、スタートアップは小回りがきくからこそ、小さな不具合や小さな石ころでも致命的な影響を及ぼすこともあるでしょうし。
次に、「アクセルを踏むこと」は、そのままの意味です。スタートアップは組織としても、個人としてもリスクをとって前に進んでなんぼだと思っているので。誰かがやってくれると期待するのではなく、アクションしたり発信したりすることを心がけています。
自由に飛び跳ねることのできる世界の実現に向けて
ー一緒に働きたい人、スマートラウンドにフィットする人はどんな方でしょうか?
こういう人がいいです!というのを決めつけるのはよくないですが、お客さまも私たち自身も変化が大きいドメインですし、やはり「挑戦」や「変化」を楽しめる人でしょうか。自分自身が挑戦したい人、スタートアップのように挑戦する人を応援したい人、新しい仕組みを作るのが好きな人、関わり方は人それぞれですが、ゆるっとした軸があるように感じます。あとは、お互いの考えを尊重できて、こうなったらいいよね、みたいな青臭いことを気兼ねなく対話できる関係性を築けるような人ですかね。ただ、詰まるところ「明るければ強し」かなと。
ーー最後に、今後取り組みたいことについて教えてください!
先ほど「青臭いこと」と自分で言ってしまったので大きいところから説明させてください。私がスマートラウンドでの働きを通して実現したいと思っている世界は、社員やお客さま、その他の関連する方々含めた「みんなが自由に飛び跳ねることのできる世界」です。かなり比喩的ですが、飛ぶための踏切台が必要ならそれを準備したいですし、飛んだ先に穴があるかもしれないので不安で飛べないのであればその穴を埋めたいですし、蓋があって高く飛べないならその蓋を取っ払いたい。ただ、まだまだぼやっとしているので、「スタートアップのためになることだったら何でもする」スマートラウンドで精一杯活動する中で、自分としての実現したい世界像の解像度をあげていきたいです。
働き方という面では、立ち上げや推進、実行の経験を積んでいかないといけないと考えています。前職も含めて、これまではどちらかというと他の方々のやりたいことの後押しや、こうしたらいいんじゃないかといった提案に役割が止まることが多かったので、これからは、皆さんの意見をよく聞くことを前提としつつ、良い意味で我を出してもっと自分自身がリスクを取る、物事をドライブするといった姿勢を積極的にとっていきます。色々苦しむことや衝突すること、思うようにいかないこともあるでしょうが、懐の深いスマートラウンドの仲間たちを信じて、行けるところまで突き進んでみようと思います。
ーー佐藤さんありがとうございました!
佐藤涼介2015年、株式会社三菱UFJ銀行に入行。数ヶ月の研修を経て都内の営業店に配属され、支社大口先を中心とした法人営業や計数管理・施策推進など支社経営活動に従事。2018年、経営企画部に異動となり、国内外金融制度並びに金融機関の動向調査や業界活動、トップマネジメントの渉外活動サポート、新規事業開発に従事。主な分析対象は銀行法改正や決済を中心としたFinTech企業の動向、中央銀行デジタル通貨など。2022年、当社入社。筑波大学附属駒場中高等学校・東京大学法学部卒。