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「あるべき未来を創り出す」事業開発リーダーが語る、事業の先に描くこと

リディラバ広報・採用担当の片山壮平です!今回は、現在絶賛メンバー募集中の事業開発チームで事業統括を務める、井上朝雄さんにお話を伺います。社会課題解決に向けて資源を投入していくリディラバの事業開発チームの今と未来、求める人材像まで語ってもらいました!

簡単に事業開発チームの仕事をご紹介ください。

リディラバは社会問題を発見し、それをより多くの方に共有することで社会化し、解決に向けたあらゆる資源を投入していくことで社会課題解決のスピードを上げていこうとしています。事業開発チームは、省庁、自治体、NPO、企業の皆さんとスクラムを組んで、この解決に向けた資源の投入を行うことを仕事にしています。課題解決のために投入する資源は、リディラバが持つヒトモノカネ情報などには留まりません。協働する官公庁が持つ国家予算や自治体予算、企業が持つサービスデザインやプロダクトデザインの力など、様々なものを想定しています。

具体的な事例は何がありますか?

例えば、認知症という社会課題に向き合い、サービスを開発するプロジェクトがあります。認知症の方は、2015年時点で500万人強いると言われており、2035年には、800万人にのぼると想定されています。当事者の方やご家族の方だけではなく、地域社会の誰もが「認知症」と向き合い、共に生きていくことが必要になる中で、「認知症共生社会」の実現に向けて、どのような取組みが求められるのか。事業、サービスによる「共生社会」実現のサポートは出来ないか。私たちがパートナー企業の皆さんと行う事業開発は、見過ごされてきた『負』を発見するところから始まります。

見過ごされてきた『負』とはどういうことでしょう?

認知症にまつわる関係者の方はざっと考えてもかなりたくさんいます。当事者の高齢者の方、そのご家族、家族に親しい地域コミュニティ、介護士・医師・薬剤師など医療関係者の皆さん、自治体職員の方、さらには全体の制度設計を行う厚労省など行政の方。当然、認知症に関するサービスや商品を提供する企業もその中に入りますね。私たちはそのような中、何よりその当事者と、当事者に近い方たちのヒアリングを重視しています。こういった方たちのお話を伺い、洞察していくと、「何でうまくいってないのだろう?」と、聞いている方が悔しく思えてくるトピックが出てくるんです。

認知症になられた当事者の方の中には、自分自身が認知症になってしまったことへのショックや、身体的な衰えもあいまって、だんだんとひきこもりがちになり、社会から孤立することがしばしばあります。少し前の元気な頃には謳歌できていた趣味や、仕事をリタイアされた後に楽しまれていた旅行などは、本人にとっても、ご家族の方にとっても、遠い存在です。それよりも、日に日に進行する症状、ハードになる介護、こういった目に見える『負』にばかり意識がいってしまう。当然ながらそれに、介護も、医療も応えていかなければなりません。さらには、社会制度も、サービスや商品の開発・設計も目に見える『負』に合わせて立ち上がっていきます。これはこれで必要で重要なことです。でも改めて考えた時、それだけでいいんだっけと。当事者の方の幸せとか、いわゆるQoL(Quality of Life)みたいな視点で考えた時、今これだけ技術が発達していて、そこにもっとアプローチできること、投入できる資源はないんだっけと、私たちは問い直します。こういった見過ごされてきた『負』は、実は100万人単位で存在するものが多くあるんです。

目に見える課題をやっつけていくと言うよりも、本来あるべき姿をイメージして、そのために解決すべき課題を考える感じですね。

リディラバの強みはそれができることにあると思います。今回の事業では、VR技術を使って認知症の高齢者の方に仮想空間で旅行へ行ってもらいました。ゲームなどで使われるようなあのVRヘッドセットを、80歳を過ぎたおじいちゃんおばあちゃんが装着する様子は中々目にすることはないものです。でもこれが、大変喜ばれたんです。今までリハビリに主体性がなかった方が、「この階段登って、VR旅行行こうね」の一言で意欲を出して、自分自身で階段をのぼっていったり、Wellbeingが高まったエピソードが頻出しました。認知症について、未だ大きな改善が見込まれる治療法や薬が確立していない現状において、むしろ認知症の方たちと私たちが共生していく社会を一つの理想像として思い描いた時、このおじいちゃんおばあちゃんの笑顔には、そこに近づく大変な価値があると思っています。

なるほど…確かに価値が高い。何よりその笑顔の瞬間に立ち会いたくなります。一方でプロジェクトを進める上で難しいことも多くありそうですが、仕事に取り組むうえでのやりがいはなんでしょうか。

ビジネスは本来、社会課題解決を推進していくためのものです。多くの会社が、誰かの困りごとを解決するために設立され、今もなおその目的のために事業を推進しています。しかし、そこの中で働く方全員が、社会貢献の手応えを持って日々仕事に邁進出来ているかといえば、それは「人による」となってしまう。多くの企業が分業によって効率化された組織を運営している前提では、自分のやっている仕事が、誰にどう役に立っているのか、そのことが社会にとってどう有意義なのかが見えにくくなります。社会とのつながり、社会貢献への手ごたえよりも、目の前にあるのは「達成すべき数値目標」。そのような中で、果たして自分は何のために仕事をしているのか。仕事を通じた自分と社会のつながりを見失ってしまう構造的な要因が、いまの社会、特に大企業には内在していると感じていします。

一方で私たちの仕事は、社会課題を起点にあらゆるプロジェクトが立ち上げるため、やればやった分、社会が良くなる実感を持ちやすい。事業・チームが成長し、大きくなることと、社会が良くなること、そのスピードが上がることは全く同じです。これは仕事をする上で大きなやりがいの一つです。ブレずに意味のある理想状態の実現を目指しますから、「今の仕事は何のために…」みたいな根本的なストレスとは無縁です。

また、今のリディラバはグロースフェーズです。組織はまだ小さく、これから確実に大きくなる。その状況下では、自分の成長はダイレクトにチームの成長、会社の成長に繋がります。自分を成長させることの意味づけが大きいということも、やりがいの一つと言えるでしょうね。

リディラバの強み、特徴はどんなところにあると思いますか?

まずリディラバならではのアプローチと言えるのは、「構造化」という課題の捉え方でしょう。先ほどの認知症の例で、多くのステークホルダーを挙げましたが、その絡み合った関係性が明らかになり、全体像への理解が進んでいるからこそ、どこに『負』が埋もれていて、なぜ見逃されるのか、なぜ本来あるべき理想状態が実現していないのかなどを、精緻に考えることができます。それに加えて歴史的な経緯も踏まえることで、例えば当事者の陥っている状況を深く洞察できます。

さらに、社内では常に「ミクロとマクロの往復ができているか」を問い直すカルチャーがあります。当事者に寄り添い、ミクロを出発点としながら、社会構造からマクロなアプローチを続けること。この考え方は、例えばインフラを担うような大企業や、より良い社会制度を考える役割の省庁に対して、大きな価値提供ができます。問題の概観をデスクリサーチで掴むことはありますが、課題解決やそれに向けた事業化などを視野に入れると、当然ながらそれだけで十分なことはまずありません。私たちのやり方は、当事者の元に実際に飛び込んで一次情報に当たり、人口動態などのマクロなデータを見ていき、またミクロに飛び込む。目の前の人を起点としながら事業を考えていくことが基本になっていて、決してテクノロジーや手法論ありきでは考えません。これも大きな特徴と言えます。

では事業開発チームという単位では、どんな特徴があるでしょう。

事業開発チームの大きな特徴は、社会課題解決に取り組みながらも、解決の手法自体は限定していないという点でしょう。企業・自治体・国がやれることがあれば、どんどん巻き込んでいく。例えば、国が「事例がないと制度を作るのが難しい」と言うならば、自治体と連携してその事例を先に作っていくのが私たちのチームです。さらには、その事例作りに企業が持つリソースが活かせるならば、協働の形を模索する。事業開発チームの仕事は、ハンズオン型のコンサルティングに近い側面がありますが、コンサルティング会社、シンクタンクの場合、普通はクライアントによってセクターが分かれています。企業担当、自治体担当などそれぞれで売上を上げる。これがリディラバでは、イシューによって分かれている。だからセクターを横断した連携、プロジェクトの組成が可能になるんです。

そんなチームが、少し先の未来として見据えていることはありますか?

今日本が、少子高齢化、人口減少の流れにあることは周知です。ただこういった日本全体の傾向から課題解決が始まることはなく、解決に向けては問題の解像度を上げていく必要があります。同じ高齢化でも、都市部では人口が増えながら高齢化が進んでいますが、地方では過疎化と高齢化が同時に起きているという見方をすれば、当然アプローチの仕方も変わります。高齢化に関する社会課題でいえば、例えば介護虐待。厚労省の調査によると、平成30年度に、高齢者を世話している家族、親族、同居人等による虐待が17,000件を超えています。今後も高齢化が進行していく中で、そこには私たちが未だ直面したことのない、大きなつらさ、苦しさを抱えた人たちがたくさんいます。このように社会が変化していくと、異なる背景でいろんな課題が発生してくる。そこに、私たちが果たすべき役割があると感じています。社会の変化に伴って、課題は発生し続けるものという前提をおけば、行うべきは誰よりも早く、精緻に、しんどい人、困っている人を発見し、企業や国やNPOのみなさんと協働しながら、解決に向けて、社会全体の資源を投入していくことでしょう。その水先案内人がリディラバでありたいと思います。結果、社会全体に散らばっている資源が、どんどん最適化されていく状態を目指したいですね。

未来を現実に変えていくには、これから参画してもらうメンバーの方はとても重要です。どんな方をイメージしますか?

リディラバ、事業開発チームのメンバーとして、大事なことは、何と言っても「仕事を通して、社会課題解決に貢献していきたいんだ」という思いですね。これはマインドの大前提。その上で私たちの頭の使い方は、ソーシャルセクターに特有、というわけではなくて、ビジネスの領域で行われてきた社会課題解決とも親しい気がします。社会課題の現場に対する私たちの眼差しは、少なくとも、可愛そうな誰かに手を差し伸べるというようなものではありません。自分も含めて誰しもが、課題の当事者になり得るし、今この瞬間も、ある側面においては、自分は課題の当事者であると考え、システム・機能から合理的に『負』を変えていくこと。この考え方が自然にできることが大事です。

中途採用がメインになりますが、どんな経験・資質があると活かせるでしょう。

今までご紹介してきたように、私たちの仕事は、国や企業などのみなさんとプロジェクトを立ち上げ、大きな『負』を解決していくことです。必然的に、大企業で抽象度が高い提案や事業立案をやってきた方や、自治体や省庁を相手にしながら可能性や限界を理解した上で、相手の実務的なスケジュールやマインドに合わせてコミュニケーションできる方などは、向いていると思います。

また、私たちはいろんなテーマ、イシューを扱い、解決の手法も限定していません。ゆえに掛け合わせの数も多くなります。そう考えると、特定のイシューではなく、興味関心が多様であることが必要です。事業を形作る中では、いろんな試行錯誤も必要になります。仮説検証をスピーディに質高く回していくこと、主体的、自律的に正解が見えない問いに立ち向かっていくことが求められます。そんな経験をされた方も魅力的ですね。

新規事業は、大抵の場合すぐうまくいきません。特に実証テストの段階では、考えていたことはまらないことがほとんど。それでも、手探りの中でなお、前に物事をすすめる突破力は「あの人を笑顔にする」という思いやパッションから生まれるはずです。現場において、人と出会い、課題と出会い、実現したいビジョンと出会う。その中で私たちが起点になって、協働パートナーである企業や省庁・自治体のみなさんとスクラムを組み、当事者意識を持って推し進めていくようになる事が、とても大事です。そんな関係を築ける方はベストですよね!

また、現在リディラバも事業開発チームも成長過程であることを考えると、今のメンバーやこれから参画される方はみなさんがリーダー候補であるとも言えます。事業開発チームにおいてのリーダーは、自分なりの仮説を持って、社会を俯瞰した上で、自分たちが担うべき役割を考え、その視座を落とさずに、どれだけ全体を推進していけるかが問われると考えています。そのためには、一つのプロジェクトの成功という観点を超え、上のレイヤー、プロジェクトの集積で状況を把握する視野が必要です。

最後に、井上さん自身がリーダーとして心がけていることを聞かせてください。

普段の姿勢として私自身が大切にしていることは、自分たちが社会の中でどういう役割を果たすのかを常に問い直し、社会のあるべき論を青臭く考え、そこに大きなギャップがあったとしても、埋めていくための普段のPDCAをどこまでやり抜けるのかを考えることです。あるべき姿の修正も辞さない姿勢は常に持っていたい。そういった考え方や姿勢が、チーム内外を一つにしていくと思いますし、多様なメンバーをアトラクトして、求心力の軸となっていけると思っています。

チームの現在地と目指す世界、そのために求める人材像が繋がっていて、伺っていて気持ちよかったです。ありがとうございました!

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