パトスロゴスの開発チームには、エンジニア未経験で入社したメンバーも多く在籍しています。今回は、塾講師からエンジニアへとキャリアチェンジし、入社からわずか1年半で主要機能の開発を担うまでに成長した濱崎さんと、HR共創プラットフォームの開発組織を率いる岡島さんにお話を伺いました。
未経験から挑戦したエンジニアが、どのようにして自立したエンジニアへと成長していくのか。その背景にある、パトスロゴスの成長環境とカルチャーの哲学に迫ります。
HRへの関心と市場価値への挑戦。異業種からエンジニアへ踏み出した理由
——本日はよろしくお願いいたします。まず、お二人のこれまでのご経歴と、現在の役割について教えてください。
岡島: 私は現在「HR共創プラットフォーム」の開発責任者を務めています。 もともと大学卒業後にアメリカで人事領域を学び、帰国後はHRプロダクトの開発キャリアを歩んできました。前職では一度HR領域を離れたのですが、やはりHR領域に後ろ髪を引かれる思いがあり、もともと興味関心が高かったこの領域にもう一度チャレンジしたいと思い入社しました。
——濱崎さんは、未経験から入社されたとお伺いしました。
濱崎: 私は2024年4月に「問題解決プロフェッショナル養成プログラム採用(社内通称:問プロ)」にて入社し、3カ月の研修期間を経て、現在は「Combosite人事給与」の開発に携わり、主に給与計算関連機能の設計・実装を担当しています。 前職は塾講師で、授業のほか教材作成やバックオフィス業務も行っていましたので、全くの異業種から転職しました。
——塾講師からエンジニアへ、というのは大きな決断ですね。なぜパトスロゴスを選んだのでしょうか?
濱崎: 前職時代に、塾業界の市場規模への懸念と社内のアナログな業務プロセスに課題を感じていました。SaaSを導入してもデータの二重管理が発生しているような状況でした。自分の市場価値を高めたい、成長市場に身を置きたいと考えたとき、パトスロゴスの「SaaS同士がつながる」という共創プラットフォームの思想に強く感銘を受けたんです。IT業界に飛び込む不安よりも、やってやるぞという気持ちの方が強かったですね。
“任せるマネジメント”が成長を後押しする。未経験でも活躍できる理由
——パトスロゴスでは、濱崎さんのように未経験から入社された方が短期間で大きく成長されています。その背景にはどのような理由があるのでしょうか?
岡島: 一番の理由は、仕事の任せ方にあると思います。入社後には独自の研修があり、その研修を通過したうえで配属されるため、自走するための思考力や実行力が全員に身についている前提があります。そのため入社前の経験の有無に関わらず、早い段階から比較的大きな開発タスクをお任せしています。もちろん簡単なタスクではありませんが、自分の限界を超えるような高い壁にチャレンジさせることで短期間でも大きく成長できると考えています。
——とはいえ、未経験の方に大きなタスクを任せるのは、マネジメント側にもリスクが伴うのではないでしょうか?
岡島:一般的な会社であれば、未経験の方に大きなタスクを任せることはリスクだと捉えることが多いと思います。だからまずは簡単な仕事から任せ、出来る事を少しずつ増やしていく。しかしそれでは本当に素養の高い、意欲的な若者にとっては物足りませんし、20代の最も吸収できる時間の使い方としてあまりに勿体ない。だから当社ではリスクを最小限に抑える仕組みをつくることで、意欲ある若手が積極的に挑戦していける環境を作っています。その仕組みが「問題解決プロフェッショナル養成プログラム採用」の入社後の研修であり、研修中「一切教えない」スタイルなんです。
この研修は、会社から提示される課題を自分自身の力で解いていき、すべての課題を突破した人から配属されるという、突破型のスタイルです。座学のような「講師が答えや解法を与えてくれる」ものは一切排除されているうえに、課題の提出期限も短い。その上、困っても誰も助けてくれない。だから何を達成すればよいのか、そのために何を作らねばならないのか、何を学ばねばならないのか、自分にとって未知の業務に対して、毎日のように仮説を立て、試行錯誤して、意思決定して進めていかなければなりません。中々ヘビーですよね。でも3カ月間こうしたプロセスをひたすら経験して現場に出る頃には、大きなタスクを与えられても物怖じせず、成功させるための最短距離に近いプロセスを考えて、自律して業務を進められる状態になっているんです。研修と違って現場に出れば同僚からの支援も得られる分、研修の方がキツかった、と笑っている人もいますね。研修を通じてそうした思考力はもちろん、メンタル面でも強い土台が作られるからこそ、会社としてもチャレンジを任せやすいんです。
「教えない研修」で育む、自ら考え抜く力
——入社後の3ヶ月研修は、具体的にどのようなものでしたか? 先ほど「一切教えない」とありましたが…
濱崎: 本当に何も教えられません(笑)。私の参加した年の研修では、第一課題が「●●(Webアプリ)の作成」、第二が「第一課題の機能拡張」、第三が「●●アプリ(第一課題とは異なるより複雑なWebアプリ)の作成」でした。 岡島の言う通り合格基準は教えられず、決まっているのは各課題の提出締切日と提出回数制限だけ。どこまでの機能を作れば合格なのかという線引きもそうですが、開発未経験でどう作れば良いのかイメージ出来ていないようなサービスに対して、期限から逆算してスケジュールを仮説立てたりしなければなりません。これが他社で聞く研修とは全く違う部分で、とても難しかったですね。
岡島: これは、将来エンジニアとして自立してもらうために、あえて受け身の姿勢を壊すように設計している研修なんです。テクノロジーが日々進化していく中で、何をどう活かして成果を出すかを、自分で考え続ける力が求められる職種です。だからこそ、私たちは“壁”となる課題だけを提示し、3ヶ月間その壁をどう越えるかを自分で考え抜いてもらいます。講師が用意している合格ラインを探るような仕事の仕方も求めていません。ユーザーが求める最高のアプリを自分で定義し、講師陣を唸らせるようなものに挑戦して欲しい。ですので課題を提出して不合格となった際も、基本的には「ここが違う」といった講師側が最低限用意している答えに誘導するようなヒントは与えません。実際の現場でも、お客様の要望は明確でないケースが多く、その前提であっても機能を開発していく必要がありますから。そのプレッシャーの中でやり切る経験こそが、本当の意味で現場で通用する力を育てると考えています。
——研修を終え、現場配属から1年半が経ちました。最も成長を実感したエピソードを教えてください。
濱崎:配属されて3ヶ月ほど経った頃、ある大きな機能の開発を任されたんです。プロダクトはいくつかのサブシステムに分かれていて、その中の一つを自分がメインで担当することになりました。引き継ぎはありましたが、そのサブシステムについては自分が一番詳しくなければならない立場です。開発だけでなく、他のメンバーからの技術的な質問や、コンサルタント経由で届くお客様からの問い合わせにも、自分で対応していく必要がありました。それが最初に経験した大きなチャレンジでしたね。
——HR業界もIT業界も未経験の中で、知識のキャッチアップは大変だったのではないでしょうか?
濱崎: そうですね。もともと業務知識がまったくなかったので、そこを理解していくのが一番大変でした。機能の規模が大きい分、関連する知識も幅広く、最初は追いつくのに必死でしたね。乗り越えるためには、とにかく上司や他のメンバーと話す量を増やすことを意識しました。わからないことをそのままにせず、朝会などで進捗や課題を共有しながら、一つひとつ確認していくようにしていました。問題があればすぐにフォローしてもらえる体制があるので、そうした周囲のサポートには本当に助けられました。
——研修での自走力と、現場での伴走がセットになって若手の成長を支えてるのですね。研修以外で、例えばコードレビューや勉強会など、日々の学びを支える仕組みはありますか?
岡島: コードレビューは特別な仕組みというより、日常的に当たり前のように行っていることですね。勉強会も、私たちマネジメント側から開催することもあれば、現場のメンバーが自発的に開いてくれることもあります。そうやって自然に学び合う動きが生まれていること自体が、パトスロゴスらしさなのかもしれません。研修中は自走するための力を養うために敢えて「教えない」スタイルですが、配属後はむしろわからないことを聞くのが当たり前の環境になっています。毎日の朝会などで課題を吸い上げる仕組みもあるので、困ったことがあればすぐに相談できる体制が整っています。
「自分の領域に一番詳しい」主体性を重んじるチーム文化
——岡島さんがエンジニア組織を率いる上で、大切にされている価値観を教えてください。
岡島: 濱崎のエピソードにも通じますが、お願いした領域においては、自分自身が一番詳しい状態になってほしいと強く思っています。 例えば小さな不具合修正だったとしても、そのタスクを任された以上、そのソースコードのその領域においては一番詳しくなるべきだと考えています。タスクの重い軽いに関わらず、この領域は自分が一番詳しいんだという自負を持って仕事に取り組んでほしいと思っており、そういう組織でありたいですね。
——濱崎さんは、今の開発組織の雰囲気をどう感じていますか?
濱崎: まず、コミュニケーションがすごく取りやすいです。研修中は休憩時間以外は同期とは一切話してはいけない環境でしたが(笑)、配属されたら本当に聞きやすい雰囲気があります。お互いに情報を共有して、相乗効果でチーム全体のレベルを上げていこう、という雰囲気が当たり前にあります。
もう一つは、同じ厳しい研修を乗り越えてきた同期の存在ですね。研修が終わってもチャレンジ精神が強いメンバーばかりなので、お互いのタスクを日々共有し合って、切磋琢磨しています。配属後も、研修以上のスピードで成長している実感がありますね。
——将来的なキャリアパスについては、どうお考えですか?
岡島: いわゆる「はしご型」のキャリアパスは、あえて用意していません。まずは、その人自身の思考や性格も含めた得意分野や強みを明確にしたいですね。その上で、本人がエキスパート的な役割を望むならそれをサポートしますし、マネジメント領域に進みたい人にはその道を用意します。私たちがやりたいのは、キャリアパスを提示することではなく、その人個人の強みを見つけて、それを伸ばすサポートだと考えています。他社でも活躍できるような人材に成長していってほしいとさえ思っています。お願いした領域で一番詳しいとなったものが例えば技術領域となり、それをもとにステップアップできれば個人の成長にコミットしたい弊社としてはとても嬉しく思います。会社としてはステップアップできるポジションをその都度用意できるような環境であり続けたいですね。
——濱崎さんご自身は、今後どのようなエンジニアを目指していますか?
濱崎: まずは、自分の強みと呼べる専門領域をしっかり確立していきたいと考えています。単にコーディングができる人はたくさんいますし、AIに置き換えられる部分も出てくると思います。だからこそ、技術力を土台にしつつ、その上で自分にしか出せない価値を発揮できる領域を見つけたいと考えています。パトスロゴスは、スキルが伴えば既存の枠にとらわれずにチャンスを掴める環境です。上を目指して学び続けながら、後輩たちの勢いにも負けないように、ステップアップしていきたいですね。
仕事を前向きに楽しめる人と、一緒に成長していきたい
——最後に、どのような方と一緒に働きたいか教えてください。岡島さんからお願いします。
岡島: 自己成長意欲が強い方はもちろん大歓迎ですが、私個人としては、仕事を楽しいと思える方がいいですね。1日のほとんどが仕事の時間になるので、その時間が楽しめなかったら、もったいないじゃないですか。もちろん過労働は本末転倒なので、そこは私たちがコントロールします。仕事の時間を前向きに楽しめる、そういう人たちと一緒に働きたいです。
濱崎: やはり成長意欲が強く、チャレンジングな課題に対しても、自分でトライ&エラーを繰り返して問題解決に持っていける方と働けたら嬉しいです。チームには高い意欲を持ったメンバーが多く、互いに刺激し合いながら切磋琢磨しています。私たちも常に全力で取り組んでいるので、そんな熱量を楽しめる方にぜひ来ていただきたいです。