トランスコスモス株式会社
DI事業本部 マーケティングイノベーション統括部 Webデザイナー
田中 三貴さん
未経験としてWebデザイナーのキャリアをスタートされた田中さん。
デザイナーという枠にとどまらず、ディレクターとしても活躍されています。
トランスコスモスに入社を決めた理由や業務におけるやりがいや苦労、今後の展望について伺いました。
「デザインがなによりも好きだ!」その気持ちを胸にIT業界へ
ー前職ではどんなことをされていましたか?
前職ではテレビ局のディスクメディア部門というところで、メディアのオーサリング(Webにおけるコーディングのようなもの)とか、DVD・ブルーレイに収録されるメニューデザインを作っておりました。5年ほど勤務していたんですが、ちょうどDVD・ブルーレイよりNetflixみたいな配信が台頭してきた時期でありまして、今の仕事が10年後、20年後も続けていけるような技術ではないのかな、というのを現場の中で感じていました。
自分の今までの経歴というものを生かして新しい仕事をしようと思った時に、自分自身が「デザインもできるし、なにより好きだ!」というところと、メディアは違うものの今までコーディングをしてきた経験も活かせるんじゃないかなと思って。未経験にはなるものの、Webデザインを視野に転職先を探して、結果トランスコスモスに入社できたという次第です。
ー未経験での入社に、不安はありましたか?
不安しかなかったですね(笑)。Web業界を目指したいなって思い始めた段階で独学を始めて、書籍を読んだり、「未経験の人は何をしたの?」みたいなブログを読んでみたり。ある程度コーディング技術も必要だよって書いてあったので、プロゲート※でHTML・CSSを一通りやってみたりもしました。
※プロゲート:オンラインのプログラミング学習プラットフォーム
ートランスコスモスのどこに魅力を感じて、入社を決意されたんですか?
すごく色々な業種の企業様と取引しているところですね。所属されている社員やデザイナーの数も多い中で、色んな人と接して、仕事に幅をもたせられるんじゃないかっていうのに魅力を感じて、それがきっかけかなと思います。
あとは、トランスコスモスの規模感ですね。デザイン系の職種は、未経験で採用してくれるところってそもそも見つけづらくて……。トランスコスモスは規模も大きいし、未経験でも大丈夫ですよっていうところに「いいな!」と感じまして、ぜひここでやりたいなっていう風に考えました。
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ディレクターも経験した異色のデザイナー
ー入社後は、どんな業務をされたんですか?
実は入社して2カ月後ぐらいにオンサイト(お客様先に出向いて業務をおこなうこと)に行くことになりまして。デザイナーとして業務してはいるものの、やっぱり「そもそもどうしたらいいの?」といった根本的な部分もお客様から聞かれるんですよね。デザインの知識だけではなかなか答えられないものが結構あるなっていうのを感じて、その後、2年ぐらい別の課に所属してディレクターを経験しました。
ーディレクターも経験されているのは珍しいですね!
自分にとってディレクターの経験は、非常に大きい部分かなと思いますね。たとえばお客様の課題に直面した時って、必ずしもデザイン的なアプローチで解決できるものだけではないんですよね。場合によってはコーディングの部分でもう一回見つめ直すとか、そもそも目的に対して手段が適切かどうか見直す、みたいなところも非常に多くて。ディレクターの経験と知識があるからこそ、そういった時に積極的に意見できるというのはあります。
ーオンサイト業務で苦労を感じることはありましたか?
出社してお客様の顔を見ながら、お話しすることにはなるので、「常に最新の正しい知識を持っていなければいけない」という緊張感があります。お客様の課題に対して、解決に向けての回答をその場で考えて、ある種、柔軟なスキルが求められるので。ただ一方でお客様がどういう課題をもっているのか、お客様の本音を直接聞けるっていうのは貴重な経験だな、という風に感じているので、個人的にはすごい勉強させてもらってるなって思っています。
ーオンサイト業務で良かったことはありますか?
私は入社してすぐにお客様のところで業務という形になりまして、いきなり窓口として立つのに緊張と不安はあったんですけど、やっぱりそういう経験をさせていただいたことで「自分がどういうデザイナーになるべきか」っていうのを見つけられたと思います。
自分のセンスや経験でゴリゴリと作ることができる、っていうことも必要なスキルではあるのですが、お客様に求められるものって「そもそも課題をどう解決すればいいの?」っていうことも多く、それに対して、理論的に人に伝えることができるデザイナーが必要なんだなっていうのは現場ですごく感じましたね。
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多彩なメンバーだからこそ実現できる高いクオリティ
ー仕事をする上で、大切にしていることはなんですか?
色んなメンバーと一緒に制作する機会が多いので、ナレッジや考え方、技術的な知識を共有していくことが、すごく大切だなって感じています。
お客様が求めているのは高いクオリティーであり、そのためには多くのメンバーと協力して、多角的な視点でデザインに取り組むことが重要だと考えています。そしてメンバーが協力するためには、それぞれが持つスキルや強みを理解して、効果的に発揮できるように場を整えておくことが大事だな、と最近思うようになりました。そのためには日頃から他のメンバーの実績や経験を聞いたり、自分の経験を伝えよう、記録にして皆に知ってもらおうっていうのを、すごくこの5年で意識しましたし、常々大事だなと感じていることですね。
ートランスコスモスで得たものを教えてください。
やっぱり経験の幅じゃないですかね。前職では考えられないくらい幅広い業種、お客様、あと媒体もWebにとどまらず、チラシ、紙、珍しいケースでいえばデジタルサイネージの広告とか。世の中の色んなクリエイティブに携われた経験は、他の会社ではなかなか考えられなかったのかなぁ、と。それはやっぱりトランスコスモスだからこそ得られたものかなって思います。
ー今後はどんなことにチャレンジしたいですか?
自分の中では色んな人に優しいユニバーサルデザインを体系的に学習したい思いはありつつ、個人的にゲームが好きなので(笑)、ゲームやエンタメ系の案件にも携わりたいな~と思っています。
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トランスコスモスのWebデザイナーを目指す方へ
ー入社して驚かれたことはありますか?
デザインってセンスや経験が重要視される業種なんだろうなって勝手にイメージしていたんですけど、Webデザインに関しては、全然そうじゃないんだなってすごく感じています。デザインとは関係なさそうな業種から、珍しい方だと元・営業とか、元・塾講師とか……、異業種からデザイナーになられた方が結構いらっしゃいますね。そういう方とご一緒すると、自分にはなかったアイディアや視点に気付かされて、とても刺激になります。
ーどんな方がデザイナーに向いていると思いますか?
デザイナーは色んな方面に愛情がなくちゃいけないなって感じていて。デザイン自体もそうなんですけど、まずは人に対して愛情がないと難しいのかなってすごく思っています。たとえばいろんな人が使うためのユニバーサルデザインを考える上では、まず人の行動や、身体的・心理的な部分を理解しないといけない。ボタンやページで自分の意図しない結果が出てしまった時に、「なんでそうなったんだろう?」を考えて改良していくっていうのも、ある種の愛情かな、と。「なんでできないの?」っていう一方的な考えになってはいけないんですよね。
へこたれずトライし続けるっていうことが、やっぱりデザインには必要で大切な作業になってくるので、愛情深いっていうのがデザイナーの素質の一つなのかな、って感じています。結果が思い通りにならなくても「やり続ける・トライし続ける」。ある種、献身的な愛情ですよね。
ーこれからデザイナーを目指す方に、アドバイスをお願いします!
自分の好きなもの、得意なものを見つけておくのが大事だなって感じています。自分が何が好きで、どういうことが得意っていうのを知っておくと「どんなデザイナーになりたいのか」、自分のキャリアを今後決めていくための一つの指針になるのかなと思うので、自分にとっての好きなものと得意なもの、それぞれを人に紹介できる程度に知っておくと良いんじゃないかなって思います。