こんにちは!株式会社パタンナーです。
こちらの記事は、代表の深野が全社総会で話していた「創業エピソード」の内容をもとに記事化したものになります。
深野はパタンナーを創業前、自分がやりたいことに対して悶々とする日々を過ごす中で何かヒントを得ようとアメリカに行くことにしたようです。その際のお話しとなります。
「“ものづくり”してない」 シリコンバレーで受けたショック
2020年、私は思い立って一人で(Google翻訳を片手に)シリコンバレーに行きました。目的は「アメリカの最先端の現場を自分の目で見たい」ということでしたが、実際に現地に行って強く感じたのは悲しいほどの「日本の存在感のなさ」でした。かつて街中にあふれていた日本メーカーの看板はどこにも見当たらず、シリコンバレーの現場で使われているソフトウェアはほとんどが北米製でした。
現在、日本の自動車メーカーもその他の有名企業も、実は設計や業務の根幹にあるツールは海外製を使用しています。
日本企業の要望が、これらのグローバルツールに優先的に反映されることはありません。海外製品が最初にリリースされてから日本語版が出るのは1~2年はかかります。
この状況を目の当たりにして、「このまま“つくる側”を手放したら、日本は本当に貧しくなる」と危機感を覚えました。
コンサルタントからエンジニア、データサイエンティスト、経営へのチャレンジ。
私のキャリアは、経営コンサルティングファームから始まりました。若手のうちに多様な産業や課題に触れたことで、「もっと自分の手で価値を生み出したい」という気持ちが芽生えてきました。
そこで、27歳で一度独立し、そこから独学でプログラミングとデータサイエンスを学び、技術の世界に足を踏み入れました。本当に全てがまったくの未経験からスタートでしたね。
ですが、1度目の起業は、マーケットリサーチ不足などもあり、一旦閉業。
その後、実務を積むため、AI系ベンチャー企業に入社しました。ここではスタートアップらしいスピード感で、組織開発にも携わらせていただき、データサイエンティスト集団の形成も行いました。最終的に役員として経営にも関わり、現在の起業前にかなり濃い経験をさせてもらいました。
一方で、副業としてデータ分析の案件を請け負い、そちらも順調に拡大。2年弱で再度独立することにしました。
この頃には、企業のデータ活用支援における“共通の壁”みたいなのが、少しずつ見えてきていました。
データの現場で何度も感じた「根本的な課題」
これまで多くの現場を見てきた中で、ある課題に何度も出会いました。それは、「社内のデータが、どこに何があるか分からない」という非常に基本的な問題です。
データはある。でも探せない。意味が分からない。誰が作ったのか分からない。
これでは、どんなに分析スキルがあっても活用できません。
この“見えない壁”をどうにかしたい。と思うようになったんです。
「自分たちの手で、データの土台をつくろう」と決意
2021年、私は法人を設立し、データ活用のインフラとして「国産のデータカタログをつくろう」と決めました。当時は、「日本でデータカタログをつくるなんて」と思われることもありました。でも、だからこそやる意味があると思ったんですよね。日本の企業が自分たちのために使える、現場の言語で動くツールを目指しました。
生成AIの時代が、タヅナに追い風を与えた
私たちのプロダクト名は『タヅナ』です。日本企業を一番に考えて作っています。ですので「(日本企業にとって)世界一はじめやすいデータカタログ」とお伝えしています。
この開発と並行して、世界では生成AIが急速に普及していきました。ChatGPTの登場は、その象徴です。
でも、多くの人が「生成AIって、すごいけどなんか惜しいんだよな」と実感していると思います。
その理由はシンプルで、AIは正しいデータがなければ正しく動かないからなんです。
つまり、AIの性能を活かすには、データをどう整理し、意味づけするかが極めて重要で、その“器”が、まさにデータカタログなんです。
始まった、“つくる側”としての挑戦
『タヅナ』はまだリリースされて1年ほどです。導入実績もまだこれから積み上げていかなきゃいけないです。でも、確実に状況は変わり始めていると実感しています。
今までは「まだ早い」と言われていたデータカタログですが、現場の方と会話をすると「今必要だ」と言われるようになってきたんです。生成AIがそれを後押ししてくれているのです。
私たちは、ただ“使われる”側ではなく、“つくる”側でありたい。
このプロダクトで、再び日本が「ものづくりの国」として立ち上がる一助になれたらと、本気で思っています。
さいごに
自分たちの手でプロダクトを作り、日本企業の再活性に興味があるという方がいたらぜひお話ししましょう!お気軽にご連絡ください!